《サッポロ ラガー(缶)》

 愛飲家から「赤星」と呼ばれ親しまれているサッポロ・ラガービールは、ビン販売のみというスタイルからか、店頭で見かけることは少なかったのだが、ここにきて缶でコンビニ数量限定発売されることとなった。

 缶には「JAPAN'S OLDEST BRAND」という英文とともに「現存する日本最古のブランド」と日本語でも明記されている。これは、1877年に最初に赤い星のデザインのラベルを用いた初代「札幌ビール」から数えてのことであり、そうすると今年で132年ということになり、同じく今年で生誕120年を迎えたキリン・ラガーよりも古いことになる。

 ビンのサッポロ・ラガーに関しては、以前に思い入ある文章を書いたことがあるが、あの時には「いつ生産中止になっても不思議ではない」と思っていたのだが、こうして今も生き残っているだけではなく、缶発売までされるとは感慨無量である。

 味は熱処理らしい苦味のきいたボディのあるもので、近年のサッパリ系ビールとは一線を画するものだ。本当にビールの好きな人のための大人味のビールと言える。

 サッポロは近年発泡酒等を含めたビール市場では、サントリーの猛追を受けてシェアを落としているが、そんな中、サッパリ系の新商品ではなく、敢えて自社の原点とも言えるラガーブランドを缶で発売したことは勇気ある決断と言えよう。このサッポロの心意気に乾杯である(もちろんサッポロ・ラガーで)。

 

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