バードアイ工事管理方法
事 例 集 戦術事例から戦略
工事管理研究会ホームページ事例集
バードアイシステムマネージメント
目 次
56,危機管理
非常用コンセントと幹線の変化と対応(平成21年6月8日(月))
55,,魔法のコーヒー用特製銅ポット (平成21年 4月14日(火))
54,系統図の展開と運用方法(h、20,11,7(金))
53,系統図分類表と系統図の効果(平成20年9月12日(金))
講習会(h20,8,25)受講者反応から
52,交渉術 (平成19年11月20日(火)、H20,5,28加筆)
バードアイ交渉術
51,大掃除の復活とトラッキング回避(平成19年7月10日(火))
「トラッキングとコンセント高さ」と抜け落ち対策
関連
16,コンセント抜け落ちと取付角度について (平成17年5月3日(火))
2,発電機設備と危機管理体制の構築(平成16年9月18日(土))
危機管理(トップダウン)とシステムの協調
発電機システム構築条件
50,警報盤という表現と経営、管理との関係(平成19年5月28日(月))
49,携帯電話を利用した警報、状態通報装置の展開(平成19年5月21日(月))
「小型ユニット」の設置と情報デザイン
48,事象と系統図と空間把握(平成19年4月18日(水))
溝と川と勾配
47,監視という効果と情報システム(平成19年3月31(土))
目次
A,常用発電機の例、
B,蓄電池の例
46,冷気、熱気を蓄える断熱材と構造材コンクリートの影響(平成19年3月19日(月))
目次
A、煙突に隣接する、エレベーターが夏は熱く使用できない
B,冬でも冷房を入れなければ使えない建物
C、暖房しても暖まらない部屋
D,コンクリート壁クラックから室内に雨水が吹き飛ぶ建物
45,ホテル客室に大量の埃が入り、床が真っ白となる(平成19年3月1日(木))
換気用煙突(坪庭)と自然換気
44,深化階層による国際分業化とソフト(平成19年2月7日(水))
主幹配線のソフトと深化階層
43,幹線の名称札と管理閾値(平成19年1月19日(金))
管理という到達点と専門家の閾値(高圧活線ケーブル切断)
42,「炭酸ガス掃き出し」と気流コントロール(平成19年1月5日(金))
41,天井換気扇の能力と周辺環境(平成18年12月20日(水))
住戸の必要換気量(シックハウス等)は確保されているか
40,厨房におけるガス設備と換気(平成18年12月16日(土))
不完全燃焼、ガス漏れ対策、PL法と責任分界点
39,パソコンによる設計と系統図と実体験(平成18年10月20日(金))
IT時代の思考力、設計能力低下について
38,機械・電気系専門人間の対応(平成18年9月26日(火))
ホンダ・インスパイヤー(セーバー)のクランクシャフトプーリ-破損
37,概念という道具と使い方(平成18年8月30日(水))
人と組織を動かすには
36, 空間把握と要素・要因還元法(平成18年8月1日(火))
統合における筋肉と思考の散らし方
35,屋外ダクトによる冷えない冷房設備(平成18年7月19日(水))
空調設備における夏の風物詩
34,樹脂製ボックスと鋼製ボックスとの対比検討(平成18年7月4日(火)
(システム管理上、接地と非接地の考え方)
33,バードアイ発想法(平成18年6月24日(土)
バードアイホームページ掲示板から移動
「CO2対策「ステテコ、たらいから」 に加筆
32,単身赴任 生活システム論 (平成18年5月24日(水))
ズボンプレッサーとスプレーの組み合わせ
関連
26,システム料理論、冬の味噌汁(平成17年12月16日(金))
冬期昼食弁当のスープ(味噌汁)
関連ページ著者からのひとこと
6,システム料理論、自動制御と手仕事の責任分界 (平成16年2月1日(土))
電気釜で豆を煮る方法など
31,プロと素人の空間把握能力とその技法(バードアイ) (平成18年4月30日(日))
コンセプトからと、主体なき「あれが良い、これが良い」の差
30、停復電という事象(平成18年2月25日(土))
事業所(病院等)の停電危機管理
関連
11,受電電圧不安定時の危機管理対応事例(平成17年3月11日(金))
9,台風時の発電機起動不能(平成16年4月17日(土))
事象分割とシステム協調
7,システムにおける個と全体との相違(平成16年5月22日(土))
システムとラッシュ(突入)電流
2,発電機設備と危機管理体制の構築(平成16年9月18日(土))
危機管理(トップダウン)とシステムの協調
発電機システム構築条件
関連著書
バードアイ工事管理方法、工事管理研究会、有光正和著、H5,3,10
15,危機管理 P145
16,システムの協調(外乱、内乱)P149
29,室内に設ける酸素マニフォールド(平成18年2月9日(水))
高圧ガス保安法と技術的基準
関連 を確認下さい
6,医療ガス設備の現状と将来展開(平成16年6月19日(土))
28,「系統図8枚貼り引っ提げて」実践管理方法(平成18年2月9日(水))
限界と情報の発信方法
二万平米の管理「系統図8枚貼り引っ提げて」
(要望書、提案書、VE提案書)
関連
27,系統図の基本パターン(平成18年1月1日(日))
関連ページ 著者からのひとこと
8,系統図が存在しない会話 (平成16年4月23日(金))
11,系統図分類表 (h16,6,6, )
コンセプトを系統図で展開すると
1,プロセスを結果につなげる系統図作成 「エンド・オブ・パイプ」
12,系統図効果 (平成16年8月1日)
13,8枚貼り系統図俯瞰法と事象分割 (平成16年8月30日)
14,マルチタスクと系統図 (平成16年9月25日(土))
WINDOWから出口・系統図8枚貼り
15,系統図と打合せ記録との違い (平成16年12月11日(土))
その他系統図に関係する項目のページです、参照下さい。
27, 系統図の基本パターン(平成18年1月1日(日))
系統図と情報発信とシステム構築
(要望書、提案書、VE提案書)
関連
28,「系統図8枚貼り引っ提げて」実践管理方法(平成18年2月9日(水))
22,管理方法と建築面積の違い(平成17年9月24日(土))
19,エスコ事業における系統図8枚貼り(平成17年8月12日(金))
省エネと労務管理
18,承諾行為と系統図 (平成17年5月17日(火))
10,系統図が止まるとき(h17,3,6)
4,建築平面をまとめる方法(平成16年8月17日)
1,市場競争力と系統図(H16,10,28(木))
原価見直し
関連ページ 著者からのひとこと
7,道具から系統図を考える (平成16年4月10日)
その他系統図に関係する項目のページです、参照下さい。
関連著書
バードアイ工事管理方法、工事管理研究会、有光正和著、H5,3,10
9,名称と設計について P71
26,システム料理論、冬の味噌汁(平成17年12月16日(金))
冬期昼食弁当のスープ(味噌汁)
関連ページ 著者からのひとこと
6,システム料理論、自動制御と手仕事の責任分界 (平成16年2月1日(土))
電気釜で豆を煮る方法など
25,プロジェクト
反復型による「アジャイル(Agile)、アジリチィ(Agility)」 (平成17年12月6日(火))
関連
21,プロジェクト(平成17年5月23日(火))
24,プロジェクトにおける系統図分類表の位置づけ(平成17年11月12日(土))
バードアイ・プロジェクトマネージメント(
Bird's-eye・Project Management)
24,プロジェクトにおける系統図分類表の位置づけ(平成17年11月12日(土))
バードアイ・プロジェクトマネージメント( Bird's-eye・Project Management)
移動加筆 @ 20,バードアイ・プロジェクト(2005,5,23・2005,7,1)を移動加筆しました。
A 「作者からのメッセージ」から移動加筆(h17,8,13(土))
関連
21,プロジェクト(平成17年5月23日(火))
25,プロジェクト
反復型による「アジャイル(Agile)、アジリチィ(Agility)」 (平成17年12月6日(火))
23,電気設備学会誌にバードアイ工事管理方法が発表されています。(平成17年9月24日(土))
電気設備学会誌、社団法人電気設備学会、Vol.25 2005 NO1、
現場管理における系統図活用について、
22,管理方法と建築面積の違い(平成17年9月24日(土))
系統図による暗黙知から形式知
21,プロジェクト(平成17年5月23日(火))
プロジェクトと「系統図8枚貼り」
移動加筆 「著者からのひとこと」から18,プロジェクトを移動しました。
関連
24,プロジェクトにおける系統図分類表の位置づけ(平成17年11月12日(土))
20,削除(平成17年11月12日(土))
バードアイ・プロジェクト(2005,5,23・2005,7,1) 24、へ加筆移動
バードアイ・プロジェクトマネージメント【Bird’s-eye・Project Management】
「作者からのメッセージ」から移動加筆(h17,8,13(土))
19,エスコ事業における系統図8枚貼り(平成17年8月12日(金))
省エネと労務管理
関連ページ 著者からのひとこと
10,「エンド・オブ・パイプ」とISOの違い (h、16,6,5)
地球環境という概念の有無と、OUTPUTの変化
midnight (h16,5,20)
11,系統図分類表 (h16,6,6, )
コンセプトを系統図で展開すると
1,プロセスを結果につなげる系統図作成 「エンド・オブ・パイプ」
18,承諾行為と系統図 (平成17年5月17日(火))
関連
4,建築平面をまとめる方法(平成16年8月17日)
10,系統図が止まるとき(h17,3,6)
28,「系統図8枚貼り引っ提げて」実践管理方法(平成18年2月9日(水))
27, 系統図の基本パターン(平成18年1月1日(日))
関連ページ 著者からのひとこと
系統図に関係する項目のページです、参照下さい。
17,自己完結型時計と標準電波時計(平成17年5月7日(土))
腕時計と公共時計と時間
16,コンセント抜け落ちと取付角度について (平成17年5月3日(火))
15,個人情報保護と外来呼び出しについて(平成17年4月29日(土))
外来呼び出しとドライブスルー
第59回国立病院総合学会(2005年10月14、15日(金、土))
広島国際会議場、広島県立総合体育館
でホームページ事例集、「個人情報保護と外来呼び出しについて」が紹介されます。
工事管理研究会ホームページ事例集
14,システム音痴と不協和音(平成17年4月13日(水))
バ゙イオクリーンルーム、手術室の安価なリニアール
13,施工前状況写真と指示書(平成17年4月9日(土))
写真という指示書
12,データーベースと編集(平成17年3月31日(木))
工事写真と施工報告書(系図の確認)
11,受電電圧不安定時の危機管理対応事例(平成17年3月11日(金))
操作における危機管理方法
10,系統図が止まるとき(h17,3,6)
関連
4,建築平面をまとめる方法(平成16年8月17日)
18,承諾行為と系統図 (平成17年5月17日(火))
28,「系統図8枚貼り引っ提げて」実践管理方法(平成18年2月9日(水))
27, 系統図の基本パターン(平成18年1月1日(日))
関連ページ 著者からのひとこと
系統図に関係する項目のページです、参照下さい。
特に、系統図と文章の対比
8,系統図が存在しない会話 (平成16年4月23日(金))
9,台風時の発電機起動不能(平成16年4月17日(土))
事象分割とシステム協調
8,危機管理と仮設発電機の運用(平成16年4月17日)
単相負荷60サイクル地域での危ない使われ方
7,システムにおける個と全体との相違(平成16年5月22日(土))
システムとラッシュ(突入)電流
6,医療ガス設備の現状と将来展開(平成16年6月19日(土))
A,病棟運営と医療ガス試験方法の差異
5,着工と同時に作成できる完成図書(施工管理・試験報告要領書等)
(平成16年7月7日(水))
「串刺し方法」による検査と報告との関係
4,建築平面をまとめる方法(平成16年8月17日)
システム連係と統合
関連
10,系統図が止まるとき(h17,3,6)
18,承諾行為と系統図 (平成17年5月17日(火))
28,「系統図8枚貼り引っ提げて」実践管理方法(平成18年2月9日(水))
27, 系統図の基本パターン(平成18年1月1日(日))
関連ページ 著者からのひとこと
系統図に関係する項目のページです、参照下さい。
3,フレキシブル(編組)導帯の相間接触について(平成16年9月18日(土))
フレキシブル(編組)導帯と変圧器低圧二次側端子との関係
2,発電機設備と危機管理体制の構築(平成16年9月18日(土))
危機管理(トップダウン)とシステムの協調
発電機システム構築条件
1,市場競争力と系統図(H16,10,28(木))
原価見直し
56,危機管理
非常用コンセントと幹線の変化と対応(平成21年6月8日(月))
主幹線名札とその名称について
主幹名称といえども10年あるいは20年経過すると、電気室の主幹配線の名称札も、名称に間違いがないという確証が薄れてくる。それは、施設の機能の変化、成長に伴う改修、増築の繰り返しが、敷設時の状況から大きく変化するからである。最近の事業所、工場、病院等を考えると、地球温暖化対策(CO2)、これに伴う変化は顕著なものがある。同様に、電気的末端の非常、一般用コンセントについても時と伴に変化が生じている。
1、主幹線の変化
例、20数年前に敷設されたA・という主幹が、主幹線容量が足らなくなり、新しく敷設したB・大容量の主幹に切り替えられたとする。
(1)主幹名称札の不安
A主幹線は当然、敷設されたまま、主幹線名札を残したままの状態である。
それは、このものを全て取り外し新しい用途名称に合わせて取り替えているかという問題もある。それにはまず、敷設時の主幹線名札がどの場所に取り付けられているか、何枚あるのかさえ分からないというのが,世の中の状況であり、その状況を示す記録も存在しないのが状況でもある。さらに、どういう名前で記入されているか分類されているか皆目見当がつかないというのが実状である。施工当時の担当者が、健在であれば辛うじてわかるという程度である。
前記は、10年あるいは20年経過という前提で述べたが、新しいB・大容量の主幹についても、主幹名称札の不安「@主幹線名札がどの場所に取り付けられているか。Aどういう名前で記入されているか分類されているか。」記録等に同様の問題があり、敷設2・3年後でも切り替え時は、同様のことが発生する可能性が存在する。
(2)事故例としては
低圧幹線を名称札から間違いないと、上位の遮断器を開にして、主幹の端末ではなく中間点において切断するとその主幹は生きていた、短絡事故となった。同様の事例が、高圧ケーブル等においてさえ報告されている。
2,事例から考えると
例、改修工事を行うため、変電室の非常回路全てを遮断して、工事を行わなければならない場合。言い換えると、非常用コンセント、非常回路が停電になることである。
この時、病院の施設管理者、電気主任技術者に、請負者が非常回路はこれとこれで間違いないですかと「コンセント回路図面」を示して念を押すと、必ず帰ってくる言葉は、間違いないと思いますが確証はありませんという答えである。
(1)コンセトの位置変更、増減不安
10〜20年経過の非常回路(変電設備、幹線、分電盤、コンセント等)設備である。その間に末端のコンセントも改修、増減に伴い位置変更、増減が生じている、非常用のコンセントであるのか、不安である。当然、上位設備(変電)や主幹線他においても改修、増設は同様であるため、確証はありませんという答えである。
そこには10〜20年経過の設備でありながら、危機管理という観点から実際に停電を行い、緊急時には対応できるという確認事実がないからである。
(2)停電訓練をしていない不安
結果として危機管理という観念がないため、停電訓練を行っていない。停電訓練とは、実際に電気を切って行うものである。非常コンセントは生きている、管理的にも対応できると言う確認行為をいうが、ひどいところでは、設備の設置から一度も行っていないと言うところが多く存在する施設現状がある。
3,非常回路の確認
人工呼吸器、その他の生命維持装置が非常回路に接続されているため、非常回路の停電訓練は、実際の停電よりさらに大変である。
それは訓練であるため、前もって準備可能な状況である、いかなる場面においても対応できなければならない。
停電訓練は、商用受電が停電(受電点開閉器を開)することにより、模擬的に停電を作り、発電機が正常に起動し送電して、非常用コンセントに供給されているかという確認である。この停電訓練という一連のストーリーは緊急時、危機管理上は「マニアル通りであり、一般的には正常であれば全て対応されている」ものである。そのため、停電して確認できればよいものである。
不安要因、非常回路の停電は次のような不安があるものである。
(1)機器が正常に動くか不安
停電して、発電機が起動しなかったら、遮断器、切換器が切替わらなかったら等々、何年、何十年も作動することの無かった機器が正常に動くか不安を募らせるものである。
(2)システム的な整合性の不安
さらには、主幹線、コンセントの改修、増設、負荷の変化等、変化に対して、取り付け場所、電気容量、数量等を把握しているか、システム的な整合性は等々、同様に不安が生じる。
整合性には例として、発電機容量、トランス突入電流、負荷突入電流、負荷容量、電圧変動率、起動時間、発電機耐久時間等々のシステムバランスから、安全装置が働き遮断される、電気が止まるのでは、不安がついてまわる。
4,現場での医師、看護師、医療従事者の反応、
(1)赤いコンセントは使えます。
常時その場所で仕事をしていて、緊急時あるいは停電時にどういう状態にあるか、作業から認識ができているため極めて冷静に、停電の時は、このコンセントと赤いプレートのコンセントは使えますよという、具体的回答がある。
これは、作業を通して設備(非常用コンセント)作業範囲において把握していると言うことである。
5,非常用コンセント具体的確認例
商用受電時に、非常用コンセント(赤コンセント)の非常用回路を停電(遮断)して全職員関係者が参加し確認する方法。
前項の4、赤いプレートのコンセントは使えます。にあるように、各職場個々では「こことここ」は非常回路であり危機管理は把握できている。しかし、これを並べて全体になるかというと、個と個の間、境界が曖昧なものである。それは、個の集合が全体に成り得ないため、全体という管理観点から非常回路(非常用コンセント)確認が必要となるものである。
著者の経験から、看護婦さんは良くやっていると思う、しかし、それを後押しするシステム(組織体制)、管理と言うところが抜けているように思う。
(1)説明会を開き、各職場代表に非常用コンセント確認方法を説明する。
@参加者全員(勤務者ほとんど参加)に、マジックと電源チェック用ランプを配布する。
ランプは片側にキャップ、反対にはソケット、先には10W程度のランプ、さらに、ランプは保護ガードで包む。電気が来ているコンセントに、キャップを差し込むと点灯する、電源チェック用ランプである。
著者の経験では、病院の規模にもよるが、ランプは約200個作製して使用した。
準備する概数換算方法は、1看護単位に10から15個(ランプ、マジック)である。他の管理単位ではこれに準じるか、以下で対応できる。
A各職場代表に図面を渡して、何処と何処にコンセントがあるか確認してもらう。確認する一人一人の確認範囲を決定しおく。
B確認(非常回路停電)時間は基本的には約20分間として、復旧時間約10分間全施設一斉に確認する。
C開始終了は全館放送で行う。
D確認は、配布したマジックで、停電しているコンセントに×印を付ける。
もしも、赤色表示の非常用コンセントに、電気が来ていると○変と記入してもらう。同様に照明のスイッチについても同様に記入する。
E停電確認後、マジックで×印を確認して、このものが赤いコンセントである のか確認する。また○変と記入されたコンセント、スイッチは調査に入る。
6,非常用コンセント一斉確認のための仮設
(1)非常用コンセントから一般コンセントへ相互切換
例、非常用コンセント一斉確認の1時間(昔時間、半時)前に、非常回路につながっている機器類を一般回路に切り換える。一時に確認を行う。
コンセントで「非常から 一般へ」の作業を行う。
非常用コンセント一斉確認完了時も、非常回路復旧後逆に「一般から非常へ」戻す。
この行為そのものが、危機管理意識を芽生えさせる大きな切っ掛けと成るものである
(2)機器に重・中・軽札付け
前項の「非常から一般へ」切り換える機器類、生命維持装置等には、重要度を示す、例、非常の重・中・軽というような札 を付けて管理する。
重非常は、一番目何が何でも最優先するもの。
中非常は、二番目に優先。
軽非常は、3番目に優先、必要なら。
このことにより、優先するものは何か把握できるようにすると共に、作業時間を短縮する目的がある。さらには、各職場で重、中、軽非常の機器リストを作成し、全体の把握を行い、発電機容量その他、システムの協調等を調整する。
また、今回の停電確認では、重、中までを切り替える等々、準備段階で医療スタッフと打ち合わせを行い決定する。
(3)仮設の仮設
もしも、上記仮設時に商用電源が停電となったら、どうするということがある。
対応は、仮設の仮設が必要である。予備発電機を、看護単位毎にその他の職場 は職場単位毎に必要となる。
もしもそれがと、続くと仮設の繰り返しになるところがある。
そのため、社会イシステムとして認知できる妥協点を設ける必要がある。
7,前述不安キーワードから安心への転換
非常用コンセント一斉確認から不安を除去効果を確認する。
前記から不安五項、安心一項を取り出すと下記のようになる。
(1)主幹名称の不安・・・・・・・・・・管理上
(2)コンセトの位置変更、増減不安・・・保守管理上
(3)停電訓練をしていない不安・・・・・・管理上
(4)機器が正常に動くか不安・・・・・・保守管理上
(5)システム的な整合性はという不安・・保守管理上
(6)赤いコンセントは使えます安心・・・・日常業務からつながる危機管理
不安除去効果を確認する、非常用コンセント一斉確認。
(1)主幹名称の不安
電気室の非常用配電盤から分電盤までの非常用主幹線は、非常という括りから、主幹線は確認できる。
以降、著者の経験からも、非常用コンセント一斉確認の認識対応が出来上がるため、非常回路の主幹線確認においても同様の手法で確認が行える、また、主幹線の一本一本の確認までが行える。
さらには、何回か繰り返すと危機管理能力と共に、組織風土が出来上がるものである。この部分に著者は最大の効果を期待している。
(2)コンセトの位置変更、増減不安
コンセトの位置変更、増減不安、非常用コンセント一斉確認のマジック丸印があることで解決する。
(3)停電訓練をしていない不安
非常用コンセント一斉確認そのものが停電訓練であり、危機管理そのものである。
(4)機器が正常に動くか不安
非常用コンセント一斉確認そのものが停電訓練であり、危機管理そのものである。機器の作動確認そのものである。
(5)システム的な整合性はという不安
前項6(2)各職場で重、中、軽非常の機器リストを作成し、全体の把握を行 い、前項3にあるように危機管理における、管理体制、機器の作動状況までも確認できるものである。
(6)赤いコンセントは使えます安心
元々その場所、その時に、安心があるが、非常用コンセント一斉確認により個と全体をつなげるものである。
8,幹線の不確定から確定へ
(1) 非常回路幹線の確定
前記5,非常用コンセント具体的確認例を行うことにより、非常回路幹線を一括と見なすと確定したものとなる。次には、非常回路幹線一本一本を前記5,の方法で順次確認すると解決することである。
更に停電戦線を縮小するには、前記、幹線一括が確定後、目星がついた状況から、非常回路幹線を全て停電させて、幹線1系統毎に生かしながら確認していく方法がある。
(2)一般回路幹線の確定
模擬停電をさせて、通常通り(商用電源停電時と同じ)の体制で居ればよい。
そこには最も、非常回路の確定した後の確認行動である。
確認方法は、「非常回路幹線1系統毎に生かしながらと同様」確認していく方法がある。ただし、非常回路より一般回路は約5倍から10倍の幹線本数であるため、非常回路幹線と同様戦線を縮小するには、幹線括りを非常回路以下にして、確認 するのも方法である。ここまで成立すると、次の確認方法は上流側の開閉器を「入、切」する方法などさまざまに確認する方 法がある。
9、結び
これだけの不安を抱えながら何故解消しないのか、出来ないのか。解消するには、以下の関連組織と設備を、統合して計画、実行、検証と導き、一丸となる体制が必要である。
(1)経営から
経営者は経営理念から、危機管理上の問題があるということを認識すれば即行動のみ、解決するための手筈を整える事である。
(2)管理から
前記1から8までの内容を把握して組織的な対応を具体化するものである。
事業所、病院の設備状況を把握して危機管理上の対応を具体化するものである。
(3)設備管理から
非常回路が、どう在るべきか、どうすべきかを認識し、設備管理からの必要な事柄を具体化して、組織を納得させ、行動させる手筈を整えることにある。
(4)非常回路の設備状況から
システム的に把握し協調と同期を考え、非常という設備からシステムと経営、管理からハード的に調整統合することにある。
(5)看護婦(医療従事者)さんから
生の情報、確実に使える情報であり、危機管理上対応できる対処方法を獲得している。この情報を、全ての前記項に展開するものである。唯一確実な情報であることを認識すべきである。
病院の使命、生命を守る、危機管理、コンセプトからプロジェクトとして導くものである。そこには上記の組織横断をすることそのものである。
ともすれば、セクショナリズムであったり、前記組織に関係している管理者の責任回避、自己保身行動が妨げになるものである。職責、立場は三年もすれば移動する等々やる気のない管理者が横行するのも理由である。
しかしながら物事は、関連組織を説得、納得させて積極的に協力する体制が必要である。それには、個と個そして全体をつなぐ、全体をまとめる、プロジェクトとして一丸となるプロジェクトマネージャー(人)が必要である。また、上記各組織スタッフの協力無くしては成り立たないものである、このことを組織構成員がよく認識すべきである。
訂正加筆
1、6,(1)(2)表題記入、6,(3)追加、(平成21,6,22)
55, 魔法のコーヒー用特製銅ポット(平成21年 4月14日(火))
先日、女房のはがき応募抽選が当たった。
トアルコトラジャ特製銅ポットが当たった、大喜びである、何がそんなにという冷ややかな反応をしていた。
ところが、実際にトアルコトラジャ特製銅ポット(注ぎ口が細くて長いポット)を使用して、いつも買って飲んでいるコーヒー豆で、ドリップで入れると、まずその時の香りに驚きを感じた。
これまで40年以上やかんでお湯を注いでいた、何でやっても同じという感覚であった。全く香りが違う、これは何だろう、という香りの違いに、驚きがあった。
ところが、飲んでみるとこれまで感じた香りと苦みではない、飲むと眠くなる、遠くに意識が飛んでいく、とろけるようである。
これまでのコーヒーは、カフェインで興奮する、という直線的な興奮であったが、まったく違う、空間にブラックホールに吸い込まれるようなフアーとどこかに行ってしまう、これは何だ、覚醒とはこのことかと生まれて初めて感じる味覚と感覚である。
この驚きにトアルコトラジャ特製銅ポットの外側は銅色、内側をみるとブロンズ色の色が付いている、このものが溶けて甘くなっているのかなどと考えた。
そういえば、トルコのバザールで同じようなものがあった、形が面白いので買って帰ろうと思ったが、ポットの中の金属が溶けると怖いということで買って帰らなかったことを思いだした。これは同じ金属かどうかわからないが、トアルコトラジャ特製銅ポット(日本製)に入れたお湯で、コーヒードリップに入れると美味い、ステンレスのやかんとは違う。
いったいこれは何だ、何方かこの理由を教えてください。
宣伝ではなく、他にも様々な道具があると思いますが、一例として茶道の茶釜などがありますが、個人的見解として驚きを発信するものである。
本当に、うまい、眠くなる、空間にブラックホールに吸い込まれるようである・・・。
>54,系統図の展開と運用方法(h20,11,7(金))
1,システム構築とは
造ろうとするシステム、このシステムを系統図分類表縦軸項目から分類して系統図(分類・分析系統図)を作成する。この時に、概念から、ある意志と方向を持って分類・分析系統図作成する。また、系統図分類表の表題から、表題を常にイメージ化して、目的と目標を常に画きながら作成する。ある事柄が気になる場合は、関連、関係する事柄を、系統図分類表の縦軸の項目を使い丁寧に分類・分析して、系統図として「見える化」を計ることにより、気になる事柄を表出させるものである。
さらに、作成した分類・分析系統図を投影、統合して目的に合った新たなシステムを構築するものである。
方法は、分類・分析系統図を俯瞰することから始める。
基本サイズ(A4)を台紙(A1)に8枚貼り付けて(系統図8枚貼り)投影、統合を行い全体を構築する。投影、統合方法詳細については別項で述べることとする。
当然、この時にも、このシステムをどのような形にまとめようとするのか、そこには当然、思いや政策、概念、大義が必要である。
2,空間把握における心構え(系統図を扱い判断するには)
系統図分類表、系統図は、物事を導く方法であり、問題を解決方法、手段である。そこには、これを使う側、または経営、運用する者が、道徳的、倫理的に判断できる能力が必要である。
経営者、プロデューサー等が自己顕示欲に駆られたり、恐怖感、貪欲さから行動を起こすことなく、これは「おかしい」と言える力と、その判断力を持ち合わせている必要がある。特に、系統図を作成する者は認識する必要がある、この能力のない者は系統図に触れてはならない、系統図提唱者として敢えてこのことを言い伝える。
また、系統図を扱い判断する者は、「環境、安全、効率、安価」を追求し、関わる人間の幸せと満足がなければならないものである。大きくは人のため社会のためという大義が必要である。
前記概念から、環境とは、よりよい地球環境を次世代に伝えるものである。
代表的なCO2削減、地球温暖化防止と共に「もったいない(Reduce 、Reuse、Recycle)」がある。
Reduce リデュース、廃棄物の発生抑制。
Reuse リユース、再使用。
Recycleリサイクル、再資源化。
3,系統図分類表の、下記縦軸各項目から系統図を作成する。
この繰り返しが、正に系統図作成という知的作業から、脳と指先からの経験を確実に残像として積み重ねることができる。しかも、机上でありながら、経験を体に染みこますことができる唯一の方法である、これが系統図作成の特徴である。
またその経験が、系統図という紙に残した形でそこにあり、重ねる行為である。投影、統合そのものの情報蓄積ができるものである。
系統図とは空間として関連するもの関係するものへと展開するものである。
それを言い換えると、系統図分類表の同一階層での縦軸各項目へと水平展開すること。また、縦軸項目の階層から考える、第一階層から第四階層の分類を次元を越えて垂直展開(ブレークダウン・スルー)ができる、一つの方法として提示するものである。
階層は上位から
第一階層、系統図
第二階層、A、ソフト・命令系統図、
B、ハード・系統図、
C、平面位置図
第三階層、A、イ、事業所の労務管理、ロ,システムフロー、ハ,名称の編集、
B、イ、電気的、ロ,機械的
C、イ、敷地平面図、ロ,動線図(時間)、ハ,通信手段
第四階層、A、イ、1,組織、2,命令系統、3,責任範囲・分担、4,勤務体制、5,人員配置、
A、ロ、6,、制御フロー、7,センサー設定フロー
A、ハ、8,警報の名称の編集、9,機器名の統一、
B、イ、10,スケルトン、11,シーケンス、
B、ロ、12,水的、13,空気的、14,蒸気的、
C、イ、15,棟平面図、16,室平面図、
C、ロ、18,歩行、19,自転車、
C、ハ、20,電話、21,インターホン、
4,系統図分類表をメタ記号・言語という概念から考えてみる
「対象」をかたれる言葉を「対象言語」いう、「対象言語」についてかたれる
言葉をメタ言語という。
柱や緑は「対象言語」であり、これらについてかたられる「名詞」や「形容詞」はメタ言語である。言い換えると、考察される対象となる言語と、言語を対象として説明する、論じる言語をメタ言語という。
そこで設計という、図表現を主として言葉、文字が補足するように記入された図がある。この設計図を「対象記号・言語」と呼び、説明を展開したい。 設計図をここでは「対象記号・言語」と置く。説明するものを「メタ記号・言語」と呼ぶ。設計図を説明するため、その方法を示したものが系統図分類表である。
系統図分類表は、システムを系統化分類して、誰でもが系統図という表現方法で画ける、また説明できる、系統図という「メタ記号・言語(以後、ここではメタ系統図と呼ぶ)」へ導くものである。
系統化分類した系統図分類表の階層
第一階層、系統図、または統合する言葉によるコンセプト。
第二階層、A、ソフト・命令系統図、B、ハード・系統図、C、平面位置図の分類。
第三階層、第三階層から第四階層へと細分化したものである。
第四階層、縦軸項目を一つずつを丁寧に作成した系統図であり、解りやすい系統図である。
そのまま多くの方々に説明すると、次成る展開に移行する、概念の水平展開が成立するもの。
何故メタ系統図なのか
設計図というものから、系統図分類表の系統化分類した縦軸の各項毎に系統図(分類、分析系統図)として表して、設計図を系統化してある方向から説明するものである。
また、設計図作成時に置いても、設計図作成して、確認する、その方法に分類、分析系統図がある。また逆に資料、説明から設計図に形作る方法などがある。
その時に用いる系統図には記号(図)という表現と、そこに書き込まれた文字(言語)を併用、共存する形で、それぞれの特徴を使い、足らないところを相互依存して補完する形で表現するものである。
5,読字障害と系統図
文章を読めない人達がいる。眼に異常があるわけでなく、会話に問題があるわけでない、文盲とは違う読字障害である。
英国で19世紀末、数字の「7」は読めるのに「seven」が読めない中学生が見つかった。この頃は、まれな事例と思われていた。その後の研究において、英米で人口の10%、日本では5%もいることが分かってきた。
読字障害の人は文字処理がスムースに行えない。
人類が文字を使いはじめて僅か五千年ともいわれている。この年数から、脳の文字処理能力が形成されるまでに至っていない、適応できないところであると思える。図や形の認識は、遙かに古い能力であるため桁違いの処理能力がすでに脳に形成されている。
また一方、複雑な概念や、図形を読む、更に形として把握する空間能力が著しい、非常に頭の良い人がいる。しかもこの人達にも、文字を極端に読むのが苦手という人が居ることが分かった。これまで教育者を混乱させてきた。
当初は、視覚体系に問題があると考えられたが、最近、視覚系でなく音韻処理に問題があるという説が出て来た。文字を読むことは学習しなければ習得できない。子供は、文字が話し言葉の音を示していることを学ぶことになるが、この時、文字から音への変換ができないと、単語について知識を持っていても言葉を読むことができない。
なぜここで読字障害と思われるが、系統図という図や形の認識は、遙かに古い能力であるため、人それぞれの能力差があっても間違いなくある形を画き、表現し伝える道具として使えるものである。ここに必要最低限の文字を加えて系統図として情報伝達する道具として使うものである。
得手不得手により「図、形」と文字との表現力、説得力の違いはあるが相互補完により、より間違いなく短時間で情報を伝えることができるものである。
一般的に理系の教育を受けた人間は、文章を作成することを苦手とする者が多い様である。このような人には大いに系統図は助けになる。また、系統図分類表のコンセプトから下位階層まで、図すなわち系統図を重ねるのなら自己実現の一方法になることであろう。また、情報伝達方法を獲得するための手段として、系統図というものをここに提示するものである。
6,読字障害的な人が得意とする系統図表現
系統図の表現そのもの、また、系統図による伝達は、技術屋の職業病ともいえる「極めて軽い読字障害」を直せる方法であると考える。
大きく図を画き、必要最低限の文字で補足する、この繰り返しが障害を克服できる方法である。手指を使い、声を出し(説明)、画く、この繰り返しが必要である。同じ様な映像が、NHKスペシャル「病の起源、第4集、読字障害、文字が生んだ病(2008,10,12総合テレビ、PM9:00)」で出ていた。
SRS研究所(東京都文京区)を主宰する栗田昌裕氏は、「指回し体操」は「目の力と手の力、そして脳と連動している」といっている(朝日新聞、平成20年10月11日土、夕刊)。手には感覚神経と運動神経が集中している、手の訓練は脳の訓練と同じであるといっている。哲学者カントは「手は外部の脳」といったという。また、栗田氏は独自にデータを取り、体操の前後では迷路の早抜け(認知能力)、計算力、読書速度が1〜3割上がるという。
系統図は、図という人間が獲得した古い能力、図の認知、認識能力を最大利用した情報分類、分析方法であり「分類・分析系統図」である。ここでも、分類、分析をより分かり易くするために必要なら文字を記入して、見える化と共に解り易い図にすべきである。
さらに、投影、統合の時(系統図8枚貼り)においても「分類・分析系統図」を使い、投影、統合するものである。しかし、図では補いきれないところを文字で、また逆に補い、投影、統合を行いバランスの取れた目的に合った全体を構築するものである。
加筆
4,に加筆(h20,11,11)
第四階層、縦軸項目を一つずつを丁寧に作成した系統図であり、解りやすい系統図である。
そのまま多くの方々に説明すると、次成る展開に移行する、概念の水平展開が成立するもの。
53,系統図分類表と系統図の効果(平成20年9月12日(金))
講習会(h20,8,25)受講者反応から
1,設計、施工と教育
設計を行う時、施工をする時、「何をどの様に行うと、必要とする全てのことを考えられるか。また、対応できたかということを確認できる方法が存在しない。」。
注意されると、ああここが抜けていた、考えられなかった、一寸したことであるのに抜けていた、様々な思いが巡るものである。
設計、施工者の管理職あるいは長老に聞くと、「失敗を一杯して覚えるんだ」というが、失敗しない様に先ずは「システム的に考える方法、手段を、教えて訓練する」このような教育が実施されていないように思われる。
前記でいう教育を行い、その結果「失敗を一杯して覚える」なら分かるが、徒弟制度ではあるまい、先輩のやっていることを覚え、盗んで、管理を覚えるでは、効率的でなく、結果として、手戻り、手直しなど金銭的にも、時間的無駄が多く生じるものである。
しかし、教える側の先輩にも「システム的に考える方法、手段を、教えて訓練する」ノウハウを持ち合わせていない、という工事屋業の極めて前近代的な状況がある様に思える。
2,系統図分類表の効果
前項でいう「何をどの様に行うと、必要とする全てのことを考えられるか。また、対応できたかということを確認できる方法が存在しない。」この不安から解放される方法は、下記の三項目を明確にすればよい。
(1)何をどれだけ「考えればよいか」。
(2)何をどれだけ「どの様にすればよいか」。
(3)何をどれだけ「作ればよいか」。
上記項目について系統図分類表から考えてみよう。
(1)何をどれだけ「考えればよいか」。
何を=系統図分類表から系統図を作成。
どれだけ「考えればよいか」=系統図分類表の縦軸の項目全てを考えればよい。縦軸の項目一つ一つを考えればよい、必要な全てがそこにあり、順次考えると良い。
(2)何をどれだけ「どの様にすればよいか」。
何を=前記(1)参照。
どれだけ=前記(1)参照。
「どの様にすればよいか」=系統図の作成。
系統図分類表の縦軸の各項に関連したものを、系統図として具体化し、「見える化」することにある。
系統図とは、系統図分類表の縦軸の各項関連図、連係図であり、概念図である。
(3)何をどれだけ「作ればよいか」。
何を=前記(1)参照。
どれだけ=前記(1)参照。全て考えた結果、系統図分類表縦軸の各項目に該当系統図があればよい。言い替えると、縦軸各項に、あるという印が付けばよいと言うことである、上から下まで丸などの印が付くことである。
「作ればよいか」=作成した何枚かの系統図から、基本はA4サイズ系統図が8枚、それをA1サイズの用紙に貼り込み(以降、系統図8枚貼り、と呼ぶ)俯瞰できるようにして、その内容に含まれているものが、系統図分類表の縦軸の項目に含まれることを確認する。
3,系統図から世界、空間を知った人々
系統図分類表から作成した系統図、この系統図から関連、関係するものが表現されているという判断から、系統図分類表の分類項目それぞれに印が付く、あるいは、評価点(点数には関係なく)が付く状態。
系統図分類表の分類項目それぞれに印が付く、あるいは同様に点数が付くと、既に、違う世界に踏み込んでいることになる。
一般的には物事を考えるということは、系統図分類表の縦軸ある部分(頂点の第一段階は除く)、第二段階程度のブロック位であり、第三段階までは一般的には考えられていないブロック構成である。
ある部分、ブロックとは下記に示す
第二段階、A,ソフト命令系統図、B,ハード系統図、C,平面位置図それぞれのブロック単位である。
第三段階、A,イ・事業所の労務管理、ロ・システムフロー、ハ・名称の編集
B,イ・電気的、ロ・機械的
C,イ・敷地平面図、ロ・動線図(時間)、ハ・通信手段
第二段階よりももう少し細分化されたブロック程度。
第四段階、詳細に細分化されたものであるため、ブロックとはいえない項目である。
このため、第四段階を詳細に検討し、系統図を作成したもので、系統図分類表縦軸各項に印が付く、あるいは評価点が入るということは、関係する空間、関連する事項を全て検討したことであり、また、その内容を系統図に表し「見える化」を完了したことである。
また、評価点の点数はともかく縦軸各項に点数が入ると、全ての事柄を検証したことである、このことにより、系統図分類表の縦軸全てを検証することによる空間把握の方法を知ることになり、それまでの曖昧なものから空間というものが形成される切っ掛けになる。
ある空間、ぼんやりした空間が形成される。
形成というレベルはともかく、形成されるということは、形成されていない時と比べると、全く別の思考能力が備わったことになる、大きな違いがそこに存在する。
具体的例として、施工管理から系統図を作成する期間を考えてみる。
現場代理人が、管理上において系統図を作成できる期間は、着工から土工事あるいは基礎工事までの間である。この間は電気工事としては殆ど動かない、あっても盛り変え、仮設程度であり、時間的にはゆとりのあるときに、最少人員で何人かの手によりこまめに系統図を作成する、すると施工図作成あるいは施工時には、系統図があると全体把握した上での作業になるため、システム的なトラブル他、様々な問題回避を行うことができるものである。実際に行ってみると、関係者は、この系統図の効果に驚くことであろう。
4,個人の能力、組織能力を計る方法
