ビールの好きな人ならば、まだ規制緩和で地ビールが解禁になる前から、アサヒ・キリン・サントリー・サッポロの大手4大メーカーの他に、沖縄で独自にビールを作り続けていたオリオンの存在はご存知なのではないかと思う。
そもそもオリオンビール株式会社は昭和32年のまだ米軍が統治していた頃に、雇用創出と経済発展を目指して創立されたとか。
その後、ずっと沖縄を代表するビールとして今日まで愛飲され続けてきているのだ。
残念ながら本土では殆ど流通しておらず、たまに大手デパートや、沖縄物産を扱う店等で見かける程度である。
オリオンは「ラガー」「太陽仕込」等の製品や発泡酒もあるのだが、今回は一番ポピュラーな「ドラフト」を当地沖縄で飲んでみての感想。
オリオンドラフトは、大手4大メーカーの本土で流通しているビールとは、味の点で一線を画している。
麦汁、と言うよりは、麦そのもののような独特の香りが感じられるのだ。その味わいは、正直言って本土で飲む場合には「クセ」のように感じられることもしばしば。
ところが、これが沖縄で沖縄料理と合わせると、何とも言えない独特の旨さに変化する。この場合は、逆に本土のサッパリ系ビールでは役不足に思えてくるのだ。やはり現地のものは現地の食べ物と一緒に口にするのが一番か。
本土で飲む場合でも、暑い夏に沖縄料理や沖縄の音楽と合わせたらきっといけるのではないかと思う。
そういえば以前渋谷にブラジルのシュラスコ料理の店があって(残念ながら現在は閉店)、そこでオリオンの樽生を出していたが、この組み合わせも良かった。どちらも同じように南国のものだから、相性が良かったのかもしれない。