アサヒの復刻ゴールドに続き、サッポロからも同社初の缶ビールがコンビニ限定で復刻発売された。
アサヒに触発されたのかと思ったら、そうではなく、サッポロがネット会員を対象に2008年11月に実施した『もう一度飲みたいビール』アンケート調査で、最も支持が高かったのだとか。
昭和34年発売とのことであるから、今年がちょうど発売から50周年にあたるという節目の意味もあったという。
缶のデザインは、企業デザイン・コンサルタント会社ランドーアソシエイツ(Landor Associates)の創立者であるウォルター・ランドー氏によるもので、このデザイン缶は20年以上も売られたとか。言われてみれば、このデザイン缶に見覚えがあるようなないような(その当時は飲酒の習慣はなかったもので記憶が定かでない)。
原材料は昔の日本のビールの主流であった、米・コーン・スターチの副原料を用いるもの。アルコール分4.5%もかつての日本の主流の度数だ。そしてアサヒの復刻ゴールド缶とは異なり、現在も熱処理ラガーを作っているサッポロは、この復刻缶ビールもきっちり熱処理で再現してくれている。
飲んでみると、やはり副原料使用のせいか飲み口は軽い。ただし、苦味が強い。メーカーの言うような「爽やかな苦味」ではなく、熱処理特有の重みのある刺激だ。たぶん若者受けはしないだろうけれど、これこそが昔の大人の飲み物という気がする。間違いなくかつての日本の主流であったラガービールの味で、懐かしい。
例えば同時期に店頭に並んでいる「一番搾り とれたてホップ」のような現在主流のビールと比べると、麦のコクにおいてもホップの華やかな香りにおいても及ばないのであるが、ノスタルジーを刺激する、という点ではこういう商品の復刻発売は嬉しいものである。