「管理とは、管理できるまで管理することが管理である。」というような、禅問答のような曖昧なものでなく、計量的に明確にしたものである。
管理というものを、何処まで、何を考えればよいか、どの様に何を作ればよいかを、明確にしたものがあるため、限定された枠での作業になる。このため、結果として系統図を作成する者の、能力を推し量ることができるものである。
系統図を見れば、下記の内容からその能力を推し量ることができるものである。
(1)何をどれだけ「考えればよいか」。
(2)何をどれだけ「どの様にすればよいか」。
(3)何をどれだけ「作ればよいか」。
また、系統図から、系統図分類表の縦軸の項全てに関連、関係するものがあれば丸印を付ける。という大雑把の方法から、系統図分類表の縦軸の項全てに関連、関係するものの評価点を付ける方法まで、その運用には幅のある運用と共に、精緻な確認まで行えるというものである。
言い替えると、これは設計管理者の能力、施主、施設管理者、施工者、メーカーの能力、関わる人と組織の能力さえも評価できるものである。
5,組織アプローチと系統図
施工者(現場代理人)から、これから構築する建物や事業所の組織にアプローチするときの方法について。
系統図というものを、何処まで、何を考えればよいか、どの様に何を作ればよいかを、明確にしたもので、限定した枠組みから作成したものである。
さらに、系統図(A4サイズ)を台紙(A1サイズ)の貼付て、A4サイズ8枚を俯瞰するように見るものである、これを「系統図8枚貼り」という。
説明は「系統図8枚貼り」で行う
この「系統図8枚貼り」を基本に、組織に説明するとき、あるいは組織に属する個人に説明するとき、同じ「系統図8枚貼り」で説明する。そこに要望や必要な事柄を鉛筆で記入する、みんなが各々に記入する、いやこうではないかと、鉛筆で記入、更にその数が多くなるときには、その部分を日捲りにして上に重ねる。捲ると前の形がそこにある。
この日捲りを重ねることが会議、意見交換である、そこにはこう考えますという程度の会話であるが、互いに、こうだ、ああだというような論争することが無く話が進んでいく方法である。特に、一度でも系統図で説明を受けると、「系統図8枚貼り」がどんなものか、全体と詳細が表現されているため、納得するところがある。
様々な関係者に説明するため、その都度、知り得ない情報さらには指摘や指示を受けて、その内容を「系統図8枚貼り」に鉛筆で記入する、「繕い、付加し、不用なものを削除」この過程には鉛筆は都合がよい、日捲りも使い整理していく、最終には単純化、解り易いものにすることにある。
また、組織(事業所)や、また組織形成する個人に説明するときにでも、同じ「系統図8枚貼り」一冊で説明するため、何度となく「系統図8枚貼り」に接しているため、「系統図8枚貼り」があると安心するところがある。
それは、俯瞰する「系統図8枚貼り」があるため、言い替えると、俯瞰すると「突出したところ、あるいは弱いところ、繋がらないところ、抜けたところ」などが見えるため、それらを「繕い、付加し、不用なものを削除」されているため、俯瞰した「系統図8枚貼り」は、全体が安定している、無理がないところでまとめられているものであり、そのものが安定した安心感があるものである。
6,施工者からの不満
系統図は、作成すると施工上、施工管理上、顧客満足度、安全、省エネ、環境評価、施設管理上(労務管理も含む)等に関する問題の掘り起こし、と同時に対応処理方法が系統図から読みとれるものである。
しかし、系統図を作成することは大変な労力と能力、時間、費用が伴うものであるため、何で施工者がしなければならないという、施工者からの不満がある。 最も、系統図作成という行為は、本来、設計時に作成されているものであり、設計図に記入されてなくても、設計資料として本来存在するものである。ところが、実状は存在しない、資料がないというものである。
それには、社会構造に起因する設計の問題がある。
第一に、設計料が安価、外国と比べても遙かに安い。
第二に、設計期間が異常に短期間である。
第三に、設計者の能力もあるが、また、訓練されていない。
第四に、設計者、事務所の社会的地位と責任が社会的に評価されていない。
その結果、前記でいう系統図分類表に沿った系統図が存在しないということである。
この状況から、設計図から、施工者が設計目的、内容、主旨が理解できないということがある。しかし施工者は、工事はしなければならない、期日まで竣工しなければならない契約が存在する。作業するのは施工者であるため、結果として系統図分類表から作成されるような系統図がない場合は、施工者が設計者に成り代わり作成せざるを得ないという状況に至る。竣工して、施主とのトラブルは避けたいということで、設計の欠陥を、責任を、施工者が負わざるを得ないことが生じる。このため、系統図を施工者が止む得ず作成しているという事態がある。
施工者は、唯でさえ安価で請負、設計の不備を補い施工しているのに、更に系統図を作成する、しかも大量の資料収集が必要であり、この労力、時間、経費はとても吸収できるものではない、という事情がある。
仮に、系統図が存在すると、全体や関連、関係さらには詳細などが見えるため、その系統図から施工図に展開する、事業所の労務管理に展開する等々、系統図分類表の縦軸の項目全てを展開できる。言い替えると、系統図を作成、展開できると、手戻りや、手直し、変更等を極力無くすことができるメリットがある。しかし、系統図作成とメリットとデメリットのバランスをどう考えるかというところがある。
系統図作成とメリットとのバランスから、系統図分類表全ては作成できないということであれば、これだけはシステム的に問題がある等、限定して、系統図分類表から系統図を作成して検討しようというのも方法である。
しかしながら、問題の個所を見つけるにはその能力がなければならない、その能力を高め訓練する方法が、系統図作成という方法である。このため、一度は系統図を作成してそのものを知る必要がある。さらには、系統図作成、投影という
訓練が必要である。
7,系統図分類表から「系統図8枚貼り」持ち歩き
(1)系統図分類表の縦軸の項目、言葉と意味、関係、関連を認識する、すなわち空間を文字から認識できる。
(2)主題となるシステムから、系統図分類表の縦軸項目に沿って系統図(基本サイズA4)を作成することができる。
手法は、
(3)「系統図8枚貼り」
系統図(基本サイズA4)を台紙(A1)に8枚貼り付ける。俯瞰するため。
(4)「系統図8枚貼り」記入編集方法。
系統図相互の関連、関係を確認する、下記の内容を記入、編集する。
詳細列記すると、図と言葉の表現方法、図と言葉の編集、単純化、部分(詳細)と全体、ゾーニング、階層性、関係密度(濃度)、時間経緯、変化等々。
(5)「系統図8枚貼り」を使用して、施主や関係者に説明する。
説明すると、「系統図8枚貼り」は良く理解ができるため、それぞれから要望や指摘がある。多くの人が関わり、その内容を全て記入する、多くても関係なく作成する。
作業は、系統図があれば、要望や指摘があっても少しの言葉または図の書き足し、繋ぎ程度で修正可能である。このメリットがある。結果として、「系統図8枚貼り」で多くの関わった人々が、会議(疑似)をしたことになる、効用がある。このため現場代理人は「系統図8枚貼り」を常時持ち歩くことになる。
52, 交渉術 (平成19年11月20日(火)にH20,5,28加筆)
バードアイ交渉術
1,交渉という目的
1)己に取って、都合の良い展開にするための方法。
2)考え方を、相手に伝える、相手の考え方を知る方法。
3)双方の利害と共通利害の調整。
4)地球環境と弱者の保護。
交渉とは、個人的な狭い範囲ではなかなか成立しないものであり、また損得のみでも成立しないものである。交渉相手の考えや背景を知ることである。
さらには、共通利害の調整、一例として、地球環境、弱者の保護等の切り口からの歩み寄り、共通利害の確認などを行うと、そこに共通点を見いだすことが出来るものである。正面交渉のみでなく、空間や事象、次元を異にする切り口やベクトルからの共通利害の確認が必要である。
2,交渉戦略から戦術
国や社会・組織における、価値観や常識と習慣の違いがある。もっと深い所の風土の違い、この前提を忘れないことである。
国際的には、商売は汚い手、だまされる等は商行為としては当たり前のことである。商行為、交渉としては、だまされる者が悪いという評価である、商売上の判断と評価がある。
また一方日本におけるプロジェクトでは、プロジェクトマネージャーが様々な判断や決定を行うことが多い、製品や材料の等の決定、下請決定等を行う。これらの際、前記「汚い手、だます」などの行為は以ての外であり、コンプライアンス等の社会規制が働き社会的制裁を受ける、また、そのプロジェクトは消滅しかねないというのが日本である。
コンプライアンス(法令遵守)は、コーポレートガバナンスの基本であり。社会的規範や企業倫理を優先し守ることまでも含まれるものである。
また、日本における契約という曖昧なものが今も存在するが、現在では明文化された契約書が商行為の基本となっている、現在の形態である。
交渉にも種類がある。背景の違いから、強力な軍事力を背景とする占領後の交渉、戦勝国と敗戦国の違い。また、買い手と売り手等の立場等の違いがある。
対等交渉では、原則(概念)立脚型交渉、駆け引き型交渉(ゼロサム・ゲーム)等がある。
交渉材料がない弱い立場の交渉者が、交渉、巻き返しのための唯一の方法がある。あらゆるコネクション、相手のあらゆる情報収集、交渉材料としての情報と弱みを掴む等の交渉方法がある。
さらには、情の交渉として、若さ、誠実な人柄など情に唱える、別次元の情報、ひたむきさ、姿勢、礼儀などの、論理交渉とは違う情報が人間を動かすものである。しかし、ここでは論理交渉を問うものであるため、本項では触れないものとする。
3,交渉戦略から戦術の分類
交渉であるため、以下の内容と逆の使い方がある。また逆に使うことが出来るものである。記述内容は発注者の論理であるため、受注者は逆を、発注、受注者は関係なく、常に逆を頭に画きながら全体像を形作って頂きたいものです。
1)論理交渉
2)期限と経済交渉
3)情の交渉
4)誰でもが出来る交渉「中間域の安定という方法」
1)論理交渉
(1)コンセプトを伝える。
(2)全体像を伝える。
(3)交渉での詰め、その度合い、精度の違い。
(4)知らない、全くの素人
(5)質問に答えられずに、物事を曖昧に右左に振る。
(6)目的物、書類が「出来ない・分からない」。
(7)情報の「ちょび出し」。
(8)バードアイにおける質問、回答「情報の整理」。
(9)事象、次元の相異。
(10)問題を全体と部分に切り離す。
(11)組織意思決定ラインの把握
(12)間合い、待ちの交渉
2)期限と経済交渉
3)情の交渉
4)誰でもが出来る交渉「中間域の安定という方法」
1)論理交渉
(1)コンセプトを伝える。
「概念を共有する」
共有するには、周辺情報を提供して同じ情報蓄積を行う、概念を作る。
また、行動や判断基準を共有する。
(2)全体像を伝える。
このような物、このような事象、このような目的のため、にいうことを明確に伝えることである。対象とする「全体像」、「全体像」とは全ての事柄は含まれるが、背景、歴史、環境まで理解する、伝えることである。
命令者は、命令の内容を全体から考えて、どの位置にあり、どの程度の優先性と信頼性が必要か階層的に理解して、命令を出すことである。また受ける方においても、命令の内容とその外の条件まで理解すると、「全体像」は明確になり、伝えることは容易となる。
しかし、片方(A)が全体を知り、もう一方(B)が全体を分からないときには、当然全体を知るも(A)のが指導的役割を負うことになる。
ところが、住宅の設計あるいは建築時の例として、(A)が建築業者で、(B)が施主の場合など、施主(B)は全体を知らないため(A)建築業者の指導や情報提供の中で設計、建築、工事金額の確認を行っていかなければならない。
このような形では、住宅の全体がどの様になるのか、また、全体金額がどのくらいになるのか等、施主(B)として知らなければならないものが、設計が完了する頃に全体が見えるという。これでは、施主は全体を完了するまで知ることが出来ないということになる。
そこで、「全体像」を施主(B)に間違いなく伝えることが出来るのなら、その都度、施主とし全体を知ることが出来るため予算も含めて安心感が生まれる。それには、全ての価格が公表されたものであり、確認が出来るものであれば納得して、さらに不安部分を取り除くことが出来るものである
また、全体を知ることが出来なければ、情報の渦の中で、施主(B)はその到達点あるいは工事金額の制約を探ることは出来ないものである。
程度の悪いものは、これを逆手に取り商売を行う者もいる。言い換えると、この行為は商道徳に反するものである、注意が必要。
(3)交渉での「詰め、その度合い、精度」の違いは。
何度かの話し合い、または交渉での「詰め、その度合い精度」の違いは。
特に、これまでに接触が無く、全くの初対面などの場合良く生じる、交渉が交渉にならない。
例Aをお願いします。例Aの資料、回答があっても、そのままの内容では使えない。
精度の違い、また、「詳細と全体等の計画範囲、対象範囲への影響などまで考慮されている」かの違いなどがある。
この場合、百年かかっても結論には行きつけない、堂々巡りが出来上がる。ピラミッドの様に積み上げる場合など、到達しない限りは、次のステップには行けない場合などがあり、もっとも困るパターン。
双方が、「詰め、その度合い、精度」を推し量り、双方で調整可能なら成立するが、調整不能の場合が多く存在する。
(4)知らない、全くの素人
コンセプトや全体像を伝えても、そのものの内容や背景を「知らない、全くの素人」の場合は、話を進めるには、その内容を理解してからでしか出来ないものである。
(5)質問に答えられずに、物事を曖昧に右左に振る。
言い換える「のらり・くらり」、返事はないわけではないが、的から外れ意図的に呆けさせる、表現、資料提供がある。
何か、組織において、基準を守らなければならない強制があるのか、個人的にやりたくないのか。それとも、その表現、編集能力がないのかなどの理由が考えられる。いずれにしても、目的物、成果物の提出がない、約束の期日が守られない。
例として、営業において、カタログに表示があるが、カタログを作成したときには採算が取れたが、今では採算が取れないので売りたくない、関わりたくないなどの事情がある場合、組織命令がある場合など、推測しても意味のない状況をいう。
(6)目的物、書類が「出来ない・分からない」。
目的物、書類が「出来ない・分からない」、内容が分からない。を踏まえて、最終目的に添った形でこの様に作成しなさい、などの具体的に細分化して、書類様式やまとめ方を指示する。
具体的に指示したものであるため、一つ一つを作成すると、誰でもが作成出来るものであるにもかかわらず作成しない。もっとも、編集という段階になるとその能力が必要であるが、途中までは資料としての書類作成であるため、出来ないはずがない。しかし、「出来ない・分からない」パターンがある。
@「出来ない・しない」から出来るまで。
命令者、あるいは指示を出すものが、段階的に系統立てて詳細に分割し、作成する者の能力に応じて、分割幅を作成可能な範囲にすることで、継続的に編集まで誘導、応援することである。
作成者は、分割幅を作成可能な範囲にすることにより、その能力を伸ばすと同時に満足を得られるように、応援するものである。また、分割されたことにより、作成者の手に届く、思考範囲になり、編集レベルになる。このため、作成者は気が付かない内に、これまで到達することがなかった所まで、能力を高めることが出来る方法ものである。
A「分からない、分からない」逃げ切りパターン
「分からない」と言うので、細分化し詳細に説明するが 「分からない」。さらに細分化するが「分からない」の返事。
この時に感じたことであるが、細分化すると仕事が増えるものであり、「細分化とは仕事が増える」という方程式が成立する。
結局は、「分からない」から始まり、分かっても仕事が増えるからやりたくないという結果に至る。
(7)情報の「ちょび出し」
相手をコントロールするために、全体を見せずに手持ちの情報の「ちょび出し」をする。見えない相手は、何があるか分からない緊張感と共に価格などの全体を知らされないため、全体の情報を持つものに太刀打ちできない。このため「ちょび出し」による駆け引きに、翻弄される。この意味では交渉術である。
仕事において、相手をコントロールしながら、多くの仕事をこなすことは無理がある。ルーチンワークで仕事をこなす場合は、全体を明確にし、さらに、その部分と関連までよく説明し、協力を仰ぎ、提案などを積極的に受け入れ進めることが必要である。ちまちま仕事では「ちょび出し」も効果があるが、忙しい、多くの仕事をこなす、処理する場合には「ちょび出し」は向かないものである。
前記「細分化」は、この「ちょび出し」と勘違いされる場合があるので注意が必要である。もっとも、「細分化」は善意であり、指導として行うものであるためその目的において全く違うものである。
特に、力のあるもの(権限、権力、財力)のある者はこの方法を使ってはならない。それよりも、情報は相手に提供して、提案や能力を発揮できる環境作りを行うべきである。
(8)バードアイにおける質問、回答「情報の整理」
打合せ、あるいは質問、回答は、常に系統図を使い行う。
ある一定レベルの系統図作成が終わると、質問、回答時間は3分以内に行うことが可能となる。そこには、系統図というものが関連するもの、次元を越えたものまで関連づけることが出来るものである。
それは又、系統図をシステムとして捉えると、システムのパターン認識が出来上がったと言うことである、言い換えると「情報の整理」である。
質問があると、ストック(系統図8枚貼り)の中からその内容に近い系統図を取り出し、そこに、質問内容についての回答を、矢・丸印を記入すればよい。これで済まないものは、系統図の中に図なり文字を記入すればよい。このようなやり取りがバードアイであり、系統図のやり取りが短時間「スピーディー」に行える質問、回答方法である。交渉というより、人々の叡智を集め、システムを使い易く、安全に高次へ導き出すための方法である。
そこには、相手は何が欲しいのか、何を伝えたいのか、何を知りたいのか。
相手の考えていること、思いを系統図に投影し、形として表現することである。それは、図すなわち系統図があるため、事象と次元の調整が出来る方法である。また、階層が書き込まれているものである。このため、説明時の資料として有効である。
質問に的確に回答が出来き、要望を的確に積み上げ、システム化できる方法(系統図8枚貼り)であるため、交渉相手から頼られ、協力者としての「信頼関係」を築くことが出来る。そこには情報の整理が行え、また「安心感」まで築くことが出来るものである。
(9)事象、次元の相異
事象とは、「広辞苑によると」ことの成り行き・様子。ことがら。とある。
次元とは、「広辞苑によると」転じて、物事を考える立場や、その着目してい る面。とある。
交渉とは、同じ事象・次元で行うから交渉が成立する。しかし、事象、次元が異なると、同じ話でも全く異なる話になる。政治論争がそうである、先ず、事象として、ことの成り行きの認識が違い。次元として、物事を考える立場や、その着目している面が違う。全く違うものの論争をいう。
他のことがら、あるいは、共通の利害から歩み寄る実利的解決がある。
例、政治での合意点の代表作、欧州連合(EU)の一つの成果、基本通貨ユーロの流通がある。これは事象・次元を越える政治的、実利的解決方法である。また、そこには誰もが分かる損得がそこに存在する分かり易いものである。
(10)問題を全体と部分に切り離す
問題を解決する具体的方法(バードアイ)
問題を細分化して、相違点を知る。
それには、系統図分類表の縦軸各項から、それにあった系統図を作成して、分類された各項、細分化された事象、言い換えると、単一のことがらから何が違うかを知ることである。特に、人に絡む問題は常に切り離して考えるものとする。
系統図分類表から分類と投影
一次的には、単一の事柄から、相違点を明確にし、投影して調整する。
二次的には、関連する幾つかの「単一の事柄」、それぞれから相違点を明確に し投影、統合して調整する。
三次的には、系統図分類表の全てから、事象を俯瞰的に確認して調整する。
(11)組織意思決定ラインの把握
組織意思を決定するための、組織の入口担当者、組織意思決定ラインを把握して、交渉を有利に組織展開する。
誰が最終意思決定者か、また、意思決定を行う為に影響を与える人物の確定まで、速やかに情報を得ることである。例、資財発注担当者、オーナーに近い関係者との関係を協調し有形無形の圧力を掛ける。
また逆に、インホーマルな形での関係、組織同意(意思決定)というものがある、井戸端会議、煙草休憩仲間、同好会、町会等々からの関係から、伝播する民意、世論の広がり同意(決定)がある。
(12)間合い、待ちの交渉
何が自分にとって都合いいか、論理的の確認・検証と精神的に安定するまでの確認時間、内なるものと外となるものとの確認時間、「間合い、待ち」いうものがある。それはまた納得、定着などの「間合い、待ち」でもある。
交渉例、
交渉相手「A」は一番欲しいものがある、それを感じて、「B」は、交渉材料として、世界一性能がいいもの(機器1)があるので交渉材料として提示する。しかし、「A」は最先端のものを獲得しても、今の能力、技術では運転、整備が出来ない。技術力にあったものは(機器1)から5年位前古いタイプのもの(機器-5)が技術的に対応可能である、これに沿った(機器-5)が欲しいとの要求。勿論交渉では、弱みとなる技術的背景は相手に悟られないようにしている。
間合い、待ちの交渉とは、交渉材料(機器1)が(機器-5)に落ち着くまでの「間合い、待ち」をいうもので、例(機器-5)そのものが本当に「A」に取って、必要なものかどうか、技術的背景、さらに関連する背景まで検討する必要がある。
同様に「B」は(機器1)から、少しでも古い旧タイプを渡すことに凌ぎを削る。提供者「B」は、「A」の技術レベルを読みどのものが一番必要か探る、技術流失を最小限に抑えることが目的である。また、経済的負担を最小限に抑える等々。
双方が、全く異なる目的から己にとって利益のあるものはと、模索し、より有利に展開するにはと駆け引きを繰り返す。この定着までの間合いが、提供者「B」、獲得者「A」の能力の探り合いである。
双方が、交渉材料例(機器1)から(機器-10)の内どれを必要としているか、双方が、価値ある交渉、利益がある交渉へと展開する。交渉が実利から遊離すると、「欲しくないもの、渡したくないもの」交渉材料が、落とし所になることがある。
2)期限と経済交渉
(13)期限と財源、価格の限度から
交渉者双方(発注、受注側)の期限の利用。
交渉者双方の期限を、前記項目を関連づける交渉に有効に使う。財源、価格においても同様である。
3)情の交渉
(14)若さ、誠実な人柄、ひたむきさ、姿勢、礼儀
若さ、誠実な人柄ひたむきさ、姿勢、礼儀等からの、情の信号に反応する情報。発信者と受信者の関係などがある。
感情操作等がある、焦らし、悪評、悪口、持ち上げなど。
4)誰でもが出来る交渉「中間域の安定という方法」
交渉において、双方の開きが大きい場合。あるいは、到達点をここだと指定されても、当方にはそれ程の能力や技術的ノウハウと実績がない。というような開きはある場合等の交渉対応から、考えてみる。
到達点が例、二十とすると、当方の技術的ノウハウと実績からは例、十の能力しかないと判断できる。
交渉の時、二十はないが十五だったら何とかなる、ここで辛抱してもらえないか、等の交渉になる。
現状においては、客観的に見ても確かに十五が精一杯であろう、この可能な範囲を設定することを中間域の安定という。もしも、精一杯であろうこの設定をこなすことが出来ると、そこには、次の設定を設けても可能な、技術的蓄積と様々なノウハウと実績を獲得出来ているものである。それは、間違いなく到達できる少し上の目標を達成したことである。
このように、次々と目標を高く変化させる方法の一つとして、中間域の安定が必要といわれている。
中間域の安定とは、動物等の進化の過程において、中間域の安定があるとスムースな進化が行えるといわれている。
進化、変化の途中に安定した部分や時期を持つと次の進化がスムースになるという。この位置が前記でいう(到達点二十)を一気に駆け上るのでなく、可能な範囲(中間域十五)で、中間域を設けて、安定した部分や時期を持つことが次につながる例である。
また営業においても、一気に到達点まで突き進むのではなく、条件や価格交渉でも中間域を設けると、抵抗無くスムースに行えるものである。
(1)中間域の設定方法
直感や当てずっぽうの中間域設定を、論理的に具体化して安定した、系統図分類表から系統図を作成し、中間域設定を行う方法を下記に提示する。
@「中間域の直感設定」
直感でこの程度だ、これぐらいは出来る、ある中間域を先ず は設ける。
A「中間域(A)と現状の差を把握」
系統図類表を使い、事象毎に中間域(A)を系統図で検証する。
B事象毎に、何処が弱くて、何処がゆとりがあるか把握することが出来る。
C「中間域の検証後設定」
「弱い、ゆとり」把握から、この程度のステップアップは出来るという目安か ら、再度中間域の設定(B)を行う。到達点の設定である。
D中間域(B)で、作成した前記(A)の系統図を使い再度検証、確認する。
E「到達点までの差を把握」
ここで、系統図に必要な事柄を記入して、「何が足らず、必要か」を確認して作業計画を行動計画を具体化し進める。
4,まとめ
1)交渉相手とは
個人あるいは組織交渉であっても、相手(個人・組織)の組織風土や性格を把握することである。また、いかに容易に近づきになれるか、情報収集と共に、様々なネットワークからの模索をしながら、研究が必要である。
また、交渉が困難なものであればあるほど、決定権を持つ人との直接交渉が必要となる。これはまた、言い替えると、直接交渉を得る機会が容易となる。さらには、政策や交渉内容が高度な判断を必要とするもの、あるいは困難度合いが大きいもの、等に比例して決定権を持つ者、権限と高位な者との直接交渉が多くなる。
ここには当然、実務交渉があっての成立であり、不要というものではない。このことを忘れてはならない。
2)交渉という展開
交渉でよく使われる言葉、「時の恵を待つ」あるいは「自らの判断と力量」によって交渉を切り開き展開するかの違いがあるという。
いずれに置いても、「時を待つ」また「自らの判断と力量」で行うにしても、マキヴェッリア語録にあるように、備えある戦略や予想は「武装せる予言者は勝利をおさめる」と言い表されている、逆に、備えなき者は滅びるものである。等の記述がある。
3)理解力と備え
備えるには、備えるための準備が必要である。また、その能力が必要である。
人間の頭脳には三つの種類があることを覚えておくべきであろう。特に意思決定者の資質が問題となる。
(1)自力で理解が出来る。
(2)他者が理解したことを鑑別できる。
(3)自力でも理解できず、他者が理解したものでも鑑別能力がない。
正に、人は備えであり、能力は、思考は備えである。最低前記1,2の能力が必要であると考えられる。
参考文献、資料
1,マキアヴェッリ語録 新潮文庫 塩野七生著(平成4年11月25日)
加筆
h19,11、22(木)
2,に加筆、
交渉にも種類がある。極端な軍事力を背景とする占領後の交渉、原則(概念)立脚型交渉、駆け引き型交渉(ゼロサム・ゲーム)等がある。
2, 10)問題を全体と部分に切り離す。加筆
更新 H19,11,28(水)
3,1)(11)また逆に、インホーマルな・・。H19,11,28(水)加筆
更新 H19,12,1(土)
(12)間合い、待ちの交渉、追加
(13)以降番号昇順
加筆、4)誰でもが出来る交渉「中間域の安定という方法」。h19,12,7(金)
更新h20,5,28(水)
4,まとめ加筆
51,大掃除の復活とトラッキング回避(平成19年7月10日(火))
「トラッキングとコンセント高さ」と抜け落ち対策
1,トラッキング現象を考える
トラッキング現象とは、コンセントに差し込んだプラグ(キャップとも呼ぶ)の周辺に綿埃等が付着し、そこに湿気等を呼び、差し込みプラグの刃間に、電流が流れる微少なショートを起こす。ショートが起きることにより、また、繰り返すことにより、表面が炭化経路となりトラックが形成され、出火する現象をいう。
東京消防庁ホームページ(H19,7,7)による統計、平成18年中火災の概要から。
電気設備機器から出火した火災の中では「最近10年間のトラッキング火災の推移状況」から抜粋、「平成9年(55件)、16年(77件)、17年(64件)、平成18年(84件)」とある。トラッキング火災はこの10年間に1,52倍と増加傾向にある。
新しいニュースとして、これまで考えられなかった弱電、電話コードからの「トラッキング現象」が報告された。
「電話コードの大掃除ご注意、プラグに洗剤付着で出火」と新聞にあった。 YOMIURI ONLINE(2006,12,2,読売新聞)から抜粋
東京都台東区の会社事務所で平成18年8月、床に落ちていた電話コードに洗剤が付着したことにより、先端部のプラグ(接続部)が「トラッキング現象」を起こして出火していたことが12月2日東京消防庁の調べでわかった。
同署では清掃の際、業者の洗剤がプラグに付着したとみて、同じ洗剤を使って再現実験をしたところ、洗剤をプラグに垂らしてから約1分半後にプラグから煙が上がり、約4分後には炎が確認された。
電話局とつながっている状態では通常、電圧48V、電流15〜130oA程度の微弱電流が流れており、同署はこの洗剤で電気がショートしてトラッキング現象がおこり、出火したと結論付けた。電話コードメーカーも再現実験を行った結果、家庭用洗剤でも同現象が起きることを確認。とある。
2,コンセントから考える
(1)コンセントが設けられる面、場所から考える
(2)「隙間」とコードの自重から考える
(1)コンセントが設けられる面、場所から考える
天井、壁、床と、面や場所に関係なく取り付けられている、コンセントがある。
@天井は、コードの自重、あるいは、一寸したコードの引張りから抜け落ちる ため、引っ掛けコンセントが多い。
また、レール状のダクト(天井付け)のどの場所でも、コンセントをセット することが出来る物等がある。
一番多く存在する「壁付け」のコンセントから考察する。
コンセントに差し込まれたコンセントとキャップ(差し込みプラグとも呼ぶ)との間に隙間を作ることが原因となる。この隙間にゴミ、埃、綿埃などが入り込み、湿気を伴うとトラッキング現象が発生する。
A床は、フロアーコンセントである。ゴミがコンセントの溝に入るため、蓋付 き等で保護しているが、どうしてもゴミが入る問題を抱えている。
B壁は、一般的なコンセント等一番多く取り付けられている面である。
(2)「隙間」とコードの自重から考える
機器器具は、コンセントにキャップを介してつながる物である。このため、キャップからコードを経由して、電気的に接続されものである。
コンセントとキャップとの間隙を作る原因は、コンセントに差し込まれたキャップにコードの自重が掛かり、下方向に自重が働き、こじってコンセントとキャップの上部に隙間ができる。詳細には「キャップ下部の角が支点になり上部が開く」という形になる。基本的には、荷重が掛からなければキャップはコンセントから抜けることはないという考えである。
「キャップ下部の角が支点になり上部が開く」楔状の間隙が生まれる、もっとひどいのはキャップの歯がコンセントから引き出される。この間隙にゴミ、埃、綿埃などが入りトラッキング現象が発生し易くなる。
このため、特にキャップに荷重が掛からない方法を考える必要がある。
3,コンセントの保持力と、キャップとコード接続部位強度について
(1)コードを持って引き抜く時は、キャップに近い所
(2)キャップを持って引き抜く時は
(1)コードを持って引き抜く時は、コードとキャップの接合部試験
キャップとコードの接続と保護の試験として、メーカー独自の方法として下記の試験を行っていた。
ベタ小型キャップ(器具)に指定コードを使用状態に接続して、この時のキャップはコンセントに差した状態で、キャップを動かないように外的に固定する。
コードと器具間に20回/分の速さで60N瞬時(約0,01秒)の繰り返し衝撃荷重を加える。繰り返し回数連続3000回。条件、コードは指定コード新品を使用。という、試験がある。
この内容からすると、通常抜き差しする回数を考慮するとかなり丈夫なものであると考えられる。
(2)キャップを持って引き抜く時は
「引き抜く力(保持力)」
「通常コンセント」の引っ張り荷重、抜けるまで「引き抜く力(保持力)」。
抜くための荷重は、JISC8303では10から60N(保持力)である。
(参考、保持力とはJISC8306によると、コンセントからキャップを抜く力 をいうNニュートンで表す。sfに換算するのは9,8で除する。)
@「医療用コンセント」の引っ張り荷重(抜けるまで)
抜くための荷重は、JIST1021では、定格電流15A(2極)のもので15から60N の保持力である。
A「引っ掛けコンセント」
引っ掛けコンセントの許容荷重、抜けるまで。差し込んだだけでの、抜くた めの荷重(保持力)はロックすると100N保持力、取付枠と同等である。
4,吊り下げ強度(鉄ボックス、樹脂ボックス)
コンセントの支持は、アウトレットボックスの二つの小さな耳に雌ネジが切られて、そこにコンセント支持ビスが止められているものである。
そこで「引き抜く力(保持力)」を確保するためには、コンセントを支持するあるいは、保護する鉄ボックス、樹脂ボックスがあるこれについて検証してみる。
メーカーの資料によると、鋼製アウトレットボックスのコンセントを支持する「小さな耳(カバー止めネジ)」は引っ張り強度(吊り下げ質量)は約23sである。しかし、樹脂アウトレットボックス「小さな耳」は、塗り代カバー付きで4,3sでる。吊り下げ質量は、松下電工、電設資材(2006−2008)P866に記載がある。
言い換えると、コンセントの支持、引き抜き力は上記のアウトレットボックスの「小さな耳(カバー止めネジ)」吊り下げ質量以下でなければならない条件がある。それは、引き抜き力が吊り下げ荷重を越える場合は、コンセントが外に飛び出すことになる。
それを回避するものとして、下記に示すタオル掛けが、一次的に荷重を受け吊り下げ質量以下に保つ緩衝装置である。
5,コンセントの高さとトラッキング対策
(1)差し込みプラグの刃間からの出火等防止
(2)電話コード先端部のプラグ(接続部)からの出火
(1)差し込みプラグの刃間からの出火等防止
プラグに荷重を掛けない、荷重が掛かるとプラグがこじられて、プラグ上部に隙間が出来る。対策として、プラグには極力荷重を掛けない。プラグ上部の隙間にゴミ、埃、綿埃がは入り込まないようにする。また室内環境作りを行う。
特に、高い位置にコンセントを設けないことである、コードの自重とその他の力が下方に働くからである、機器の近くにコンセントを取り付けることである。
また、コードは可能な限り短くすることである、長いと人や機器、設備に引っ掛かけたり、絡んだりする。これはまた「抜け落ち」対策でもある。
具体的対策として、
コンセントの下部あるいは近い所に、タオル掛け等を取付、これにコードを固定して、プラグとコンセント接続部に荷重が掛からないようにする方法がある。
この方法は、コードが何らかの荷重、あるいは確認、注意ミス、また間違い等からの引張からも、タオル掛けが荷重を受け止め、直接にはプラグとコンセント接続部に荷重が掛からないようにする、緩衝装置として使うことが出来るものである。
特に、病院等で生命維持装置につながるコンセント等には必要なものである。ベットサイドコンセントにはタオル掛けを設けるとよい、抜け落ち防止となる。
また、様々な重要機器には同様に必要なものである。
(2)電話コード先端部のプラグ(接続部)からの出火
電話コードに洗剤が付着したことにより、先端部のプラグ(接続部)が出火した。しかも、「プラグに洗剤を垂らして、約4分後には炎が確認された」とある。
このことから床は勿論、壁の洗浄も当然あり得るものであるため注意が必要である。それには、洗浄もしくは清掃時にはモジュラコンセントの接続部が有電圧でないことである。もしくは、床に置く、あるいは壁にぶら下げるプラグ接続部(先端)は、必ず無電圧になるようにコネクター等で配慮することである。
6,トラッキングと大掃除
日本では夏に大掃除を行う習慣があった、畳を上げ、畳の裏を干すという習慣である。最近では、マンションが多くなり、畳も少なくなっている関係、あるいは畳そのものを干すスペースそのものが都会では無いという状況である。このため昔のような大掃除は余り見受けられない。例え行へても、都会では、道路に埃を出す、埃が舞う等と、近所迷惑だと苦情が来るのが関の山である。
しかし昔の大掃除はともかく、トラッキング対策としては、せめて年一度位は手の届かない隅々の埃の除去、さらには、全てのコンセントは一度外して埃を取り清掃することは必要である。また、隅々の埃の除去は、室内空気の清浄化にもつながるため是非行っていただきたいものである。
特に、フリーアクセスの床下には、多くのコンセント、タップ、キャップ、配線が縦横無尽に折重なり、そこに埃が溜まっている。様々な盤内も同様である。
大掃除時には、蛸足配線の整理、キャップ・コンセントの温度確認、配線・コードの温度確認、視覚確認と触覚確認を優先する方法で行う。管理、理論的な詳細情報は後に示す「機器、器具リスト」から確認する。
さらには、キャップの刃(金属部)、コンセントの受け口(金属部)の表面が腐食していることがあるため、コンセントから何度かキャップを抜き差し繰り返し腐食部分を取り除くことも必要である。炭化や変色した物など、極端に悪い物は取り替え、使用可能なものは紙ヤスリ等で取り除くことも必要である。
管理的には、各部屋における「機器、器具リスト」の作成、そこには電気容量、水道、ガス、排水等の内容と接続も記入しておくことである。部屋の管理者に作成させるとよい。このリストからトータル的に管理をすればよい。
一例として、フリーアクセスの上、あるいは床下のキャップには全てリストに基づく札が取り付けられているという管理方法もある。また、この札は危機管理対策にも、そのまま使えるものであるため丈夫なものを使用すること。
このような習慣がない大規模施設、大病院等でも、習慣として行うのなら、適正配線の確認と共に、コンセントやキャップの配線状態の確認、破損の確認修理を行い、さらに、清掃を行い、埃の除去等を行う。これらの対応から、トラッキング防止を計れるものであり、副次的効果として空気の清浄化が計れるものである。
実状は、施設全体を一度に大掃除するには、ビルそのものが缶詰状態である、一例として、開放できない閉ざされたカーテンウォール等で囲われている、あるいは、ベランダの腰壁がコンクリートで固められ腰高で埃が抜けきらない、大掃除を対象として計画されていない等々の様々な問題がある。
方法としては、埃が飛散し他に影響が出ないようにするためには、空調系統毎に行うのも方法である。また、年間通じて職場区分あるいは部屋毎に行うのも方法である。いずれにしても、このような習慣、大掃除を社会的に復活させて実施することを提唱するものである。
参考文献、資料
1,JIS、医用差込接続器T1021(1997)、配線用差込接続器C8303(1993)、配線器具の試験方法C8306(1996)
50,警報盤という表現と経営、管理との関係(平成19年5月28日(月))
1,携帯電話による通報装置の展開と「小型ユニット」の設置
これ程使い易い、安価な、便利のいいものはない。
約30年前までは、200m離れた浄化槽設備の監視を行おうとすると、信号線は雷を避けるため、地中化あるいは光ケーブルを使用して配線したものである。また機器につても、監視を行う信号も多重伝送装置(十点未満の入出力)を利用して行うもので、この機器も高価であった。しかも、漢字は全くソフトになく、カタカナ文字、数字でしか表現できず、読みづらかったプリントアウトを思い出す。この設備を設置するために、離れた間をつなぐ電柱、配線と多重伝送装置は当時約五〜六百万円の費用が必要であった。
携帯電話で情報を送受信できる装置が存在する、ところが前記と同じ信号(警報、状態、計測事)を行っても、費用はたったの七万円、アナログ信号が入ると二〇万円というもの「小型ユニット(例、Webコントローラ)」が存在する。値段は30年前の百分の一にもなっている驚きである。
前記浄化槽の話から少し遅れて、次のような発想が生まれる。ユビキタス(ubiquitous)、ラテン語で「いつでも、どこでも」という意味である。1991年に米ゼロックス(XEROX)社パロアルト研究所のマーク・ワイザー(Mark
Weiser)が論文に発表したのが最初といわれている。またワイザー氏は、ユビキタス・コンピューティングを語る際に「見えない」(invisible)ことを強調して、その姿は「いつでも、どこでも」あらゆるとことで「区別がつかないほど日常生活に織り込まれる」と伝えている。
情報獲得と処理
ところが「小型ユニット」は、これ程安価で、必要な情報を獲得する手段として存在するにも関わらず、必要としない、気づかない、現物を前にして信号の送信などを見ても感じない所がある、これは何だろうから考えてみる。
顧客から見ると、あるいは経営、管理から見ると、この場所、このところの、この計測が、発停が解ると省エネができる、システムを便利な高度な制御に移行ができる、作業改善、改造ができるなど、そこには様々な展開が存在する。
しかし、これまでの中央監視では、例、ここに二点、あそこに三点、離れた所に四点等と増設が必要でも、ソフトの改造、センサーから多重伝送へつなぐ中継盤(リモート盤)までの配線等の費用が高価(何百万円)などと必要であるため、増設したくても出来ない、諦めが先立ち情報獲得が出来ないというのが実情であった、この諦めが、反応できない所の原因ではないかと思われる。さらに極端な例は、情報が入ると仕事が増える、情報は出来るだけ入れないようにしようという消極的な考えも存在する。
このような場合にも、前記の「小型ユニット」を簡単に設置することが出来る。何処にでも、何処にいても、配線もなく情報を獲得することが出来るものである。
また、情報とは時代の流れと共に日々、提案、検証、改造を繰りかす宿命をシステムや設備は持っているものである。そこには、必要な情報の蓄積が必要であり、情報の整理と編集が必要である。
ところが、営業部隊においてさえ、現実は顧客からの要求がない、施工時点には充分な打合せを行い作成しているのに、要求はそんなにないというような雰囲気がある。そこで、警報、表示盤とはどの様なものか、設計、施工、竣工検査、エンドユーザーから、また、警報、表示盤の表示される文字と意味を経営、管理という観点から考えてみたい。
2,警報、表示盤という表現と経営目的の関係
警報、表示盤における、警報や状態、計測とは、また、その表現、文字、意味内容について考えてみよう。
(1)設計時点では
警報や状態、計測などの情報は、この設備この面積、容積、規模であれば、この程度で対応できるという経験と実績から考えて設計を行う。あるいは、現実に操作、制御内容、人員配置まで調査し、理解して、警報や状態、計測などの表示あるいは文字内容と点数まで積み上げ、検証する方法がある。実状は、調査不足という事例が多く存在する。
(2)施工時点では
