サントリーに引き続き、サッポロもイオン(株)経営の「ジャスコ」等で、限定ビールを発売した。
ドイツ協働契約栽培農家で生産した麦芽とホップを使用したのが売りで、メーカーのニュースリリースによると、「従来の麦芽100%ビールにはないすっきりとした爽快さとほんのり香る麦の風味が特徴で、まろやかで飲みやすいタイプのプレミアムビールです」とのこと。ん? どこかで聞いたような言い回しだな、と思ったら、これは「畑が見えるビール」とそっくりである。しかもこのビールも「ヘレスタイプ」なのだとか。
「畑が見えるビール」はプレミアムビールなのに個性に乏しいパッとしないビールであったが、プレミアムビールの市場が拡大している中、もう一度同じ「ヘレスビール」で勝負に出たということなのだろうか?
飲んでみると、「畑が見えるビール」よりはホップやモルトの風味が豊かな気がする。ただ、同社のヱビスにはもちろん及ばない。
「この商品は、イオン株式会社の『安全・安心と環境に配慮した商品の取り組み』とサッポロビールの『協働契約栽培』という両社の取り組みを具現化したものです(「ニュースリリース」より)」とメーカーは胸を張る。確かに真面目に作っているのだろうけれど、また買って飲みたいビールかと言うと?である。やはりインパクトに乏しく、印象に残らないのだ。
「畑から育てた麦芽100%まろやかビール」という商品名も、作り手の気持ちをあらわそうとしてこんな異様に長くなったのかもしれないが、真面目にやればそれでいいという訳にいかないのは、人間の場合と一緒なのだろうなあ。