《銀河高原ビール》〜偉大なる挑戦者〜

 地ビールメーカーの銀河高原ビールの主力ビール。かつてはインクブルーのきれいなビンのものも売られていたが、最近はあまり見なくなった。そのかわり、この缶のものはあちこちの酒屋やスーパーで本当によく見かけるようになってきたように思う。

 以前にも書いたが、銀河高原ビールは、大手4大メーカーとの差別化を図るため、あえて製造コストのかかる麦芽100パーセント・無濾過・酵母入りの本格ビール作りで勝負してきたメーカーである。

 そういうメーカーの商品が、どうにかこうにか定着してきたということは、日本のビール文化がようやく少し進歩してきた、ということなのかもしれない。

 銀河高原ビールは小麦を使ったヴァイツェンタイプのビールで、果実のような華やかなエステル香が楽しめる。炭酸や泡もしっとりときめ細かく、大手4大メーカーのプロセスビールのような荒々しさがない。

 最近は大手もチルドビールなどに力を入れているが、例えばキリンの「まろやか酵母」や「ホワイトエール」に比べると、銀河高原ビールの方が小麦のビールらしい思い切りの良さが造りに感じられる。後発の地ビールメーカーが、大メーカーが独占する市場に参入していくためには、中途半端な味では駄目だからであろう。しかし、それゆえに大きな冒険でもあったわけで、それがこのように受け入れられつつあることは、大変喜ばしいことである。

 

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