顧客が「管理し易い方法、管理と人員配置から、仕事がし易い表示方法等を考慮して」警報や状態、計測などの表示あるいは文字内容と点数まで検証し作成するものである。しかし、実情はそこまでの観念がないため、各メーカーの警報内容をいただきき、それぞれを警報盤に羅列する、あるいは全て一括で表示するというのが現実に多く存在する。
本来は、「管理し易い方法、管理と人員配置から、仕事がし易い表示方法等を考慮して」各メーカーの警報内容を当該事業所に合った形で編集する必要がある。
一方、改修や修繕工事では現状把握が特に必要であり、状態、計測資料はすぐにでも欲しいものである。このため、持ち運びできる移動「小型ユニット」は必要個所に設置して、また移動して情報を集めることが出来る有効な機器である。
(3)竣工検査
検査員は当然検査対象については、経験や見識があるので必要なこと、絶対必要なことは直感的に理解ができるものである。
警報や状態、計測などの表示は当該事業所に合った形で編集するものであるが、検査時点でこれは管理的に問題がある、「管理ができない、危険」と判断するものを指摘する。
設計通り施工されているものなら、気づいた内の、これはトラブルになる問題になる、という最低限しか指摘できないものである。
(4)施工業者の営業
営業としては前記2,施工時点では充分な打合せを行い施主の承認をいただき、竣工検査においては、入念な検査をしていただき、手直しも完了しているので問題はないと考える。
実情は、設計時の警報や状態、計測点数という枠の中で、打合せを行い必要個所、機器名、センサー名等を、目的にあった形での名称を決定していくものである。この作業を編集というが、編集を行うということは、出来上がった内容、表示に含まれないものがそのほかに多く存在することである。
実際はこれも欲しいあれも欲しいと思うものが、システムを今後どのように管理していくのか、発展させるのかという目的から思い悩むものが多く存在するものである。そこには編集された名称、警報や状態、計測名称がさらに時代と共に変化するものである。この認識が、その後の営業展開につながる一つである。
(5)エンドユーザーが実際に使用して
竣工後、実際に使用して不便を感じること、また、こうすると効率的に有効にシステムを利用できる。また、時代や社会的要求、変化から改造したい等の改善、改造要求があるものである。
便利のいいように、使い易い等エンドユーザーの要求。その枠外、時代や社会的要求変化、会社という組織変化や経営思想の変化等、様々に変化し遷ろうものである。
この変化には、必ず文字化され共通認識が持てるものが提示される。それぞれのスタッフが職域、ポストなどの位置からさらに分かり易く展開する。そこにはまた文章化され、その場所、位置に即したもので共通認識が持てるものが作成される。この示された目的、共通認識から「警報や状態、計測の名称表示」が決定される、この内容そのものがエンドユーザー概念を示すものとなる。この認識が必要である。
3,まとめ
警報、表示盤において、「警報や状態、計測の警報(以後、情報と呼ぶ)」の名称変更、あるいは単位系や単位の変更などが生じるときがある。それは、組織や設備の変化を表すものである、また、室名札の変更も同様である。
まして、「小型ユニット」の様に簡単に増設できる装置がある場合、より簡単に情報の変化や編集を行うことができるため、その変化と速度と回転をより速めるものである。さらに、機器や組織が変化して名称を変更というもだけでなく、ただ、警報、表示盤は見るものではなく、警報や状態、計測から全体を考え、構想、基本計画とソフトとして前へ進めることが出来るものでもある。
情報は、改善、改造を行おうとする時、そこには、システムをどう考えるか改造するかという思いが存在する。
そこには、組織をどの様に動かし、変化させるか、機器、設備を変化させるか等々の計画内容が、個人、組織の違いがあっても見え隠れするものである。
それは、考えられている内容そのものが、組織の要求であり、組織が目的とするものである。そこに表現されている文字とその意味は、組織目的、概念を表すものである、これが変化や改善の内容であると考えても過言ではない。
またそこには、情報の変化、表現を克明に追うこと、そこから巡らすことそのものが、営業戦略を展開する、あるいは、時代要求の端緒を知る一つが存在するものであると考えられる。
訂正加筆
1、に加筆(h19,5,28)
さらに極端な例は、情報が入ると仕事が増える、情報は出来るだけ入れないようにしようという消極的な考えも存在する。
1,の4番目の段落(h19,5,30)追加
少し遅れて次のような発想が生まれる。ユビキタス・・・・。
2,(1)の「人員配置まで理解して、」を「人員配置まで調査し、理解して、」に訂正(h19,5,30)
2,(2)の3番目の段落、「一方、改修や修繕工事では現状把握が・・・・・・・。」追加(h19,6,1)
1,に「情報獲得と処理」見出し挿入追加(h19,6,2)
1,の4番目の段落(h19,6,6)先頭に追加
「前記浄化槽の話から」を追加。少し遅れて、点挿入。
2,(1)の最後に「実状は、調査不足という事例が多く存在する。」追加(h19,6,6)
参考資料
日経パソコン用語事典
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ユビキタス、米ゼロックス(XEROX)社パロアルト研究所のMark Weiserが論文(The
Computer for the 21st Century、1991)に発表。
49,携帯電話を利用した警報、状態通報装置の展開(平成19年5月21日(月))
「小型ユニット」の設置と情報デザイン
中央監視装置を使わずして、必要と思われる所に「小型ユニット(例、Webコントローラ)」を取付、必要な警報、状態、計測、制御、映像等のデジタル、アナログ信号、すなわち情報を獲得する方法、情報デザインを提示するものである。
これはまた、全く別な独立した装置で情報を受け取り制御出来るものである。それは、完結するシステムとして携帯電話(PHS等)で送受信、制御する装置。また、携帯であるため何時いかなる場所でも、移動中であっても確認、制御できるものである。
このような装置には一般的にはテレメータ等があるが、大掛かりで高価であるため、安価な「携帯電話(PHS等)」(以降、携帯電話と呼ぶ)を利用できる、「小型ユニット」を下記に提示するものである。
1,警報、状態、制御を携帯電話で電送し、携帯電話で確認できる小型ユニット(入出力10点程度)の特徴。
(1)離れた遠方にあるおける装置、設備を警報、状態、計測を監視、制御する。
(2)近くの装置、設備を警報、状態、計測を監視、制御する。
近くても、離れたものでも、必要な情報をいかなる時、場所においても確認す ることが出来る方法。
2,現場に居ないでも次のような遠隔監視、制御が行える。
(1)故障やトラブルが発生した時、警報や状態、計測を経時的に行い原因を究明 する。このための遠隔監視、制御。
(2)状態の監視を行い、システムの省エネを行うため、また、制御を使い易く変 更するため、現状把握を行い、警報や状態、計測を経時的に行い、システム構 築を行う。このための遠隔監視、制御。
(3)改修や増築を行うため、現状把握を計数的に行い、計画を作成する。このた めの遠隔監視、制御。
(4)テスト時等において、制御や監視内容に不安がある場合などに、人間を貼り 付けて監視するなどの事例がある。しかし、「小型ユニット」等で遠隔監視、 制御を行うことができると、人の貼付等と前近代的な無駄なことは不要となる。
3,中央監視という幻影
中央監視という装置は「何でも、監視、制御ができる、どうにでもなる、全体を知ることができる」という幻影にたぶらかされる所がある。
その証拠に、中央監視の情報を編集して、納品されたもの、あるいは完成した後に、この、あの、と点在する場所毎に例、警報あるいは制御を一、二点をどうしても追加したいという要望がある。しかしこれに対応するためには、次のような関連を処理しなければ、編集完了した中央監視装置を混乱させることになるという問題が生じる。
それは、中央監視ではどうしても関連する情報を処理するという作業が生まれる。追加するとグラフィックにも、さらに日、月報にも、大・中・小目次にも等々と関連する事柄の編集作業が生じる。このため、完成した後の追加には消極的になり、また費用が嵩む等、現場では追加しづらい、出来ないということが多くある。
結果として、大掛かりな中央監視では一、二点をどうしても追加したいという要求を、満足させることが出来ないことが現実には多く存在する。このようなことは、顧客満足からするととんでもないことである、しかし下記の小型ユニットを使用するとこの問題は解決するものである。
4,アジャイル(Agile)、アジリチィ(Agility)の紹介
IBMで使われているソフト開発の方法である、話題の「アジャイル(Agile)機敏な」プロセステクニックである。アジリチィ(Agility)敏捷性の実践が行われようとしている。
これまでのソフト開発は、航空機、自動車、船舶と同じように設計、製造されるという認識が、ここ30年前からの認識であった。しかしソフトウェア開発は、製造業の手法のように収まらないことを、多くの開発者自身、日頃の仕事から認識していた。違和感を感じていた。ウォーターフォールアプローチからアジャイルアプローチ、全体から小さい単位、小規模に開発、検証を行うものである。
システムを構築するためには」、検証可能な小さい単位、部品に分割して顧客の要求を満足するように継続的検証を行う。またこれらアプローチは、ソフトウェアの問題を「適度」に理解して小さい単位、部品に分割して構築するという方法である。下記に端的な分かりやすい例を示す。
参考、本事例集、25,プロジェクト反復型による「アジャイル、アジリチィ」 参照。
5,小型ユニットについて
これに反して、十点未満の小型ユニット(ダイアルアップルーターがセットとなったもの)、以降、小型ユニットと呼ぶ。警報、状態、計測制御を携帯電話に電送する装置は、必要な情報を全く異なる装置で、既存との関係を切り離し、単独に警報、計測、制御、メッセージをソフト(パワーポイント等)で日本全国に送受信できるものである。必要な情報と制御を異なる装置で、既存と切り離して、単独に送受信できる装置を用いる方法である。
小型ユニット(例、日立製、Webコントローラ)は、この、あの、点在する場所毎に定価で7~20万円位の物を取付、携帯電話を取り付けると、すぐに使えるものである。これさえ設置すると、前記の「この、あの、その場所毎に一、二点を追加」も簡単に行えるものである。中央監視という大掛かりなものでなく小回りがきく小型ユニットで先ずは対応し、必要な監視、警報、計測、制御(安い方7万円は計測はできない)を行いその場を凌ぐ方法で、直接顧客満足につながるものである。
また、不確定要素の高いものについては、計測、監視、制御等により監視ポイントが確定した時点に、中央監視の改造を行うという、「中間域の安定」を小型ユニットに任せるという方法がある。
中間域の安定とは、動物の進化の過程において中間域の安定があるとスムースな進化が行われるという。このことから思考やシステムの進化や高度化に引用するものである。
これは思考の安定、あるいは決定までの間に中間域設けて、費用軽減と共に中間域において情報を集め、その内容により決定する方法である。言い換えると、最初から中央監視に組み込むのではなく、安価に必要な情報を集め、こうすれば間違いのないことを確認して、確定すると初めて中央監視に移行させるという方法である。また、中央監視に移さずに小型ユニットそのまま使用するのも方法である。
6,信頼性
携帯電話、インターネット等は、通話中に切れたり、メール等では発信後、何時間か後になって届いても、正常でありおかしくはない通信システムである。また、信頼性の要求はこの程度でよいという認識から生まれたものでもある。
また、電線を引く(ワイヤー式)の信号にはタイムラグが無いため、瞬時に情報(アナログ、デジタル)を掴むことが出来る。情報、信頼性を必要とする所にはワイヤー式情報伝達方法は適したものである。
特に受電設備のように、今電力が生きているのか、死んでいるのかを瞬時にタイムラグが無く、確認が出来なければならない。
それは、タイムラグのため信号が届かない間に、例、停電作業中にあって、高圧が生きているのに死んでいると解釈して、人身事故などの発生がある。またその逆もある。このようなに信号においては、特にタイムラグの有無には装置の信頼性と共に人の責任範囲と区分が必要である。
7,携帯電話を利用した警報、状態通報装置(小型ユニット)使用例
中央監視とは全く異にする物で監視する、既存のソフトとは関係せずに独立成立させたもの。さらに、安価に簡単に小さく軽い小回りの利く装置(監視点数、数点)で行えるもの。また、遠隔操作、何処に居ても監視、制御が可能で、かゆい所に手が届く、顧客満足につながるシステム展開例を下記に示す。
(1)別荘等の遠隔監視、制御する。
電柱、配線が設けられないなどの場所においても設置可能である。
(2)離れた所に点在する排水槽等の遠隔監視、制御する。
(3)離れた場所の上水取水場、浄化槽等の遠隔監視、制御する。
(4)同一ビル内の既存設備の警報、状態監視、制御する。
必要な情報を得るため簡単に取付、監視する者が定位置で監視、制御する方法
(5)システムの不安から必要な監視
不安から24時間詰めて人が監視する、このような原始的監視でなく必要な情 報を携帯電話で集めて遠隔監視、制御する。
不都合、故障時等は監視内容から、近くの技術員に連絡し対応する方法。
(6)設計調査、設計、施工、工場生産メーカー、試験等の、各区分でのミスや設 計不十分を補い解消し、不安材料を、監視という方法で確認、解決し、不安か ら逃れることができる方法。また、計測、状態等を監視、制御すると営業も含 めて関わる人全てが安心し、状況と状態を理解でき安心するものである。また、 顧客にとっても安心できるものを提供できる
(7)増設、増築、省エネ等の対応のためのデーター収集、遠隔監視、制御する。
(8)警報盤が一杯で窓が無く、増設できない。既存の関係を断ち切り、独立した ものとして取付て遠隔監視、制御する。
(9)小型ユニットは、安価で小さく軽い小回りの利く装置であるため、配線がな い引けない等、あるいは上記事象それぞれに、仮設等で簡単に情報の獲得が行 える遠隔監視、制御装置である。
48,事象と系統図と空間把握(平成19年4月18日(水))
溝と川と勾配
1,鉄砲水の背景と佇まい
大阪泉州の丘陵地帯、信太山につながる丘陵地にある病院で発生した、ドライエリアの電気配管からの鉄砲水があった。
信太山は標高50〜80mの洪積台地、日本の弥生時代を代表する国史跡、池上・曽根遺跡があり、卑弥呼の鏡かともいわれる「景初三年」の名入り等々が発見されている。家族連れのピクニック、弁当を提げての山歩きや、山菜取り、端午の節句に柏餅の葉を取りなどのピクニックコースに遺跡があった。
また信太の白狐の話、陰陽師、安倍晴明が信太の白狐を母親として生まれたという、葛の葉物語のゆかりで知られる信太大明神、葛葉稲荷神社等がある。
これから来ているのか、大阪では揚げが入ったうどんを狐あるいは信太という。
1)信太山の鉄砲水
この信太山につながる、丘陵地帯の高台に看護学校がある。
そこから運動場を約100m下ると病棟(7階建)がある、勾配は病棟まで約一階分余り(目測で約4.5m)下がっている。その病棟の地下に、ドライエリアを付属した電気室があるという配置である。
夏の大雨、台風の時、降っているときは気が付かなかったが、雨が止んだ直後に、ドライエリアの電線管(ドライエリア床から約4m)から、大量の水が4〜5m位も飛んでいるという連絡が入る。
2)調査すると
(1)電気室から看護学校まで高圧のケーブルで電気を送るための配管であった。
@電気室からAドライエリアに出てケーブル屋側配線経由して、Bドライエリアの擁壁を貫通(100Φ)して、C運動場をU字溝(幅300m)で横断して、D看護学校に至る配線がある。
この配線の、ドライエリアの電気配管とケーブルの間から、水が4〜5mも吹き飛んでいる。なぜ電気の配管から、凄い勢いであった、信太の白狐にだまされているようであった。
3)何故水が吹き飛ぶか考えてみる
配線溝が排水溝になる
前記「2)(1)C運動場をU字溝で横断」部分は、運動場の端を地表面に、U字溝蓋天場合わせで施工されている。この蓋には長さ60p位で、両端部に指を入れて提げ易くするため切り込みがある。
豪雨の運動場は、地表面を雨が流れている、その水が前記「U字溝蓋切り込み」あるいは隙間からU字溝(幅300m)には入り込み、また、配線経路の周辺より低いところなどは正に雨水排水溝となりドンドン吸い込まれていく、U字溝が配線用の物ではなく、排水溝と化して、大量に約一階分余りの落差を下り流れているという状態であった。この雨水が前記「2)(1)Bドライエリアの擁壁を貫通(配管100Φ)して」に向かう、擁壁に当たり絞られて、ドライエリアに飛び出す噴水となったということである。
豪雨の時にU字溝を確認すると轟々と勢いよく雨水は流れていた。また、擁壁の手前(ドライエリアの外側)では、U字溝から溢れ出した雨は土地の低いところへと粘土質の土砂を流しながら流れている。
4)処置として
前記2)(1)Aドライエリアに出て貫通配管、の上にプルボックスを取付、プルボックス下方に80Φの配管を垂直に下ろし、下方に水抜きを設ける。また、貫通配管には出入り口に防水コーキングを何重かに施し対応した。さらに、ケーブルがドライエリアに出た所にはしっかりリップルを取り、そこからは雨水が伝わない、電気室には絶対に水が入らないという処置をする。
最後の対応として、U字溝に水が入らないように、溝に砂を入れて、さらに途中に水抜きを作り、水の流れと水量を抑えることとした。この時点で、U字溝が
U字溝でなくなり他の地面と同一化したということである。これ以降は問題がないようである。
2,バードアイ工事管理方法でこの問題を考えてみる
それには系統図をイメージして、導入方法として次のように考える。
この問題、事象について、上流では、下流では何があるか、さらに飛び越えて次元を異にするとを、一つの線上に考える。
思考として「上流、下流」があり、そのブロックが上下流の外にあるものを「次元」と呼び、慣れると、「問題、事象」の上下流の外側、上下左右に存在する次元(ブロック)を線上から面に広げると考えてみるとよい。
1)上流思考
(1)雨が降っても、U字溝に水が入らないものにすればよい。しかし、そんな ことは不可能である。
(2)さらに上流の上、「次元」と考える方法がある。
雨を降らさなければよい。
2)下流思考
(1)現状で問題なく使う方法
@水がU字溝に入って、ドライエリアに雨水が吹き飛んでいても、排水は何ら 問題なく排出できるか。
A吹き飛んだ水の圧力や跳ねる水からの、二次的被害が出ないように対策を取 る。
(2)現状に何らかの知恵を加えて状況を変える方法
BU字溝に水は入る。しかし、U字溝に砂を入れることによって、入る水の量を少なくすることが出来る。さらに、途中に水抜きを作り、水の流れと水量 を抑えることとする。
C擁壁を貫通配管から水が吹き飛んでいる。
隙間をコーキングで何重かに埋めて、水を止める。コーキングが効果的に能力を発揮するように、配管にコーキング用ボックスなどを取り付ける。
D排水溝としてそのまま利用する。
前述の1、3)「擁壁の手前(ドライエリアの外側)では、U字溝から溢れ出した雨は土地の低いところへと土砂を流しながら流れている。」この部分の排水経路を整備してそのまま使用する。
もっとも、U字溝は排水溝として設けたものではないため、電線が入っている、ゴミや砂などの清掃等が行えない使用目的が違うため問題が生じる。
結果として
1)上流思考(1)雨が降っても、U字溝に水が入らないものにすればよい。(2)「次元」雨を降らさなければよい。前者は行うのなら鋼管などのほかの材料選定があり、意味のない挑戦である。後者は天気を左右することは出来ない無理がある。次元と上流の思考でありすぎ、思考のみでどうすることも出来ないものである。
しかし前記と異なり、2)下流思考、(1)現状で問題なく使う方法、はともかく。(2)現状に何らかの知恵を加えて状況を変える方法、のBCは現状での改善であるため実現可能で、且つ効果がある方法である。現に行い効果があった。
3,U字溝の勾配から次元を異にする河川について考えてみよう
日本の激流といわれる黒部川は
北アルプス中央部に位置する鷲羽岳(2,924m)を源とする、流域面積約682平方キロメートル、流路延長約85km、山岳部平均河床勾配1/5〜1/80のわが国屈指の急流河川である。ちなみに、U字溝は約4.5/100であるためどれ程のものか知ることが出来る。
1)ヨーロッパの河の代表として
ライン河の源はアルプス山脈の雪解け水で、スイス、オーストリア、リヒテンシュタイン、フランス、ドイツ、オランダの六カ国を流れて、北海へそそぐ。
ライン河には前ラインと奧ラインの2つの代表的な源流がある。前ラインの水源はトマーゼ湖(1,602m)であり、奧ラインの水源はラインバルトホルンの氷河です。この二つの水源から流れ出た水は、約70kmで1,700m(勾配約4/100)も下り、ライヒェナウで合流する。急流で岩礁が多くライン河最大の難所であるローレライ(Loreley)はスイスと北海をつなぐこの河川でも一番狭いところ、水面から突き出た岩山(130m)のことである。
ライン河は水源からオランダのボン、大西洋(北海)まで全長1,320kmの長さである、今も大型船がすれ違い頻繁に航行している。これに比べると、日本の河川は、水源から短い全長のため、正に滝である。
2)荒川とライン河
荒川とライン河の水源は、山からでは二千b級のほぼ同じ高さにある。
荒川は、奥秩父の甲武信濃ヶ岳(標高2,475m)、東京湾まで幹線流路延長173kmでライン川の約1/7である。都内での流れは、見るとゆっくり流れている川である、川幅日本最大で2.5km(御成橋、吉見町付近)である。
日本の河川は、山から下るともうそこに海があるというものである。
しかしそこには、人は水への思いがあり、水の流れがあり、時間を忘れさせる水面に、何か解からない存在を感じるものである。
U字溝から荒川でありライン河である、これが系統図でいう上下流であり、その枠を越えた外「次元」であり、外に広げることによる判断や基準を育成し、空間把握を行えるように訓練するものである。
参考資料、
HP、宇奈月ダム連携、宇奈月ダム・排砂関連情報、
排砂の一部報道に対する国土交通省黒部工事 事務所の見解(H19,4,12)
HP、国土交通省荒川上流河川事務所(H19,4,12)
ブリタニカ国際大百科事典、小項目電子辞書版、2004、Britannica
訂正
1,2)(1)を、この配線の、ドライエリアの電気配管とケーブルの間から、水が4〜5mも吹き飛んでいる。なぜ電気の配管から、凄い勢いで あった、信太の白狐にだまされているようであった。に訂正(h19,4,28(土))
47,監視という効果と情報システム(平成19年3月31日(土))
目次
A,常用発電機の例、
B,蓄電池の例
A,常用発電機の例
確実に監視しなければ、外乱に対する状況の変化があり管理部門、電気主任技術者も不安であるという設備。
常用発電機として、トラック用ジィーゼルエンジン、燃料消費量50L/H未満を使用して発電する装置を、リースとしてエネサーブ(株)という会社が販売したことがある。
この常用発電機は、重油単価が「40円/L」以下位であれば、買電より安価に発電できるというものであった。常用発電機を据えると安価に発電ができ、収益は生まれるという認識は、関係者であれば誰でも知っている所であった。この頃は、重油単価が30円/L前後であり充分採算が取れる時代であった。
ところが、管理者に収益の確証があってもどうしても踏み切れない所があった、以下にその原因を考えてみる。
1,病院(300床以下)等の例
病院でいうと300床以下位の病院等において、主任技術者が在籍していても、常駐でない、あるいは、週に何回かなどの管理体制で運営している施設の例である。
このような施設規模では、夜間の勤務、あるいは24時間勤務ということは考えられないため、もしも、主任技術者が不在の時、または、夜間に、休日に故障したらどうしようかと不安が先走りして、踏み切れなかったという。
(1)不安を取り除く方法に、
滋賀県に中央監視センターを設けて、全国の約八千台の発電機を二四時間体制で集中監視しています。緊急時、故障の場合は全国の営業所の者がネットワークを生かして対応します。発電データーは月に一度ペーパーで報告します。という触れ込みで営業を行っていた。
また、常駐監視体制が整った病院でも、中央監視センターで維持管理と共に監視しているならば、病院自身で管理するのは当然であっても、病院の常駐監視体制下で確認するということはそれ程難しいことではない。また、労務管理上、仕事がそれ程増えることではないのならば現有の人員で対応します等の反応があった。
「集中監視しています」これが功を奏し、収益が出るのなら導入しようではないかと、全く反対の反応が出た。それ程、監視があるという状況は安心ができる、言い換えると、今より安心だという反応である。この結果、エネサーブは日本全国に、約八千台もの常用発電機の納入実績につながったという。現在は、オイル単価が上昇したため常用発電機リース業から縮小、撤退(2006年)している。
B,蓄電池の例
1,「蓄電池」という安定した装置から考えてみる
能力的には安定したもので、突発的事故が比較的少ない設備。
安定したもの、且つ、ある一定期間使用すると能力が落ちるという、認識があるものとして、車等に使用されていうるバッテリーを例に考えてみる。
また再生できるものとして、再生バッテリーの信頼性と不安から、新品バッテリーとの対比を考えてみる。
2,蓄電池(バッテリー)の信頼性
能力的には安定したもので、突発的事故が比較的少ない設備である。世の中では自動車や無停電装置、非常電源装置等に多く使用されている。
バッテリーが故障するという感覚はなく、安定した製品であるという認識がある。
とはいいながら、使用条件が過酷な自動車等は、高温度のエンジンと隣り合わせに設置されている。特に、夏期のボンネットの中では、高温度、振動、さらに、冬の寒冷下での走行においても、安定した必要能力を継続的に持続できるか。使用条件が千差万別であるため平均的なものとして述べることは難しく、また、信頼性を確定できるものではない。しかしながら、一定の使用条件で、複数のものを使用する場合、大体このくらいは持つという目安が立つものである。
この状況下において、再生バッテリーということになると、果たして何処まで持つのか、確証がないのなら、自動車であるのなら、高速道路等で走行途中で車が止まるとどうなる、様々な不安が先行することとなる。
バッテリーそのものは、比較的、急に能力零になるというものではないため、常時監視を行い、これ以下では問題という所で警報を出すなどの監視方法等で、対応することにより、実用として問題なく、不安を除去できるものである。
古いデーターであるが、電池工業会(2000年7月12日(水))、使用済み充電式電池回収率40%目指すとある。電池の年間生産量は35万7000トンで、このうち鉛蓄電池が27万3000トンと80%を占めるものである。これら再生は、資源の有効利用、CO2削減、地球環境の保全につながるものであり、今後、国家政策として推進する必要がある。
(1)不安を解消する監視とは
例、再生バッテリーだから、新品と同じように信頼性があるとは思えない。そこに不安がある。事実、再生しても新品とは違う、極面の劣化もあるし、他のバッテリー構成部品においても同様である。
これら不安を除くには、安心して使える条件とは何が必要か考えてみる。
一例として、地下鉄工事やダム工事において、すり鉢状の底で仕事をすることが多くある。この時すり鉢の底周辺に、矢板を打ち込み、擁壁を作る、安全を確保しながら作業を行う方法がある。この場合、ダムのような大変な距離と面積に設置することとなる、金も時間も掛かる。
この時に行う方法として、矢板、擁壁の代わりに土砂崩れセンサーを取り付けて、日々時間の観測を行い、安全を確保しながら作業を行うという方法がある。センサーが変位を感知して、異常あるいは土砂崩れを感知して、監視装置でこの程度は問題はない、あるいは、すり鉢状の底で仕事を中止して、避難するなどの判断をしながら作業をするという方法がある。この場合、すり鉢の角度は安全を見て緩やかに設けられたものである。
この場合、土砂崩れ、地滑りの性質を観測から熟知したノウハウからこの判断を行うことにより、事故回避が行われているという事例である。
未知のもの、創造するもの、研究開発するもの等については、常に経過観察と確認が必要であり、再現可能なものでなければ研究開発とはいない、そこには大きく捉えると時系列確認という確認方法がある、このことによりその変化と状態を確認して、再現できるものを構築することである。これが科学でありそこにノウハウが存在する。
3,再生バッテリーの不安と安心
再生前の使われ方、もっと大きい負荷を掛けても問題ないか、夏期の暑いとき、冬季の寒いとき、再生後のテスト通りに作動するのか実際のバッテリーで観測されたことはあまり無いと聞く。
車のバッテリー以外では、据え置き式の非常照明用、制御用、エンジン始動用、無停電装置用等のバッテリーは、室内条件、使用条件は比較的安定したものである。このため、再生後においても同様の環境下において使用されるものが多い。このため、再生バッテリーといえども急に能力が低下するようなことは少ないと考えられる。
このような状況から、一例として最近の技術、バッテリー再生の特許申請内容が、再生後の使用時に実際に長期間機能するのか、解析された例は少ない。何分にも鉛蓄電池の歴史は、フランス人、ガストン・プランテ(1859年)の発明からであり、再生バッテリー(2000年)前後からと比較できない。歴史が浅い再生バッテリーは、歴史的背景を補うため、多くのバッテリーがどの様に劣化していくのか、何処に弱点があるのか等、監視装置を使いその変化を把握する必要がある。もっとも、再生バッテリーといえども、負荷試験を行い、能力が定格の八割以上は確保できる物を対象としての考え方である。
特に、無停電装置など信頼性を要求されるものについては、極端な例として、信頼性を要求される負荷、スーパーコンピューター、生命維持装置であっても、再生にバッテリーを使用しても、監視装置があれば経時的監視と警報により充分対応できるものである。
また監視という観点から、最先端のF1レースを考えてみよう。
F1のレーシングカーにおいても、エンジンの状態を衛星回線を通じて、常時監視しながら、エンジンの能力を最大限生かす方法が取られている。
その内容はシリンダー温度、排気温度等々把握しながら、レーサーに連絡してエンジンの温度が上がり過ぎる、少し抑えろ等の指示を出しながらレースを行っている。また、エンジンの持つ能力を最大限に生かすため、極限の瞬発力、あるいは持久力の組み合わせからレース戦略を立てる、そのバックには状態解析を行うスッタフが多くの情報と格闘している姿がある。
監視をすること、それは最先端のF1であろうと、再生バッテリーであろうと顧客、レーサーであっても不安から開放されるものである。確認してくれている、見てくれている。何かあれば連絡をもらえる。対応できる、対応できるようにシステム「監視、対応システム」を構築すればよい。そこには安心できる世界を構築することができる、安心感がそこにある。
(1)常時監視によって不安から解放される、人々を列記すると。
@施主、施設管理者、維持管理者
A設備を直接使用する者(エンドユーザー)
B設計業者、設計者、監理者
C施工業者、営業マン、施工管理者、
D設備、機器供給業者、営業マン、技術者、
上記のような、関わる人々全てが不安から解放される、安心できる。この条件を作ることそのものが、ここでは販売市場戦略といるものである。
それには、安価な監視装置が必要である。
監視内容は、再生バッテリーの内部抵抗、温度、端子電圧、電解液比重などの測定である。
(2)情報管理にも大きく分けて二種存在する。
@大掛かりなものは、
中央監視センターというようなものを設けて、24時間全国のもの何千何万を集中的に監視する方法。
A個人レベルの監視方法、
手持ちの携帯電話やパソコンにインターネットで接続して、その内容を勤務時間に、あるいは自宅で確認する方法。
(3)個人が持つパソコンに情報を送り確認する方法。
さらには、この監視により再生バッテリーの時系列確認を行い、情報を蓄積し科学として再現可能な情報分析を行う必要がある。
特に通信手段が大掛かりなものから個人に移行している、代表的なものとしては携帯電話等が普及している状況から、上記監視を携帯電話で個人レベルでの監視という方法も考えられる。
そこには、監視は大掛かりなものでなく個人という範疇での監視という、狭い、限られた監視というものが、今後多くなることと思われる。
例として、現在実用化されている徘徊症の監視、さらには健康な大人の徘徊、子供の移動監視等も、携帯電話で日常的に主婦が監視行い、状況把握という安心を得ながら使用している。
(4)前記3(2)A個人レベルの監視方法を、再生バッテリーに適用する。
再生バッテリー監視を、何百と組織的に使う場合は、情報の蓄積とその分析から、個人というバラバラがあるため、ある意味で統一が必要と考えられる。
しかし違う考え方もある、統一が無くてもそれぞれの組織や装置に必要なもの、あるいは最小限必要なものを施設や組織に合わせて、個人が管理できる範疇で行う極めて個人的管理も、安全を確保という方法に加えることができる方法である。
(5)情報の集約、拡散
個人的管理をといっても、次の次元では組織的、系統的に管理に移行することになる。情報を管理、統合するのなら、バラバラ故のとんでもない情報がそこに発見されることもある。
発見する能力と情報を展開する能力が必要となる、集約や切り捨てを行い、利用できる情報として編集を行う。
結果として、前記(2)@大掛かりなものは、A個人レベルの監視方法であっても、発見や編集がシステム構築が新たな展開を生むものである。情報とは、個人の管理、大掛かりな中央監視装置であっても集約、拡散を繰り返すもので無ければ、情報は必ず絡み縺れて、全体を理解できなくなるものである。情報は発見さらには集約、拡散する生き物である、そこには編集という作業が必然的に生まれるものである。それは、必要な情報を、必要な世界に提供し、必要なシステム「監視、対応システム」を構築することである。
訂正、加筆
A1,3,(2)@24時間全国のもの何千何万を集中的に監視する方法。「全国のもの何千何万を」を加筆(h19,4,25(水))
B3,(5)第一の段落、次の次元では組織的、系統的に管理に移行することになる。「組織的、」を加筆(h19,4,28(土))
46,冷気、熱気を蓄える断熱材と構造材コンクリートの影響(平成19年3月19日(月))
目次
A、煙突に隣接する、エレベーターが夏は熱く使用できない
B,冬でも冷房を入れなければ使えない建物
C、暖房しても暖まらない部屋
D,コンクリート壁クラックから室内に雨水が吹き飛ぶ建物
A、煙突に隣接する、エレベーターが夏は熱く使用できない
1,ボイラー煙突の隔壁が暖まり、隣接する廊下が熱い、エレベーターシャフトが夏は熱く、エレベーター内はさらに熱く使用できないとの苦情。
2,ボイラー煙突の設置場所四辺を左に巡ると
第一辺・廊下に面した壁、第二 辺・パイプシャフトに面する壁(谷向き)、第三辺・エレベーターシャフトの壁に面し、第四辺・廊下につながるエレベータホール面する壁(山向き)。
(1)煙突の構造は、煙道から外に向かう配置をみると
第一層・断熱材質・石綿や耐火煉瓦がある(石綿製品名・カポスタック、耐熱温度約450℃と650℃の二種が昭和50年代存在した)
第二層・断熱材質の型枠のから壁までの間に流し込まれたコンクリート部分
第三層・煙突の設置場所四辺を巡る壁(鉄筋コンクリート)。
煙突の完成時、あるいは近い時期、ボイラーの延べ運転時間も少ないため、煙道の周辺材料にはまだ蓄熱されていないが、何年か経過すると第一層・断熱材、第二層・コンクリート部分、第三層・四辺を巡る壁、そのものが蓄熱材になり、熱を伝えるものとなる。
前記、特にエレベーター内からは熱いと苦情が出る。それは、エレベーターシャフトが熱い、エレベーター内が熱いという苦情である。
このことについて、設計者、施工者に問い合わせると、決まって、断熱が入っているのに、断熱材があるのにそんな筈がないのにという回答である。しかし、事実は熱い壁に代わりはない。
(2)この考え方は、ある一日(24H)の短い周期でみると。
@ボイラーを炊いて、その間煙道の周辺壁や断熱材に蓄熱する、と考える。
Aボイラーを停止して、蓄熱したものを煙道その他から放散して、ボイラーを 炊く前の状態まで戻れば問題はない。
BAを1日(24H)以内に処理できれば問題はないが、通常日々の蓄熱が優り、苦情の結果になる。
これを、例、三から五年という期間で考えると、煙道を様々な工法、材料で行っても、ホテルが営業している以上、ボイラーは運転しているものである。結果として、断熱のための構造は、蓄熱構造となり断熱材量、空気層、壁(鉄筋コンクリート)を含めて、少しずつ何年かの年月により蓄熱されるということである。
それでなくても熱い夏期において、蓄熱された壁から放射熱として感じて苦情として現れた例である。
2,下記に燃焼ガス排気温度と断熱材の耐熱温度を参考に示す。
燃焼ガス排気温度
ボイラー、炉筒円環式、約340℃前後。
貫流式、熱回収器付では約120~170℃位。
ディーゼル発電機、重油・天然ガス燃料では、
一般的には約350~450℃位、高温では600℃位、熱回収器付では約 150~200℃位
煙突の耐熱素材は昭和50年代にはカポスタックが多く用いられた。
耐熱温度約450℃、650℃の二種があった。
この頃、ダイオキシンが今程規制されていなかったため、焼却炉の煙突を共用するものが多く存在した。また焼却炉はプラスチックゴミなど高分子のものまでも平気で燃やしていた。このため、燃焼ガス温度が煙突の耐熱素材の耐温度を超えるものであったため、世の中に多く、煙道が剥離したり損傷が出る事例が多く存在した。
現在では、煙突は、燃焼ガス排気温度の違いや、排気押し出し能力の差、発電機の排気衝撃などから、焼却炉とボイラー、発電機等は等は分離することが多くなっている。また、同一煙突系統におけるバックファイア、フラッシュオーバー等の事故や、煙突の前記耐温度の違いの経験から別々に煙突を設ける事例が多くなっている。現在では、安全を優先する煙突分離の方向にある。
B,冬でも冷房を入れなければ使えない建物
1,省エネ研究棟の事例
外からの冷・熱気を遮るため、窓を小さく少なく作り、二重サッシにし、壁も外側に断熱材を入れて30pあまりもある外壁を構成するものである。この研究棟についても前記同様に、外断熱材、厚いコンクリート、室内の断熱材が蓄熱材になり、夏期は勿論、冬季においても冷房を入れなければ、作業が出来ない状態である。
実験用機器等が常に熱を放出するものが多く存在する、24時間運転状態であるため何年かの間に床、壁、天井面等に蓄熱されたものである。
このような場合、人の居ない時間帯、夜間などに「外気冷房」を行うことである。冬は当然、中間期、夏期にも室内温度目標値を下回る外気温(エンタルピー)の時は外気を取り入れて、蓄熱された熱を外に放出する手立て「外気冷房」を行うべきである。これが外気を使うという意味で省エネである。
外気冷房とは
北海道、九州などの地域差、季節感覚のずれはあるが、外気冷房が可能な期間は、だいたい4〜6月と9〜11月の約6個月間が該当する。効果は5、6月と10月頃には明確に出る。また、冬期の室内発熱を冷す場合にも、冷たい空気の外気冷房は効果的である。夏期においても、夜間の外気冷房が使える。
ただし、外気冷房には大量の風量が必要になるので、全空気方式の空調方式には最適であるが、他の空調方式の場合は、風量が足らず効果が小さくなる。
C、暖房しても暖まらない部屋
1,暖房しているのに異常に寒い
コンピュータ断層撮影(Computed Tomography,CT)、核磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging, MRI)、X線室等の、コンクリート壁が厚い室内において暖房しているのに異常に寒いという苦情がよくある。
CT、MRI等の高エネルギー装置において、装置導入初期には厚い遮蔽壁が必要な室内で思わぬトラブルがあった。それは、遮蔽壁用にコンクリート厚が約30〜70pもある壁が存在する。これらの部屋に入ると、空気は確かに設定温度25℃はあるのに、異常に寒いという苦情である。
調べると、確かに空気温度は25℃であるが、前記で言うコンクリート壁が厚い所の、壁面から直ぐ前のところ、感覚的には水平面距離50p位の所までが異常に冷たく感じる。確認すると壁面が冷たく輻射熱で冷気を感じる。冬季外気温が低いため、コンクリート壁の厚みの中に冷気が蓄えられて、そこから輻射熱として冷気を感じと言うことである。また、もう少し短いサイクルでは、夜間の冷気が蓄えられて、朝暖房を入れてもコンクリート表面温度が上がりきらないということである。丁度反射式のストーブの反対である、言葉はおかしいが「冷やすストーブ」の前におるのと同じである。
対策は、壁面の前にもう一枚壁を設ける。コンクリート箱の中に断熱した箱をもう一枚入れるということである。このことによりコンクリート壁を空気層や断熱材で囲い輻射熱を遮る、更に冷たい壁面に沿って流れる対流を遮ることによって、空気温度と体感温度が同じになるということである。
他の例として、鉄筋コンクリート建物における、特に秋、春の季節、あるいは冬に、建物に入ると異常な底冷えを感じることである。
コンクリート打設後または脱型後に建物に入ると、異常に寒く感じる事がある。それは、コンクリートにまだ水分を多く含み乾燥していない時のことである。夜間、早朝の冷え込みがそのまま水分を含んだコンクリート内に冷気として残り、床、天井、壁の六面から冷気を感じるものである。昼間、外気温が上昇してもコンクリートそのものが上昇仕切れない状況である。この場合はコンクリートの乾燥を待つことである。時間が経過すると、あるいは、内装が完了する頃にはそれ程感じなくなるものである。
加筆
段落の二項目追加、「コンクリート建物における、・・・・」「コンクリート打設後・・・・」を追加(h19,3,27(火))
D,コンクリート壁クラックから室内に雨水が吹き飛ぶ建物
1,北陸地方の海辺に建築した、鉄筋コンクリート5階建ての病棟において、季節は冬、壁面のクラックから雨水が吹き出すということがあった、約30年位前のことである。
前兆は、壁面のクロスがぼこぼこと大小幾つか膨れてきた、最大のものはドッジボール半分位の大きさ、おかしいと触ってみるとぶよぶよしている、液体が入っているようである。ボールペンで突いてみると、水が出て来た、水を抜くとバケツ半分にもなった。これは拙い、乾燥させないとカビが生える、クロスをはぎ取る。そこにはクラックが入っている。これから入ったのでは。
ナースセンター(記録室)であるため綺麗に清掃する。それから何日かして、裏山からの吹き下ろしがきつい、雨混ざりの吹き下ろしがあるとき、看護婦さんの話では室内に間欠的に50p位も水が吹き飛んで困ると苦情が入る。話を聞いたときには、まさかという工事関係者一同の意見であった。しかし、著者も後日この模様を確認、目の当たりにしてこんな事があるのかと驚く。
