《サントリー 新モルツ》

 昨年リニューアルしたおなじみサントリーの主力ビール。もっと早くこの欄でとりあげたかったのだけれども、同社のコンビニやスーパーでの期間限定販売シリーズが矢継ぎ早に出たので、なかなか順番が回ってこなかったのだ。

 このビールはかつてのビア吟生の技術の応用と思われる「麦芽分画技術」という製法を用いており、麦芽の渋みやえぐみ成分の多い殻や芽の部分を取り除いてから醸造しているとメーカーは説明している。この技術は昨年限定発売されたジャポネゴールドにも使われていた。また、同社のビールすべての共通しているように、この新モルツも「天然水」が売りだ。

 しかし、今回の新モルツで最も特筆すべきは、爽やかで豊かなホップの香りではないだろうか。近年サントリーが力を入れて販売している「ザ・プレミアム・モルツ」の技術を応用したようであるが、確かに「ザ・プレミアム・モルツ」に近い香りがあり、それがビールの味をグンと引き立てているのだ。

 かつてのモルツはプレミアムとの差が目立ち、それゆえいまひとつ食指が動かなかったのだが、今回のリニューアルでその差はかなり縮まったような気がする。

 これによって、モルツは普及価格帯のビールの中では、文句なくトップクラスの味のビールに躍り出たのではないかと思えてくる程の完成度である。

 

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