《サントリー 取れたて小麦の白ビール》〜サントリーの底力〜

 発泡酒が増税で、これからは再びビールの需要があると考えたのか、春からサントリーがビール作りにやる気を出してくれていてうれしい。

 4月に上面発酵のアルトビール「琥珀のくつろぎ」(これも美味しかった)を作ったのに引き続き、今度は小麦を使ったヴァイスビール「とれたて小麦の白ビール」(も少し短い名前にならんかな)を発表した。

 サントリーのこのシリーズ、なんでも「テーブルビア」シリーズと称しているのだが、この「テーブルビア」ってなんなのだろう。メーカーによると、「従来の喉ごしや喉の渇きを癒すだけのビールではなく、ワインやウイスキーのようにじっくり味わい楽しんでいただけるビール」とのことである。だが、心意気はともかく、ワインの世界では「テーブルワイン」と言えば原産国や原産地の異なるワインをブレンドした言わば格落ちのワインを指すので、あまりいいネーミングではないんじゃないかな。(もっともサントリーのホームページの中の「お酒・飲料大辞典」の中ではテーブルワインは「食事をしながら飲むワインのこと」と定義されているのであるが)

 さて、このビール、ビンのデザインも垢抜けているし、味も小麦を使ったヴァイス(「白」の意味)らしいフルーティーな香りとほんのりとした酸味があって、美味しい。以前に同社で出していた「小麦で作ったホワイトビール」よりも良い出来だ。

 サントリーは限定醸造のビールだと本当の実力を発揮する。惜しむらしくは量産品ではその力が今ひとつ……。

 しばらく愛飲しようかな、と思っていたら、突然栓に不具合があったとかで「自主回収する」とかいう情報がマスメディアから流れてきた。

 あわててコンビニに駆け込み追加購入する。回収なんかされてたまるか(笑)。

 

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