クラックの状況は、外部は見た感じ約5o幅のクラックが入っている程度である。
そこに裏山(海抜約900m)からの雨混ざりの吹き下ろし、体感で風速約20mが当たり、部屋内までクラックを伝い押し込められる。外部のクラック幅は広く、室内に向かって狭くなるため圧は高められる。丁度、水鉄砲と同じで、山からの吹き下ろし風圧に比例して、小さな穴から吹き出したものと考えられる。
地下鉄の通路やホーム、あるいは地下室において、壁から地下水が浸み出したり、水滴が落ちる状景は日常的に見掛けることである。また、映画のトンネル工事などでは地下水が噴き出すなどのシーンを見ることがある。しかしこれらは全て地下のことである。本事例は、めずらしく地上階の事例であるので掲載したものである。
処置としては、外部はVカットしてコーキング材を詰めて入れて、補修することで、取りあえずこの問題は解決した。
第三者機関に調査依頼
この件、コンクリートクラックについて納得できない施主が、大学教授に調査を依頼する。
設計通りに施工されている、経済性追求からの設計と思われるがよくある話である、鉄筋がシングル配筋の壁であるため等の指摘。
施工では、スランプが大きいのでは、型枠を早く外したのでは、初期養生の拙さか、冬季の気象条件からコンクリート打設後の外気が乾燥していたのでは等々の原因確認があった。結局はコンクリートは割れることもある、クラックは止む得ないという結論であった。
施主の感情
しかしながら、看護婦さん病院長の感情としては、新築で鉄筋コンクリートの建物で、雨漏りというより、水平に雨が飛ぶというこの事実に驚くと共に、コンクリートにクラック(ひび割れ)が入るなんてと、怒りが収まらない。どうにも説明内容では頭では理解は出来るが、感情的に納得できないというものであった。後味の悪い結末であった。
加筆、訂正
加筆、「地下鉄の通路やホーム・・・」の段落加筆(h19,3,26(月))
表題のみ追加、「第三者機関に調査依頼」(h19,3,26(月))
「施主の感情」(h19,3,26(月))
(平成19年3月1日(木))
換気用煙突(坪庭)と自然換気
1,ホテルにおいて、増築を行った。
季節は夏の終わり頃であった、増築部の躯体が上がりサッシュが取り付けられる頃であった。
ホテルの管理者から突然連絡が入った、既存のホテル客室に大量の埃が入り、床面が埃で真っ白である。ホテルとして営業できないとの連絡が入る。
見に行くと、床が埃で真っ白である、歩くと足跡が残る。
原因は、増築部への接続のため、既存の二階部分の間仕切りを変更した、この時タイルの剥離、間仕切りのはつり等に伴い大量に埃が出た。改修部分から埃が出ないように仮設を行っていたが、季節風(山風)が、既存ホテルに流れ込む風圧によって、仮設間仕切りの隙間から侵入したようである。この埃が、ホテル内の空気対流によって生まれる上昇気流に乗って階段を伝い、また、空調の送風、攪拌の気流に乗って、全館に飛散してしまったと言うことである。
既存ホテルは営業中
ホテルは閑散期でもあったため、1週間閉館して清掃を行うと共に、他の点検を行う期間とした。
部屋の面は、廊下、階段室、廊下、食堂、ホール、さらに客室等の床の畳、絨毯は勿論、壁・天井までも、指で字を書くと薄く書けるようであった。器具、機器、小物では壁付けの照明器具・時計・案内、天井から下がる照明器具・案内、棚板・棚の天場・回り縁などの突起部等、様々な縦・横の隙間、ベットや棚と床の間等々の清掃、全てのカーテンや布団、毛布、座布団等の洗濯が大変であった。
2,埃侵入について、他に要因となるものはないか確認
屋上の空調用の吸気口から、増築工事中の埃が入ったという話もあった。
床面が埃で真っ白となる事例から、屋上を見に行くと、既存ホテルの吸気口は増築部の方に向いて口を開けている。既存ホテルから増築の方(山向き)に風が吹いている場合には、既設ホテルの吸気口には埃が入らないようであるが、反対(谷向き)に吹くと埃が既存ホテルに吸い込まれる状態であった。
しかしながら、床が埃で真っ白になったのは一回切りで、それ以降は無かった。 また前記、既存ホテル二階改修の様な工事が、他には存在しなかったため、これ以降、このような事態は発生しなかったことから空調の吸気口原因説は消滅する。
しかし、増築部からの建築作業中の埃は依然多く舞い上がっている状況である。
吸気口から埃を吸い込む状況にあるため、埃には懲りて、屋上の吸排気口の位置も検討する必要があると考えた。既存と増築部の吸排気口は離し、さらに吸気口と排気口とは離すという、四点間の距離を設けることとした。
季節風を考慮して、それぞれの口をどちらに向けるか検討する。対策として、吸気口は増築部とは離して、開口部は反対に向けて、さらに、仮設材でフードを作り保護することによって、以降、竣工まで問題は発生しなかった。
3,考察
ホテルにおける「埃と清掃」と建築現場における「埃と清掃」とは同じ言葉と文字であっても全く異にするものであるため、この問題が生じた。
仮設間仕切りの密閉度と、季節風の風圧とホテル内の上昇気流に付いてのに認識が甘かったようである。
次元を異にするものを明確に分離、分割、分断せずに、結果として、「埃と清掃」を同じ次元で扱ったことに問題があり、その観念に管理的問題がある。さらに、既存ホテル内の上昇気流と、空調により、階段を伝い全館に空気が流れた、という気流への認識なさが、この問題を更に大きくした原因であると考えられる。
4,階段の上昇気流から省エネを考える
換気用煙突と自然換気
上昇気流の煙突と縁側を利用した自然換気方式が積水ハウス九段南ビル(延べ床面積約9千平米、地上10階地下1階)で行われている。鹿島建設(株)、鹿島技術研究所、技術情報(KaTRlリーフレット2003-16)。
コンセプトは、「自然の風や光を生かした、心地よい省エネルギーオフィス」鹿島建設(株)news/press。
垂直方向には換気用煙突(坪庭)を設け、平面的には外気を取り入れ換気用煙突につながる流れを構成している。光と自然換気を取り入れることにより、年間二十数%の冷房負荷が低減できるとある。
(1)換気方法例は
@外気を、外面の二重のサッシの下部から取り入れ、間を通り上昇して、内側のサッシの上部に付けられた「開閉する欄間」から事務室Aに入る。
A事務室Aに入った新鮮空気は、室内の空気と混ざり通り抜け、換気用煙突(坪庭)サッシの上部に付けられた「開閉する欄間」から換気用煙突(坪庭)に入る。
B換気用煙突(坪庭)から自然上昇気流によって、屋上に放出される。
換気用煙突(坪庭)には屋根が掛かり、壁面に取り付けられた開閉する「跳ね出し窓」から放出する。
外面の二重サッシは縁側のような役目で、下から外気が入り欄間から抜けるまで、外気と室内温度の差を緩衝し、室内に入り、煙突に抜けるという方法が取られている。
縁側は人が横歩きできる程度のもの。風量は「欄間」あるいは「跳ね出し窓」の開閉制御により、上記@ABに制御を行い、外気温度と室内温度との差から制御されている。
参考文献資料
鹿島技術研究所、技術情報(KaTRlリーフレット2003-16)、中高層ビルにおける自然換気計画技術
鹿島建設(株)、http://www.kajima.co.jp/news/press/200208/8a1to-j.htm
風を感じる環境配慮型オフィス(仮称)積水ハウス九段南ビル
訂正追加
・ 「4,階段の上昇気流から省エネを考える」をh19、3、5(月)追加
・現地見学(3,12)確認から訂正(h19,3,17(土))
換気用煙突(坪庭)の「(坪庭)追加」。「開閉する欄間」に統一。
4(1)B屋上には屋根が掛かり、壁面に取り付けられた開閉する「跳ね出し窓」から放出する。加筆
44,深化階層による国際分業化とソフト(平成19年2月7日(水))
主幹配線のソフトと深化階層
1,深化階層による国際分業化
日本の製造業が深化階層(深層)化する内容を見ると、労働集約型は海外で、高付加価値型は日本国内という区分から成立している。この区分は、産業構造変化の先達アメリカでもかって同じ事が起きている。
それは、1980年頃「産業の衰退」という論議が活発に行われた。背景は、第一石油危機後の第二次石油危機危機に直面している頃である。参議院会議録情報によると、アメリカでは1973年から1982年のおよそ十年間農業以外の生産性の上昇は年率0,5%に止まっていた。
アメリカ国内には工場はなくなるのではいわれた頃がある、そこで改めて「ハード、ソフト」とはを考えてみることとする。
週間ダイヤモンド(2007,01,20)野村證券金融経済研究所、西澤隆氏はアジア地域向け実質直接投資累計、生産能力指数のグラフから「国際分業の深化で製造業の生産空洞化に歯止めかかる」次のような分析をしていた。
生産能力78年頃から90年頃までは国内の生産能力の拡大、アジア向けの投資が拡大した。
1990年頃から97年頃までは、アジアの生産能力が拡充されて、しかも国内の生産能力も変化はなかった。相前後して、バブル期(1986年〜1991年)国内では利益が出ない、効率化も出来ない企業がこぞって海外にへと向かった。
97年以降も、アジア向けの投資と工場移転が増加し国内の生産能力を低下させた。また、不良債権処理、リストラと海外進出が、国内の雇用減少と生産能力を低下させ、ここに製造業の空洞化が具体化した頃である。
空洞化の結果、2005年頃から日本の企業の競争力が増した、自然淘汰された労働集約型の製品は海外で、高付加価値型は国内という棲み分けが成立した。
この結果、国内生産増強と海外進出を同時進行で行う体制が整った、拡張期にあるという。そこには、バブル瓦解と空洞化を乗り越えた、日本の高付加価値型の製品を創出する企業が、国際分業化する製造業の深化階層の深い所での、展開へと向かいつつある。
製造業の深化の深い所は、ハード、ソフトそれぞれの創造、進化であり、両者の結合である、また統合そのものがソフトでもある。
2,低価格受注と管理責任
建築工事において、バブルが崩壊以降の価格破壊。さらに、談合防止などから一般競争入札制度の導入、国際化に伴う企業会計制度の導入。追い打ちを掛けるように、2001年に破綻した米国のエネルギー複合企業、エンロンの粉飾決算、2002年には長距離通信のワールドコム史上最大の倒産劇など情報開示の信頼性が地に落ちた。この失敗から内部統制の導入等から、社会変革が起きている。その中でも、株主代表訴訟の提起が経営者に衝撃を与えている、結果として経営を萎縮させるのではとまでいわれている。
経営者、管理者は内部統制という対応から、これまで曖昧に済ましてきたものを外部監査において、明確に説明しなければならない。このため、工事発注等においても一般競争入札の導入、あるいは、長年の信頼関係を築いたを契約者を除いてでも行う入札など、これまで考えられなかった方法が行われている。株主に社会に、明確に責任ある説明できる方法を経営者が採用し始めた。またこれまで無かった、経営者が適切な経営や運営を行ってきたか、その是非が内部統制から組織内で問われようとしている。これらのことから、適正という判断が揺れ、安価な方向へと工事発注が行われているというのも一因である。この状況下において、工事落札率がダンピングとも思える価格で成約するものが多くなっている。
結果として請負者は、工事単価、管理費等は極端に圧縮され、さらに競合、開発、変化の激しい市場対応からは、工期短縮の要求が必然的なものとして、要求されている。
慌てているのは、工事管理者、施工者の当事者である。受注価格内で材料が入らない、下請に出せない、管理経費が削られる等の状況から、これでは充分な管理体制が取れない。契約を守れない、事故を起こす、責任が取れない。そこに、PL法などの製造者責任が問われ、困惑している当事者である。製造者責任を全うするためにはソフトが必要である、管理費は必要という堂々巡りがある。
赤字計上となる等と、生活不安や不満からダンピングについて、建築業界は何処に着地するのかと、情報や議論が噴出している。
3,主幹について、そこにソフトが存在するとも思えない電線そのものについて 考えてみる。工事施工業者のソフトを検証する。
金がない、時間がないでは物理的対応では処理しきれない、そこに、何とかソフトを駆使して「金と時間」を使わない方法を検討する必要がある。
以下の名称札の記入があると、新設段階の布設時においても計画性があり無駄なく施工が出来る。
また、布設後における、何度も繰り返される増改修においても、その都度、そこにはソフトがある上記同様楽に無駄なく施工が出来るということである。このようなソフトの集積、深化あるいは深化階層を高付加価値に結びつけることが、ソフトの統合である。
名称札記入内容下記(1)〜(4)から、名称札というソフトを検討する。
前編「43,幹線の名称札と管理閾値」の5,名称札の記入内容を検討する(1)〜(4)と同じものである。
改めて、深化階層からの。名称を考察してみる
(1)整理のためデバイスナンバー(構成単位番号)を付ける。
(2)平面、系統的位置関係を明確にする。
A平面図に平面的位置と経路を記入する。
B系統図を作成、概念図。
(3)何処から(電気室のどれから)、何が(電線の何が)、何処へを明確にする
C電源の名称・種類、電線の種類、
D電気室名称、電気室の配電盤名称、
E送電対象棟名称、分電盤名称
(4)管理的責任を明確にする。
F施工会社、施工責任者、施工者を記入。
G施工年月日を記入。
4,資料(ソフト)としての図面
前記、5,名称札の記入内容を検討する、から
(2)平面、系統的位置関係を明確にする。
A平面図に平面的位置と経路を記入する。
名称札の位置と内容を「平面」から知ることが出来るもの。
B系統図を作成、概念図。名称札
名称札の位置と内容を「系統」から知ることが出来るもの。
上記内容は名称札に記入するものであるが、資料としては施工図、竣工図、系統図、名称札系統図があり、名称札とリンクするものである。
特に名称札系統図は名称札を配線系統図に系統的に並べたもので、それを切り抜き、名称札に貼り付けるとそのまま使用できるものである。残ったものが文字のない系統図である。
さらに、増築、改造、改修を繰り返すところについては、その都度、変更内容を、経緯を、完成・竣工図書として残す、その都度の最終結果内容を残すものである。
5,名称札(定期大)がない、ソフトがない時の状態は
(1)名称札は丸札あるいは小判型、最大4〜5p位のもの、記入文字は前記(LH-1、 LH-101)程度のもの。これでは何のことか分からない。
(2)施工図、よくあっても竣工図という平面図がある程度。
ピットやケーブルラックには多数のケーブルがあり、竣工図、平面図との照合 までは出来ないという状態。
(3)何度も増築、改修を繰り返し、名称札が何本もぶら下がっている、どれが正 しいのか、何時のものか特定できない。
(4)施工図、完成図があっても、多くのケーブルがある場合は特定できない、ま たケーブルの中間で両端が隠蔽、埋設の場合など更に特定できない。
上記(1)との照合は出来ない、照合するための図面が照合できるように作成 されていないからである。
6,名称札というソフトの深化階層
名称札、取り付け場所の特定。
平面的位置、系統的位置の特定、@名称札(位置番号)とA平面図位置、B系統的位置が特定できる整理である。
特に、名称札系統図は名称札を配線系統図(概念図)に系統的に並べたもので、それを切り抜き、名称札に貼り付けるとそのまま使用できるものである。残ったものが文字のない系統図である。この系統図(概念)が名称札に記入されているいる。また、上記@ABは位置と系統、名称が照合できるものである。
ソフトという観点から、到達点は@名称札、A平面図、B系統図の3点のうち2点がなくてもケーブルが特定できることが到達点である。名称札はあると特定できるが平面図あるいは系統図では難しい所があるが、例、ケーブルラック左から何番目、例、(CV38□×3)他名称札の各項目、等と記入する等の方法がある。
電源種を考えると、次のような区分が出来る。
@電圧からの区別、低圧・高圧・直流、
A用途からの区別、動力・電灯・弱電の区分と、系統、棟、ゾーン、電気室、負荷別区分等、
B電源からの種別、商用、常用発電機、非常用発電機、無停電電源、燃料電池電源、
ケーブルの色分け、ケーブルサイズを変える、あるいは行き先によって製造メーカーを変える等の方法もある。これも併用するのも方法である。
このように、@名称札、A平面図、B系統図の3点セットは当然であるが、製造メーカー、製造年月、サイズ、ケーブルの色分け、単芯ケーブル、二芯又は三ケーブル区分等を駆使するとかなりの分類と区別が出来るものである。この内容が名称札の基本情報であるということである。
更に、情報を付加する場合はバーコードやICチップを使うのも方法である。
ソフトとは「国際分業化する深化階層」と表題にある。近い将来、日本にも外国人労働者が電工として多く就労することも考えられる。もしも実際に行われたら次のようなことが考えられる。
例、主幹布設は、ハードの労働集約型部分は外国人労働者、ソフト又は高付加価値型部分は日本人、という棲み分けが極端な形で生まれると思われる。
このような区分けを行うと、幹線にはハードはあってもソフトは無いとも思われているところにもソフトが存在する。そこには、ソフトとして引き出す発想と能力が必要である。
様々なハードとソフトを目的のために系統立てて何千何万と階層的に統合することが、連携する全体を表すこととなる、これが高付加価値ソフトであるといえるものである。それはまた、創造し目的、目標を見つけ出すソフト、それを現実に結びつけるソフトと、何千何万の条件を系統立て、階層化し統合できるソフトと技術をいうものである。
訂正、加筆
2,に加筆、「その中でも、株主代表訴訟の提起が・・」(h19,2,23)
参考文献、資料
週間ダイヤモンド(2007,01,20)Deta Focus、
国際分業の深化で製造業の生産空洞化 に歯止めかかる、野村證券金融経済研 究所、西澤隆
参議院会議録情報、第154回国会国民生活・経済に関する調査会第5号、平成 14年4月7日、(「真に豊かな社会の構築」のうち、産業の空洞化問題及び グローバル化に おける企業の国際競争力の強化について)参考人、専修大学 経済学部教授、鶴田俊正
43. 幹線の名称札と管理閾値(平成19年1月19日(金))
管理という到達点と専門家の閾値(高圧活線ケーブル切断)
ある現場において、先日、変電室の高圧改修工事を行った、作業において、高圧活線ケーブルをケーブルカッターで切断というとんでもない事例があった。
1,活線作業の確認と挙動を示す。
(1)高圧幹線ケーブル(CV)を、切断しようとする「中間点での検電」しても反応なし。両端末では検電はできた、ただし同一ケーブルで あるかの確証がない。
(2)回路と幹線を設計図と施工図から確認して、
(3)さらに幹線名称札を頼り決定し、
(4)主任技術者とも相談して、
(5)間違いないということでケーブルを切断したという。
(6)ところが、名称札とは違う偶々無電圧の高圧ケーブル(CV)単芯を切断した。
という事例があった。
間違いであったが、結果として「無電圧」であったため幸いにして大事故に至らずにすんだということである。この「無電圧」には理由がある、ケーブル切断中に地絡が働き、上位の特高変電所も停電となった、この結果「無電圧」ということである。
場所と時と、人の特定を避けるため詳細は除く。
2,前記1(1)〜(6)の確認と挙動から、対応事例を現場確認と管理的確認に分けてみる。
以下は1(1)〜(6)は(1)〜(6)で表す。
(1)高圧幹線ケーブル(CV)を、切断しようとする「中間点での検電」しても反応なし。
高圧ケーブルには、導体を遮蔽テープで接地されているため検電不能である。
この時、検電器の測定不能を、無電圧と判断するか、前記の検電不能と判断したかが重大判断ミスを生むものである。
現場確認(現場)と管理的確認(管理)に区分する。
現場@、ケーブル端末で、検知するか、電流かで確認する方法がある。
現場A,停電して、高又は低周波等の測定器で確認する方法がある。
ケーブルの出入り口での確認。
ケーブル途中のにおいて、測定器で目的のケーブルであるか、回路と共にケーブルの照合を行う。
(2)回路と幹線を設計図と施工図から確認して、
最初の工事竣工においては、設計図は修正され、当然施工図も現場に合った形で残されているはずである。ここまでは先ず間違いはないと思われる。しかしこれ以降に、年月が経過すると、たびたび改修や改造、増築等が繰り返される。この時々に系統、回路上の変更が繰り返される。
管理@、この経緯と、結果が書類として、その都度明確に残されているか。
管理A、また、一枚の原本を元にその都度、系統図と平面図が修正されているか、その管理を行っていたかということである。
管理B、前記@Aに沿った形でその都度、幹線名称札が付け替えられているか。訂正されているか。
(3)さらに幹線名称札を頼り決定し、
名称札は施工時点、施工完了時では変化している物である。
それは設計時から後、システムや負荷変更が発生して、最終決定負荷に合わせるため、遣り繰りが生じるものである。この時に名称が混乱するものである。
また、完成後の増改修に共なう変更がある。第一回目の竣工から多年月を重ねるケーブルには、名称札がそのものが何時の時点の何か、様々な札がぶら下がる、そのケーブルを追っていくと、どう変化しているのか判断できなくなっているという状態にある。
現場@、ケーブルを受電から、送電側まで目視で追える物であるなら問題はない。
ところが現場では「配管内に配線、ピット内に配線、狭い天井内・床下配線、地中配線、躯体等への打込配管等」に布設されるため、実際は目で追うことは不可能である。
このことから、断片的なケーブルの確認、さらに名称札が、時系列上どう変化したか分からないものが幾つかぶら下がっている状況にある。前記状態からは幹線名称札のみを頼り決定することは甚だ無理がある。
(4)主任技術者とも相談して、
管理@、責任者は主任技術者であるため当然である。
管理A、主任技術者といえども、変化する全ては覚えていない。覚えられない。
このため書類管理が必要となる。
前記(2)回路と幹線を設計図と施工図から確認して、は変化の経緯が書類として確認できるように管理しているかという所である。前述(2)@の「この経緯と、結果が書類として、その都度明確に残されているか。前述(2)Aまた、一枚の原本を元にその都度、修正されているか、その管理を行っていたかということである。」この内容そのものである。これがなければ判断は出来ないということになる。
(5)間違いないということでケーブルを切断したという。
とんでもない。ここで「絶対」間違いのない確認方法とは、前記内容から。
前記2(1)ケーブルの被覆の上から「中間点」での検電は、何故、測定不能か知る必要がある。これを理解した上での次の対応。
目的のケーブルのみを生かして、ケーブル端末で、検知するか、電流かで確認する方法がある。また、停電して、高又は低周波等の測定器で確認する方法。
前記2(2)の繰り返しであるが、@その都度明確に残されているか。また、A一枚の原本を元にその都度、系統図と平面図が修正されているか、その管理を行っていたかということである。それは「管理を行う、行っている」ことかということである。
(6)ところが、名称札とは違う偶々無電圧の高圧ケーブル(CV)単芯を切断した。
という事例があった。
後日談であるが、ケーブルを切るケーブルカッター(油圧式)を入れるとき、表面をじわじわと切っていたため、その時に、地絡が働き、上位の特高変電所の受電遮断器が開放された。当人は、仮設電気で照明も工具用電気も確保されているため、作業は正常に完了したと思っていた。
「じわじわ」のところを解析すると、「高圧ケーブルには、芯にある導体を絶縁体が被覆し、それを包むように遮蔽テープがあり接地されている、さらに絶縁体の外皮がある」上皮の遮蔽テープと中にある導体(高圧電圧)に、ケーブルカッターの刃が遮蔽テープを切り導体に入ろうとしたとき、残る絶縁体が薄くなって、絶縁抵抗値が落ちた時、あるいは放電リークによって、地絡が働いたのではないかという、事であった。
このため、導体に刃が入ったときには、既に地絡で受電遮断器が開放されて、停電状態であったということである。またこの時、もし停電していなかったら、ケーブルカッターから大地あるいは電工に経由で大地に流れる高圧電流で事故になっていた。地絡が働いたことによって事故を回避できた、なんとも幸運な事であろうか。
3,前記2の(1)〜(5)を事故回避するため、整理すると次の様になる。
現場@、最も必要なことは、検電器、電圧・電流計で直接確認することである。
現場A、他のケーブルを停電させて、対象のケーブル(A)一本のみを生かし、実際に検電器で確認する、電流計で確認することである。
現場B、ケーブル(A)が 間違いなく分かれば全て引き抜き確認する。
現場C、さらに、引き抜けない時、ケーブル(A)の途中で確認しなければならない時には、高又は低周波等の測定器で確認する方法 がある。
管理D、可能であるのならば、全体掌握のため、系統図と平面図確認する事である。
上記、現場確認という直接確認と、書類確認という間接確認が出来るならほとんど問題はないと考えられる。ここまで確認が出来れば、これが最も大事なことである。
間接確認である「2(3)さらに幹線名称札を頼り決定し、(4)主任技術者とも相談して」は、幹線名称札のみを頼り決定することは甚だ無理がある。また、主任技術者といえども、変化する全ては覚えていない。実際にいかに確認することが、どれ程大事か認識する必要がある、これが絶対である。
4,名称札から考えてみる
前記2(6)名称札とは違う偶々無電圧の高圧ケーブルを切断した。から考えてみる。
名称札から考えると、表示があった内容が、間違っていなかったにしても曖昧であったことには違いない。
それは、名称札が小さい、多く使われている小判型(樹脂製)の物に、名称を文字で記入している。名称札が小さいため、記入できる文字数が限られている、必要なことを記入できない、これが問題である。
記入内容は、小判型(樹脂製)ではLH−1、PH−5等と正に記号のみが記入されている、これだけでは全く意味不明である。これが現状である。
方法@、一例として定期大の大きさを用意すると、かなりの文字数を記入できる。最大に面を利用するには、作成した文字内容を判読 可能な範囲で、コピーで縮小するとか、縮小すると文字数を多く記入することが出来る。ほとんど、これで目的は達することが 出来るものである。
ここまで記入できると、管理確認であり、また現場にぶら下がる名称札は現場確認でもある。ここに全体の名称札を確認できる、名称札系統図、幹線系統図、幹線平面図があると、現場と管理確認の出会いの場となる。
5,名称札の記入内容を検討する
名称札には記号のみが記入されていたが、下記の4項目を記入する。
特に平面、系統的、位置関係を系統図にいかに表すかである、下記の内容を記入すると、そこには、全体を知ることが出来る名称札が作成できる。
(1)整理のためデバイスナンバー(構成単位番号)を付ける。
(2)平面、系統的位置関係を明確にする。
(3)何処から(電気室のどれから)、何が(電線の何が)、何処へを明確にする。
(4)管理的責任を明確にする。何時何処で誰が。
以下に詳細に説明する
(1)整理のためデバイスナンバー(構成単位番号)を付ける。
@先ずは、前記、意味不明の番号(主幹番号)を、整理のためデバイスナンバーを付ける。
(2)平面、系統的位置関係を明確にする。
A平面図に平面的位置と経路を記入する。
階層が多い平面図が多くなる場合はB系統図を代用する、十分に理解が出来る。系統図が基本である。
B系統図を記入、概念図。
平面、系統図には下記(3)の主な名称はスペース的に可能な範囲で記入する。
(3)何処から(電気室のどれから)、何が(電線の何が)、何処へを明確にする。
分岐までも明確にする。このことによりさらに特徴的区別が出来る。下記の項目に、分岐場所が違う分岐線のサイズ、種類違いなどである。
C電源の名称・種類、電線の種類、
D電気室名称、電気室の配電盤名称、
E送電対象棟名称、分電盤名称
(4)管理的責任を明確にする。
F施工会社、施工責任者、施工者を記入。
G施工年月日を記入。
詳細は、「バードアイ工管理方法、有光正和著、工事管理研究会、平成5年3月10日、p33」に掲載。
6,増改修を、何度も繰り返す電気室のケーブルを考えてみる。
名称札(小判型)における、その状況は、
繰り替えしつけられる小判の名称に脈絡がない、その都度LH−1等とすると、精々桁数を増やすLH−101、これでも良い方である。
全体を見るものがない、見られない、分からないというものである。
前記5,名称札の記入内容を検討する。にあるように記入すると次のような効果がある。
(1)整理のため、デバイスナンバー(構成単位番号)を付ける。
このナンバーで、全体系統が理解できるように作成する。
また詳細、分岐やルートも名称、表示方法を分かり易く、統一化、規格化すると、文字からの平面的位置、系統的位置が分かり易くなる。
(2)平面、系統的位置関係を明確にする。
平面図、系統的位置関係を平面、系統図というものに記入することによって、位置関係と系統的関係を三次元的に理解できるものである。
平面、系統図には下記(3)の名称は全て記入する。図による平面位置と系統的位置関係と文字からの位置関係がそれぞれ成立して、ベクトルの異なる方向からの関係を浮かび上がらすことが出来る。特に文字は○▽室の前、扉の横など詳細に分かる表示が出来るからである。文字は平面と系統という特長を生かしながら図と文字が相互に補完するものである。
(3)何処から(電気室のどれから)、何が(電線の何が)、何処へを明確にする。
C電源の名称・種類、電線の種類、
D電気室名称、電気室の配電盤名称、
E送電対象棟名称、分電盤名称
名称を明確にすることによって、名称からの平面的位置関係、系統的位置関係を明確にすると共に、平面、系統図の曖昧さを補完するものである。
さらに、ここまで明確に名称を付けると、全体が見え名称札から部分と全体を知ることが出来るため、幹線の間違いや、取り違い等生じることはない。
そこには、分岐箇所等が明確になると同じサイズの幹線でも、分岐箇所、分岐サイズなどが違うためより明確に区別が出来る。また、様々な名称決定が、図と異なる、文字からの正確なシステムづくりにつながるものである。
(4)管理的責任を明確にする。
F施工会社、施工責任者、施工者を記入。
G施工年月日を記入。
施工責任者と施工者を明確にすることにより、責任を明確にするものである。
例え、名称札が幾つも同じ幹線にあっても、施工年月日が明確であると最新のもののという区別が付く事である。さらに、組織的責任も明確にするもので施工会社、施工年月日は必要なことである。FGこれがあると何十年後でも責任は明確である。
7、現場・管理的確認における管理閾値
このような、活線ケーブルを素手で切断するような、無謀な行動を回避するためには、誰もが認識している現場確認を充分に行うと問題は回避できるものである。極端な例は、対象のケーブルを引き抜き確認すればよい。がしかし、実際は、時間、経費、停電が伴うためその様なことは不可能である。
そこで、現場確認で何処まで行えるか、可能な範囲を検討し、足らない部分を管理的確認で補うことである。この考えが、施工者、主任技術者、監督、管理者に最も欠落する所であり、実際にも実行されていない所である。
特に、前記2(2)における内容である。
管理@、この経緯と、結果が書類として、その都度明確に残されているか。
管理A、また、一枚の原本を元にその都度、系統図と平面図が修正されているか、その管理を行っていたかということである。
管理B、前記@Aに沿った形でその都度、幹線名称札が付け替えられているか。訂正されているか。名称札、が相互に補完し合って確認できるシステム作りを行い、安全を確保すべきである。
対象のケーブルを「受電から、実際は目で追うことは不可能である。」このことから、現場確認と上記管理的確認から相互に補完するように確認できる管理体制を構築すべきである。
それには施工者、施設の維持管理者(主任技術者)が充分な認識の元に、管理到達点を理解して、何処が到達点か知る必要がある。また、施工者、管理者がこの到達点から展開するとどれだけ楽か、無駄がないかを知る必要がある。
現場と図面(幹線系統図、名称札系統図、位置図)の照合確認、さらに書類から現場への確認をスムースに行えることである。
施工(変更工事等)段階においては、施工前の確認、管理的確認の書類があると、それと、現場確認を行い。そこから先ず、施工(変更工事等)の管理的書類を作成して、それを基に施工図を作成し、施工し、確認するという方法を行うとよい、逆は、到達点を探すため回り道となる。あくまでも、最終の管理書類(図面)を作成して、施工へと移すという方法を取ると、無駄が少なく、間違いが少なく、安全な設備、幹線布設、維持管理が容易となるものである。
名称札における管理確認とは、時系列に正確に情報を伝えられるかということである。これに反し現場では、結果、済んでしまった形しか残らない。その形が時系列に追うことが可能であれば管理が出来るということである。それには現場確認、管理確認共に、あるレベルに達していなければ、ここでいう幹線の確認はできないということである。このレベルを管理閾値というものである。
管理閾値に達したもの、達し得ないものも同様に上記の作業を行うことにより、停電あるいは活線作業等を行うものである。しかし、安全な信頼できる計画作成までは、管理閾値の内容如何により、その調査・作業時間、手間は著しく違うものである、また、安全と信頼性についても同様に著しく異なるものである。
修正、加筆
副表題、「管理という到達点と専門家の閾値」加筆(平成19年1月20日(土))
副表題下部、活線作業を作業に変更(平成19年1月22日(月))
42,「炭酸ガス掃き出し」と気流コントロール(平成19年1月5日(金))
1,吸気口と気流コントロール
冬季の北風対策は、外風に負けない換気扇を選定することとなる、その分室内は陰圧になる。陰圧になると、屋外から屋内へと、空気が流れ込む気流が生まれる。
このため、入口の扉等が、開きにくくなったり、閉める時、閉まる直前に扉が急に引っ張られて、大きな音を立てバターンと閉じる等、通常開閉時の力を越える圧力が加わる。ひ弱な子供は体を持って行かれる、手を挟む等、特に注意が必要である。
また吸気側の気流は、陰圧の影響で、引戸、ドアーの隙間から気流が生じて台所のガスコンロの種火や炎を激しく揺らし、消すこともある。このことで、新たな危険要因を呼び込むことになる、もしも消えるとガス漏れである。
ここで必要なことは、気流が集中しない、体感として寒いなどの感覚が生じない、快適な分散する気流を作り出すことである。
(1)もっと拙いのは、陰圧以前の問題として吸気口が設けられていないという初歩的ミスが多く見受けられる。
排気口には注意しているが、吸気口には気がない。外部との隙間は、ドアーや窓、吐き出しの引き戸等の隙間から入らざるを得ない。この場合、ヒュー、ピー等と風切り音などが生まれる。これなど寝れない等の新たな問題を生む、苦情の元である。
(2)公団(現在UR)の建物では、台所の換気にはその近くに、外部からパイプ(約200Φ位)で引き込んだ吸気用口が設けられている、 約30年前から一つの方法が示されている。
(3)ひどい例では、外壁面に直接ガラリが設けられているため、冬はその部屋が寒くておれない、集中する気流が冷たすぎる等、夏・冷 房時は逆という極端例もある。
上記内容から、当然ではあるが、シックハウス対策、理論廃ガス量からの排気、発熱や一人当たりの占有面積からの、換気量等に共なう吸気口の確保が必要である。これらを総合する吸気の通路、風速・量と共に体感温度まで配慮した、温度差を緩衝する空間や機器を設けることである、さらに欲を言えば分散する気流を考慮することである。
2,寒冷地における押入の吸排気
全熱交換機(ロスナイ)を付ける、吸気と排気を同時に行いに、しかも室内の温度、湿度を吸気に伝えるという装置である。居室等にはこれを取り付けるとよい。室内温度、湿度と外気の差をそのまま近く保つ(エンタルピー交換効率約60〜80%)ことが出来て、外気と室内空気の交換が出来る装置がある。
特に、外気との温度、湿度差が大きい、北海道の冬には大変役立つ優れものである。このため、マンションや住戸では約二十数年前(昭和六十年代)から多用されていた。特に湿気が籠もる、押入に効果があった。居室は温度が高く、その空気が押入に入り、温度が下がるためそこに結露が生じる。また、押入が外部に面する壁等を有する場合は最悪である。このため、押入には全熱交換機(ロスナイ)は有効であると口コミから普及したものである。
理論的には、北海道の冬を考えると、例、「室温24度、外気温−5度」を想定すると、温度差30度である。この時の絶対湿度(s/sDA)差から生まれる、外気をロスナイで暖め取り入れると、そこには温度差三十度高い所に、極端に乾燥した空気が供給されことになるからである。
絶対湿度(s/sDA)とは、1sの乾燥空気の体積は、1気圧の時約0.83立方米ある。
北海道の冬季室内を想定すると、少し湿度が低いが「乾球温度24℃、湿度50%位」である。この空気では、1立方米の空気には0.00929s以上の水が含まれている、水の重さは感じないが含まれている。
例、空気1sを「室温24度、外気温−5度」から室内外とも湿度50%として水分量を換算すると。
室内では、「室温24℃、湿度50%の空気は約13℃(露点温度)で結露、空気線図から」する、その水分量の違いは室温24度では約0.00929sであり、外気温−5度では約0.00114s、外気を室内温度に暖めて室内に入れると約8分の1の水分量の空気が入ってくるということである。これだけで押入の布団は乾燥するということである。
資料、東海大学、星岳彦、湿度計算用スプレッドシートから確認、大変使い易く分かりやすいものです。
しかしながら、外壁面に面する壁が存在する場合など、充分な断熱が必要である。特に有効なものは外断熱であるが、室内にも充分な断熱が必要である。もしも、断熱が充分でなければ結露が生じる、前記例、室内では、「室温24℃、湿度50%の空気は約13℃(露点温度)で結露」する数値を考慮することである。
3,炭酸ガス・花粉掃き出しベランダ
マンションのベランダの手摺りが縦格子のものから最近コンクリートの手摺りの物、腰壁のものが多くなっている。
これまでのマンションでは、住戸は、スケルトン状態での躯体は、四角形の筒状で、入口側に共用廊下があり、入口から入るとベランダまで四角柱の筒状に抜けるものであった。さらに屋外へと抜け、下の方にベランダの縦格子の手摺りがあったなという風景である。
ところが構造計算上、壁面を多く取れるため構造的には安定したものとなるベランダ手摺りが、腰壁であり梁(逆梁)にもなるインナーテラス(以後、ベランダ腰壁方法と呼ぶ)のものが多くなっている。大きな空間があれば問題はないが、ここで問題としているのは、奥行きたかだか2m程度のインナーテラスを前提として述べている。
ベランダ腰壁方法は、腰壁が邪魔してベランダから外部へ掃き出しが出来ない形態となる。この形は入口側は天井まで仕切があり、通風は入口側の開口部(窓)を開けない限り成立しない。
「入口側に接した居室(A)」がある場合はそこには窓がある、共用廊下に接している場合は腰まで壁がある。最も共用廊下から少し距離を持つボーチ付きの入口の場合においても、居室(A)がベランダ腰壁方法である限り同様である。
この状態を通風という観点から考えると。
ベランダ腰壁方法は、入口側居室(A)とベランダに腰壁があるため、通風は枡(箱)の上を風が流れるという形態となる。
畳上に寝る日本人は、箱の底で寝ている状態となる。
ベットなら少し上になるが、箱(枡)の中は、そこで呼吸する人間や、炊事場の廃ガスなどが溜まる。炭酸ガスは重いため、枡の中は濃度が高くなる、酸素濃度が低くなるという状態となる。最も埃についても、花粉症の花粉についても同様である。
(1)都市においての住環境から考えると。
東京都内で考えると、道路には自動車が溢れ、20m上の高架道路までも渋滞を繰り返す、その高架道路は都内至る所を巡っている状況にある。地上の道路から上昇する廃ガスと、高架道路から上昇あるいは下降する廃ガスがある。
排気ガスは、複雑な各要素・成分を持っている。大部分を占めるものは水蒸気(H2O)および二酸化炭素(CO2)で、そのほかに一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)および鉛化合物、炭素粒子などが含まれている、これらのうちNOx、COおよびHCが主な有害物質である。これらが、道路沿いに多いマンションの形態が、前記、枡(箱)の場合に溜まるということである。
(2)以前、ベットの形態について読んだことがある。
昔から縁の高いベット、あるいは箱形ベット(箱ベット)が世界には存在していた。
箱ベットは、箱に入って睡眠するため、呼吸する人間の炭酸ガスが箱の中の溜まる、これを吸う、この繰り返しが「炭酸ガス濃度」の高い空気中での睡眠となる。旧ソ連ではアルコーブ式ベット(押入式ベット)を衛生面から禁止していたという、関連があるようである。
ベビーベットにおいて、同じような形態に出くわした。
ベットの柵に立ち上がるようなマットがある。敷きつめると箱と同じようになるため、前記同様となる。四隅では立ち上がるマットの重なり部分に、外気が入る様に紐で括りつけ隙間を設けた。マットメーカーは、次代を背負う乳幼児の健康を考え改良すべきである。箱ベットが今も存在することに驚き、苛立ちを覚えた。
これと同じ事が、容積は大きいが、マンションの住戸においても炭酸ガス濃度の高い箱が考えられるということである。しかし、現在ではシックハウス対策、理論廃ガス量からの吸気口の確保等から、常時換気しなければならない法的規制の下に、換気設備、ロスナイ等を設置することによって、「炭酸ガス濃度(廃ガス)」の低減を図ることが出来る副次的効果がそこに生まれた。
4,椅子、ベット生活とは異なる、畳生活から考えると、マンションにおいても日本人としての次の光景を思い描きたい。
季節がよい時期、小春日和に畳に寝そべり、風と共に感じる佇まいでは、大きく開かれた引き戸、掃き出しの縁(ベランダ)からの光と風が心地よいものである。また、夏、冬においても、その表情と風情を感じたいものである。
ここには、箱ベット、箱の底という観念は存在しない、視線を遮らない空間と、遮らない風の通路と日差しがそこに存在する、外に開き放たれた空間が存在するのみである。
インナーテラスは梁が室内に出にないため、ベランダ側の室内空間として天井高につくることが出来る。しかし、室内から屋外を見ると、ベランダの腰壁手摺り、左右の柱が飛び出した形態、視界が遮られて、重量的に圧迫感を感じるものである。また逆に、屋外から見ると、外観は柱が協調されるため堅牢に遮蔽された養護された空間というイメージである。
ここでマンションの形態に、もう一度、「畳文化」と「炭酸ガス掃き出しベランダ」、「外に開き放たれた空間」を考える参考になればと提示するものである。
参考文献、資料
HP(平成19年1月5日)、「空気に含まれる水(湿度)と植物生産」東海大学、星岳彦、湿度計算用スプレッドシートから。
加筆、修正
3,(1)都市においての住環境から考えると。加筆(h19,1,6(土))
3,大きな空間があれば・・・・・。加筆(h19,1,9(火)
3,(2)以前、ベットの形態について読んだことがある。「イギリス軍の箱形ベット」を削除、訂正(h19,1,15(月))
