《アサヒ 熟撰》〜アサヒ流正統派プレミアム〜

 アサヒが2004年に飲食店専用に開発したプレミアムビール。ということで、飲みたいときにはそこの店に行くしかないのだが、なかなか置いている店に行く機会がなくて、ずっと飲めずにいた。

 それがつい最近、近所にこれを小売している店を見つけたのである。やったね。

 さっそく買ってきて飲んでみた。

 写真を見ると大ビンのように見えるかもしれないが、小ビンである。熟撰は中ビン・小ビン・樽詰しか販売していない。

 アサヒは早くから麦芽100パーセントビールにあまり力を入れてこなかったことは以前にも書いたが、この熟撰のホームページでも、「麦芽100%のビールだと、どうしても重すぎる」「日本ではビールの製造初期から米とコーンスターチを副原料として使用してきた。麦芽100%のビールは、どうしてもとげとげしく、重いビールになる傾向がある。」等々と、麦芽100パーセントビールを全面否定。それで「逆に副原料を見直して、積極的に使ってみよう」ということで、米のまろやかさと、コーンスターチの軽やかさによって、麦芽だけでは出し切れない複雑な味わいを引き出したのだとか。

 だが、実際に飲んでみると、印象が薄い。

 トータルバランスのとれた、悪くない味であるけれど、逆に言うと特徴がない。よく出来た「普通のビール」というところ。

 もし、たまたま入った飲食店に、「スーパードライ」とこの「熟撰」が置いてあったなら、確かにこちらを選ぶだろう。

 しかし、同じ店にエーデルピルスハートランドがあったなら、そちらを選ぶだろう。

 あるいは、小売店の店頭に並んでいて、他のビールと値段が変わらなかったなら、何回かに一回は購入することはあると思う。

 けれども、何かの記念日等に、特別なビールを飲みたいと思ったら、この熟撰は選ばないだろう。

 ということで、「プレミアム」にしては、どこか味の印象が薄いビール、という感じである。

 

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