《サッポロ ヱビス 吟醸》

 2020年4月21日、期間限定発売。

 メーカーのニュースリリースによれば、「ヱビスビールのこだわりはそのままに、原料にはより厳選した麦芽のみを用い、爽やかな香りの国産ホップを一部使用しました。さらに手間をかけ、麦芽の穀皮を分離して仕込むことで、雑味の無い繊細な味わいを実現しました。」とのこと。

 古くからのビールファンにはたぶんこの「麦芽の穀皮を分離」する製法と、それに「吟」の名称がついている商品のことを懐かしく思い出すのではなかろうか。サントリーは「ビア」、サッポロは「吟仕込」というビールを1991年に発売していたのである。まさか30年近く経ってから復活するとは。

 もちろん、当時から批判されていた通り、これは麦を削っている訳ではないから日本酒の「吟醸」という言葉を使うのは明らかに誤りである。でも、メーカーとしてはイメージで売りたいからなりふり構わないというところか。いかにも鳴かず飛ばずのサッポロらしい。 

 原材料は麦芽・ホップ。アルコール分は5.5%。小売価格は、イオン系のまいばすけっとで350ml缶が税込223円だった。

 飲んでみると、「爽やかな香りの『国産ホップ リトルスター』を一部使用」しているせいか、確かに香りがいい。クリアで軽やかな飲み口だが、そこそこのコクも感じられる。悪くはない。でも、逆に言うとそれだけのビールである。「麦芽の穀皮を分離」するというひと手間が主流にならなかったのは、30年近く前に証明されちゃっているからなぁ。

 

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