3,炭酸ガス・花粉掃き出しベランダ、に「花粉」加筆(h19,1,18(木))
41,天井換気扇の能力と周辺環境(平成18年12月20日(水))
住戸の必要換気量(シックハウス等)は確保されているか
換気扇の掃除と方法
都心あるいは郊外、幹線道路の沿線、離れた所などによって状況は違うが、都心、幹線道路沿線における住宅、マンションの便所、天井埋込形換気扇1例を示す。
マンション等では、居室の空気を便所や洗面所に集めて排気をしている。
条件、設置して1年、一日24時間運転、常時運転。
天井埋込形換気扇を清掃するには、天井面のカバーを下に約10p位引き抜くと、一般的には、脱落防止のV字型バネが付いてくる、ここで一度止まる。この形が多いようである、他にはビス止めもある。
この後、カバーと天井の隙間からバネの上端広がった部分Vを狭めて、V先端部から外に左右に突起(約10p)する部分を、上部の引っ掛け部から外すし、カバーを取り外す。
そこには、中央に回転する円筒の物がある、これがシロッコファンである。筒の回りに外に折り曲げた羽と、羽の部分だけ空間があいているという物である。最近は樹脂製の成型品も多く存在する。この、シロッコファンの下から空気を吸引して、外部に空気を排出する物である。吸い込んで排気する物であるため、当然そこには軽い粉塵、綿くず、塵埃などがシロッコファンの羽に付着するものである。
1,換気扇に付着する埃と排気能力
(1)空気を掻き込むシロッコファン羽の先端部分に、埃が着き、湿気を呼び、さ らにその上にと堆積するように付着して、裏表で5〜10oも厚くなり丸くな っているところがあった。これでは、先端の風を切る鋭利なところが無くなり 極端に効率が低下する。
(2)天井埋込形換気扇が取り付けられた状態で、シロッコファンの最頂部の底の部分に中央から周辺に多く、盛り上がるように堆積している。ひどいところは 内容積の四分の一まで堆積していた。容積が小さくなり効率が低下する。
どうも、都心で幹線道路沿い、シロッコファンの小径(直径10p位)のもの程、埃が剥離せずに堆積するようである。これに反して郊外、大径(直径20 p位)は小径に比べて少ないようである。
(3)カバーに着く埃、これは天井に付いている場合はよく見えるため、掃除機あるいは雑巾で拭くと取れるものである。
2,建築基準法に基づくシックハウス対策について」を考える。(国土交通省ホームページから抜粋他。)
シックハウス対策に係る法令等は、平成15年(2003年)7月1日に施行
ホルムアルデヒドに関する規制(換気設備の設置が義務付けられる)
(1)内装の仕上げの制限
居室の種類及び換気回数に応じて、内装の仕上げに使用するホルムアルデヒド発散建築材料は面積制限を受けます。(令第20条の7)
(2)換気設備の義務付け
内装の仕上げ等にホルムアルデヒド発散建築材料を使用しない場合であっても、家具等からもホルムアルデヒドが発散されるため、居室を有する全ての建築物に機械換気設備の設置が原則義務付けられている。(令第20条の8)
(3)天井裏等の制限
天井裏等は、下地材をホルムアルデヒドの発散の少ない建築材料とするか、機械換気設備を天井裏等も換気できる構造とする必要がある。(平成15年国土交通省告示第274号第1第三号)
(4)建築物の居室には、住宅等の居室にあっては換気回数0.5回/時、その他の居室にあっては換気回数0.3 回/時以上の能力を有する換気設備を設置しなければならない(令第20条の5第四号の表において規定する回数)。
3,換気扇の清掃
特に建築基準法に基づく「シックハウス対策」の換気扇は24時間常時運転である。1年もしくは2年も経つと「1,換気扇に付着する埃と排気能力」に示す状況となり、排気能力は半減するものである。
掃除の方法は、
準備する道具、
注意、換気扇の電源ブレーカー、またはスイッチは必ず切っておくこと。
(1)電気掃除機(角取り用の先)、割り箸、歯ブラシ、
換気扇のカバーを外し、電気掃除機の角取り用の先を取付て、シロッコファンに当て吸引を行っておく。その状態において割り箸で埃を掻き出す。ある程度 除いた後、歯ブラシで綺麗に埃を取り除く。
この時シロッコファンはくるくる回るので、固定しながら行うこと、あまり力を入れると歪むこともあります注意が必要。家庭用は大きさは7〜8p位の 物から20p位を越える物まである。掃除を、完了するまでは掃除機は運転のまま。床にゴミが落ちないため、人間に降り注がないため吸引する。
さらに器用な方は、シロッコファンを外して清掃するのも方法である。
(2)人間防護対策、マスク、水中めがね、上向きのゴミ取りであるため目に口、鼻に入るため準備が必要。
清掃は二人が都合がよい、一人は掃除機専用にする と上手く処理できる。
この作業が終わり、カバーをして、換気扇を動かしてみてください驚く程の換気能力が蘇ります、同時に、回転音も静かになります。
ここ様な清掃は、習慣として日本人には無かったが、各家庭にも便所、洗面所、台所、何台かの居室の換気扇、5台を越える換気扇が設けられるようになった現在、各家庭で上記清掃を行う時代が来たと、客観状況から認識する必要がある。
これからは、夏の大掃除、年の瀬の掃除に、換気扇の清掃が習慣化され、新鮮な空気が室内に提供される、日本の家屋をそこに画きたいものである。
4,外風からの換気扇選定について
(1)外風による圧力損失
P=9.80665×C×γ/2g×V2
外気風圧Vは(m/sec)、風圧Pは(Pa),Cは風圧係数、
γは空気比重量(1,2Kg/m3乗)、g重力加速度(9,8m/sec2乗)
( 風圧係数は建物の形状で変化するのでここでは0.7とする。)
外風からの影響、季節における風向き、冬の北風、夏の南風等、地形による、山からの吹き下ろし、海からの風等。また、毎日の陸風海風によって影響される、川風、道路風等。さらには街のビル建て込み状況、ビルそのものの形状と風上風下によって外風による圧力損失は大きく変化するものである。
東京都内においても、冬季、高所で北風が当たる所では10mから20mは常に吹いている。ビル風はさらに激しいいものである。
(2)北風を換算すると
10mで約40(Pa)、20mで約170(Pa)にもなり、天井換気扇の排気は、外気に押されて、ほとんど排気できないという状況が想定される。
このため、排気口は季節、地形、建物の形状等を考慮して強い風が当たる所を避けて、設けることも必要である。
特に、マンションでは、入口玄関とベランダと二方にしか外部に面する面が無いため、排気口の方向と形状は検討が必要である。また、騒音についても、居室では低い物を選定する必要がある。
(3)吸気口の確認
排気はあるが外部からの吸気口が無いということが、実際に多くある。吸気・排気でセットというシステム作りをすべきである。
5,換気扇というシステムからバードアイすると
前記1から4から考察すると
1,換気扇に付着する埃と排気能力
2,建築基準法に基づく「シックハウス対策について」を考える。
3,換気扇の清掃
4,外風からの換気扇選定について
シックハウス対策の「住宅等の居室にあっては換気回数0.5回/時、その他の居室にあっては換気回数0.3 回/時以上」で選定しても、「1,換気扇に付着する埃と排気能力」低下、「4,外風からの換気扇選定について」を考慮した、ゆとりがなければ能力を出すことが出来ない。このような設計指針や方法を世に問うものである。
また、理論廃ガス量からの排気、発熱や一人当たりの占有面積からの換気量等についても同様である。という状況から、必要換気量を確保できていない住宅、マンションや建物が多く存在する現実がある。その実情を社会的に認識すべきである。
換気口の考慮と伴に、前記4,外風には、静圧の高い換気扇。前記1,埃の集積からは、法に定める容量から、何倍かゆとりのある大きな物を選定する必要がある。このため、出来るならば排気容量コントロールが付いた物も有効である。
特に設計者は、物があればよい、ではなく前記諸条件を考慮して、効率的な自然環境下での自然換気、あるいは排気口等の配置を考慮する設計、さらに劣化や埃付着等について配慮する必要がある。また換気があるから良いではなく、有害物質を発生しない材料を開発する、選定する等の根元的対応が必要であると考える。
さあ、年の瀬に換気扇を掃除をして、日本の風物詩にして、正月は室内に新鮮な空気をいれ運気を高めよう。
40,厨房におけるガス設備と換気(平成18年12月16日(土))
不完全燃焼、ガス漏れ対策、PL法と責任分界点
自動システムを補う人間のセンサー「気分」からの窓開放
窓があっても最小限、あっても離れたところに小さな窓があるというような厨房が多い現状である。
また使用においては、窓があっても開放出来ないというのが多い、それは、昆虫(蝿、蚊等)、塵埃、菌等の侵入を阻止するために、常時閉鎖状態である。実際の使用状況は、窓があっても開放することなく、窓なしと同じである、それを機械換気でカバーしているという状況である。
この状態で、ガス調理器具等を使用するため、換気と伴に一酸化炭素、二酸化炭素濃度の上昇、ガス漏れ、酸欠にも注意が必要である。
1,厨房改修工事における燃料ガス設備におけるトラブル
PL法と責任分界点
1)ガス式炊飯器(病院給食用)設置状況
改修工事において、燃料ガス配管工事を行い、既存ガス式炊飯器を移設した時の話である。
状況は
一連工事の契約者が二つに分かれた時の状況。配管工事は総合請負業が行い、既存ガス式炊飯器を移設は厨房機器メーカーが契約をした。
総合請負業は契約範囲の換気設備と配管とガスコックまでの試験を行い正常であると報告を行うと伴に、取扱説明を行い引き渡す。
既存ガス式炊飯器を移設完了し、使用すると、COを検出して、一日に5回〜6回も、パトライトのくるくる回る光とけたたましいベルの音が鳴り、仕事にならないと苦情が入った。
2)苦情の内容
既存ガス式炊飯器を移設完了した、使用すると、警報と伴に換気装置全てが運転状況になる。
設計上は、設計通りであり、検出、制御も正常である。センサーが検出すると、換気装置は停止している物も強制的に吸排気ともフル回転となる。
状況は、一日に5回〜6回も、COセンサーが働き、「炭酸ガス濃度異常」という表示と伴に、パトライトのくるくる回る、光とけたたましいベルの音で仕事にならないと苦情が入った。
3)厨房責任者の認識
ガス式炊飯器が設置されている部屋は、壁等仕切のない部屋を一つと考えると厨房、盛付コーナーが一つと見ることが出来る。この面積は約250uもある。この面積から、厨房の責任者は、広い部屋で酸欠になることはないという認識があり、ほとんど心配している様子はなかった。ただ、音がやかましい、何とかして下さいという程度であった。
4)総合請負業(ゼネコン)、厨房機器メーカーの言い分
(1)ゼネコンは、契約内容の試験はもちろん、取扱説明まで行ったので当方に は責任がない。
(2)厨房機器メーカーは、既存品の移設のみで、ガス式炊飯器は種火部分は移設に際して、さわっていないので当方の責任はない。 契約通りの仕事は完了しました。
5)調査結果
(1)COセンサーか、CO測定器で確認する。
測定結果は、ガス式炊飯器は種火燃焼時CO濃度が高まることを確認する、CO濃度0,015%が検出される。
(2)換気装置制御回路の故障か、
制御回路のテストは正常であった。
参考
気象庁ホームページ、気象の知識より
一酸化炭素(CO)/地上オゾン(03)、一酸化炭素の観測から
「気象庁の観測点での大気中の一酸化炭素濃度の経年変化」グラフによると、綾里、南鳥島、与那国島(1991〜2003)では最高 250ppb最低で約70ppb位である。ppbを体積比に換算すると十億万分の一、ppmは百万分の一、すなわち250ppbは0.25ppmとなる。
ちなみに、上記南の島、空気の綺麗なところからは、(5)@CO濃度0,015%は約6万倍の濃度のなる。また、一酸化炭素濃度は大気中に 0,01%以上あると極めて危険な状態になるといわれている。
6)一酸化炭素(CO)濃度と中毒作用
中央労働災害防止協会、新版危険・有害物便覧(1984)から、
一酸化炭素は無臭のガスで、燃焼機器などの不完全燃焼によって発生する。体内への影響としては、血液中のヘモグロビンと結合しやすく、体内の酸素供給能力を妨げるため中毒症状が現れる。
その症状は、頭痛、頭重、吐気、めまい、まぶしい感じ、耳鳴り、発汗、四肢痛、全身けん怠,忘物等の自覚症状がある。等書かれている。
また、(CO)濃度と呼吸時間と中毒作用について次のような関係が示されている。
(1)0,03%(CO)濃度で、呼吸時間1時間の中毒作用は「作用はない」
(2)0,06%(CO)濃度で、呼吸時間1時間の中毒作用は「異常間は現れる」
(3)0,09%(CO)濃度で、呼吸時間1時間の中毒作用は「頭痛、吐気が起こる」
(4)0,12%(CO)濃度で、呼吸時間1時間の中毒作用は「生命が危険となる」
上記データーから(5)@CO濃度0,015%が検出される。
この値は、前記中毒作用分類の一番低い値である(6)@0,03%(CO)濃度で、呼吸時間1時間の中毒作用は「作用はない」の1/2値である。これは現在のところは異常ありません、が給気、換気には注意が必要というサインである。
もっとも、CO検知器がガス式炊飯器、種火燃焼場所の斜め上(横50p、上に1m)の場所にある。実情は、近くにあったため検出が速かったというところがある。
7)責任の所在がはっきりしない
前記(5)調査結果から、「ガス式炊飯器は種火燃焼時CO濃度が高まる」ことは判明したが、責任の所在は宙に浮いている状況である。
PL法的に考えると、ガス式炊飯器移設前に確認して、移設後に確認していれば問題はないが、実情は全くしていないというものであるため、ガス式炊飯器移設した者に責任があると考えざるを得ない状況にある。
2,対策(安全対策をいかに考えるか)
条件、状況として無窓の厨房を念頭に置く。
換気設備の吸排気における風の流れをイメージして、そこに不完全燃焼ガスCOどのように排出できるかを検討する。また、換気設備が停止している時はどうするかということである。
1)発注時には必ず、最終形での試験までの契約を締結しておく。
2)最悪を考え、発生源の検出であるCOセンサーを取付て「炭酸ガス濃度異常」という表示と警報を出し注意を促す。
3)換気装置の制御としては、発生源は発生、発生のまま対応する方法がある。安全側で換気装置を運転続けて、炭酸ガス濃度の低 減を図る方法で、安全を確保しながら制御する方法。
上記1)〜3)は対応の方法であるが、空気中の一酸化炭素、酸素の濃度を検出して情報を的確に掴み対応する必要がある。と同時に、また五感、または気づいた人間が、窓を開けるなり何らかの行動を起こすことにより、空気中の酸素濃度を確保、一または二酸化炭素濃度を低減改善することが出来る。
そのためには窓や扉を手動で開閉出来る方法が最も大事な方法である、そこには電気や機械が介在しない手動方法、手近に窓や扉があり、「気分」が悪くなると外気を取り入れられることである、このような安全対策が最も必要と考えられる。
訂正
参考、「最高250ppm最低で約30ppm」を「250ppb最低で約70ppm位」である。単位他訂正(h19,2,19(月))
「60倍」を「6万倍」の濃度に訂正(h19,2,19(月))
39,パソコンによる設計と系統図と実体験(平成18年10月20日(金))
IT時代の思考力、設計能力低下について
1,IT時代の設計
IT時代の建築設計者、思考、構成力強化を(建築工業新聞2004年9月6日(月))の見出しで、日本建築学会において、「情報化時代の建築設計のあり方に関する特別調査委員会」(委員長、和田章・東工大教授)が6月と7月二回にわたり研究教育者や建築設計者、技術者など121人から回答を得た。と下記の記述があった。
1)「建築とITに関するアンケート調査」で、抜粋であるが次のようにIT導入 の難点をまとめている。
(1)使用者のスキル(熟練、手練)
(2)入力と結果に対する安易な依存
(3)現実との乖離
(4)CADの普及で実際のスケールがつかみにくい
(5)現実の建築との対応感覚が薄くなる
(6)設計技術力の低下が著しい
(7)全体を見て判断する能力欠如
著者も、現場代理人等に系統図というものを画かせている関係で興味をそそられた、以下に系統図、系統図分類表から考察してみる。
パソコンで作業を行うと、そこには多くの資料があり、そこから探し出す、取り出す、だけである。このため、昔のように鉛筆を舐めながら、一本一本の線を画き図面を書くという作業がなくなり、今ではパソコンのキーを叩くだけである。
図面を鉛筆で書く時のように、図(設計図)見て覚える、図面を書くという作業から筋肉を使い脳を刺激して、記憶を安定させてスケール、建築との対応感覚、全体を見て判断する能力を育成する、獲得する、さらに、持ち得た能力を安定するところで展開できる、させるという方法が過去にはあった。
しかし、現在ではキーを叩くだけで必要な図が出てくるため、画く書くという作業から筋肉を使い、脳を刺激する行為が現在はなくなり、結果として定着しないという状態にある。だからといって、図面を手書きするは、時代背景と伴に作業能率が伴わないため事実上不可能である。不可能であるのなら、代替えは無いのかということになる。
一つには、スケッチという方法がある、スケッチには線あるいは図に曖昧さが存在するため、様々な見方や発想が生まれるものである。この延長線上にある系統図の作成(スケッチ)から、系統図と系統図分類表を展開してみる。
2,「IT導入の難点」を解決する
「IT乖離」を埋める系統図による実体験方法
1)パソコンで叩いて取り出したものからでも。
(1)建築的には
ある部屋毎の@{平面図、展開図、建具図、家具図、仕上表等}を、基本的はA4サイズで作成して、A1の台紙に8枚貼り付け俯瞰する。俯瞰するとそこには三次元の空間が成立する。その「三次元あるいは四次元空間を頭の中でスケッチ」することが全体をまとめることであり、この作業がパソコンでは行えないところである。
(2)電気、機械的には
系統図分類表から系統図を作成する。
作成する系統図は、建築的図とは基本的に違うところ四次元でまとめるところである。基本的には平面と展開図に、コンセントなどの器具、機器位置(平面、展開的位置)を記入すると三次元処理は完了する。その先人間と機械の関わり、命令系統、労務管理を、系統図分類表の第4階層の縦軸各項から系統図を作成する。作成した系統図は、ある事象を分析した分析系統図ができあがる。
言い換えると、ある事象をあらゆる方向から分析したものが系統図である。
分析した系統図は、三次元を超え四次元での全体を構成する系統図となる、それは、「三次元あるいは四次元空間を頭の中でスケッチ」する、スケッチし易い必要な情報を提供することにある。即ち、スケッチするための資料が系統図そのものであり、系統図分類表の各項である。
さらに、経費、賃金に関係する労務管理上の時間という集約が系統図に現れるところである、効率的人的能力の援助、開発、実施というところである。
2)系統図分類表
システムとしての階層と言葉から系統図〔絵図〕の階層性を示すものであり、同時に階層を越えて、次元を超えて投影を行えるものでもある。
階層は上位から
第一階層、系統図
第二階層、A、ソフト・命令系統図、
B、ハード・系統図、
C、平面位置図
第三階層、A、イ、事業所の労務管理、ロ,システムフロー、ハ,名称の編集、
B、イ、電気的、ロ,機械的
C、イ、敷地平面図、ロ,動線図(時間)、ハ,通信手段
第四階層、A、イ、1,組織、2,命令系統、3,責任範囲・分担、4,勤務体制、5,人員配置、
A、ロ、6,、制御フロー、7,センサー設定フロー
A、ハ、8,警報の名称の編集、9,機器名の統一、
B、イ、10,スケルトン、11,シーケンス、
B、ロ、12,水的、13,空気的、14,蒸気的、
C、イ、15,棟平面図、16,室平面図、17,
C、ロ、18,歩行、19,自転車、
C、ハ、20,電話、21,インターホン
以上の分類表からあらゆる方向から検討するものである。また分析系統図を作成すると、効用、効果と問題点を認識することができるものである。
それは、あらゆる方向から検討したため、不都合部分、問題点を全方向から知ることができるものであるからである。具体的には、「抜けが分かる、曖昧な部分が分かる、分かったつもり、分かった振り」の部分が明確になり、炙り出しのように表出するものであり、嘘を付こうとしてもその嘘が系統図の中でぽっかりと穴があくように見える、その内容が明白になる方法である。
また、不都合部分、問題点を見つけ出すと同時にそこには解決方法が存在するというものである、それは、系統図を統合する形の中で不都合部分の解決や回避を行うことができ、さらにそのもの、思考力、構成力を強化することにつながるものである。またシステム(概念)として、地上に存在するための条件、要素、要因を階層的に表したものが系統図分類表である。
3)筋肉を使う記憶への定着方法
作成した系統図を、A1台紙に8枚貼り付ける、A4サイズを8枚貼り、系統図製本を作成し俯瞰することによって、訂正箇所の加筆、削除を繰り返し、全体を構成していく。また、系統図を切り貼りするという編集過程では、鋏で切り貼り、糊づけ、削除、統合を繰り返すため、そこには、物理的作業が生まれる、紙を切り刻み、貼り付け、貼り付けたところを切り取り、この繰り返しを行い、脳に記憶を定着するという方法である。
余談ではあるが、解剖学を覚えるというある学生と話をした、骨って教科書を見ても、読んでもなかなか覚えられないのですよ、夏休み中読んでも読んでも、全く受け付けないのです、どうしたらいいでしようかと相談があった。著者はとっさに前記の筋肉を思い出し、A4サイズの白紙に骨の図を書き、名前を書き、声を出して、書けばよいと教えた。最初は教科書を見ながら骨を書き、何度かすると、見ずに書けるようになる、骨の形の特長が自分なりに出るようになる、筋肉を使うと脳に定着すると教えた。骨って教科書を見ても、読んでもなかなか覚えられないといっていたが、やってみると、精神が落ち着き何となく安定しました、書くと不思議ですねとの連絡が入った。これなど、筋肉を使った筋肉から来る信号と、視覚から来る信号、声を出す声帯と聴覚の刺激における、「書いて、声を出して、読んで覚えるは」筋肉を使うために触覚から入る、考えると五感になる。五感を使う満足とともに、人間の五感を使い切った、入力チャンネルは全て使った、人間の能力を全て動員した使い切った、精神安定がそこにある。また、脳が要求に答えたという満足感であろうと考えられる。もっともここでは嗅覚と味覚は使っていないが、必要なものを動員したと言うことである。
このようなことから、パソコン上の画面編集のみでなくA1台紙にA4サイズの建築的@{平面図、展開図、建具図、家具図、仕上表等}あるいは系統図というものを貼り込み、俯瞰する形で編集、投影するものである。系統図製本では常に8枚を俯瞰するため、パソコンにおける画面一、二枚の表示画面の編集とは根本的に情報量が違うものである。さらに、キーボードを叩くのと、紙の切り貼り、糊づけにによる信号の違いであるように思える。
パソコン画面からの、視覚情報のみでは、多くの条件や内容を記憶することは難しい。それは、パソコン作業においては視覚信号が殆どである状況から、筋肉から来る様々な信号、指からのスケッチ、文字さらには声帯、視・聴・触覚等への送受信号によって、五感からの信号が、脳の活動域バランスが取れ、安定することによる、記憶が定着し促進されるものである。
また、不眠症気味であった相談者から、無理のない脳の使い方から、睡眠がよくとれるという内容の返事をいただいた。
3,「IT導入の難点」を前記1の1)、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)を系統図と系 統図分類表から考えてみる。
(1)使用者のスキル(熟練、手練)
パソコンを使うという端的な例は、一本一本線を引くのでなく、あるパターン化されたものをどう組み合わせて一つのものにしていくかということである。また、幾つかのパターンをつなぎ合わせると一つの全体が出来上がるというものである。
そのパターンを、一つ一つ熟知しているかと言うこととである。しかし、このように言って努力してもそこには自ずと限界が見える。そこで前記で言う熟練、手練のみでなく、以下の(2)から(7)の内容と伴に問題点を解決するには、パソコンという枠から外れ、全く異なる世界からの訓練が適すると考えられる。
それには、系統図分類表から作成される、分析系統図によってあらゆる方向から分類されて、多岐にわたる検証と確認からのノウハウ蓄積と、瞬間に問題点を見抜く訓練がある。
さらに、系統図を8枚貼り系統図製本として俯瞰する方法。俯瞰することによって、問題点、名称の違い、ゾーニングの違い、階層性の違い、系統の違い、命令方向の違い、管理・責任範囲等の確認。また、系統図分類表の縦軸各項目で確認する方法がある。
さらには、系統図分類表の縦軸項目に例、空気、水、蒸気等の項目があり、気体は液体は気体液体の混合体などの具体的なものをパソコンのいう画面、あるいは系統図に当て嵌め概念を実体験にまで近づける方法がある。
パソコンであっても、手書きであっても、一本一本線を引きそこに意味づけを行いながら、作図することによって身に付く方法がある。このことから、パターン化されたものを分解し意味づけ、認識して、全体を形作ることが、本来の熟練、手練であり最も必要なことである。
(2)入力と結果に対する安易な依存
入力は、解析モデルによってパソコンに入力するわけであるが、そこには、科学として解析できた内容を入力するものであって、人が知り得ない内容については入力できない、解析できないものである。
よって、入力すると、結果が出るのがパソコンである。と考えることに問題があるこの認識が最も必要なことである。
また、パソコンでは結果と結果を統合することは、 パソコンには出来ない。それは、人にしかできないことである。
この認識の元に、パソコンがおこなった解析結果を、技術者として正しい結果を導き出しているか、という判断が必要である。さらには、関連する事象を安定する結果に結びつける能力が必要である。
(3)現実との乖離
最近の様相として、パソコンの前では図や立体をたちどころに画くことが出来る。しかし、鉛筆を持つと画けない。そこには、立体モデルがパソコンにあり自分自身の頭の中にないという状況である。これでは、パソコンの結果と人が作るべきイメージとの照合が出来ない。またそこには、パソコンの結果の「まずさ」や「誤り」すら見つけ出すことが出来ないという事態を招く。
バーチャルとしての宇宙飛行士は、持っているペンや持ち物などは中空に置くことが出来る。また宇宙空間では、当然、同様に行うことが出来る、その癖が付くそうです。しかし地球上では、手から離れるとそのまま落下である。
パソコン画面上では、荷重、構造、引力等には関係なく中空に画くことが出来る。がしかし、これを地上に構築物として作ることは出来ない。それは引力の有無の差である。
バーチャルであっても、それが計画、設計ということであれば、そこには要素、要因である地球という根本条件を抜きに語れないものである。それには、バーチャルの世界に要素、要因をどのように組み込めるかと、いうところが問われようとしている。
パソコン画面上での実体験、経験方法
通常経験とはあれをやった、これをやったという話である。では、どのようなもの・どんなものかという問いには、あそこにある建物、こういう装置等という完成したものが存在するのみで経験という中身には辿り着くことができない。また書類としては、設計図、施工図、製作図というものでしかなく、そこには設計時点と製作時点、竣工時点のものでしかない、同様に、経験という中身には辿り着くことができない。
そのため、過程におけるコンセプトの変化、変容、さらにはエンドユーザーとの照合などにおける変化、摺り合わせの過程、すなわち経験は形として存在しないと言うのが現状である。このため過程、経験は口伝と言うことになる。
ところが、系統図を作成するということは、過程、経験そのもの「コンセプト変化、変容、さらにはエンドユーザーとの照合などにおける変化、摺り合わせの過程」を紐解ける形で存在することになる。それは、系統図8枚貼りであり、さらには系統図8枚貼りに存在する「日捲り」にそのまま残っているものである。 系統図分類表における、要素、要因から分類された項目から作成された系統図一つ一つが、過程であり経験であり口伝のところであるである。
系統図作成とは、現場を経験することなくして、系統図8枚貼りから変化、変容の過程を経験でき、紐解ける、口伝部分を知ることができる方法である。そこには変化、変容の過程を、何時でも誰でも経験できるため「現実との乖離」は存在することはない訓練方法である。
(4)CADの普及で実際のスケールがつかみにくい
CADでは、「パターン化された平面をコピーして使う」ため、そのものがどれ程の緊密感で作られているか、どのようなコンセプトで作られた物か、その内容を知ることはない。
CAD以前の鉛筆で手書きの時代にも同じ事が言われていた。しかし、根本的に違うのは、鉛筆で線を引きながら一本、一本、原物との大きさ、強さ、重さを感じながら引く図面とは、「パターン化された平面をコピーして使う」図面とは全く違うものと成ったということである。一つ一つの行動から、様々な確認、照合作業が生まれ、さらに新たな発想が生まれるところが大きく違うところである。
(5)現実の建築との対応感覚が薄くなる
モニターで浮いている形、想像の範疇であっても、概念や思いがそのままの形でモニター内では形作ることが可能である。
パソコンにおいてモニター内の「見える化」がそのソフトの能力とまで言われている昨今である。構造計算、様々のモジュールなど仕事から考えると何時も身近にありすぎ、日常であるため、思考プロセスが確定しているため思考が広がらない。「見える化」の最先端である魚群探知機を例に、見えるようになったが魚は釣れないから考えてみる。
例として昔の魚釣りは、魚が見えない、居ても居なくても分からず魚を釣るというのが魚釣りであった。ところが最近、魚群探知機で「見える化」を進められ、魚の浮き袋から数pの大きさまで判断できる探知機が発売されている。
大きい魚が大群でいる、カジキだマグロだ、までは判断できないが、魚礁や海域、深さ等から魚の種類まで予想できるようになった。といって喜んでも、つり上げなければ魚釣りではない。何の意味もない。
釣るには、船さらには道具、釣り針、糸、浮き、竿、そして使い方を知る必要がある。さらに釣るための技術、例、合わせにも「向こう合わせ、誘い」等がある。これらが揃って、魚を手にした時、初めて釣ったこととなる。
見つけたもの、思い付いたもの、それを見える化しても、そのものを目的のために使える形、手に取れるまで具体化することである。これが実現である。
またこれと同じで、モニター内の形を原寸大で地上に再現存在させることが出来るか。当然そこには、地上で引力が掛かり、様々な制約があり、それらを処理しなければ建築物、工作物、機器、器具が地上に存在することはない。このように、要はモニター内で満足して、そこから先がなく実際に投影できない、ものを物にする、掴み、手に持つと言うことが出来ないことである。
(6)設計技術力の低下が著しい
魚群探知機は上手く合わせれば、魚群は見ることが出来る、がしかし、釣り上げなければ釣りでない。このための釣り上げるまでの道具の使い方、さらには魚の引きに対するタイミング、強さ等の技術がなければならない。
これを知らない、設計時の思考枠、深さ、あるいは道具の使い方等が理解できず、解らずに、設計を行うからである。さらには配慮が足らない、いや配慮そのものが出来ない等の問題を生んでいる。
それは、画面の中での出来事であって、現実世界の出来事ではない、この画面の中と外の経験の違いがそのまま現している。画面外の釣りにおいては、例に海を取っても、季節、風向き・強さ、太陽、時刻、潮の干満、風向き・強さ、気温、気圧、海水温、波の高低、海底の魚礁の状態、前日の気象等々関連する事象にいやが上にも曝される。これらを外した画面の中での作業であるといえる。この違いが、設計技術の低下を招いている。
画面内では事象「例に海を取っても、季節、風向き・強さ、太陽、時刻、潮の干満、風向き・強さ、気温、気圧、海水温、波の高低、海底の魚礁の状態、前、翌日の気象等々関連する」全てをパソコンにインプットしても、人間の持ち得た知識や経験の範囲内での、条件設定、仮定、変形や応用の範囲でしかない。これを越えるもの、あるいは複合的なものは外乱として画面外に存在する。
結局は、画面の中に条件と事象を持ち込んでいないと言うことである。ここが設計技術の限界である。
(7)全体を見て判断する能力欠如
仕事から考えても日常であり過ぎ、ルーチンワークでしかない。このため、却ってピントがずれるため、ここでは遊びから、例、魚釣りから紐解いてみる。
魚を釣るには次のような条件が存在する。
@魚群探知機の操作
A船の操船
風、潮流、波高、航行速度。
B道具、
釣り針、餌、糸、浮き、竿、そして仕掛けの形、作り方、使い方。
形、強さ、大きさ、太さ、長さ、撓う、種類の選定。
C釣り場の設定、
魚礁の状態、海の深さ、海流、河川との関係、海岸の形態。
D季節、天気の捉え方、
釣り場の設定、季節、風向き・強さ、太陽、時刻、潮の干満、気温、気圧、海水温、波の高低、海底の魚礁の状態、前、翌日の気象等。
釣りに関する条件を列記すると@〜Dまでも多くの条件、事象がある。
前記事項の全体を見て判断することである。
それは、言い換えると総合的に判断して釣りを行うものである。
しかし、前記(6)同様に全てをパソコンにインプットしても、人間の持ち得た知識や経験の範囲内での、条件設定、仮定、変形や応用の範囲でしかない。パソコンで紐解くときには、パソコンにに入っている内容でしか構築できない、しかしパソコンを使っている者は出て来た答えが全てと思っている。ここに大きなギャップを生んでいる。
これを越えるもの、あるいは複合的なものは外乱として画面外に存在する。一例を挙げると、台風、突風、竜巻、雹や霰、季節外れの様々な事象、さらには@〜Dを含めた複合的事象に対しての判断、当然、画面の中にはインプットされていない。
また、総合判断する全ての材料ではないが、ある一定のもの、所定の目的を達成するものはパソコン内に提供されている、これがパソコンの限界である。しかし、これだけでは総合判断は出来ない。複合的なものは外乱としてパソコン画面外に存在するし、判断もパソコン画面外のあるというものである。要はパソコン内の訓練とパソコン外の訓練があるということである。そこには全く異なる空間認識と身体的空間感覚が存在することである。
パソコン内の訓練とパソコン外の訓練を統合するもの、「三次元あるいは四次元空間を頭の中でスケッチ」することが全体をまとめることである。
パソコン内では徹底的に「見える化」が行われているが、パソコン外の訓練は皮膚感覚で体験、経験からのものと、裏付けされた予知能力から形作くられるものであるといえる。
最近は釣りにも女性の進出が著しい、釣り船には化粧室、便所の完備など女性にとって馴染みやすい工夫が凝らされている。このため急速に女性釣り師が増えている。魚群探知機の会社に尋ねたところ、女性の釣り客、特に主婦は魚群探知器で大きな獲物を見つけると、これは鯛だ等といい、頭の中は、もう取ったつもりで料理が夕食の食卓に並んでいる。このため、魚群探知機であれだあれだと魚を追い続ける、これには船頭が参るという話を聞いた。
男の釣りは、全く女性とは正反対で魚群探知機で魚が居ることが分かるのが不愉快、黙々と糸を垂れるという。
昨今、IT時代の思考力、設計能力低下から技術力の低下、全体を見て判断する能力欠如が叫ばれている状況をあてはめてみると。女性の場合の例のように、画面の中がそのまま食卓に出る発想、間を全て飛ばす思考プロセス。ここでは偶々女性を表したが、男性についても前記IT時代の思考力では全く同じである。
一方男性の釣り客は、釣りに必要な道具全てを揃え、さらにあらゆることを想定して釣りに望む。仕掛けについても、何種類かのものを用意している。魚の種類によるが、一瞬の当たり、ウキの変化等から魚を読み取り、「向こう合わせ」、「誘い」を駆使しながら、魚との駆け引きを楽しむものが釣りという。「向こう合わせ」とは、餌に食いつく魚に合わせて釣り上げる方法。「誘い」とは、餌を少しかじる、突っつく魚を、食いつく様に誘い、釣り上げる方法。
ここには魚群探知機は使わないが、釣りに必要な道具、技術、環境等の知識の総合から判断するものである。そこには、「見える化」を遮断することによって、本来の想像というものが何処までも膨らむ楽しみが存在するものである。また、この楽しみを知ることが統合であり、全体を見ることの訓練である。
加筆、訂正
・2,3)に、「書いて、声を出して、覚える」加筆。(h18,10,22)
・2,3)に、視・聴・触覚を加筆。(h18,10,22)
・3,(1)前から段落三番目、の確認を加筆。(h18,10,22)
・「張り」を「貼り」に訂正。(h18,10,22)
平成18年9月26日(火)
38,機械・電気系専門人間の対応
ホンダ・インスパイヤー(セーバー)のクランクシャフトプーリ-破損
電気系故障から
乗用車という限られた部品、装置でありながら、故障時に確実な計測、試験が行われずに済まされている現状がある。
運転者、ディーラ、メーカーは、生命、体を保護する装置としてもう一度見直し、確実な品質管理と方法を検討し、必要な確認、点検方法を洗い直すきっかけになればと願って止まない。ここに事例を紹介して、日常の慣れと怠慢に科学的な検証を入れ、誰もが、安全な整備提供を受ける、きっかけになればと願い警鐘を鳴らすものである。
1,第一回故障事例 H18,7,23(日)
(1)○○地下駐車所に駐車、1時間後駐車所から出ようとした。
駐車場に入れる。運転席窓ガラスが上下せずに動かない、止むなく、スイッチを入れながら、手の平で押し上げながら閉める。
1時間後駐車所から出ようとした、セルは全く反応せず。
JAFを携帯で呼ぶ。
(2)JAF((社)日本自動車連盟)に点検してもらう。
バッテリー電圧を測定、電圧が定格値(12V)を示さない。
回転数2,000~3,000rpm に上げてみる、やはり電圧は上がらない。
(3)JAFの意見はダイナモが駄目です。
バッテリーは銘板から1年前に取り替えているが、取りあえずバッテリーを充電してもらう。
エンジンを掛けると、難無く掛かる、修理のためディーラまで伴走してもらう。
(4)後で紐解と、前触れと感じたこと
低速走行中に、カチカチと大きなリレーが開閉する音がフロントよりしていた。
@使用状況
エンジンは2500CC、9年間乗車、毎日通勤に往復で約15Km使用。1年前にバッテリ交換、全走行距離約5万q。
2,一回目の修理、
ディーラにて修理
(1)前記内容を1(1)〜(4)を説明。
(2)ダイナモとバッテリーを交換する 、交換後快調に車は走る。
3,第二回故障事例 H18,9、12(火)
(1)バックに入れたとたんエンジン停止。
妻が7q離れたところから戻り、雨降る夜に駐車場に入れようとして、バックに入れたとたんエンジン停止。
セルを入れるが反応なし。第三者、駐車のため通りかかった近所の奥さんが挑戦するが反応なし、バッテリーが駄目とのコメント。やむ得ず、道路中央に放置。
(2)30分後、著者が動かすとエンジンが掛かる。車庫に納車。
(3)無線のスタータ-で念のため、エンジンを掛ける。
納車後、無線のスタータ-で念のため、エンジンを掛け(約10分間)てアイドリング状態で、バッテリー充電目的でおいた。
(4)翌朝(9月13日)、通勤に使用、何ら問題はなかった。
4,第三回故障事例 H18,9,13(水)天候雨
(1)妻が不安で車に乗れない。
電話が入り、代わりに乗って帰る。
暗い夜間3q位走り、〇×東で計器の照明が突然消える、エンジンが停止。
その他、ワイパー、クーラー、ヘッドライトも消える、また道路中央に停止。セルは全く反応なし。
JAFに電話する。
後日談、その時は気が動転していたため、非常灯は点灯と思っていたが、後日、電気配線図から確認すっると点灯することはあり得 ないことを確認する、正に全て停止、消灯状態。
夜間全てのライトが消灯、道路中央で突然停止、事故にならなくて良かった。今思っても身震いする。
(2)JAFバッテリーの電圧測定、バッテリーは定額電圧以下。
エンジを掛けるが反応なし。
バッテリーを充電する、エンジンを掛ける、エンジンが掛かる。
この時、アイドリング時、ダイナモ電圧測定・電圧が出ていない。
ダイナモからの出ている線での電流測定 クランプメーターにてマイナス値を示す。
この後、回転数を上げると、電圧は(約14V)出る、電流も(約55A)正常になる。
修理のためディーラに2回目持ち込む。
5,故障とその状態を整理すると
前記故障から共通項の確認
(1)アイドリング時
一回目修理前、1(2)電圧は上がらない。
一回目修理後、4(2)電圧測定・電圧が出ていない。
の共通項がある。
(2)高速時
一回目修理前、回転数を上げても出ない。一回目修理後は電圧が出る時と出な い時がある。
6,新たな故障箇所が分かった「クランクシャフトプーリ-」
ディーラに持ち込んでから、故障時の再現が出来なかったことが故障箇所を見逃すことになった。
(1)故障再現の難しさ
一つには、バッテリーが空になっても直ぐにJAFを呼び、充電して車を走ら せて、ディーラに持ち込む、この時にはバッテリーは充電状態である。しかし、 ダイナモの正確な定格出力電圧まで把握しておれば、電圧測定のみでも状況は 把握できた可能性はある。
しかしながら、ディーラに2回目持ち込みテスト時に、故障時に近い状態、アイドリングでは 電圧が上がらず、回転を3000rpmに上げると正常な電圧(13,7V)と電流が出た、という事象を発見。エンジンが回転している、キュルキュル音がするベルトから追っていくと、ダイナモが不規則な回転している、「クランクシャフトプーリ-」が滑っている,おかしいことに気付く。やっと、原因を突き止める。
(2)クランクシャフトプーリーとは
エンジンシャフトからダイナモにつながる間には、機構的にはエンジンシャフトにクランクプーリ-を取付て、これからベルトを介してダイナモにつながっている。
クランクシャフトプーリ-はエンジンシャフトからの動力をスムースに伝えると伴に、衝撃を緩衝する装置でもある。
クランクシャフトプーリ-には直径の小さな物から、小・パワーステアリング 駆動用、中・エアコン駆動用、大・ダイナモ駆動用として並んでいる。それは、クランクシャフトの先端部に位置するところから小、中、大と位置している。
ダイナモがつながれたクランクシャフトプーリ-の構造は中心に@シャフト、それを包むようにA同心円上の金属、Bベルトが掛かるリング状の金属部(溝) Aと、Bの間に、Cダンパゴムが存在する。正常時では、ダンパゴムが金属部 ABをしっかりと密着した物である。ところがあろう事か、ダンパゴムに隙間ができABCが同時回転をしない、滑りが生じていたと言うことである。
ディーラの見解では、十万q位走行するとダンパゴムの劣化が生じるが、五万qで は聞いたことがないとのことであった。
また、クランクシャフトプーリ-の破損についても品質管理上の検証が必要で ある。
7,2回目の修理
クランクシャフトプーリーを交換、車は調子が良い。
8,検査方法と測定方法について
前記2、一回目の修理、(2)において、電圧が出ないのならダイナモを交換すればよい、ダイナモが悪ければ多分バッテリーも痛んでいる。両方を交換すれば大丈夫、という単純な発想から「ダイナモとバッテリーを交換」している。
