《サッポロ まるごと国産》

 2014年4月22日首都圏限定発売。

 メーカーのニュースリリースによれば、「世界で唯一、自社で育種開発した大麦とホップを用いた、国産原料100%ビール」「原料は、当社が長年の研究で品種開発した埼玉県産大麦「彩の星」の麦芽、北海道富良野産ホップ「リトルスター」を100%使用しました。上質な麦のうまみ、スッとひく後味と心地良いホップの香りが特長です」とのこと。

 前作の「ニッポンラガー」では麦芽は国産のものを「ふんだんに使用」していたのが、今回は遂にすべて国産でまかなったというものである。

 すべて国産の材料で、というのは一つの試みとして評価できるとは思う。ただ、日本という国がビール用の二条大麦やホップの栽培環境として最適なのか、という点ではやや疑問は残る。もちろんこの場合はコストも含めての話である。

 アルコールは5度。麦芽100%。価格は350ml缶が225円(イオンでの購入価格)と高めである。

 飲んでみると残念ながら凡庸な味である。特徴らしいものは何も感じられない。ホップ一つとっても、「エーデルピルス」のチェコ産ホップ・「グランドキリン・ジ・アロマ」の米国産ホップ・「薫り華やぐヱビス」のフランス産ホップといったビールと比べ、香りの点でまるで及ばない。

 もっと材料を潤沢に使えば違った味になるのかもしれないが、たぶんそうなるとコスト的に合わないのであろう。

 何だが、「日本惨敗」を感じさせる、もの悲しいビールである。

 

    今月の一本へ戻る   ビール略年譜へ戻る   トップページへ戻る