《サントリー ザ・ゴールドクラス》

 2013年6月25日セブン&アイ限定発売。

 メーカーのニュースリリースによると、「原材料を厳選し、製法にこだわり共同開発した商品です。贅沢に使用した麦芽由来の『濃密な旨み』と、高濃度炭酸による『力強いキレ』を両立しました。容器も耐圧に優れた缶・蓋を使用しています」とある。

 容器の丈夫さを売りにする缶ビールというのはたぶん初めてであろう。高濃度炭酸にも耐えうるということらしい。今の大メーカーのビールはミクロフィルターで酵母を取り除く際に炭酸も失われてしまうため、後から人工的に炭酸を圧入している。つまり炭酸の強さは自在にコントロールできるので、「高濃度」にしたということか。

 小売価格はセブンイレブンで350ml缶が218円。まあ普及価格帯と言えるだろう。先ほどのニュースリリースにも「素材・製法・容器にこだわった“本格的な上質ビール”でありながら、多くのお客様が日常的にお飲みいただけるよう、お求めやすい価格を実現いたしました」とのこと。

 素材や製法にこだわったことを強調しつつも、どんな素材やどんな製法なのかについては全く触れられていない。まあ、その程度のこだわりということなのだろう。原材料は麦芽100%で、アルコール度は5.5度。

 グラスに注ぐと確かに盛大に泡は立つ。ビールは炭酸飲料だから、炭酸がなければ旨くないわけだが、だからと言って、炭酸を強めればそれだけ旨くなるか、というとそんなこともない。「高濃度」を謳う割には大したコクがあるわけでもない。正直言って、存在意義のよくわからないビールである。

 

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