前記1から6の故障状況から、「ダイナモとバッテリーを交換」を考えると、ダイナモからの出力線の電圧と電流を測っていれば、アイドリング時における状況を的確に掴むことが出来たと思われる。
そこにはまた、当然絶縁測定も必要であるが、ここでは展開から外して話を進めることとする。
(1)一回目修理前、
アイドリング時にダイナモの出力点で電圧と電流を測定して いれば、電圧・電流がないことが分かると、ダイナモが悪いという結論に行き 着く。
ここで欲を言うと、回転確認、次にはダイナモがアイドリング時に正常回転しているかまで確認することが必要になる。もしも、回転が低い不規則なら、電圧、電流は当然正常な値を検出できないものであり、ダイナモではないという 結果に至る。原因は他にある。
もう一つ状況からの判断は。
バッテリーは1年前に交換、毎日通勤で使用している、この状況から、バッテリーが上がるはずがないダイナモが悪いに行き着くのも当然である。
(2)しかしながら、一回目修理後、
前記(1)同様のテストを行えばクランクシャフトプーリ-が滑っている状態、同様な電圧、電流が検出される。この時点で原 因はダイナモでない、他にあるという結論に至るべきであった。
特に、ダイナモの出力電流においては、交換したにも拘わらず電流が出ていな いという結果であるため、原因は他にあるということになる。この時点で、原 因を見つけられるのが確認作業の意味であり必要なところである。
(3)結果として、アイドリング時、
クランクシャフトプーリ-が滑っていたということが言える。ダイナモにはベルトを介して駆動力は伝わらない、低、高速時についても同様である。
(4)高速時
一回目修理前、回転数を上げても出ない。は前記(1)(2)と同じ、原因は他にある。
一回目修理後は「電圧が出る時と出ない時」がある。
電流を測っていたなら、電流も斑が考えられる。前記同様ダイナモの回転数が鍵を握ることになる。少なくても前記(2)時点で結果が出たはずである。
(5)カチカチ音の正体
前記1(4)前触れと感じたこと、低速走行中に、カチカチと大きなリレーが開閉する音がフロントよりしていた。
については、エアコンのマグネットが、バッテリー電圧が低くなり開閉していたのではないかとのディーラの見解であった。
現在客観的デ-ターがないため、ディーラ、メーカーにダイナモの回転数における電圧特性、エアコンのマグネットの電圧特性と動作設定、につい資料要求 しているところである、客観資料による確認の必要がある。
9,結論
もしも高速道路で、前記エンジン停止があるとどうなるか、後続車に追突されることは明白である。一般道路でも、同様である。人命を落とすものである。このような事態を招くことは、三度もの停止から充分に予測できることである。
この修理は、科学的根拠が乏しく慣れと思い込みの判断が存在する。
本来なら、修理後の確認に、電流計で測定すべきであるが、アイドリング時にダイナモの出力から電流測定をしていない。その状況を把握できていない、このため、ダイナモを交換しても意味がない、原因は他にあることに気付くことが出来なかったということである。
修理確認状況を確認すると、電流計は壊れていて測定が出来なかったとのことであったが、電気系統を確認するのに、電流計がないでは確認が出来ない済まされることではない。自動車も電気系の比重が高くなっていることから、自動車は機械から脱却して、せめて電流計を用いて電気系の確認を行うべきである。また、回転計で測定するともっと簡単に対応できたと思える。
そこには、電気系からの確認、機械系からの確認という方法がある。しかし、この問題は、このシステムの最終結果を示すもの、例、電圧、電流で確認できるという判断、この判断と認識がプロとして最も必要なことである。このことを知ることが必要なことである。
それには、簡単に測定できる測定器が必要である。
クランプメーターがある、電流と電圧の測定が出来るものを準備することである。JAFに確認したところ、サービスカーは標準装備している。また、マニュアルには、「バッテリー上がり」の作業にはエンジン始動後、電流・電圧を測定とある。
前記JAFの内容からも、メーカー、ディーラは組織的対応が必要である、組織として点検、試験マニュアルの作成と共に、測定器の調達、品質管理上の教育、労務管理上の環境整備、人的対応が必要である。
修理をするディーラにおいては、運転手がもう少しで命を落とすことになったかも知れない事態である。同種等の車においても同一の故障も考えられ、さらに事故も考えられる。社会的影響と認識が必要である。
そのためには、最低限出来ることとして、電気系(バッテリー、ダイナモ)故障のテスト確認には、クランプメーターによる電流計を必ず用いること、電流、電圧の測定を行う。を提唱し、ディーラの品質管理の項目に加えさせることとした。
改めて、車に乗る者は、自身で生命を守るという姿勢が必要と、考えさせられた故障、修理内容である。
訂正、加筆
1(1)、の内容を、駐車前後の状況を区分する。(h18,9,28)
1,3,4,の日付について勘違いあり訂正、JAFに確認。(h18,9,28)
4(2)、電圧と電流値について約を入れた値に訂正。(h18,9,28)
8,に加筆、そこにはまた、当然絶縁測定も必要であるが、ここでは展開から外して話を進めることとする。(h18,9,29)
8(4)に加筆、原因は他にある。(h18,9,29)
6(1)ディーラに2回目持ち込みテスト時に、(2回目持ち込み)追加訂正(h18,9,29)
4(2)に加筆、修理のためディーラに2回目持ち込む。(h18,9,29)
37,概念という道具と使い方(平成18年8月30日(水))
人と組織を動かすには
1,政策、経営は、
一般の方の立場では政策立案、あるいは作成、決定などはすることは先ずないと思いますが、国家の政策は基本的には政治家が作るものです。実行するためには概念作りを行い、計画、実施まで役人が行うものである。
会社等では、政策に変わるものは経営方針、経営戦略(以降、経営方針、経営戦略もこの項では、「政策、経営」という言葉で括る)などと呼ばれている。実行するためには上記同様に、「政策、経営」を受けて経営、管理者が「概念」を作りを、実行部隊が概念から「計画、実施」まで行うものである。
このように概念とは「政策、経営者」あるいは「計画、実施者」どちらにおいて作成するのか曖昧な状態にある。日本の場合は同一文化の安心感とともに、概念などという押しつけを嫌うところがあり、受け身の出しゃばらない、などの一歩引いた関係が美徳とされる文化がある。このため、誰かが作るだろうと、曖昧、いい加減さが存在することになる。結果として極端な例では、概念そのものが存在しないものまでもある。
1)概念とは
「概念」とは広辞苑によると、
事物の本質をとらえる思考の形式。
事物の本質的な特徴とそれらの関連が概念の内容(内包)。概念は同一本質を もつ一定範囲の事物(外延)に適用されることから一般性をもつ。等とある。
2)概念形成、作成者の「地位と立場を中心に置き」以下に展開すると
(1)プロジェクト推進者、自分から上向きには(上司、施主等)
「政策、経営」から、この様に考えたい、こうしたいという「概念」を伝える。しかも、政策とも間違いなく同期、協調していることが必要である。
(2)プロジェクト推進者、自分から下向きには(部下、請負者等)
このように考える、このような全体で作成したい、動きたい、その内容を伝える。下の者がもしも概念を理解したなら、そのプロジェクトはその時点で成功である。
(3)プロジェクト推進者、自分から水平には(同僚、仲間)
同僚、仲間が「概念」を共有できるのなら、それは物凄い推進能力を兼ね備えるものとある。一人のプロジェクト推進者だけでも大きな影響を受けるものである、しかし、これが複数ということであれば、同僚、仲間が複数のプロジェクト推進者になるため、大きなエネルギーが備わるものとなる。
下記@〜Bこれだけ動かすことそのものがプロジェクトでもある。
@自分から上向きには(上司、施主等)
A自分から下向きには(部下、請負者等)
B自分から水平には(水平、同僚、仲間)
概念を理解しているのなら、それから大きく逸れることはない。
目的に間違いなく突き進んでいく。途中で間違っても、間違いのないところに落ち着くものである。
概念のない時は、常に方向を是正しなければならない、それはモグラ叩きをしているようである。もしも、モグラ叩きをしているならば、到達点に行き着く前に間違いなく疲れ切って使いものにならないものとなる。これでは、プロジェクトという大きなもの、創造や思想、思考という不確かなもの等では、全体をまとめることが出来ない。
「概念」が明確であると自動的にスタッフは目的に進むことになり、プロジェクト推進者の仕事量は極端に少なくなる。
プロジェクトは、通常「4分の1、もしくは5分の1」しか成功しないといわれている。しかし、この概念が明確で上・下、水平に展開でき理解されるのなら、それは、成功率は100パーセント近くなるものである。
あろう事か、プロジェクトは、概念なしで突入して、突入してから概念を作るというものが多いからである。これが現実である。
2,関連する周辺情報
広辞苑の前記内容から「概念は同一本質をもつ一定範囲の事物(外延)に適用されることから一般性をもつ。」から、一定範囲の事物(外延)に適用は、直接関係ある自分から「上・下、水平」のみならず、その先の「上・下、水平」をも含むところまで概念を理解しての共有してもらう事が正に概念そのものである。
そこには、関係する人々には「概念を作る過程」と「概念の成立後」とでは接し方、またコミュニケーションの関係成立は、当然全く違うものとなる、このことを知るべきである。
1)概念を作る過程
「政策・経営」から実施に移すために、直接関係する「上・下、水平」から事情を聞き「政策・経営」との折り合いを付けながら具体的内容を形作る。また、プロジェクトによって影響を受ける人々についても同様に行う。
この時の方法に、聴き取りを文字化して、さらにある目的のためにまとめなければならない。このまとめると言うことが出来ないようである。
概念のまとめ方にもう一つの方法、「政策・経営」からトップダウン方式がある。しかし、系統図8枚貼りにおいては何ら変わりがない、投影、統合、編集すれば、トップダウンという範疇において全く同様に使えるものである。
ここでは、聴き取りを含めたものから展開する概念形成方法について述べるものとする。
(1)一般的なまとめ方は
聴き取りから、共通項として例、平面、品物、職種等からのまとめる方法がある、この程度のことは、文章を書く者であれば誰でも行うことが出来る,分類とまとめである。
@平面位置(部屋名等)が同じものでまとめる方法。
A品物(ロッカー、机、椅子等)が同じものでまとめる方法。
B職種(役職、調理師、システムエンジニア等)が同じものでまとめる方法。
しかしそこには、当然、何を共通項にすればよいか、例にある平面、品物、職種等で良いのであろうか、そこには何故そうするのか、どのようにすればこの共通項を見いだせるのかという疑問や不安がある。
しかし共通項とは、言い換えると、物事の成立に必要な要素、要因ということと考えることが出来る。これを形容すると、要素、要因還元法である、事象を単一なレベルの基本的な要素、要因(共通項)に還元して説明する方法がある。これも同様に、何がどれが基本的な要素、要因か解らないというところがある。
3,要素、要因を決定するには
ある事象、物事において簡単に要素、要因といっても、何が要素、要因なのか先ず考え込んでしまう。それ程要素、要因といっても限定、特定することは難しいことである。もしも最初に要素、要因を知ることが出来たならば、その時点で問題は解決である。
ならば、要素、要因をどのように見つけ出すとよいのかということになる。
バードアイでは、系統図分類表というものを作り、どのようなシステムや機器についても対応できる基本要素(要素、要因)を作成している。
森羅万象に対応できるように表したものが系統図分類表である。系統図分類表事象において、縦軸にシステム構築上の基本的要素、要因を、大きくは三分割してソフト、ハード、平面位置、さらに階層的に細分化した二十数項目の要素、要因項目である。
1)系統図分類表
三角形の頂点、第一階層は、
システムあるいは系統図という名称に集約し、あるいは空間という言葉を使い集約された頂点としている、基本要素を縦軸に階層的に分類したものである。
第二階層は、
大きくは三分割した
A,ソフト、B,ハード、C,平面位置である。
空間を平面という解りやすいものから確認して、ソフト、ハードと展開する方法を提示したものである。
第三階層は、
Aの内訳、イ、事業所の労務管理、ロ,システムフロー、ハ、名称の編集
Bの内訳、イ、電気的、ロ,機械的
Cの内訳、イ,敷地平面図、ロ,動線図(時間)、ハ,通信手段
第三階層は計8項目に分類されている。
第四階層は、
A,イの内訳、1,組織、2,命令系統、3,責任範囲・分担、4,勤務体制、5,人員配置、
A,ロの内訳、6,制御フロー、7,センサー設定フロー
A,ハの内訳、8,警報の名称の編集、9,機器名の統一、
B,イの内訳、10,スケルトン、11,シーケンス、
B,ロの内訳、12,水的、13,空気的、14,蒸気的、
C,イの内訳、15,棟平面図、16,室平面図、17,
C,ロの内訳、18,歩行、19,自転車
C,ハの内訳、20,電話、21,インターホン
第四階層(三角形の底辺)は、計21項目に分類されている。
この分類項目に沿って、系統図を上位階層から作成して、気になるところは下位の第4階層まで詳細に作成するという方法で、必要な要素、要因を探り出すという方法である。何が何でも、第四階層から作成して集約や編集というものではない、そこには、系統図を作成するとここが必要という系統図の空間から啓示ある。それは、系統図という形骸化した単純な形を以て全体を表すため、単純であるが故に、全体と部分の関係、あるいは全体、部分が明確に浮き出ると伴に導かれるものである。
空間を把握するには、アナログ的発想による把握が一般的である、言い換えるとアナログでしか把握できないというものである。
空間はデジタル的把握は難しいものである。しかしながら、誰でもが空間を把握できるようにするには、空間といえども要素・要因還元法で分類、分析する科学によって、客観的に伝える必要がある。また、誰でもが行え知ることができる方法でなければならない、これが科学である。
これが科学的訓練方法である、先ずは系統図分類表の縦軸各項を一つ一つを系統図に作成していく、しかも自分の形や図で作成する、慣れると第三者に理解されやすいように画く訓練を行い、理解されやすいものを作成する。この一つ一つが訓練方法である。
2)要素、要因発見方法
何が要素、要因か等と会議するより、系統図を作成するとそこには必要な要素、要因が、要素、要因からここだここだと手招くものである。議題について、全員が会議前に系統図を画いてから行うのも方法である。
それは系統図を作成すると、これは要素、要因だ、この関係がここが弱いここが抜けているということが如実に現れるためである。そこには、自分自身に知識がない、考え付かないことがある、この事実を認識するからである。これは、系統図を作成すると誰でもが感じることである。
これを手掛かりに系統図を作成すると、全体のバランスが取れ、何が要素、要因が明確になるというものである。同時並行に、全体や空間把握が出来るものである、これについては別項で述べるものとする。
4,表現方法と再構築
表と系統図によるまとめ方
しかしながら、要素、要因(共通項)を文字であるいは表で整理しても、個々の問題点、あるいは共通問題点までは整理できても、それを再構築するときにシステム全体を観ては、何百、何千項目を組み込み再構築は不可能である、それは、全体と部分の関係、全体と全体、個と個の関係など相互関連するものを確認することは文字のみでは出来ないことは明白である。
システム全体を観て、あるいは俯瞰してとなると文字では限界がある。それには図に図を入れる、一般的には平面図という方法がある、あるいは文字や記号を入れて整理をしていく方法がある。それでも平面図には限界がある、平面を越えたシステム構成等は、系統図がなければ全体が理解が出来なし見えないものである。そこで、スケルトン等で系統図を作成して、そこに記入すると全体と問題点などを、系統上で、上下、左右あるいは図面上離れたところとの整合性など図面上で目線を写すだけで、一読にして確認が出来るものである。これに対して、文字ではこのようなことが出来ずに、順に読まなければ、その内容を知ることは出来ないものである。辛うじて表(枠の中に文字を入れたもの)がある、枠内の文字と、他の枠内の文字の関係が見やすく整理されているが、しかし、所詮は図とは根本的に違うものある。
1)系統図の投影と概念投影方法
系統図を系統図分類表から縦軸の各項(要素、要因)から作成された系統図を編集、投影する事により再構築するものである。構築方法は、系統図分類表の第四階層から第一階層に向かう編集、投影、集約するものである。この時に、こんなものだ、こんな感じというところが概念の形が生まれようとしている。
「政策・経営」という命題から、系統図を系統図分類表の第四階層から第一階層に向かう編集、投影、統合すると、この部分が抜けている、ここが突出している等、考え考え何枚も何枚も投影する間に、そこに自ずとある基準が生まれる、その全体像が生まれる、これが概念であり、概念の輪郭を観るための概念投影方法である。
2)系統図の再構築
系統図8枚貼りが出来上がると
要素、要因から作成した系統図、この時点から系統図8枚貼りを行い、系統図8枚は、一次展開として水平な関係で投影を行い相互のバランスを保つようにする。
次の段階二次展開は、空間的位置付けの元に、系統図8枚貼りは第四階層から第一階層まで階層的に投影、編集、統合し構築するもので、あくまで階層的にまとめることが主題となる。それは、思考の中には、あくまで不要なものの切り捨てという行動が必要となる。
また別の言い方をすると、系統図8枚貼りはそのものが、「政策、経営」との確認であり、系統図8枚貼りの表題に「政策、経営」の言葉(文字)を記入すると、系統図8枚貼りの目次としっくりくる全体に成っていること、また、そのものが全体であることが必要である。それは、「政策、経営」から概念までと、実施までがまとまった一冊になることである。
3)系統図の効用
系統図8枚貼りは、当然であるが、そこに全体があるから玄人同士では極めて短時間で階層も含めて難無く情報は通じるものである。また、玄人から素人また逆であっても、系統図8枚貼りでは、指でこのようにと双方が追いながら話が出来るため、会話のつながりを持つことが出来る。
また、通常通じることがない事象や階層、次元が異なっている話でも、その事象や階層、次元の系統図があるため、同様に指でこのようにと双方が追いながら話が出来る特徴がある。この説明に、玄人は何時も伝えられずに悶々とするところであるが、系統図8枚貼りがある限り、間違いなく殆どの事柄を伝えることが出来る。
系統図8枚貼りとは、
「概念は同一本質をもつ一定範囲の事物(外延)に適用されることから一般性をもつ。」から、一定範囲の事物(外延)に適用は、直接関係ある自分から「上・下、水平」のみならず、その先の「上・下
、水平」をも含むところまで系統図8枚貼りに記入されているため、指でなぞりながら追い、理解して共有してもらう事が、概念形成であり、概念そのものの共有が系統図8枚貼りにある。
また関わる人全てが、系統図8枚貼りにこれは必要と思うものを記入して、まとめた基準系統図と、それぞれが使い易い私的に使う系統図を作成する。すると全ての情報が系統図8枚貼りに含まれるため、組織と組織、組織と個人、個人と個人の双方向関係が円滑かつスムースなものとなる特徴がある。そこには組織共有概念が形成され、建設的かつ無駄のないスムースな経営や管理、運営、またプロジェクト運営が可能となるものである。
加筆、訂正
2,1)また、プロジェクトによって影響を受ける人々についても同様に行う。加筆(H18,8,31)
36,空間把握と要素・要因還元法(平成18年8月1日(火))
統合における筋肉と思考の散らし方
武術研究家の甲野喜紀氏(こうのよしのり)は、現代人と異なり、昔の人は次のような体の使い方が出来るといっている。
「40`近くもある鎧も、持てばひどく重いけれど、背負えば軽い。着ればもっと軽く感じます。戦前。米俵を5俵背負っている普通の体格の女性の写真も残っています。重さ300`。昔の人は、全身に負荷を散らして楽に動く身体の使い方が出来ていたんですね」力の入れ方、体の使い方について述べている。
また、現在の科学は要素還元主義、この要素還元的な発想は私たちに染み付き、身体の動きまでも、データー細分化して理解しようとする。当然、身体を全体として察知ようとする感覚は鈍ってくる。などの指摘がある。
前記「昔の人は、全身に負荷を散らして楽に動く身体の使い方が出来ていた」
から考える。系統図分類表から要素還元的な発想で行うと大変な労力と時間が必要である。しかし、系統図分類表を機能分類毎の系統図8枚貼りにして、投影し、統合して、さらに俯瞰する。この全体の構築方法は「全身に負荷を散らして楽に動く」ことによって、大変なエネルギーを必要とする統合、構築を楽に行ことができる同じ方法であると考える。
1,系統図から空間把握
空間をデジタル的に要素・要因に分析・分類する、還元法で画いた系統図を、機能分類別に系統図8枚貼りを作成し、複数の系統図8枚貼り投影・統合することにより空間へと導くものである。
系統図分類表と系統図の関係を述べると。
系統図分類表は要素・要因を縦軸に配し、横軸には機能分類された名称が入るマトリックスとなるものである。このマトリックスの交点が埋まるように系統図を作成し、作成したA4サイズの系統図をA1サイズの台紙に8枚貼り付け、俯瞰るというものである。
この方法には、大きくは二つの認識方法がある、還元法と、還元法からの系統図作成と、機能分類からの系統図8枚貼り、あるいは幾つかの系統図8枚貼りから特定の機能を俯瞰するという正反対の方法が存在する。
これを作業手順に表す
1)システムを、要素・要因に分類と分析した要素・要因還元法。
要素・要因から「系統図作成」。
2)システムを機能分類(客観化)したものから、
系統図(要素・要因から系統図 を作成)を機能分類毎に「系統図8枚貼り作成」。それは機能分類毎の系統図 8枚貼りを投影して、統合する。
3)さらに、複数の機能分類「系統図8枚貼り」を俯瞰する、
これはまた、全体を系統図で形作る方法である。
甲野喜紀氏のいう、昔の人は、重い荷物を全身に負荷を散らして楽に動く身体の使い方をしていた。から、還元法による空間の把握は、慣れた人でも大変な労力がいるものである。また、行うには多くの要素・要因あるいは機能分類から還元しても、そこには、証明や説明が必要であるため、空間の把握には大変な労力が必要である。
しかし、系統図8枚貼りを俯瞰して、機能分類毎の系統図8枚貼りを投影して、統合して、さらに俯瞰する、全体を系統図で形作る方法がある。これは、重い荷物を上げるには、この筋肉とあの筋肉が動いて、横の運ぶにはこの筋肉とこの筋肉が動いてではなく、「重い荷物を全身に負荷を散らして楽に」という方法が系統図8枚貼りを俯瞰、投影、統合する方法である。正に、要素・要因還元法と系統図8枚貼りの力のいれ具合と散らし方の違いである。
2,デジアナにおける要素・要因還元法と管理経営
デジタルアナログ(以後、デジアナと呼ぶ)と考える。
「重い荷物を全身に負荷を散らして楽に」を行うために、ある程度筋力を鍛える必要があるが決してアスリートの筋力が必要ではない。そのための方法がここでは@要素・要因還元法である。
導入として、@要素・要因還元法で分類、分析して、A系統図を作成する。
系統図が出来るとB系統図8枚貼りを作成して投影、統合する。C異なる数枚の系統図8枚貼りを俯瞰する。
1)デジアナの区分
@要素・要因還元法で分類、分析して、は「デジタル」である。
多様な事象を基本的な要素・要因するそのものがデジタルである
A系統図を作成する、はアナログである。
系統図そのものは線で画く図であるためアナログである。
B系統図8枚貼りを作成は、系統図分類表の縦軸項目に沿った系統図の8枚貼 りそのものは「デジタル」である。
しかし、系統図8枚貼りの投影、統合は「アナログ」である。
C複数の系統図8枚貼りを、俯瞰する、は「アナログ」である。
@要素・要因還元法で分類、分析して、は「デジタル」である。について
空間を把握するには、アナログ的発想による把握が一般的である、言い換えるとアナログでしか把握できないというものである。
空間はデジタル的把握は難しいものである。しかしながら、誰でもが空間を把握できるようにするには、空間といえども要素・要因還元法で分類、分析する科学によって、客観的に伝える必要がある。また、誰でもが行え知ることができる方法でなければならない、これが科学である。
空間のデジタル的把握は、系統図分類表の縦軸に示す、要素・要因から要素・要因還元法で空間を把握するものである。また、縦軸の各項を思い浮かべるとそこには空間ができるというものである。具体的には、あるシステムを要素・要因から見てどの様な関連があるか関係しているかを、放散する思考に関連づける思考的作業をいうものであり、自由に思考し画いたものが系統図である。
A系統図を作成する、はアナログである。
前記の、「あるシステムを要素・要因から見てどの様な関連があるか関係しているかを、放散する思考に関連づける思考的作業をいうものである。」を系統図という方法によって具象化するものである。図という具象化であるためアナログである。
系統図とは、ダイヤグラム、オルガニグラム、ソシオグラム、シーケンス、スケルトンである。またバックデーターでもある平面図、展開図等関連するものは全て含むものを云う。系統図という図は上手下手の問題はあるが、誰でも系統図分類表の縦軸に示す、要素・要因から系統図という図を画けるものである。
B系統図8枚貼りを作成、は「デジタル」である。
系統図分類表の縦軸の項のうち、システムとして関連する全てが系統図8枚貼りに含まれているかの確認がある。この作業はデジタルともいえるが、縦軸の項目は文字であるため、文字から系統図に変化したものとの対比であるためアナログとも取れる。ここでは、系統図分類表の縦軸の項が含まれているかどうかが優先するため、この作業は「デジタル」と定義する。
しかし、系統図8枚貼りの投影、統合は「アナログ」である。
C系統図8枚貼りを、俯瞰する、投影する、統合する、は「アナログ」である。
ここからが俯瞰、投影、統合というアナログ的作業となる。管理はできても経営が出来ないといわれる、極めて曖昧なところである。要素・要因還元法では誰でもが、系統図分類表の要素・要因(縦軸)の各項に沿った形で系統図を作成すると出来るというものである。
系統図の作成には、上手い下手はあるが誰でもが系統図を画くことが出来るというものである。もっとも、必要な情報が系統図に含まれたものかどうかというところが問題である。そこには作図と内容表現の上手下手がある。
当然、系統図8枚貼りの編集レベルの違いは存在すするものである。編集レベルとは関係なく、作成者がダイジェストとして何回か再編集を行いながら関連するところ、抜けているところなどを記入しながら編集レベルを上げる方法がある。
3,管理、経営から系統図8枚貼りを見ると
系統図8枚貼り1枚で行うことと、他の複数枚の系統図8枚貼りと投影することには大きなとは違いがある、それは要素・要因を越えた、複合的条件である機能分類からの投影、統合であるアナログ的照合であるからである。この複数枚の系統図8枚貼り投影、統合という作業を、ここでは「俯瞰」と定義している。これが管理、経営というものである。
4、投影・統合の曖昧さと管理
機能分類から編集を行うわけであるが、そこには、システムとしてのコンセプトとからの「俯瞰して投影し統合する」編集が必要である。ここでは、もっとも難しい管理能力と伴に経営能力というものが必要で全体をまとめるアナログ的能力が問われるものとなる。
1)系統図分類表を使って、コンセプトを説明する。
系統図分類表の縦項目(要素・要因)を、左方向に三角形の頂点に向かう、この行為を投影、統合という、集束する思考とその手法がある。また頂点はコンセプトであり、コンセプトに向かって思考が集束するものである。ところが俯瞰とは、系統図分類表の縦項目(要素・要因)を右方向に頂点から観るこというものである。投影、統合と俯瞰は全く異質のものであるといえる。
「俯瞰して投影し統合する」能力アナログは全くデジタルとは異なるものである。系統図分類表の要素・要因(縦軸)項からの系統図8枚貼りは、要素・要因(縦軸)項との空間確認があるため、アナログ的照合である。しかし、編集とは明確な形はなく、コンセプトという明確のものもあるが、多くはコンセプトが遠いところからぼんやりと確認できるものとがある、このものと編集結果との照合となる、正にアナログ的能力が必要となるものである。
系統図分類表の要素・要因(縦軸)から系統図を作成することによって、系統図8枚貼りが機能分類になり、さらに、事象を表す系統図8枚貼りに移行するというものである。また、目的やコンセプト(概念)へと移行することが出来るものである。さらには、系統図8枚貼りあるいは一枚の系統図から、内容をブレークダウンできる特徴がある。ブレークダウンは要素、要因に戻ることである。
系統図8枚貼りは、思考的には上昇(投影、統合、俯瞰)、下降(分析、ブレイクダウン)を系統図という同じ道具を使い行うことが出来るというものである。
5,「思考の分散」と「全身に負荷を散らす」空間把握
系統図8枚貼りを、俯瞰して投影し統合するは、言い換えると、系統図分類表の縦項目(要素・要因)を、左方向に三角形の頂点に向かう、また逆に右方向に、集束、拡散を自由に楽に行えるとき。甲野喜紀氏のいう「全身に負荷を散らして楽に動く身体の使い方が出来る」力の入れ方、体の使い方と同じで、思考の分析、投影、統合、俯瞰が全身に散らして思考することができるものである。
これは、思考するとき、思考域のある部分やある範囲に固執することなく、頭、体の部分に熱や緊張さえなく安定した楽な気分で行えることが、「思考の分散」であり、系統図分類表の縦軸各項(要素、要因)に分散することである、「全身に負荷を散らす」ことであり、空間把握の手法と同じと考える。
前述の「鎧も、持てばひどく重いけれど、背負えば軽い。着ればもっと軽く感じる」から、空間把握も、要素、要因(点)を集めて持てば重いが、系統図(線)にしてにして束を背負えば軽い、さらに、系統図8枚貼りを面あるいは立方体にして、着ればもっと軽く感じる、さらに系統図8枚貼りで空間、地球を包めばよい。
参考文献
WEDGE8,2005 vol,17 NO,8
トップランナー人間本来の感覚を取り戻せP48
武術研究家 甲野喜紀 (株)ウェッジ
加筆、訂正
1,系統図8枚貼りで空間、地球を包めばよい。の最後の段落部を加筆(H18,8,2)
2,4、1)要素・要因(縦軸)項との確認があるため、・・・・・・のうち「確認」を「空間確認」に変更(18,8,3)
35,屋外ダクトによる冷えない冷房設備(平成18年7月19日(水))
空調設備における夏の風物詩
1,屋外ダクトによる冷えない手術室
機械室(エヤーハンドリングユニット)から屋外にダクトが出て、手術室建家の屋側二辺を経由して、手術室屋内に入り、風を送る系統になっている。手術室から見ると吸気系統が屋側二辺を経由して手術室へ供給するというダクト(延長約30m)、屋外ダクト施工例(1図)がある。
春先の天気の良い気候から、夏、秋まで、手術室は冷房が効かないとクレームがあった。
特に、夏期晴天での日射時間は、緯度によって違いはあるが、例、朝7時〜夕方8時近くまで約13時前後の日射がある。
この状況下、手術室へ供給するというダクトは、断熱してあるが全くその効力はなかった。
具体的状況説明
機械室の冷凍機は正常。
エヤーハンドリングユニットの帰りと、手術室へ供給するというエヤーハンドリングユニットの出口ダクトでの空気温度差は次の通りであった。
エヤーハンドリングユニットへの帰り温度は、クレームがあった室温と同じ。
手術室へ供給するエヤーハンドリングユニットの出口ダクトでは、前記「帰り温度は、クレームがあった室温」から@設計通りΔt度(3〜5℃)下がったものであり、エヤーハンドリングユニットと冷凍機は正常であった。
帰り温度は手術室設定温度23℃と比べると、そのときの天候、太陽日射の状況から手術室設定温度23℃から約2または3度位温度が高いものであった。
このため、断熱を何度となく重ね、風量を増やすなど、対応したがクレームをなくすことが出来なかったという装置、施工例である。
また、ダクト通過時の温度上昇の熱量は、新鮮空気取り入れを遮断すると正常な温度コントロールができるという試験結果がある。このことから、A新鮮空気取り入れ量の15%分が、ダクト通過時に熱せられる熱量と同じとになるという結果を示している。
これらから、不足熱量を等価回路的に換算する。
@「帰り温度は、クレームがあった室温」から設計通りΔt度(3〜5℃)。Δtを平均4℃とすると、単純計算では残り85%×4=340の熱容量となる。
A新鮮空気取り入れ量の15%分がダクト通過時に熱せられる。
夏期の外気温度32℃、手術室温度23℃とするとΔt9℃となる。
単純計算としては、15%×9=135の熱容量となる。
単純計算から、ダクトが熱負荷となる負荷量を換算すると
冷凍機不足分は、前記計算からA135/@340=38%にも値する。これは冬季においてもさらに大きな熱負荷増となる例である。
2,換気(吸排気)すると温度が上がる厨房
吸気ダクトが既設建物の屋上に、下記、屋上ダクト概念図(2図)の様に横引き約20m設けられている。
太陽日射と照り返しから、ダクト温度の上昇、ダクト内を通過する空気の上昇があり。結果、厨房の室内温度が上昇する件について。
(1)換気と冷房と部屋の用途
@炊飯他、熱発生コーナー周辺
には、基本的には、上部のフ ードを取り付けて、燃焼ガス、煮炊きの湯気、熱気などを外気に逃がす。
熱源にあるため、輻射熱が 強いため部屋という単位では冷房は出来ない、局部冷房とする。人間には、スポット冷 房で人間に風を当て局部的冷 房を行なう。
A調理、盛り付け、配膳コーナーは、室温上昇で食物が腐敗するおそれがある。 特に生ものが心配である。もしも、部屋温度が上昇するのなら、局部ではなく 部屋として冷房をおこなう必要がある。
(2)厨房の換気冷房設備については、
換気設備は、
「排気装置」は、炊飯他、熱発生コーナは上部のフードを取り付けて、燃焼ガス、煮炊きの湯気、熱気などを外気に逃がすもの。
「吸気装置」は、燃焼ガス、煮炊きの湯気、熱気などを外気に逃がした分だけ、外気を取り入れる装置。
3,屋上ダクトの設置状況
吸気を行なうための屋上ダクト概念図(2図)にあるように、@ダクトが屋上を約20mも横引きしている、断熱材の被覆なく亜鉛鉄板剥き出し。
このため、Aダクトは、上部から直接日射に曝され、Bダクトは、下部からも屋上スラブからの照り返しがある、ダクトの上部下部共に曝される状況にある。
また、屋上のスラブ、コンクリートは日射により熱が蓄積されて、スラブ上部には空気が熱せられ輻射熱と共に、Cヒートアイランド現象のような、空気層が形成され温度上昇がある。また、スラブ下部には、スラブコンクリートにD蓄積された熱が厨房室内へ熱透過する。
このため、ダクトが熱せられて中を通過する空気が加熱される。また、吸気は、屋外の空気がダクト内で熱せられて厨房内の吸気口から供給され続けることになる。
結果として、理論上は、太陽が出ている限り、室温が上昇することになる。ちなみに、プロの掴み計算では、太陽からの日射熱量は「A約1kW」と、ダクトの下部、コンクリートスラブに蓄積され加熱される熱量は「BからCまでの合計」平均1u当たり最大熱換算は約1kW未満と言われている。ちなみに、ダクト水平面投影面積を約20uと換算すると、空調機の能力対比(空調機≦ダクトからの太陽熱量)からするととんでもない値になる。
炊事場での対応策
ダクトが熱せられる、これを遮断するにはダクト外側に断熱材を巻、その外側に太陽光・熱を反射する材料を貼り付ける。断熱材は、石綿やグラスウール、太陽光・熱を反射する材料は、ステンレスの鏡面仕上げ、鉄板その他の材質で光・熱を反射しやすい白色に近外装色等である。
しかし、このようにしても断熱材(石綿やグラスウール)が長時間太陽に曝されると、断熱そのものが蓄熱をして保温材に変わることになる。そこには、ダクトが熱せられて中を通過する空気か加熱されることになる。これが通過熱量となる。しかし、通過するまでに時間が係る、断熱材が蓄熱するまでの時間が係る(タイムラグでΔT)と言うことである。
しかし、外部で日の出から日没まで、夏であれば朝6時前から夕方7時までの約13時間も太陽光・熱に曝されるという状況がある。一般的には、約ΔTは2〜3時間もあれば熱透過してダクト内の空気が加熱されることになる。余り断熱も意味がないことになる。この状態でも、温度のみで働く人間だけのことなら、スポット冷房で充分である。
しかし、(2)調理、盛り付け、配膳コーナーは、室温上昇で食物が腐敗するおそれがある。特に生ものが心配である。状況から部屋の冷房が必要となることもある。
特に、外気温が38または39℃の時には、さらに、温度上昇がある。
室温上昇は、設計者として状況の説明、厨房としてのコンセプト、使用状況からの説明と説明責任がある。特に生もの、あるいは調理、盛り付け、配膳などにおいて、高温多湿環境では腐りやすくなり、腐敗時間の短縮を招き食中毒を招くことになる。
4,対応策として自然との共生
天気予報で予め明日の天候が分かる場合、気温が上がるということであれば、作業前2・3時間前から、朝方冷房がよく効く時間に冷房を運転しておくのも方法である。あるいは、前日から換気のみを運転しておき、夜間の冷気で室温を下げて使うのも方法である。もしくは、冷房機器の能力を大きくするのも方法であるが省エネや地球環境を守ることとは相反する。
設計思想
ダクト設計、施工の根本は、外部回しのダクトは行わないということである。
もしも、外部にダクトを出す場合は、ダクトに注ぐ太陽光を遮断する必要がある、それには屋根などが必要となるが、日本では台風対策が必要となるためいい加減な物では対応できない、結果として大掛かりな物となる。
そこには気象、風、雨、雪、太陽の光熱が関係する、これを遮断し、コントロールすることが人工環境作りである。しかし、外回しのダクトが気象というものに曝されると、人工環境作りが簡単に崩れるというものである。人が考えること、設計や施工さらに冷房機器等は、気象、自然の威力の前にはたわいのないものであるといえる。
おことわり
屋外ダクト施工例(1図)、屋上ダクト概念図(2図)の写真、図については別項に掲載いたします。(h18,7,20(木))
加筆、訂正
1,に等価回路を加筆(h18,7,20(木))。
2,ダクト水平面投影面積を約20u換算すると、空調機の能力対比(空調機≦ダクトからの太陽熱量)からするととんでもない値になる。加筆(h187,24(月))
34,樹脂製ボックスと鋼製ボックスとの対比検討(平成18年7月4日(火))
(システム管理上、接地と非接地の考え方)
1,樹脂製ボックスと鋼製ボックスの対比
樹脂、鋼製製ボックスの優劣論議も、樹脂製ボックスの誕生から約40年経過して、歴史が刻まれ、歴史的判断からの論議も可能となった、以下にまとめてみる。
1)材料単価と手間の比較
(1)材料単価から
樹脂製の方が安い
松下電工の電設資材(2006−2008)のボックス、付属品から定価比較すると。
中浅H44、鋼製185円、樹脂製(スタット付き)175円
中型四角スイッチカバー(13o)、 鋼製88円、樹脂製88円
若干樹脂の方が安価である。
(2)鋼製の方が手間が掛かる
樹脂製はアースがいらない、鋼製はアースがいる。以降、鋼製ボックスにはアースがあるという前提で話を進める。
@鋼製ボックスは、ボックスにアース線を接続する手間がいる。
A鋼製ボックスは、ボックスまでアース線を持ってこなければならない。
C鋼製は重い、樹脂製は軽い作業性が良い、電工が重い物を嫌うのもある。
分電盤からの配線が、樹脂製の配線より一本増える。しかし、アース付きのコンセントなら樹脂、鋼製であっても電線本数は変わらない。
2)つり下げ強度
メーカーの資料によると、鋼製アウトレットボックスの「小さな耳(カバー止めネジ)」は引っ張り強度(つり下げ質量)は約23sである。しかし、樹脂アウトレットボックス「小さな耳」は、塗り代カバー付きで4,3sでる。吊り下げ質量は、松下電工、電設資材(2006−2008)P866に記載がある。
上記の部分的なもの以外に、鋼製そのものが、衝撃や圧縮強いものであり、ボックスとしては、樹脂製との強度的対比対象ではないことは自明である。
3)火災時の難燃性と鋼製
火災についてもボックス内と外からの火災がある、外からの話はここでは省略する、ボックス内からについて考えるものとする。
鋼製ボックスは不燃物であり、難燃性と比べる様なものではないが、難燃性の試験を見てみよう。
難燃性の試験は
(1)ブンゼンバーナーの酸化炎先端1分間あて、その炎を取り去ったとき60 秒以内に消火すること。(電気用品の技術基準、別表第二附表第二十四、耐 熱性試験)
(2)グローワイヤー試験(JISC0072)、650±10℃の温度(JISC8345)で試験品に当 て(30±1秒間、0、8~1、2N圧着荷重で接触)グローワイヤーを取り去り30 秒以内に消火されること。
以上の内容である、これから考えて難燃性とは、を認識して不燃と難燃性の違いを考えてみる。
4)電磁誘導、静電誘導
ボックス内での接続箇所について考える。
鋼製ボックスでは、電磁誘導はボックスがシールドとなり外には出ない、外からも同様に誘導も少ない。これに反して静電誘導は樹脂ボックスより大きな値を示す。
樹脂製ボックスは、電磁誘導に対しては全く無防備、静電誘導は前記と反対で小さな値となる。
特に鋼製ボックスは、電線のシールドを解き心線の接続などの場合に、鋼製ボックスが少し大きな容積のシールドの代役を負うことができる特徴がある。
静電誘導は、電線の面積と対極する電極面すなわちアース側の鋼製ボックス・パイプの面積に静電容量は比例する、この値が樹脂と鋼板の差である。
5)耐用年数
鋼製ボックスは、室内等安定したところでは40〜50年も十分使える。
樹脂製ボックスは、水気、結露に強く、軽量で耐食性のすぐれた、電解腐食、化学薬品等にも強いものである。樹脂の分類については、樹脂は種々の考え方による分類がある。熱的特性面から、熱可塑性樹脂・熱硬化樹脂の二分類。熱可塑性樹脂については、高分子鎖の配向度合いから、結晶性樹脂・非結晶性樹脂の二分類に。また、耐熱性の度合いから、汎用樹脂、汎用エンジニアリング樹脂、スーパーエンジニアリング樹脂の三分類に分類される等の一般的分類がある。
このように、止まることなく時代と共に成長、変化し用途、目的に合わせて多種類な物が存在する。このため過去の樹脂につて、確定する対応年数を推定することが出来ない状況にある
2,接地と非接地の考え方
接地を検出するには、接地することによって何らかの電流が流れる回路を設けなければならない。そのためにトランスの中性線をB種を施すという方法が取られている。対地を介して電流を循環する回路である。
しかし、樹脂ボックスにすると絶縁物である樹脂で、ボックス内の電線が何らかの事故で漏電するような事態になっても、漏電しない、出来ないと言うものである。
