《サントリー ザ・プレミアムモルツ〈香るエール〉》

 2016年3月1日発売。日本のメーカーが限定ではない、缶入りビールでエールを量産するのはいつ以来だろう? 記憶にある限り、アサヒの「エール6」以来ではないだろうか。何とも嬉しい話で、勢いに乗るサントリー、やってくれるぜ!

 メーカーのニュースリリースによれば、「近年、お客様がビールに求める価値の多様化が進み、多彩な味わいのビールを楽しむニーズが高まっています。なかでも、上面発酵で醸造された“エールビール”は、香りが特長のビールとして徐々に注目されはじめています。そうした中当社は、『ザ・プレミアム・モルツ〈香るエール〉』を新発売し、“フルーティな味わい・爽やかな香り”を“エールビール”の価値・魅力として提案することで、日本における“エールビール”市場を創造していきます。」「『ダイヤモンド麦芽』『ファインアロマホップ』『天然水100%仕込』といったこだわりの素材に加え、『上面発酵酵母』を使用して醸造した、フルーティな味わいと爽やかな香りが特長の“エールビール”です」とある。

 原材料は麦芽100%でアルコール分は6度。350ml缶のイオンでの購入価格は税込み213円だった。これは通常のプレモルと同価格である。

 サントリーのエールと言えば、昨年のクラフトセレクトシリーズが良かっただけに期待は高まる。

 飲んでみると、確かにエールらしさは感じられるが、クラフトセレクトの「ペールエール」や「ゴールデンエール」までの鮮烈な華やかさはない。量産だとこの辺が限界なのかなぁ。もちろん、あの看板に偽りアリの「香るプレミアム」よりは遥かにエールらしさがある美味しいビールなのだけれど。

 ただ、日本人だとどんなビールでも当たり前のようにキンキンに冷やしてしまうので、ますますエールらしさが感じられなくなる懸念はある。

 それでも、大手メーカーがエールを量産で手掛けたことは大きな一歩ではないかと思う。

 

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