《サッポロ 新黒ラベル》

「34年目の進化!」と銘打って、サッポロの黒ラベルが3月上旬製造のものからリニューアルされた。現在は市場に新旧の商品が混在しているが、一番わかりやすい特徴は金のロゴで、これにシャドウがついて立体的になっているものが新しい黒ラベルである。指摘されなきゃわからないようなデザインの差であるが、こうしないと旧製品だけが売れ残っちゃうもんなぁ。

 さて、この新黒ラベルは「旨さ長持ち麦芽」という新たに発見された麦芽を用いているのが特徴だとか。この旨さ長持ち麦芽というのは、メーカーによれば「ビールの風味を劣化させる成分(LOX−1<ロックスワン>:脂質酸化酵素)を持たない大麦から生まれた麦芽」とのこと(ニュースリリースより)。これを使うことによって、香味耐久性が向上して劣化臭を感じにくくなり、泡持ちも良くなったという。

 新旧両方の製品が手に入ったので、実際に注いで泡持ちや劣化の度合い、味などを飲み比べてみた。

 製造年月日の新しい新黒ラベルの方が当然旨い……と思ったら、そんなに差は感じられなかった。泡持ちもほとんど一緒。

 350ml缶で比較したのだけれども、どうも違いが判然としない。その後、500ml缶の新黒ラベルを新たに飲んだのだけれども、これが良かった。香りが鮮烈でとてもおいしい。どうしてなのか理由は不明である。

 黒ラベルはもともとバランスのとれた旨いビールなので、サッポロは変な限定商品を濫発するよりは、これをもっと力を入れて売った方がいいのではないかと思う。

 

 今年年賀状を下さった知人の中にこんなことを書いていた人がいた。

「『黒ラベル』を飲んで、濃厚な味にビックリした自分にあきれていまいした。『麦とホップ』はビールじゃない!?」。

 異議なし、である。

 

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