サッポロがセブン&アイグループのPB(プライベートブランド)商品として開発したビール。2012年11月27日発売。他のコンビニ限定商品が続々と出るためその紹介に追われ、取り上げるのが一年近く遅れてしまった。そうしたら、今年(2013年)の夏あたりに缶のデザインが一新されていた。このリニューアルに関して、ネット上にサッポロからもセブン&アイからも何の公式アナウンスも見つからない。???である。
発売当初の売りは「サッポロビールならではの取り組みである協働契約栽培の原料を100%使用し、麦芽100%による凝縮した麦のうまみ、氷点下熟成による雑味のないキレ味を実現しました。さらに、ガス圧を高めに設定することで、刺激・ドライ感を高め、コクとキレを両立。また、本格的なビールでありながら値頃感のある価格を実現し、日常的に気軽にお飲みいただける商品です」(サッポロのニュースリリースより)とある。アルコール分は5%。
スーパードライとの競合を狙ったのか、当初の銀色の缶のデザインはモロにスーパードライの模倣となっている。ただ、飲んでみるとやはりオールモルト系なので、ドライとは味の指向が異なり、スーパードライのようなシャープなキレはない。モルトのコクもそんなに存在感もなく、悪く言えば中途半端な味である。
セブンイレブンでの小売価格は350mlで198円。スーパードライ等普及価格帯のビールが同店で215円であることを考えるとやや割安ではある。
だが、今や首都圏を中心にものすごい勢いで店舗数を増やしているイオン系コンビニ風小型スーパー「まいばすけっと」だと、スーパードライ等普及価格帯の麦酒は180円。サントリープレミアムモルツでも207円だ。しかもコンビニ用330ml缶ではなく、正規350ml缶で、である。
こう考えると、このセブンプレミアム100%MALTが苦戦を強いられたとしてもおかしくない。
だから缶のデザインを変えてリニューアルしたのかもしれない。今度の缶はサントリーモルツに似ている。新しい缶では「麦芽100%のうまみ、冴えわたるキレ味」と書いてある。でも、味にそう変化は感じられなかった。
業界初のPB商品、ということで注目されがちなこの商品であるが、愛飲家にとっては流通経路などどうでもよいことであって、ただ価格と味のバランスの良い商品を選ぶまでのことである。期間限定商品ならばもの珍しさで短期に売れることはあるかもしれないが、通年商品となると、既存のビールよりよっぽど安いか旨いかでなければ他社のブランドを切り崩すのは難しいだろうなぁ。