サッポロが昨年の九月に実施した、「復活総選挙」で一位になったため、1月30日にリバイバル発売したビール。サッポロは以前にも「焙煎」を投票人気によって再発売しているが、なんだか過去のノスタルジーにすがってばかりだなぁ。
それにしてもこのビール、1994年の発売当時には確実に飲んでいるはずなのだが、全く記憶にない。
そこで、当時発刊していた「びいるじゃあなる」を引っ張り出して見た。その時に試飲レポートを担当していたのは自分ではないので、なおのこと印象が薄いのだと思う。記事は「何が蔵出しなのだかわからない」という書き出しで始まっている。確かに19年たった今でもわからない。何が「蔵出し」なんだ? 当時は時任三郎が宣伝をしていたらしい。当時としてはまず数の少なかったオールモルトのビールである。だが、試飲レポートは「飲んでみるとオールモルトとは思えない軽さだし、香りも薄い」とあり、「結局のところ何のためにつくり、何のために売っているのかがよくわからない、というのが正直な感想である」と結んでいる。うーむ。
今飲んでみてもそんなところである。アルコール分は4.5%。当時はほとんどのビールはこれくらいだった。今となってはライトな部類となってしまったが。
それにしても、今となんでこれが復活総選挙の一位なのか?
ということで、サッポロのホームページで確認したところ、二位が「エーデルピルス」、三位が「吟仕込」、四位「焙煎」、五位「スーパースター」と続く。
つまりはこの五製品の中での投票なのだということがわかった。エーデルピルスは業務用の樽は販売しているので、今一つ票が伸びなかったのかもしれない。だが、三位〜五位の顔ぶれを見ても、特に魅力的な商品とは言い難い。
結局、エーデルピルスを除き、魅力に乏しい商品の中での一位ということなのだろう。だとしたら寂しい話である。
サントリーにも完全に抜かれ、勢いのないサッポロはやることなすことすべてが後ろ向きに思えて仕方がない。