《サッポロ 畑から百三十年》〜創業百三十年記念ビール〜

 今年から麦芽とホップも共同契約栽培100%にしたサッポロビールだが、その前身は1876年(明治9年)に北海道開拓使が札幌に建設した官営ビール工場を1888年(明治20年)に引き継いだ札幌麦酒会社なので、今年は創業からちょうど百三十周年にあたるのだとか。

 そしてそれを記念して限定で醸造したのがこの「畑から百三十年」だ。

 缶のデザインには創業以来のデザインである赤い星。今ではサッポロラガーにしか用いられていないこのデザインをあえて採用したところにもサッポロの意気込みが感じられるではないか。

 原料は麦芽・ホップのみのオールモルト。その麦芽は自社比で通常の1.5倍用いているとか。

 注いだ時の香りはそんなに華やかではない。モルトの香りを引き立たせるためにあえてホップの香りを抑え気味にしたのだろうか。飲んでみるとおだやかなコクではあるものの、確かに麦芽の甘みとうまみを感じる。この時期、キリンからも麦芽1.3本分使用の「秋味」が発売されているが、麦芽の味わいでは百三十年の方が上とみた(0.2%の差か?)。小売価格がヱビスやプレミアムモルツやアサヒプライムタイムのようなプレミアム価格帯ではなく、スーパードライ・モルツ・一番搾り・黒ラベル等と同じ普及価格帯であることを考えると、良い出来のビールではないかと思える。

 ただし、限定醸造なので飲めるのは今回のみだ。まさか来年に「畑から百三十一年」などというビールを作ったりは出来ないだろうからね。

 

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