ここで、漏電しないことが果たして良いことだろうか。
樹脂ボックスで施工された5万平米の建物があるとすると、樹脂ボックスもかなりの数になる。その中で、「問題の箇所」が幾つか存在しても、漏電しないため、その場所と、正常ではない状態を掴み切れないことになる。
しかし、鋼製ボックスを使用し、ボックスアースが付設している場合にあっては、「問題の箇所」を漏電という形で検出できるため、5万平米いや10平米でも場所の特定と状態を知ることができるものである。
この違いが、接地と非接地の差である。
1)接地と非接地の使い分け
医療用接地とアイソレーション設備について考える。
前記、建物5万平米いや10万平米に非接地回路で配線したものを、管理しようとすると、コンセント、電灯への配線総延長は大変なものである、配線総延長分の「対地間静電容量、電磁誘導分」を含めると大きな値となる。
非接地回路にあっては、配線総延長の内である箇所が接地したとすると、残りの片線の「対地間静電容量、電磁誘導分」で帰り電流となる。この時の帰り電流は、あるポイントに帰るのではなく「配線総延長上に分布する形で流れる」ため、何処という確定が出来ないものである。
接地方式であると、前記でいう「配線総延長上に分布する形で流れる」のではなく、接地箇所から大地そしてトランスの中性線(B種接地)に一点に集中する形で戻るというものである。
(1)アイソレーション設備
これに控えてアイソレーション設備は、限られた範囲、大きく見ても「配線総延長からの対地間静電容量、電磁誘導分」から勘案して概算最大約200u位まで。非接地トランスの容量としても最大10KVA位、対地静電容量が大きくなるため限度がある。静電容量はトランス対地静電容量の大きさにもよるが、配線だけで概算4,000〜5,000ピコファラッド(PF)程度である、この値が概算最大約200u位の根拠である。
JIST1022によるとa)3)に二次巻線から一次巻線及び鉄箱(金属製外箱がない場合は、鉄心)への漏れ電流を測定したとき、その値は0,1mA以下とする。等の記述がある。
しかしながら、アイソレーション設備は非接地回路といいながら、実は数oAの漏洩電流を検出するため「測定用の接地回路が存在する」ものである。全く漏れないものを目指すのなら、完全な非接地回路とすべきである。しかし、それを行わないのは、危険を回避するため、知るため、検出することが優先する考え方である。
3,樹脂または鋼製ボックスの安全と維持管理
1)材料単価、手間
施工上は前記1、1)(1)(2)にあるように材料単価、手間を金額換算すると、鋼製の方が高いものとなる。
2)安全、維持管理、
しかし、維持管理、安全を考えるのなら鋼製ボックスである。
漏れる状況でありながら、樹脂製ボックスであるため漏れないという状況を作っているのがよいか。または、漏れる、あるいは漏れる状況であるのがよいか。
鋼製ボックスであると、ボックスから対地そしてトランス中性線の経路で、中性線で検出できる。一方、樹脂ボックスでは漏れないので検出不能である、これがよいか、その状況を把握できる鋼製ボックスがよいかの選択となる。
漏れると、その場所を特定できる。
方法は、漏電検出器で大、中、小と範囲を限定して検出する。系統と範囲を大きく捉えて例、@トランスバンク単位、A主幹単位、B分電盤分岐回路単位というように検出すると回路特定が出来るものである。
これを管理から考えると、漏れる漏れないは別として、品質管理的には安全なもの、「不安定要因は除去」することが品質管理上必要なことである。
この考えから推し進めると、アイソレーション設備は非接地回路といいながら、「測定用の接地回路が存在する」、厳密には測定用といいながら接地回路である。樹脂製ボックスで漏電しないのが良いのではなく、不安定要因である「漏れる、あるいは漏れる状況であるのなら」把握すべきであり、処置や対応が必要である、「不安定要因は除去する」ことである。という考え方である。このような品質、維持管理理上の評価においては、鋼製ボックスの接地、接地回路が必要となる。
電気設備の劣化、故障の代表的検出方法が、絶縁、漏電測定である。また、施工上の不適切施工あるいは手抜き工事の発見等にも使用できるものである。
ある意味で、電気設備の安全と維持の確保における指標となる代表的測定方法である。
3)非接地回路と接地回路の棲み分け
接地回路方式では、「漏れると、その場所を特定できる。方法は、漏電検出器で大、中、小と範囲を限定して検出する。」ことができるため、大きな範囲、例、何万平米という建物などに対応できる方法である。
しかし、非接地回路のように漏電しても漏電しない、(厳密には、漏電していないが電源となる線が接地しても大地に電流が流れない状況をいう)。と同じように樹脂製ボックス(絶縁材)から、漏れないからである。
しかし、不安定要因は除去すること、すなわち、除去しなくてはに反して、「樹脂製ボックス(絶縁材)が接地を保護する」という考え方で、特定、場所の検出もできずにそのまま残ることになる。
しかし、不安定要因は認識されずにそのまま存在すると、他の事故原因になる場合がある、線間短絡なども考えられる。これはやはり、品質管理上問題を抱えていることとなる。
また、大地へ接触していても、漏電検出できなくては場所の特定ができないものである。このため何万平米の中のボックス一個を、探すことになる。この事から非接地回路は、狭い範囲の特定するものに限り設けられている。
4,経年変化
塩ビ樹脂の歴史は、1941年に日本窒素肥料がアセチレン合成法モノマーから塩ビ樹脂(ポリ塩化ビニール樹脂)を乳化重合法で生産し、「ニポリット」という商品名で販売したのが、日本における最初の塩ビ樹脂の生産(塩ビ工業・環境協会ホームページから)とある。
また、昭和40年(1965)頃から未来工業(株)が発売し、少し時をおいて後発メーカーからも電気工事用樹脂製ボックスが世の中に出始め使われるようになった。特徴は、軽量で耐食性のすぐれた、電解腐食、化学薬品に強い物であった。
1)JISにおける樹脂製ボックスの変節は、
JIS C8435(1985年)に制定され、材料は塩化ビニール樹脂又は塩化ビニルとした共重合体と規定されている。同(1999年)の改定では、材料は合成樹脂製とするとある、塩化ビニル樹脂もこの範疇にある。現在も硬質塩化ビニル樹脂が使用されている。
2)有害物質削減の時流から
硬質塩化ビニルに安定剤として含まれる鉛を、2003年頃からより安全な錫に変更している。
また、ダイオキシン発生の問題から、ABS樹脂(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)の使用が行われる変化が生じている。さらに、生分解性樹脂へと今後つなごうとしている。
電気工事用樹脂製ボックスの歴史は1965年前後から始まり、性質や樹脂そのものの化学構造は時代と共に大きく変化している事実がある。古いものがそのまま変化なく使われている物でなく、時代と共に次々に樹脂が変化発展してきているという状況である。また、多様な目的、用途に対して様々な特性の樹脂が生み出され続けている。
3)一方鋼製ボックスは
鋼製ボックスはある意味で古代道具である。ヒッタイト人(前1500年頃)の鉄器による軍事的優位を築いた時から、道具として成立している歴史と、たかだか歴史50年の電気工事用樹脂ボックス(塩化ビニール)とでは対比の対象ではない。しかし、樹脂ボックスは目的、用途によって区別され、これまであり得なかった生分解性樹脂や地球に優しい物など、これからも進化する物である。
当たり前であるが、現実に鋼製ボックスは、結露、湿気を呼ぶ外壁面を除き、設置場所にもよるが現に50年前のものでも使える。乾燥した、酸化促進するガス等がない場所では、そのままでも使えそうである。がしかし、耳の雌ねじ部のネジ山が経年変化で小さくなっている不安があるため、タップを立て直して、使用すると何ら問題はない物も多く存在する。
5,ボックスと棲み分け
1)棲み分け
鋼製の勝っている所を必要としない場合は、「樹脂製」とする。
鋼製の勝っている所を必要とする場合は、「鋼製」とする。
2)樹脂製でよいと判断する場合を以下に示す
逆説的消去法で、鋼製の勝っている所を必要としない場合は、「樹脂製」とする。特に、樹脂は電解腐食、化学薬品に強い特徴を持つものである。
また、経営上の投資効果あるいは経費削減の考え方、あるいは下記の技術的問題あるいは安全からの配慮から、問題とならないものであるのなら、樹脂でよいと判断できる。以下3)4)に、チェック項目を示す。
3)樹脂製がよいと判断するチェック項目(前述の内容から抜粋)。
(1)材料単価と手間の比較、安い方がよい。
(2)つり下げ強度、4,3sNでも充分である。
ボックスとして耐衝撃、圧縮に対して樹脂ボックスで充分、鋼製の耐強度は必要ではない、弱くても問題はない。
(3)火災時の対応として、ボックスは鋼製の不燃は不要、樹脂製の難燃性でも充分である。
(4)電磁誘導は、樹脂ボックスは無防備であるが、問題とならない設備対象物である。
静電誘導は、鋼製より樹脂ボックスの方が小さいので問題はならない。
(5)軽量で耐食性のすぐれた、電解腐食、化学薬品に強いものが欲しい。
4)接地と非接地の考え方
樹脂ボックスは絶縁物であるため、樹脂ボックスに充電部の裸線が接触しても漏電しない。管理における検出、処置については、漏電が検出できないためそのまま残ることになる、結果として「不安定要因は認識されずにそのまま存在する」事になる。
しかし、それ程高い信頼性の要求がない限り、一般的なものであれば、一般的設備対象物として対応できるもの。また、非接地でも問題はないと考えられるもの、一般事務所ビル等。
接地と非接地の考え方は「不安定要因は認識されずにそのまま存在する」ものでも、問題はないとすることができる「信頼性の低い」ものであればよい。反対に、信頼性が要求されるところでは漏電の検出から、他の劣化や損傷を予測、予想することは必要である。
6,考察
信頼性を追求するところ、必要とするところ、具体的には人命に関わる病院等では、鋼製ボックス(アース付き)で行う必要があると考えられる。
化学工場など高度の信頼性を必要とするところにおいては、両極端に分かれる、漏電しない火花がでないところから樹脂ボックス、樹脂配管、非接地回路という考え方と、鋼製ボックス(アース付き)、鋼管で接地回路で「不安定要因は認識されずにそのまま存在する」を除去しようという考えとに分かれている。
それほど信頼性を追求しないところ、事務所ビルなどでは樹脂ボックスというような大きな区分けができる。
また面積から考えると、面積が大きく(例、何万平米)漏電など把握しにくいところには鉄ボックスを使用し、接地回路として検出を容易にする。反対に、限定された手術室、集中治療室(intensive care unit)等の狭い場所では、漏電や事故を回避するため非接地回路を使用する。ここでは、化学工場の様な両極端ではなく、接地、非接地における中庸なところでの対応がある。
中庸なところでは、漏電しても危険ではない量、漏れ電流が微少である。もっとも、漏電が危険であると解釈するが、漏電しても微少な電流しか流れない非接地トランスを設けていることと、危険ではない微少量において検出できるため、安全であるという解釈がある。
それはまた、病院、事務所ビル、化学工場、中庸な手術室、集中治療室、というような安全に対する捉え方が違う、用途における、樹脂、鋼製ボックス、あるいは接地、非接地方式の区分とを生み出している。
また異なるベクトルから、水気、結露から来る腐食、その他電解腐食、化学薬品等における耐食性に強い樹脂製ボックスの適用など部分的対応も含めて考えるべきである。また、吊り下げ荷重についても同様である。
資料、参考文献
松下電工、電設資材(2006−2008)
塩ビ樹脂の歴史、 塩ビ工業・環境協会ホームページ(第六章、塩ビ工業の歴史とデーター)
樹脂製ボックスの耐燃性試験、歴史的変化について
松下電工(株)配管機材事業部 品質保証部 成田真樹氏に資料提供、御協力頂きました。また、未来工業(株)、積水化学工業(株)様ご協力有り難う
御座いました。紙面を借りてお礼申し上げます。
33,バードアイ発想法(平成18年6月24日(土))
CO2対策「ステテコ、たらい」から
日本には、古くからクールビズの思想がある
CO2対策のために、冷房温度を2〜3度上げて、さらに服装もクールビズという。しかし、実情はかなり暑い、対応として先人の知恵、時代を越えた発想から、「ステテコとたらい」から一つの発想法、考え方を示したい。
また、系統図分類表で展開すると、それぞれの事象で対策を見つけ出すことができると思います。
1,衣装は、縮緬のステテコ、ダボシャツ
今東光原作の悪名シリーズに、河内の朝吉(勝新太郎)、貞吉(田宮二郎)、カンカン帽、雪駄、ステテコ、腹巻き、縮緬の前あきシャツ、ダボシャツ等の姿が映像化されています、このときの格好にダボシャツ姿が出て来ます。
また、寅さんの格好もダボシャツ姿です。
テキ屋姿では口上、啖呵売(たんかばい)で言葉巧みにあたりまえの品物を、売る姿が映像化されている。
旅立ちの出立ちは、カンカン帽、ダブルの背広上下、下にはダボシャツ、毛糸の腹巻き、足下は雪駄姿である。手には箱形の皮トランク。シリーズの刷り込み映像として使われている。
山田洋次監督原作、寅さんの故郷葛飾柴又の映像風景の中には、その一世代前、今東光の描く大阪河内の面影が今も残っているようにおもえる。
ダボシャツは、テキ屋などが着る、前ボタン、袖は七分か長袖一般的にゆったりしたシャツのことである。
また、ステテコは大阪の方言であった。1880年(明治13年)頃、初代三遊亭円遊のステテコ踊りが人気を博し、それ以降一般用語に変じてステテコという名が残った等の記述がある(服装大百科事典)。
材質は縮緬、ステテコは脛から少し下までの長さで、ゆるみが多く、夏のズボン下に用いる。前あきシャツは、ボタンが前に付いているため、そこからの通風がある。
この格好が一番である、私自身家では、夏期はこの格好が日常である。仕事から帰り、ネクタイやスーツを脱ぎ捨てステテコ、縮緬の前あきシャツ(ダボではない)になるのが最高の自己開放である。
ステテコ、前あきシャツ、ダボシャツが、ボタン文化浸透後の日本におけるクールビズの原型と思われる、日本としてのクールビズの形を作るべきである。小泉首相にも提案したい。
2,建物の構造
カーテンウォール穴あけ
窓は必ず開閉ができ通風があるもの、外気は下から入り天井に近いところから排気する、このような構造の建具が必要である。筆者はクリーンルームでさえ、危機管理上密閉された部屋は危険であるという考えから、電気・ガス・水道・空調が停止した時を想定して開閉する窓を設けるように指導している。
このような考えから、部屋には窓を作るべきだという基本的観念を持っている。また、日常あるいは季節の中間期は、自然換気として、冷たい空気は下から入り、暖かくなった空気は天井に近い開口部から外部へ排出する、このような窓構成を基本的に設けるべきである。
もっとも、自然の豊かな所では、蚊や虫が多く使えないこともある。
実情は、建築設計は密閉の窓が多く、窓開口は何故か設けられていない。それは、カーテンウォールの外観が、つるんと無機的に安価に仕上がる理由と思われる。
構造的には、スケルトン構造における壁の処理方法をいうが、荷重支持は骨組みが持ち、壁体をカーテンのように骨組みに取り付ける方法。このため、壁体は荷重支持から解放されてガラス張りが可能となった。また一方、建設工事のプレハブ化が進み、建物の外壁に工場生産のカーテンウォールを使用する傾向にあり、超高層等はほとんどがカーテンウォールである。カーテンウォールという観念から、カーテンのように吊り下げるガラス張りでは、通気用の開閉できる開口部を設けるという考えは存在しないようである。
しかし、この程度のデザインで「空気は下から入り、暖かい空気は天井に近い開口部から外部へ排出する」を無視するのは、二酸化炭素削減という地球環境目標からすると、なんと無駄なことをしているのか。
閉鎖されたガラス窓には、上下の開口部を設けられるように改造すべきである。
簡単にいうと、カーテンウォールのガラスに穴を開け(カーテンウォール穴開け)ればよい。強度的な問題を含めて、穴を開けられる技術開発をすべきである。また、製造メーカーは製品を世の中に出した責任から、何らかの方策を検討すべきである。
3,夕涼み姿
日本には、夕涼みという風習がある。夏の夕方、昼の熱がこもる屋内を避けて、庭や路地で涼む風景がある。
打ち水に、浴衣に団扇、床几に腰掛け、男は将棋や囲碁に、女は走り回る子供を見ながら雑談、夕涼み姿。また、浮世絵に出てくる夕涼み美人画の構図、床几にに腰掛け、団扇を持ち、浴衣の裾を少したくし上げ、水を張ったたらいに足を浸けている、時を止める夕涼みの風情がそこにある。
4,デスクワーク時の姿
これをデスクワークに前記1〜3を展開すると、次のようなイメージになる。
新しい空調設備でも、CO2対策で摂氏28度や29度に設定すると、仕事場での温度分布の関係から30度にもなるところが現れる。すると、そこでは仕事にならない、この汗を見てくれという苦情をよく聞く。
この時の対策として、ならば足下に水盤を置き、そこに足を入れ、小型扇風機で風を送るということになる。
さらに服装はステテコ、ダボシャツ。室内環境は、カーテンウォールには穴があきそこから自然換気が成立する。
実際にはガラスの強度、ガラスのひずみなどから、カーテンウォールには取り付けられないことがある。が、発想として、ガラス窓のガラスに取り付けられる換気扇などが存在するので、「取り付けたら」から発想するものである。
また、これらは全体制御と、個別制御の組み合わせである、全体でコントロールできないところは個別に対応する。また個別では、建設費が高い、維持管理が高い部分には全体での対応を考える、このような全体、個別の組み合わせるシステム構築法が必要であり、また、何処を基準に構築するかという、基本機軸を設けることが、ある意味で最も必要なシステム構築法であるといえる。
これが究極のクールビズである、何処まで近づけられるか、新たな発想が生まれることを願い、皆さんのご意見をお聞きしたいと思います。
また、このような唐突な発想から、バードアイでは、系統図分類表で分析して、分析した系統図8枚貼りを作成し、投影、統合をおこない、全体像を浮き上がらせる。また全体像から、各部を検討して具体化していく、そして全体を組み立てる、その方法の一例を示すものです。
参考文献、資料
服装大百科事典、服装文化協会編文化出版局 、平成2年3月8日、
加筆、訂正
1,ダボシャツ(H18,6,28)
2,カーテンウォールの構造(H18,6,28)
2,「つるんと無機的に仕上がる」を、つるんと無機的に安価に、「安価に」を加筆(H18,10,31)
32,単身赴任 生活システム論(平成18年5月24日(水))
ズボンプレッサーとスプレーの組み合わせ
ズボンプレッサーを有効に使う方法
電気屋の店頭でズボンプレッサーは約1万5千円前後で販売されている。
外出から帰る、ズボンをズボンプレッサーに挟み込みスイッチを入れると、毎日ズボンの折り目が付いているという優れものである。アイロンのように時間が掛からない、邪魔くさくないのが特徴である。朝の通勤が気持ちよくなる。
毎日ズボンを挟み込み何年も使っていた、しかしある日、疑問に思うことがあった。洗濯屋に出すと、折り目は何日も付いたままで、しかも、しっかり付いている。ところが、ズボンプレッサーは夕方になると、ズボン生地によるが折り目は痕跡が残る程度ということに気づいた。
1,ズボンプレッサーと水噴霧
これは、何とかならないかという思いからの発想である。
ズボンプレッサーに掛ける前に、ズボンに、特に折り目に沿ってスプレーで水を吹き掛け、そしてズボンプレッサーに掛けて電源を入れることを思い付いた。
それならと思ったが、単身赴任の部屋にはスプレーはない。ならば、洗面器から指先に水を付けてピィ・ピィと何度となく指先をはじきながら水を掛けて行ってみた。水を掛ける範囲は、折り目の両サイドに吹き掛けると折り目はしっかり付く、がしかし、どうも斑があるようである。指先をはじく、水振り掛け斑のようである。
2,スプレーと噴霧粒子の違い
スプレーと思ったが単身赴任の部屋にはその様なものはない。
早速、スプレーを購入した、立ちながら片手でズボンを持ち、片手でスプレーで吹き掛けてズボンプレッサーに掛けた、結果は良好であった。しかし、吹き掛ける対象部分、折り目の周辺はびしょびしょ状態であり、電気製品のズボンプレッサーには具合が悪いのではと思えるほどである。
スプレーを、ゆっくり押して少量にしても、結果は、霧の拡がりが無く部分に多く集中するようである。
霧の量が多いのなら、ズボンから離して霧吹きをした、範囲が大きすぎて周辺の物や床がぬれるという状態であった。どう見ても霧の量が多すぎる。
やむを得ず、何年かこのスプレーで辛抱していた。
ある時、スプレーが壊れた。
丁度、東京の自宅に帰っていたので、スプレーは無いかと聞くと、これがあるよと、手指消毒剤ウェルパス(100t)のスプレーをくれた。
単身赴任先で使ってみた、手指用であるためかスプレーしてみても広範囲に広がらず、ズボンの折り目に沿って25p位離して噴霧すると、噴霧集中部分が、直径約20p位で噴霧することができた。しかも、噴霧の水滴の粒子がスーパーの物より小さく、びしょびしょにならず水滴はほどよく付いている、丁度良い位である。これで、ズボンプレッサーに掛けると、びしょびしょの時より、不必要な折り目が付くことが少ないようである。
その理由は、びしょびしょの時は、ズボンプレッサーのプレス面に張り付き、ズボンの裾がズボンプレッサー下まで滑り込まないからと思われる。ウェルパスのスプレーでは張り付くことはない、適度の噴霧量である。
製造メーカーに確認すると、手指消毒用のスプレーは、消毒液の手もみ蒸発を目的としているため粒子が細かく、噴霧水量も少ない。また、噴霧範囲も手指目的であるため小さく作られているということであった。
私のような胴長短足、日本人の遺伝子原種では股下約70p(長め申告)位である、このズボンに噴霧を行うには、前記、「噴霧集中部分が、直径約20p位」であるので、片足筒の折り目、例、前のみで70/20=3,5回の噴霧となる。これが両足前後、さらに折り目裏表で8倍となるため、約28回吹き付けなければならない。
これを解決する方法、ハード的解決方法、メーカーに確認したところ楕円の範囲に噴霧できるスプレーも製作可能という返答を頂いた。そうすると28回噴霧の現状を、三分の二位に減じることも可能では、という答もあった。
3,スプレー回数を少なくする方法
ズボンの両足、前の折り目を3〜5p位「ずらせて重ねる」、そこにスプレーを掛ける。折り目の裏側も同様に行う。
さらに、スプレーするときには、スプレーをズボンの折り目に沿って上から下にずらす、スプレー回数は「ずらせて重ねる」ではズボン折り目片面で2回で済む。ズボン前の折り目(裏表)では4回、後ろの折り目(裏表)では同様4回、計8回である。しかも、噴霧量は少なく丁度良い、折り目もしっかり付いている。
もっと楽するには、ズボンプレッサー製造メーカーもズボンプレッサーの噴霧器付き、あるいは、蒸気噴霧装置内蔵の物もあっても良いのではと考える。
4,日本から、ズボンの折り目標準の発信
親元から離れて、一人生活している若い独身男性のズボンが、膝の丸くなった姿を町でよく見掛ける。子の親として気になるところである。また、単身赴任おじさんのズボンの折り目についても同様である。だからといって、毎日アイロン掛けるなんて単身者にとてもできることではない。ズボンプレッサーなら、掛けるだけで折り目が付く、これならできる。
この発案によって、若者が町を闊歩する姿、また、おじさんは体がよれよれでもズボンの折り目は立っているという日本の姿を画きたい。また、折り目基準が、アイロンから噴霧装置内蔵ズボンプレッサーに代わり、ズボンプレッサー折り目が世界標準になることを願う。また江戸の開国以来、外来文化の背広というものに、新たなソフトを加えたことになる。
ここに、ズボンの折り目という維持管理概念を変え「ズボンプレッサー折り目」を日本から世界標準として発信するものである。
訂正(h18,5,28)
3,噴霧装置内蔵を蒸気噴霧装置内蔵に訂正
平成18年4月30日(日)
31,プロと素人の空間把握能力とその技法(バードアイ)
コンセプトからと、主体なき「あれが良い、これが良い」の差
1、指示方法と仕事量
1)色々アイデアを出させて、その中から決定する(コンセプトなし)。
2)具体的例を出して、あそこの駅のここが良い、同じこの板でこの色で行う等 の方法(具体的指示)
3)コンセプトを明確に打ち出して、その方向から指示を与える(コンセプトから の指示)。
上記1)色々アイデアを出させて、その中から決定する。のでは、使えるもの、採用は一つしかないため、使えない多くの案が無駄になることである。
また、コンセプトがある場合は、方向性とその内容が予想、予測できるため、「ある意味で一直線」に案やアイデアをまとめることが出来る。
しかし、コンセプトがない場合は、考えを広範に広げ、さらに目的、方向もバラバラであるものを、一つの案をまとめるには、思考の熟成を待ち、思考をまとめる集中力と集束力が必要となる。作業という段階においては、作業を一人で行うのならともかく、チームやプロジェクトで行う場合は適当な方法ではない。このようなコンセプトがない場合は、はるかに大きなエネルギーが必要となるものである。それは、前記のコンセプトがある場合と異なり、「一直線」は「振幅の大きな軌跡」を画きながら目的あるいは到達点にたどり着くものである。この振幅の大きさ、無駄がコンセプトの有無を現している。
2,プロと素人との違い
素人はコンセプト(概念)が存在せずに、1、1)色々アイデアを出させて、その中から決定する(コンセプトなし)。の様な指示と方法から物事を決定するという方法を取ることが多い。それは、決定者である素人が、その問題あるいは物事の全体を理解していないため、どの様な概念で何をどの程度どの様な形で完成させるのか、到達点をどの辺で納得すれば全体が概念通りになるのかというところが、作業を行う前に画き切れていないのが素人というところである。
プロは反対に どの様な概念で何をどの程度どの様な形で完成させるのか、到達点をどの辺で納得すれば、質の悪い部分、失敗の部分があっても、それを含めて全体が概念通り、あるいは近いところで構成できるのか、対応が出来る能力を持つ者をプロという。ある部分で、また部分的に失敗してもそれなりにまとめ上げることが出来る者、言い換えると、失敗があっても失敗しない者をプロとも呼ぶ。
3,コンセプトが出せない人の例
1)考えていることはあるが、それを言葉(文字)で伝えられない人。
2)言葉(文字)で伝えるとその内容が違うものとなる、それに対応できない人。
3)全く考えてなく、言葉(文字)なくイメージなく、ただ案を出せ出せといっている人。
これを整理すると、言葉がなく、語彙がないため伝えることが出来ない者と、イメージ作りができない者をいう。それは、出されたものの中で選んであれが良いこれが良いの世界である。そこには、自己主張や空間把握という能動的活動でしか、獲得することが出来ない知的活動が存在しないものである。
幾つもの案を提出しなければ、結論が出ない、このため方向の異なる案を作成して、さらに方向が定まるとその内容を詳細に検討するという方法になる。しかし、コンセプトが定まっていると、ある方向性で案を出せるため、最初から濃度の高い案を作成することができる。ここに思考活動や作業ロスが多くなる原因がある。
4,具体的例を出す
あそこの駅のここが良い、同じこの板でこの色で行う等の方法(具体的指示)。
そこには、駅の全体が画かれているのと、画かれずに、「この部分が同じこの板でこの色」では大きく内容は違うものである。同じ具体例でも、関連する全体を画き、駅とそれを真似るところでの全体が大きく違いがあっても、それぞれの全体を画き考えられたものであるのなら、それは全体からの具体例であり、決して思い付きではないことを示していることである。この空間把握を行った結果の内容は、コンセプト(概念)を持った行動作業といえるものである。
5,命令あるいは指示と結果の違いについて
前記の「具体的例を出す」においては、そこに見本があるため違いは出ることはない。それは、その部分、そのものにおいて違いがないというピンポイント的
照合において、命令あるいは指示と結果の違いはないと言うことである。
しかし、一方全体における命令あるいは指示と結果の違いがある。周辺あるいは全体、空間から具体的例が安定しているか、バランスがよいか、アンバランスの美があるか等、コンセプトからの狙いや照合がある。
前記ピンポイント的照合において、全体と大きな修正不能なずれが生じることがある。コンセプトが明確であれば「命令あるいは指示と結果の違い」は生じることはない。また、例えずれがあっても根本的に調整、修正可能な範囲のものである、これがピンポイントとコンセプトの違いである。
6,「あれが良い、これが良い」で決めたものは、トラブルが多い。
「あれが良い、これが良い」で決めると、どうしても意匠のみ、色のみの表皮的な部分での決定が多くなる。一方、系統的積み上げ、あるいは系統図分類表などの空間把握からの積み上げ、あるいはバリアフリー、防火、耐火構造などの目的別検証から、積み上げの基に行うものとは根本的に違うものである。往々にして「あれが良い、これが良い」で行うと、表皮的内容において右往左往することによって、約束期限が迫り時間がなくなり、積み上げの基に行う検証が抜ける。そこに手戻り、改修、最悪は解体して作り替えなどが生じる。
コンセプトが明確であると、「系統的積み上げ、あるいは系統図分類表などの空間把握からの積み上げ」を行い、コンセプトと常に照合を行いながら全体構築を行うことができるため、トラブルの発生する余地が存在しない形となる。それは、「系統的積み上げ、あるいは系統図分類表などの空間把握からの積み上げ」は一気にあるいは一度で確認できるものではない。そのため、空間を形成する系統的内容を一つ一つ検証することになる、この繰り返しが、繰り返し行う異なる系統からの検証となるというものである。
これを具体化する方法がある、一系統、一つあるいはそれ以上の系統を(A4サイズ)に記入して、系統的確認をする。また、空間把握という観点から系統図の8枚貼りがある。系統図の大きさ(A4サイズ)を台紙(A1サイズ)に8枚貼り込んで、全体を見る俯瞰する。
これが、系統図分類表から考えると、系統図一枚一枚が縦軸各項目すなわち系統的内容を確認することである。この繰り返しが系統図分類表からの空間把握ということであり、また俯瞰することでもある。空間把握そのもののがコンセプトである、ある形がそこに創られるものである。
7,系統図分類表の位置付け
分類と統合とパターン認識
「あれが良い、これが良い」で行う、表皮的な右往左往とは違う。
「系統的積み上げ、あるいは系統図分類表などの空間把握からの積み上げ」を分析すると。
(1)系統的分類できることそのものが能力である。また(2)系統確認を系統相互関連にまで関連づけ、系統を統合する能力である。統合したものを(3)コンセプトに沿って空間にまでかたち作る能力。ということになる。
しかしそこには、系統図分類表の各項から系統図を作成するという、極めて難しい作業がある。誰でも画けるはずの系統図であるが、的確に誰が見ても理解ができ、さらに投影という作業が行えるような系統図の内容が必要である。
系統図を作成するためには。
(1)ある断面を切り取る、(2)ある断面とある断面を投影する、そのためには、@見つけ出す、Aそれを表現する、B作り上げる。という作業がある。
これらの作業を、日常的にルーチンワークとして行える者をプロというのである。仮にプロが「あれが良い、これが良い」であっても、」そこには前記分類や統合からの積み上げと空間的把握が行われた結果であり、コンセプトと照合が行われたものである。そこには、大変なエネルギーと情報蓄積が存在する、その空間把握能力は、素人あるいはアマチアとは全く異にするものであるといえる。
プロの思考方法は。
全体から詳細、逆に詳細から全体へとダイレクトにつながる思考回路と共に、全体あるいは詳細をパターン認識から考え全体を構成できる能力。さらには、全体、パターン認識、詳細をランダムにダイレクトにつながる思考力を持つものである。
このような思考力は、全体、パターン認識、詳細は、系統図分類表によって分類し系統図を画き、作成し、投影することによって形作られる、また全体把握でもある。それはまた、ランダムにダイレクトにつながる思考力と共に、思考せずとも直接につながる能力、ピンポイント的直観力ではなくピイポイントからパターン認識さらにパターン認識相互間に、投影あるいは統合により空間を形成することができる。この事により、直感的に判断ができ全体あるいは空間を得ることができるものである。
平成18年2月25日(土)
30、停復電という事象(平成18年2月25日(土))
事業所(病院等)の停電危機管理
系統的確認と事象確認
コンセント、照明に電気が来ているかという各職場からの問いに答えるには。 受電設備における非常回路、トランス二次側での商用あるいは発電機からの電源であるかの区別と、電源有無を系統的確認する必要がある。
さらには、事象として電源が置かれている状況、使われ方によって、電源としての信頼性が問われる、下記にその条件と共に要素・要因を考えてみる。
また、系統的確認あるいは事象というものを考え、本来は制御を行うものである。制御とは、関わる人々の満足と幸せを願い、さらに関わる全体の安定と、安全とを願うもので、誰でもが分かり易く理解できるものでなければならない。そこには個人の利己的満足は存在しないものである。
しかし実情は、狭い意味での制御のみで考えるという危険な思考があるので、ここに警鐘を鳴らすと共に、制御から社会的あるいは組織アプローチへ、関わる人々の幸せと、安定と、安全を確保するための展開方法、例をここに提示したい。
1,コンセント、照明に電気が来ているかという不安から、停電を考えると
末端コンセント、照明に近い、統合的に判断できる非常回路トランス二次側で考えてみる。
1)トランス二次に電圧検出器を取り付けて、電源有無確認を行う。
2)電源種別がなぜ必要か。
3)商用受電、停電、発電機送電中という事象。
上記1)〜3)に示すように、階層的にしかも電気の種別を考えることが出来る。
それは、商用受電そのものが地域社会に安定を提供できることである認識と共に、この安定から、段階的な階層における変化と対応、次元が異なる内容と対応を下記に示す。
1)トランス二次に電圧検出器を取り付けて、電源有無確認を行う。
非常回路のトランス二次側での電源有無確認といっても、商用電源と発電機電源の二種類がある。トランス二次側での電源有を確認できても、その電源は果たして、商用なのか発電機電源なのか分からないと言うものである、それは同じ周波数、電圧であるからである。
商用なのか発電機電源なのかを区別するには
(1)商用電源の場合は、例、受電点の電圧検出器(A)の検出から始まって、直列条 件受電遮断器閉(B)、非常回路遮断器閉(C)、条件としては(A)(B)(C)AND で非常回路、トランス二次側での電源有確認と見なす方法。
(2)発電機電源の場合は、例、発電機電圧確立(a)、発電機遮断器投入非常回路遮 断器閉(c), 条件としては(a)(b)(c)ANDで非常回路、トランス二次側での電 源有確認と見なす方法。
(3)商用受電点の電圧検出器(A) 、発電機電圧確立(a)のみで非常回路、トランス二次側での電源有確認を行うと、商用、発電機か分からない、それは、(A)または(a)と「非常回路、トランス二次側」の二点ANDでは確認できるものではない。
また、商用電源、発電機電源から「非常回路、トランス二次側」に至る経路において、遮断器開閉状態において経路に違いが生じる。それはまた、商用 ・発電機のどちらでも「非常回路、トランス二次側」まで送電できるものであるからである。
いずれにしても、トランス二次側での電源有という条件のみでは、商用あるいは発電機という電源を見極めることは出来ない、確実にどこから電気が来ているという証が必要である。それは、停電時などは商用あるいは発電機と、制御が働きトランス二次側でも商用、発電機の電気が交互に、あるいは、ランダムにそれぞれが検出される。
このため具体的には、電圧検出器あるいは遮断器の開閉状態を確認して、電気の流れる状態を確実に把握する、系統的把握と伴に事象の把握を行う、前記(1)(2)の確認が必要がある。
2)電源種別がなぜ必要か
商用電源からの電源か、発電機かによって負荷の掛け方、電気のもらい方に違いが生じる。
(1)商用電源の場合は、例、病院においては一般的には非常回路を全て一度の投 入しても殆ど問題はない。しかし、発電機電源の場合は、発電機のエンジン能 力にから、投入負荷量は約40〜100%まで様々にある、そのため負荷は、一般的に数百KVA単位の順次投入が必要である。
(2)商用電源の場合は、一度に投入できるためタイムラグはない。
商用電源では、送電系統では一般的に千KVA単位の投入も可能である。
契約電力量二千KVA前後の受電事業所を対象として考える。
しかし、発電機電源の場合は、順次投入であり、負荷側においては受電までの時間にタイムラグが生じる。
(3)使用する人から、負荷側から見ると、
商用電源からの電源の場合は、全てのコンセント、照明、機器は制限なく使え る。しかし、発電機電源の場合は、制限されたもの、非常回路に接続されたも しかしか使えない、確認と不便さがある。
特に、例、病院等では生命の危険にさらされている患者等にとっては、常に 電気が来ているか来ていないかは、特に系統的確認と事象確認が必要である。
3)商用受電、停電、発電機送電中という事象
事象は次のように区分できる
(1)商用受電
(2)商用受電かつ発電機送電中
(3)停電で発電機送電中
(4)停電で発電機停止
(5)切換中、過渡的変化
(1)商用受電
何はともあれ、信頼度が一番高いものであり、負荷制限など全く考えずに安心 して電気が使える状態。
(2)商用受電かつ発電機送電中
前記(1)を満足して、さらに、発電機送電中であるということは、何時停電に なっても対応できるという状態である。また前記(1)商用受電の状態にもなれ る状態である。
(3)停電で発電機送電中
停電であっても、発電機送電中であるため、必要な負荷、あるいは危機管理上 必要な負荷に電気が供給されている、対応が取れているという状態をいう。
(4)停電で発電機停止
停電で発電機から送電していない状態、停電である。
さらなるバックアップが必要となる。
(5)切換中、過渡的変化
商用受電または発電機送電の切換中、また発電機の立ち上がり始動・停止中等。
末端では、切換・変化中であり電気は安定供給されていないと考えられる。
2,現場での対応
状況の把握と対応方法
1)商用受電中
2)発電機で送電中
3)停電(商用、発電機共に停電)
1)商用受電中
日常であり、何の制限もない状況。
2)発電機で送電中
前記1、3)(3)停電であっても、発電機送電中であるため、必要な負荷、あるいは危機管理上必要な負荷に電気が供給されている、対応が取れているという状態をいう。それには、今、危機管理体制にあるという、情報と認識を誰もが持てる体制を作るべきである。そのためには、年何回かの訓練が必要である。
具体的対応方法
停電時に供給される非常回路のコンセント、あるいは照明用のスイッチに印 を入れる。
例、コンセントは、赤色。照明用のスイッチにはスイッチに赤色などの色表 示、色分けすることによって誰でもが認識できるようにする、またそこには文 字(非常用)等を入れて、思い違いを避けるためさらに確認できるようにする。
危機管理上必要な機器にはコードに例、赤色札を取付、赤色コンセントに差 し込む、という関連づけを行い全体把握する。各職場単位で、赤色コンセン トと赤色札を取り付けた機器を把握して、器具名と数と電気消費量を、表にし て管理することである。
施設全体では、この表を集計すると全体がみえる、全体対応が必要である。
3)停電(商用、発電機共に停電)
これだけは避けたい状況、さらにバックアップを設けることになる。
3,まとめ
現場において、末端のコンセント、照明に電気が来ているかという不安から、停電を考えると、電源種別を確認することになる。それはまた、商用受電、停電、発電機送電中という複合的事象を確認することになる。
また複数台の発電機、異なる原動機の発電機、異なる電源装置(燃料電池、無停電装置)が存在する場合は、どれから電気が来ているか分からない等、さらに系統的確認と事象確認が複雑なものとなる。
商用受電であれば何の制約もなく日常の通りの作業が行える。しかし、発電機送電中であれば危機管理という制約の中での対応が必要である。この事が、事業所、病院業務の内容と対応を変化させなければならないものであるため、業務の内容を、日常か危機管理下の対応か切り換える必要がある。この事が業務の内容、例、病院では、診察、診断、処置、手術などに様々に影響すると共に、手術室の空調は使えるのか、吸引機は使えるのかなど、設備の運転可能状況が変化する、この状況から、戦略的管理としてのトップダウン的危機管理対応が必要となる。
これら対応は、停復電という事象把握であり、電源や命令系統の系統的確認と事象確認を行い、事業所あるいは病院における停電時危機管理体制の確立を目的とするものである。また、電源としての社会的信頼性が問われるもので、その条件と共に要素・要因を考えて、階層条件を提示すると共に確認して、対策やシステム作りの一助になればと、ここに系統的確認と事象確認の例を述べるものである。
関連ページ
9,台風時の発電機起動不能(平成16年4月17日(土))
事象分割とシステム協調
7,システムにおける個と全体との相違(平成16年5月22日(土))
システムとラッシュ(突入)電流
2,発電機設備と危機管理体制の構築(平成16年9月18日(土))
危機管理(トップダウン)とシステムの協調
発電機システム構築条件
関連著書、ページ
バードアイ工事管理方法、工事管理研究会、有光正和著、H5,3,10
15,危機管理 P145
16,システムの協調(外乱、内乱)P149
平成18年2月15日(水)
29,室内に設ける酸素マニフォールド
高圧ガス保安法と技術的基準
1,医療用酸素の取扱について
ある病院で、病棟に続くOOOルームを屋上に増築して、その部屋の中に酸素マニフォールドが設置していた。
設置した経緯は、病棟には、既存の酸素マニフォールドのパイピングがある、これから分岐するとOOOルームにアウトレットを設けることが出来る。しかし分岐点の圧力試験は、JIS・T7101(医療ガス配管)ではガスを密閉したまま24時間放置する。という規定がある。このため、病棟の酸素マニフォールドを24時間停止しなければ圧力試験が行えない状況から、医療上重症の酸素使用中患者が多くいるため24時間の停止は無理との結論であった。
自己完結処理方法としてOOOルームの中に、病棟の酸素とは全く切り離して、室内に独立する酸素マニフォールドを設置するという結論に至ったという。
2,酸素マニフォールドの仕様、設置場所
密閉木製キャビネット内に設ける酸素マニフォールド装置。
接続されているボンベは、3.4リッター・4本立て(標準状態換算・0,5立方メートル×4本立て、計2,0立方メートル)設置、自動切り替え装置付き。
酸素マニフォールドの収納場所は、木製キャビネット、大きさ(約高さ80、奥行き70、幅1200p)で、観音開きの扉が付いたものである。通風、換気装置もない密閉された木製キャビネットである、密閉度は洋服タンス程度。
