キリンのザ・プレミアム無濾過の季節限定版である「シーズンズ プレミアム」の第3弾。冬のビールはこの「ビアショコラ」である。
ショコラと言うと、チョコレート風味のビールが思い浮かぶ。このビアショコラも実際に瓶に「チョコレート麦芽一部使用」と謳っている。ただ、このチョコレート麦芽というのは、「通常の麦芽を焙煎してカカオを想わせる香りを特長とした(メーカーのホームページより)」麦芽のことで、決してカカオそのものを使っているわけではない。
以前「恵比寿麦酒記念館」で限定醸造の「ショコラブルワリー」というのを飲んだことがあるが、それは原料にカカオを使っていたようで、かなり強いチョコレートのフレーバーとほんのりとした甘味が感じられるコクのあるビールであった。今回のキリンのビアショコラも同じような味のビールか、と思って飲んだところが……。
チョコレートの風味、というのは言われれば確かにそんな感じがする、と言った程度。そしてメーカーでは「濃厚」としているが、意外に軽い飲み口である。醗酵方法はメーカーのホームページでは特に触れていないが、下面醗酵のようだ。つまり黒ビールの味わいである。同社の「一番搾りスタウト」に近い味といったところか。
それなりに美味しいビールかもしれないが、チョコレートの濃厚な味わいを期待すると肩透かしをくわされる。
あまり濃厚にすると売れない、というメーカーの判断があったのかもしれないが、限定醸造だからこそ、もっと思い切った味のビールが飲みたかった、というのが正直なところである。