ビール市場全体は縮小しているのに、販売数を伸ばし続ける「ザ・プレミアム・モルツ(以下、長いので「プレモル」と略す)」。美味しいものは多少高くても売れるのだ。
しかも、サントリーはその成果に甘んじることなく、この3月13日に、更なる美味を追及して味をリニューアルした。
メーカーの説明によると、「華やかな香りをいっそう強化するため、ホップの投入タイミングの最適化を図りました」「より高品質で香り高い欧州産アロマホップを安定的に選定、購買できる体制を強化しました」「チェコおよび周辺国で産出される希少な伝統種「ダイヤモンド麦芽」を新たに加えることで、いっそう上質なコクと旨みを引き立たせました」(以上メーカーのニュースリリースより)とのこと。
もともとホップの華やかな香りにおいては国内ピルスナービールの中でも抜きんでていたプレモルが、更にそれを強化したという訳である。
で、飲んでみると。「ほぉっ! 確かにおいしくなった! ……ような気がする」。もともと美味しいビールなので。言われてみればそんな気もする、というところかな。
それにしても、オールモルトのプレミアムビールの祖にして一方の雄でもあるサッポロヱビスが、限定商品や販促キャンペーンで売り上げを伸ばそうとして奏功していない。プレモルがあくまで「味」で勝負しているのと好対照である。
イオン系の新形態店舗「まいばすけっと」で購入したのだが、350ml缶がプレモルもヱビスもどちらも207円と同価格だった。以前はプレモルの方がやや高かったのに。当然のことながら、コンビニ限定の330ml缶では、350mlのヱビスよりもプレモルの方が安い。こうなるとますますヱビスは不利だろう。
サッポロにはサントリーを見倣って、「より美味しいビールを消費者に提供する」という原点に立ち返ってもらいたいものである。