検査時において
密閉された木製キャビネットの中に設けられた酸素マニフォールド(以降マニフォールドと呼ぶ)は、酸素濃度が高くなると、マニフォールドの自動切り替え装置などのリレーや接点の火花から、リレーの巻き線、キャビネット木部からの発火が考えられる。と指摘した。
対応として、屋外に不燃材ボックスに収納して、通気、通風をを設けて設置することになった。
施工者の言い分は、設計通り施工しました、法的には問題ない、法規上は明確に規制されていないと考えるという回答であった。
その根拠は、貯蔵、製造等の方法に係る技術上の基準には酸素ということばがないということであった。法的根拠は5、に示す。
この回答は、システム的に検証するのなら、結果は、こうならなかったと思われる。また、法解釈についても、法の部分を除き技術的基準にのみの検証で終わっているようである。それにしても何故このような結論に至るのか疑問は残る。
3、装置環境の考え方
酸素濃度が高くなるには次のようなことが考えられる。
1)何らかの故障で酸素が漏れる。
2)マニフォールド装置から日常漏洩している酸素が、酸素濃度を高める場合。
故障時に大量の酸素が漏れると、キャビネットからOOOルームさらにナースステーション、病棟へと拡散していく。気流から考えると、ある帯状に流れるその部分は酸素濃度が高いというところである。
一般的にはマニフォールド装置等の装置は、使用するガス等は装置から間違いなく漏れがあるという考え方が必要である。現に、病院のマニフォールド装置でも主幹から末端までのアウトレットまでを総合すると、何%かの漏洩を見込んで自然漏洩として処理されている現実がある。
このように、マニフォールドの様な装置は常時漏れている、故障の時はという認識の上に立った対応や処理が必要である。この考え方の有無が、システム構築上大きな違いを生むものであり、安全における解釈の違いが生まれる。
4、酸素供給装置の酸素漏れについて
1)病院全体における酸素供給装置漏れは、アウトレットの数に比例する。
パッキンの摩耗やへたりにより変化する。
2)マニフォールド装置(3.4リッター・4本立て)漏れは、工場出荷時であれば約0,5 リッター/24時間、程度(メーカー見解)。
また、経年変化や機種やボンベの数等により当然数値は増える方向で変化するものである。
3)主幹・分岐配管の接続部、あるいはシャットオフバルブと接続部分においての漏れ。
配管接続箇所数、シャットオフバルブの数により当然数値は増える方向で変化するものである。
5、法的基準
当該酸素を対象として、高圧ガス保安法では
(目的)第一条、高圧ガスによる災害を防止するため、抜粋。
(定義)第二条、「高圧ガス」とは
常用温度において圧力が一メガパスカル以上となる圧縮ガス、抜粋。
酸素は、圧力が一メガパスカル以上であり「該当」する。
(製造の許可)
第五条、圧縮、液化その他の方法で処理することが出来るガスの容積、
中略、一日百立方メートル以上である設備、抜粋。
マニフォールド装置(0,5×4本立て、計2,0立方メートル)では、第一または二種製造所には「該当しない」。
(貯蔵所)
第十六条、容積三百立方メートル、中略、以上の高圧ガスを貯蔵するときは、中略、貯蔵所においてしなければならない。
マニフォールド装置(0,5×4本立て、計2,0立方メートル)では、第一または二種貯蔵所には「該当しない」。
一般高圧ガス保安規則では
(用語の定義)第二条
一、可燃ガス中略。二、毒性ガス中略。三、特殊高圧ガス中略。四、不活性ガス中略。
酸素は、一般高圧ガスの用語の定義に含まれていない、「該当しない」。
(貯蔵の方法に係る技術上の基準)第十八条、
一、イ、可燃性ガス又は毒性ガスの貯蔵は、通風の良い場所に設置された貯蔵によりすること。
ロ、貯蔵、中略、の周囲二メートル以内においては、火気の使用を禁じ、かつ、引火性又は発火性の物を置かないこと。省略。
第十八条、一、にも、酸素という文字はない、一般高圧ガスの用語の定義に含まれていない、「該当しない」。
6、整理すると、
高圧ガス保安法では
(目的)第一条、高圧ガスによる災害を防止するため、抜粋。
(定義)第二条、「高圧ガス」とは、酸素は、圧力が一メガパスカル以上であり 「該当」する。のみである。
前記、酸素容量(2,0立方メートル未満)についての周辺環境基準は示されていない、しかし、大きな規模になる一、二種製造、貯蔵所は周辺環境基準は示されている。
私見であるが、
病院という場を想定すると、患者の状況において酸素ボンベを持ち運び、酸素吸引を行わなければならない。この場合小容量のボンベまで法規制の対象にすると対応できないなど、世の中の使用状況から乖離することになるため、小容量の規制に隙間をあけていると思われる。
これを逆手にとって、室内に、密閉された木製キャビネットに常設でマニフォールドを設置する等の発想は考えられない。そこには酸素濃度が高くなるということを想定せずに考えられたものである。また法規的には、通風があり周辺には引火物、発火物がないという環境を想定している。酸素濃度が高くなるという状況、密閉された状況を想定していないようである。
常識的に、事故や自然漏洩からの酸素濃度が高くなると、可燃物は引火しやすくなるというものであるため、当然注意が必要であり、対応をすべきである。法解釈を問わずして、技術的基準にのみの検証で終わっているようである。
7、JIS T7101(1997)医療ガス配管設備では、
4,7供給源設備の設置基準にはすべて高圧ガス保安法に定めるところに従って設置する、とある。その中に(e)換気がよく、かつ、環境温度を制御して、ボンベが40℃を越えないこと。が記されている。
JISでは、法規そのものの不備を補い、常識的に法解釈を一歩推し進めて、安全優先で考えられた基準である。
関連ページ参照
6,医療ガス設備の現状と将来展開(平成16年6月19日(土))
A,病棟運営と医療ガス試験方法の差異
加筆、修正
4、3)主幹・分岐配管の接続部、あるいはシャットオフバルブと接続部分においての漏れ。(平成18年2月20日(月))
平成18年2月9日(水)
28,「系統図8枚貼り引っ提げて」実践管理方法
限界と情報の発信方法
(要望書、提案書、VE提案書)
二万平米の管理「系統図8枚貼り引っ提げて」
1)情報の発信方法に二つの代表的方法を見ることが出来る。
(1)系統図8枚貼りが出来上がると、「系統図8枚貼りを持ち歩いて」施主や関 係者に説明するという方法(発信者対複数)がある。
(2)系統図8枚貼りを添付した要望書、提案書、VE提案書というような書類に して、説明して、手渡す、説明会等の方法(発信者対不特定多数)がある。
方法(2)は、建築面積何十万平米のものでも対応できるものであるが、実際に(1)「系統図8枚貼りを持ち歩いて」施主や関係者に説明する方法でも、2万平米位でも充分に説明、管理できるものである。
鳥取県のある病院の現場において実践された。
現場代理人(A氏)は、管理する事務関係者の説明、現場の医療従事者(医師、看護師、検査技師等)においても、常に系統図を持参して説明を行い、要望を確認するという方法を取った。
そこには、将来計画やコンセプトから現状、これまでの変化、経緯等と、系統図8枚貼りには日捲りで記録が残っている、このもので説明を行った。この方法で2万平米の管理と施主や関係者の調整を行った、何ら問題なく完了した。
これはまた、系統図8枚貼りを作成すると2万平米の管理はできるという証でもある。
最もそこには、現場代理人と施主・関係者との友好的コミニケイションが成立しているから出来たと考えられる。系統図8枚貼りがあるから分かりやすい、理解しやすい、等の理由があるからである。実際、系統図8枚貼りで説明すると、「見える化」されたものであるため、短時間で目的とする内容は伝わるものである。さらには、これは解りやすい、この1枚のコピーを下さい等の要求さえある、このように分かり易いということから、安心感と信頼関係が出来上がるという関連効果がある。
現場代理人(A氏)は、これまでの経験からも系統図を使うのは初めてという、その様子を伝えると、次のような内容である。
系統図8枚貼りは、説明の時、系統図のラインを、指でなぞればシステムが理解できる、会話する相手は素人でも誰もが納得する、納得して頂ける特徴がある。
系統図8枚貼りの説明で、目的と問題点とその内容を伝えると、誰もが系統図を追いながらそうですね、こういうことなんですね納得して頂ける。
そこには殆ど会話はなく、図からの情報によって、指で追える図から、ソフトを「見える化」することによって、指でソフトを追い、お互いの主張や思いからシステム構築を行うことが出来た。系統図8枚には系統図分類表縦軸に示す要素・要因から系統図が作られ、編集されたものであるため、同様に指でソフトを追える様々な情報が包括されている。このため、双方が理解し納得することが出来るものであった。これには系統図を作成した当人が一番驚いていた。そこには系統図作成者の説明責任の重みがみえる。
「系統図8枚貼りを持ち歩いて」の限界は、現場代理人一人が持ち歩ける時間と範囲そのものが限界である。
3)情報(系統図8枚貼り)の共有化
前記、情報の発信方法、1)(1)は、系統図8枚貼りを相手に渡して説明したわけではない、現場代理人(A氏)から、系統図8枚貼りを見た対象者(B)には伝わるが、対象者(B)から次の相手には伝えられないということがある。それには、系統図8枚貼りを渡せばよい、説明の内容を、文章化すればよい。文章化といっても系統図8枚貼りがあるため、箇条書き程度で充分に伝わるものである。このものをコピーして、関係者に説明会を開き配布する等の方法がある。また説明を受けた者がさらに次の人に伝えることが出来るものである。これが教科書のように形式知でであり伝えることが出来るものある、形は系統図8枚貼りを添付したもので、要望書、提案書、VE提案書というものである。
この事により、現場代理人から情報が離れて、情報として拡散しながら必要とするところに伝えられるものとなる。このため、情報(系統図8枚貼り)の共有化が行え建築面積の限界が広がるものである。「系統図8枚貼りを持ち歩いて」や「2万平米」という拘束から超えて、管理を行うことが出来るものである。
しかしながら現場代理人は、「系統図8枚貼りを持ち歩いて」必要な情報、あるいは変更内容を日付と伴に記入しながら、変化する情報の整理と管理を行い、コンセプトとの照合を行い常に行い、説明という情報発信は怠らないようにすべきであり、これそのものが管理である。
訂正差し替え 平成18年2月10日(金)
下記の関連ページを確認下さい、関連する全体を知ることが出来ます。
27, 系統図の基本パターン
系統図と情報発信とシステム構築
22,管理方法と建築面積の違い
系統図による暗黙知から形式知
平成18年1月1日(日)
27,系統図の基本パターン
系統図と情報発信とシステム構築
(要望書、提案書、VE提案書)
1,系統図のコンセプト
1)工事書類は着工と同時に完成させることが出来る。
2)工事書類または思考の成果品は、思考を系統図として形作り、系統図を様式、書式を添付すると工事書類となる、「もの」としての成果品である。
3)「物」としての成果品は、試験要領書が出来上がると、成果品の形は試験要領書そのものにある。
2,工期(例、12ヶ月)から工事管理を考える、
系統図の基本パターンは
1)着工三ヶ月で系統図完成
2)竣工前三ヶ月に試験要領書完成
この形で考えると一つの管理体制が生まれます、イメージして、一度考えてみて下さい。
3,系統図の基本パターンでは工期(例、12ヶ月)をまず4等分する
最初(一番目)の4分の1(着工後三ヶ月間)
1)準備と基礎工事の期間である、また、思考的にもまとめる期間である。
準備と基礎工事の期間(着工後三ヶ月間)は電気、機械の設備業者は本格的に 動くことがない期間である、この時に系統的全体や思考まとめ、具象化して書 類や系統図をまとめてしまう期間とする。
2)竣工前三ヶ月に試験要領書完成
全工程を「例、鉄筋コンクリート平屋建てを一年で竣工」と考えると、「12 ヶ月−(@着工後3ヶ月間+B竣工前3ヶ月)=A6ヶ月」となる、現場での電 気、機械の設備業者は、@着工後3ヶ月間は比較的仕事が集中しないときであ る、この時に現場における思考の全てを系統図という方法によりまとめ上げる、 全体はこの時点で出来上がるという方法である。
それ以降は、施工という観点と、エンドユーザーからの要望を、系統図という 全体と、あるいは、系統図の主張、思考を通して照合しながら、全体を構築す るものである。この期間が現場との摺り合わせ期間、A6ヶ月間である。また 現場としてはこれ以降、躯体から内装(B竣工前3ヶ月)へと佳境に入るもの である。
3)B竣工前3ヶ月間は、現場、書類、さらに竣工までの日にちがない所からの切迫した状態がつづく。
系統図ではこの時点には試験要領書が出来上がっている。 すなわち、システムの機能全てと、それを使う人間の関係を理解できる試験要領書が出来上がっている。
4)基本パターンの考え方
工期をだいたい1年と考えると、その四分の一を(1,着工三ヶ月で系統図完 成、2,竣工前三ヶ月に試験要領書完成)等分に考えています。もっと短いも の、長いものでも同様(四分の一)に考えるとだいたい収まります、「基本は 3ヶ月間」で充分対応できます。
しかし、工期が長くなると、部分的に対応するところも出てくることがありま す。また、反対に工期が短い場合でも、四分の一の基本は変わらないものとな るでしよう。
4,建築現場とシステム構築
系統図8枚貼りと顧客満足度
物が付けばよい、形が出来ればよい、そこにソフトをという考えはない、設計通りでよいという考え方である。
しかし実際の機器には、様々な機能が搭載されている、その機能とそれを使う顧客の橋渡しが、技術者である。この橋渡しがないというのが現状である。
その橋渡しが、系統図分類表から作成された系統図であり、俯瞰できるように系統図8枚貼りにしたものが、橋渡しそのものになる。
そこには、顧客の「例、労務管理上の人員配置、勤務時間、責任範囲等、制御フロー、電気・機械的関係、敷地・建物平面、通信手段、移動手段等」が含まれている。これらの関係を経営や施設コンセプトに形作ると伴に、エンドユーザーが満足するものを提供することにある、その橋渡しの道具が、系統図分類表という考え方であり、系統図8枚貼りである。
そこには、系統図分類表の縦軸各項である全体・詳細平面図、全体・部分系統図とそれを使う側の「労務管理上の人員配置・勤務時間・責任範囲等」そして機器の「制御フロー、電気・機械的関係」等を示した図、すなわち、スケルトン、シーケンス、ダイヤグラム、オルガニグラム、ソシオグラム、クリティカルパス、フローなどの記入方法で表されている。
打合せは、系統図8枚貼りを開き、顧客に説明する。
もしもこの方法がいい、それよりもこの方がよい等の提案があると、系統図8枚貼りに直接記入して、その関連も含めて、系統図8枚貼りで説明する。もしも、今一枚の系統図8枚貼りで説明できない場合は、関連するもう一枚の系統図8枚貼りで説明すると、ほとんどのことは解決するものである。この作業そのものが系統図の作成である。それは、システム構築である。
また、これが存在するかしないかそのものが、顧客満足度に直接つながるものである。
5,外部に向かっての情報発信方法
1)要望書の作成
2)提案書の作成
3)VE(Value Engineering)、価値の提案
1)要望書の作成
極めてマイナーな発想であるが、施工業者として自己のみが仕事がし易い方法 (施工方法等)を要望する。これがスタートとしての発信である。
2)提案書の作成
顧客、施工者、エンドユーザーにとってメリットがあるという方法を提案する。
価格の低減、トータルシステムとしてのメリット追求。
3)VE(Value Engineering)、価値の提案
製品やサービスの「価値」を、それが果たすべき「機能」とそのためにかける 「コスト」との関係を把握し、「価値」向上をはかる手法です。
VEは、1947年米国GE社のL.D.マイルズ氏によって開発され、1960年頃わが 国に導入された。
要望書の発信が初めてでも、利己的な事柄でも100件もあると、そこには自ずと公共性や公共判断基準が形成されるものである。
この時点で提案書の作成に切換、顧客(施主)、施工者、エンドユーザーの共通メリット、トータルシステムのメリットを見いだす、さらに価格の低減を提案する。
提案書の内容から、統合する形で、製品やサービスの「価値」を、それが果たすべき「機能」とそのためにかける 「コスト」との関係を把握し、「価値」向上をはかるという方法へと、顧客(施主)、施工者、エンドユーザーに発信する。
前項同様提案書が100件もあると、そこには個人対個人ではない、組織対応の経営、管理次元が存在することになる。これが提案書の力である、何度も提出される書類の内容とその事実が個人から組織対応とならざるを得ないところである。
さらにVE(Value Engineering)の提案は、組織そのもののにアプローチして、組織決定を促すものである。それだけの根拠と、経営的、文化的判断を必要とするものである。また、その内容を提示して理解を求める、また、内容について相互に教育、訓練を行う。また組織風土や文化レベルの認識を持てる方法を模索するものである。
現場と顧客の組織間において、要望書、提案書のやり取りがあると、その数、内容によって意思疎通が図れるものである。簡単に言うと、要望書、提案書が沢山ある現場は自然に意思疎通がスムースになり、問題決定、解決の組織ラインが明確になってくる、さらに、双方の文化、組織風土の調整機能を持つものとなる。そこには自ずと社会性が伴うものである。
外部発信は順次レベルアップしながら、他の組織や社会との接点を持つための方法を司るものである。そこには、前記同様全体を表すもの、系統図8枚貼りが絵図であるため誰もが理解できる方法を提示できることであり、教育、訓練さらには組織風土や文化レベルの認識まで橋渡しが出来るものである。それは、要望書であり、提案書であり、VE提案書であり、系統図を核にその内容を添付することによって形作られる書類である。
これらは、ソフト、書類としての「もの」成果品でもある。また、系統図、試験要領書から製作される「物」成果品でもある。
また成果品は、対象とする組織の形態や文化レベル、組織風土によって作成される内容と質、すなわち「価値」は変化するものである。それは、価値の創造である。
平成17年12月16日(金)
26,システム料理論、冬の味噌汁
冬期昼食弁当のスープ(味噌汁)
冬の昼食、職場で弁当を食べるのは味気ない、そこに味噌汁、スープがあると寒い冬の冷たさから開放されて安堵感と満足がある食事となる。
1,携帯用の味噌汁の作り方
基本はパターン、
生味噌に薬味(葱等)を入れて「団子(元種)」にして、ラップに包む、これを漏れないようにナイロン袋に入れて通勤カバンに入れて持ち運ぶ。食するときには、マグカップまたはお椀にお湯を注ぎ頂くものである。
2,汁物献立とバリエーション
こだわり、お湯を入れて3分で出来るもの。
自然のもので作る。
「団子(元種)」を作るのに3分以内で出来るもの。
1)スープベース
@乾物出汁、(液体でない、粉末が移動に際して扱いやすい)
鰹節、とろろ昆布、煮干しいりこ粉末、昆布茶、味噌(減塩、赤、白等)、
量の目安、味噌は計量スプーンで(小1または5t以下)程度、煮干しいりこ粉末(小1/4または1,25t〜1/2)程度。
昆布茶は説明による。
Aインスタント出汁(粉末、顆粒等を選ぶ)
コンソメ、鶏ガラスープ(顆粒)、その他出汁
量の目安、説明を確認下さい。
2)薬味、具材(出来るだけ生がよい、香りがある)
@薬味生野菜等
きざみ葱、春菊、小松菜、椎茸その他キノコ類、その他青物
生わかめ、すり胡麻、
A乾燥具材(スーパーに行くと棚に色々とある、探して下さい)
わかめ、高菜・ほうれん草、葱、大根葉、椎茸その他キノコ類、小エビ、ちりめん雑魚、
乾燥具材を戻すテクニック
乾燥具材の、わかめ、高菜・ほうれん草、葱、大根葉等は、
団子(元種)を作るときに少し水を掛けてラップに包む、3・4時間後の昼食時には柔らかく戻っているので丁度良い。
B量の目安、上記@A好み。
上記材料でも、様々に汁物献立とバリエーションを楽しむことが出来る。少し手を加えるというのなら、「団子」にお湯を入れて電子レンジに掛けると硬い ものでも柔らかく頂けます。一度試して下さい、お勧めします。
注意、
電子レンジを掛けるときは、陶器のマグカップにして下さい、樹脂製は高温になるため樹脂、塗装が溶け出します。
凝り性方は、あまり凝ると忍者の携帯兵糧になってしまうので注意が必要です、ほどほどに。
3,昼飯に限らず、単身赴任者の食卓を豊にする一品です。
自然のもので楽しく「団子」を作って楽しい食事をして下さい。色々な「団子」を沢山作って冷凍庫あるいは冷蔵庫に保管して食べるのも方法です。
1)保管方法
@乾燥もののみで構成する物は冷蔵庫でも日持ちする。
A薬味生野菜は、冷凍庫という分類になりますが、保管はよいが解凍すると味が落ちる。
4,昼食弁当の味噌汁効用
鳥取のとある現場において、現場の8人位のスタッフが居た、全員どう見ても黒い顔をしている、疲れ切っている、どういう生活をしているか確認した。
全員単身赴任、食事は朝コンビニの物で朝食、昼弁当・カップラーメン、夜コンビニまたは飲み屋。仕事は、毎日九時、十時まで残業ということであった。この内容から野菜不足は歴然、早速、毎日昼のみでも良いので味噌汁を作ると体にいいよと伝える。
現場には、アルバイトできている事務員さんが居た、出汁は必須アミノ酸が多い自然の物、昆布、出汁雑魚、鰹節を使うとよい、具材はビタミンの多い野菜、根菜類の具だくさんにするといい。特に子供の脳形成期にはこれが効果的、また子供が「切れる」など問題になっているが、効果があるとの報告書はある、など、丸元淑生のシステム栄養談義をした。
何週間か後、毎日味噌汁を作っていると聞く。
それから一ヶ月もすると全員、黒い顔が普通になっていたのには驚いた、効果覿面であった。システム料理学(丸元淑生著)そのものの実践であった。
穴子談義
以前、福岡県の津屋崎漁港の朝市(時期、年の瀬)で魚を買ったとき、穴子のみそ汁は、体が温まってうまいですよという情報を漁師から得た。その時、穴子は買ったが、酒の肴に白焼きをしたため、穴子のみそ汁は出来なかった。
白焼きは美味い、二枚におろした穴子、長さ70p位のもので肉厚15o位の大振りのものに、奄美の塩を振り掛けて白焼きにした、表面はこんがり焼けて、開いた肉表面のざらざらから肉汁がぷちぷちという状態で吹き出し、噛むとサク、香ばしい香り、じゅわー、甘い塩の味がする、辛口の日本酒の肴には最高であった。
津屋崎から2年後の早朝、散歩時に鳥取の市場で穴子を見つけた。
穴子味覚連想の先につながる穴子がある、「穴子のみそ汁」を食べてみたいと思った。
これはチャンス、開いてもらって皆で食べてみよう、持って帰りみそ汁に入れてもらった。
生きた穴子を開き、骨を取り生のまま適当な大きさにして入れる、臭み取りにゴボウ、大根の根菜類と葱が入っていた。20人分の汁に小振りの穴子3匹であったが、脂がありはじめて味わう旨味があり、お椀一杯食べると物凄く満足があった。全員こんなにして食べた事がないと大喜びであった、若い人は上手い上手いと何杯もお代わりをしていた。
冬の味噌汁から、美味い情報を提供できたこと。労務管理において、血色が良くなり病人を出さずにすんだこと。福岡の仇を鳥取の穴子で取ったという満足感と幸せがそこにあった。
参考文献、資料
システム料理学 丸元淑生著 文芸春秋1982,06
訂正、
2006,1,20 煮干しいりこ粉末,少し多いので(1/2から1/4)に少なくしました。
関連ページ Topへ戻る
著者からのひとこと
6,システム料理論、自動制御と手仕事の責任分界 (平成16年2月1日(土))
電気釜で豆を煮る方法など
平成17年12月6日(火)
25,プロジェクト 反復型による「アジャイル、アジリチィ」
1,アジャイル(Agile)、アジリチィ(Agility)
ソフト開発の話題の「アジャイル(Agile)機敏な」プロセステクニックである。
アジリチィ(Agility)敏捷性の実践が行われようとしている。
これまでのソフト開発は、航空機、自動車、船舶と同じように設計、製造されるという認識が、ここ30年前からの認識であった。しかしソフトウェア開発は、製造業の手法のように収まらないことを、多くの開発者自身、日頃の仕事から認識していたし、違和感を感じていた。
ウォーターフォールアプローチは、大規模開発や検証に用いるもので、辞書のように大量のドキュメントを、下記のように形作っている。
1)システムを構築する前に理解していなければならない。
2)文章化したものは正しくなくなければならない。
これらから、導き出された「BRUF(Big Requiremements Up Front)何より先に要件定義あり」から実施されている。
また、ウォーターフォールアプローチは大量生産されるものであって、「1)システムを構築する前に理解していなければならない。2)文章化したものは正しくなくなければならない。」など無理な形式を実施したものであった。その思考延長上に、コーティング前にデザイン完成、システムテスト前にコーティングが完成することもできるものである。という、技術者の奢りがあったように思える。
ソフトウェアの開発手法が橋やビルのように順を追った、流れや作業で出来上がるものではなく、小説や音楽のようなあるストーリーが存在するものであるが、しかし、ソフトウェアでは読み手、聞き手の、本のごく一部の感情を包括する世界での、系統的にまとめられたものであることには変わりない。
それに控えて、 アジャイルアプローチは小規模に開発、検証を行うものである。
システムを構築するためには」、検証可能な小さい単位、部品に分割して顧客の要求を満足するように継続的検証を行う。またこれらアプローチは、ソフトウェアの問題を「適度」に理解して小さい単位、部品に分割して構築する。また、 アジャイルでは実際にシステム構築しない限りは、理解することはできないというものである。
2,コンピュータとソフトの変遷
日本にコンピュータが導入されたころは和名「電子計算機」と命名され、正に名前通り計算を行うものであった、このため、ソフトウェアの内容は現在から見ると極めて単純なものであった。
その内容は、
1)税法上、対象の使用や時の経過による減価償却、定額法、定率法等の減価償却計算。
2)給与計算、多人数の給与体系が異なる計算。
3)大砲の弾道計算、目的物、相手の位置等変化する状況に合わせて計算して、何処に落とすのか計算する。
これらは、「電子計算機」が導入されるまでは人間が行っていたもので、時間が係り間違いが多くあったというものである。これに変わり、高速で正確なものであるということで導入された。このころの「電子計算機」は大変高価なもので、使用料も高かったため使用時間を短くすることがソフトウェアの目的でもあった。
ソフトウェアの開発は、手書きで行い、机上テストを行い、テープなどにパンチをしたものであった。また、コンピュータのメモリーが小さいものであったため、ソフトの容量を小さくすることがコンピュータ稼働短縮と相まっての最優先事項であった。
このため、ソフトウェアの容量、規模は小さく、作業内容も計算のみで単純であるため、成果物もプログラムのみであった。内容はというと、理解しやすさ、分かりやすさなど全く考えるものではなかった。
3,大規模ソフトウェア開発
「電子計算機」が汎用コンピュータ、オフコンといわれるような時代には、ソフトも大規模になり、当然、ソフトウェア開発も大規模になる。大規模になると、それまでやってきた方法では、開発しきれない、開発失敗ということが多くなった。
そこにはプロジェクトという考え方、先行大型企業である物作りの、自動車、航空機、船舶の手法が使われた、ウォーターフォール型開発プロセスである。
この時代は、自動車、航空機、船舶の設計同様に開発にある程度の時間確保ができていた。また顧客の要求内容、範囲は予測できるもので、ソフトウェア開発も限られた範囲のものであった。これがウォーターフォール型開発プロセスである。
しかし、ウォーターフォール型開発プロセスでプロジェクトの形として改善されたが、そこにはまだ、顧客要求と開発者の間にギャップがあり、これでは操作できない、使えない等の失敗例が発生していた。大規模なものを長時間・期間で開発して長時間・期間使用するような形態ではなく、「開発中にでもビジネス変化に合わせて」ソフトウェアを進化させるという要求が出てくる。そこにはウォーターフォール型開発プロセスの特徴である「一度決定したことは変化させない」という前提は、社会変化、ビジネス変化に合わせた俊敏な、機敏なソフトウェアの追随が社会的に要求されるようになった。
ウォーターフォール型開発プロセスの特徴である上位フェイズが完全に終わって下位フェイズに係るのではなく、上位フェイズの70%から80%が終了した時点で下位フェイズを行い、上位フェイズの確認を行い必要なら修正を加え、フェイズ間の違いやギャップを埋める方法などが考えられた。
4,プロジェクト成功は反復型にある
ソフトウエア開発環境展(東京ビックサイト・2003,7,10)米IBMのWalker Royce氏は「ソフトウェア開発プロジェクト成功の秘訣は反復型にあり」を語る(CNET Japan 、藤本京子、2003,7,10)に次のような内容がある。
反復型開発プロセスの代表といえるRUP(Rational Unified Process)の創設者である。
Royce氏の父であるWinston Royce氏はウォターフォールアプローチを提唱した。これまでの開発プロセスは「最初から多くの要求事項を決めすぎていた」、
ウォターフォール開発モデルなど、従来の方法では、企画の段階に詳細まで決定する方法である。決定すると、システムマネージャーは後は確かに楽であるが、しかし、息子Royce氏は「ソフト開発には未知の部分が多く、最終的成果物は想像で描くものであるため、全てをはじめに決めるのは無理がある」という。
ウォターフォールでは、プロジェクト期間の3分の2程度まで進んだ段階で、インテグレーションが行われることが多い。インテグレーションの段階でアーキテクチャに問題があると分かっても、管理しきれない、そのシステムができあがってしまう。
「ウォターフォール開発プロセスで行われたプロジェクトの成功率は20%以下」だという。また「最初に決めておくことは全体の20%で、残りの80%はプロジェクトを進めながら決めればよいことだ。」とRoyce氏。
最初にアーキテクチャやフレームワーク(枠組み、体制)といった全体像を決め、コンポーネントごとにインテグレートションやテストを繰り返す、前進・後退を続け、最終目的に近づけるという手法を取る。そして大切なのが、「顧客とオープンで正直なコミニケーションをとること」だとRoyce氏はいう。
ウォターフォールアプローチで数多くの失敗例を見てきたRoyce氏は、成功例を分析したところ、エンジニアチームが反復的なアプローチを取っていたことに気づく。そこで開発工程全体において反復型アプローチを採用すればいいということで新しいプロセスが生まれた。
反復型プロセスを勝手にまとめると、下記のようになる。
1)最初にアーキテクチャやフレームワークといった全体像を決める。
2)コンポーネントごとにインテグレートションやテストを繰り返す、前進・後退を続け、 最終目的に近づけるという手法を取る。
3)顧客とオープンで正直なコミニケーションをとること。
4)開発工程全体において反復型アプローチを採用する。
Royce氏はRUPを「プロセスのスーパーセット」といい、これを全て使い必要はない。Rationalの開発プロセスとIBMソフトウェアを利用して、開発の最初の段階から半分以上のコンポーネントが用意されているという状況が可能となる。
バードアイ・プロジェクトマネージメントと反復型
反復型による「アジャイル、アジリチィ」の検証
5,前記1,アジャイル(Agile)、アジリチィ(Agility)にある、
ウォーターフォールアプローチは辞書のように大量のドキュメントを、下記のように形作っている。
1)システムを構築する前に理解していなければならない。
2)文章化したものは正しくなくなければならない。
この形をバードアイ・プロジェクトマネージメントから、具体的には、系統図分類表から考えてみる。(24,プロジェクトにおける系統図分類表の位置づけ、バードアイ・プロジェクトマネージメント参照。)
系統図分類表の縦軸項目である左頂点、右底辺の三角形は、頂点に、システムあるいは系統図と置き、ソフト、ハード、平面図、通信手段から「労務管理、システムフロー、名称の編集、電気的、機械的、敷地平面図、動線図(時間)、通信手段」などの三角形底辺項目(縦軸項目は二十数項目)である。
この系統図分類表の三角形(縦軸項目)からコンセプトを作り、これから目的、目標に沿って系統図分類表の三角形を左から右に分類、ブレイクダウンすることがウォーターフォールアプローチである。その前提として前記、1)、2)、さらに、「一度決定したことは変化させない」という前提が作られると、系統図分類表の三角形を左から右に分類、ブレイクダウンするとウォーターフォールアプローチそのもので使えるものである。
反対に、アジャイルアプローチは小規模に開発、検証を行うものである。
システムを構築するためには」、検証可能な小さい単位、部品に分割して顧客の要求を満足するように継続的検証を行う。これを系統図分類表の三角形底辺項目(縦軸項目は二十数項目)の近いところで検証を行う。系統図分類表の三角形、少ない底辺項目から上位にあまり上がらないところを頂点とすると、小さい単位、部品に分割して小規模に開発、検証が行えるものである。
このように、系統図分類表はアジャイルアプローチまたはウォーターフォールアプローチどちらにも使えるものである。系統図分類表の三角形から見ると、頂点あるいは底辺のどちらに向かう、あるいは縦軸項目の多少によって決まるものといえる。
アジャイルアプローチでは、
系統図分類表の縦軸項目が少なく、階層を上位上げない小単位の項目での小規模に開発、検証である(三角形での方向、小単位での右から左)。
ウォーターフォールアプローチは、
頂点からのブレイクダウンするもので、縦軸項目全てという大がかりなものである(三角形での方向、左から右)。
6,前記2,コンピュータとソフトの変遷にある
昔の「電子計算機」はソフトウェアの容量、規模は小さく、作業内容も計算のみで単純であるため、成果物もプログラムのみであった。このため、理解しやすさ、分かりやすさなど全く考えるものではなかった。また、開発プロセスなどの資料は存在しなかった。
開発プロセスは様々に多様であり、定まったプロセスなどないというのが状況である、このため、明確な開発プロセス経過をたどることができないことがある。
系統図分類表から考えてみる。
開発プロセスは、目的、目標から、系統図分類表の縦軸項目である分類項目(三角形右底辺)から分類し、系統図を作成する。そして、作成した系統図を系統図分類表縦軸項目の頂点に向かい投影するというものである。系統図分類表の縦軸項目である三角形の底辺から左頂点へ、左方向に向かう定まった開発プロセスがそこにある。
たった一つの目的、目標でも、そこには、系統図分類表の横軸に示されるプロジェクト分類、方法「事象分類、機能分類、設備分類、また、プロジェクトマネージメント項目」等のそれぞれを「系統図分類表の縦軸項目三角形を左頂点に向かう」投影という行為を時系列で残す方法である、それそのものが開発プロセスである。
そこには、系統図を表現する、方向を持つ線、強く、弱くつなぐ線、グルーピングの線、階層を示す階層線等で表されている。そこには、加筆、削除、修正の日時とそれを行った者が示されている。このものを俯瞰できるように、A1台紙にに系統図A4(基本サイズ)を8枚貼り付ける、系統図8枚貼りを作成する。
また、系統図8枚貼りの統合次元、編集次元があるところに来ると、次元脱皮するように、新しいA1台紙に、脱皮前の系統図を用いて目的にあったものを、系統図を8枚貼り付けて次元脱皮する。
この事により記述方法は、文字で記述するより、系統図は関係する内容と系統的相互関係確認できる特徴があり、次元脱皮を容易するものである。
7,前記3,大規模ソフトウェア開発
大規模なものを長時間・期間で開発して長時間・期間使用するような形態ではなく、「開発中にでもビジネス変化に合わせて」ソフトウェアを進化させるという要求が出てくる。
上位フェイズ(段階、時期)の70%から80%が終了した時点で下位フェイズを行い、上位フェイズの確認を行い必要なら修正を加え、フェイズ間の違いやギャップを埋める方法などが考えられた、Royce氏。
系統図では、上位フェイズ(段階、時期)あるいは階層のフレームが出来上がったとき、終了した時点と限定することなく、その段階、階層で相互に「違いやギャップを埋める調整」を行うことができるものである。
上位階層では、下位階層の系統図と関連、関係を投影して階層間の違いやギャップを埋める調整を行う。その方法は系統図8枚貼りを俯瞰することである。この事により統合次元、編集次元があるところに来ると、次元脱皮するものである。
しかし、脱皮前は上・下位間フェイズ(段階、時期)で同様に違いやギャップを埋める方法が取られる。このように、俯瞰する系統図8枚貼りによる、上・下位間フェイズ(段階、時期)での違いやギャップを埋める調整を行う。さらに、横断する「事象、機能、設備等」分類ごとに作成された系統図8枚貼り相互を俯瞰することによって、上下、横断することにより空間的に違いやギャップを埋める調整を行う。
上・下位間フェイズから脱皮することによって、違う上位階層を構築する上下階層も、俯瞰する系統図8枚貼りから展開するものである。
この事が、長時間・期間で開発して長時間・期間使用するような形態ではなく、「開発中にもでもビジネス変化に合わせて」ソフトウェアを進化させるという要求対応できる方法、系統図8枚貼り相互を俯瞰することによって、縦断、横断することにより空間的に違いやギャップを埋める方法を提示するものである。
8,前記4,プロジェクト成功は反復型にある
前記4、1)〜4)、反復型プロセスを勝手にまとめると、下記のようになる。から。
1)最初にアーキテクチャやフレームワークといった全体像を決める。
2)コンポーネントごとにインテグレートションやテストを繰り返す、前進・後退を続け、最終目的に近づけるという手法を取る。
3)顧客とオープンで正直なコミニケーションをとること。
4)開発工程全体において反復型アプローチを採用する。
系統図分類表、系統図8枚貼りから検証する
バードアイ工事管理方法において、反復型プロセスは私が30年前(1975)から行ってきた方法である、このようなものが今頃出てくるとは思わなかった。
バードアイでは繰り返し、系統図分類表の縦軸(要素、要因)と横軸(事象分類、機能分類、設備分類、また、プロジェクトマネージメント項目等)のマトリックスの投影を行うというものである。その内容、繰り返し投影を行う(反復型アプローチ)を下記に示す。
1)最初にアーキテクチャやフレームワークといった全体像を決める。
系統図分類表から、表題を付けて系統図8枚貼りを作成する。目的、目標とする表題を、アーキテクチャやフレームワークを系統図8枚貼りから俯瞰する、すると、そこには表題につながる関係、系統図相互間の関連、関係が見えてくるものである。
2)コンポーネントごとにインテグレートションやテストを繰り返す、前進・後退を続け、最 終目的に近づけるという手法を取る。
上・下位間フェイズから脱皮することによって、違う上位階層を構築する上下階層も、俯瞰する系統図8枚貼りから展開するものである。また同様に、上位フェイズ・階層 から下位フェイズ・階層へも系統図8枚貼りを確認すると、構成要素や統合化が、そこに、グルーピング、段階・階層区分、方向、関係が示されている。
また、俯瞰する系統図8枚貼りにから、上・下位間フェイズ(段階、時期)、さらに、横断する「事象、機能、設備等」分類ごとに、縦断、横断することにより空間的に違いやギャップを埋める調整を行う。また、「違い、ギャップ」を埋める、記入日時、調整者等の経緯確認ができるものでえある。
さらに、上・下位間フェイズから脱皮することによって、違う上位階層を構築する、同様に下階層も、俯瞰する系統図8枚貼りから展開することができるものである。
文字で現す全体あるいは相互確認は、大変な文字数になるため文字文章からは、書くこと読むことに大変なエネルギーが必要となるため、事実上知ることはできない。ところが、系統図8枚貼りでは、絵図であるため、グルーピング、段階・階層区分、方向(矢印)、関係等の相互確認が一目瞭然に全体との関係など確認できるものである。
3)顧客とオープンで正直なコミニケーションをとること。
系統図8枚貼りを持参することで、今の状況、最新の状況を提示することができ、さらに顧客の要望を、その系統図に書き込み確認ができるというものである。
長時間・期間で開発して長時間・期間使用するような形態ではなく、「開発中にもで もビジネス変化に合わせて」ソフトウェアを進化させるという要求対応できる方法、系統図8枚貼り相互を俯瞰することによって、上下縦断、横断することにより空間的に違いやギャップを埋める方法を提示するものである。
4)開発工程全体において反復型アプローチを採用する。
系統図8枚貼りを作成することにより、全体像と目的、目標とする表題を、フレームワークを系統図8枚貼りから俯瞰する、すると、そこには表題につながる関係、系統図相互間の関連、関係が見えてくるものである。
俯瞰する系統図8枚貼りによる、上・下位間フェイズ(段階、時期)、さらに、横断する「事象、機能、設備等」分類ごとに、縦断、横断することにより。さらに、上・下位間フェイズから脱皮することによって、違う上位階層を構築する、同様に下階層も、俯瞰する系統図8枚貼りから展開することができるものである。このサイクリックが反復型アプローチである。系統図分類表、系統図8枚貼りそのものが反復を必要とする システムであり反復によって思考をまとめる方法である。このものがバードアイ工事管理方法である、ここに提示する。
「アジャイル(Agile)機敏な、アジリチィ(Agility)敏捷性」は系統図8枚貼りがあることにより、「気になるところ、考えること、思うこと、気づいたこと」を系統図8枚貼りに置くことにより、そこに全体、部分の整合性が見えるものである。
通常は、思い付いたことを留め置くため、頭の中で、また思い付いたことを紙に書くという行為がある。バードアイでは、これとは基本的に違いがある、それは、系統図8枚貼りという全体と部分がそこにあり、それを見ながら、把握して修正、加筆、削除を行いながら、投影、統合する反復作業が行えるところである。この実践が「機敏な、敏捷性」である。
また一つの事例を現すのなら、次のような事例がある。
あるプロジェクトに途中応援にはいる、すると、状況が解らず作業にならない、解るまではこれまでの資料を紐解くしかない、これでは応援にならない。
しかし系統図があると、説明を受けて、系統図を手元に置きその内容を何度となく確認すると、内容は応援に来た者であっても短時間で理解できるものである。
また、数日間でチームの一員として共同作業に参加できるところが系統図の特徴がある。応援のS課長さんは、これまでの経験からも、数日間の後にチームに参加できたことはなく、直ぐに共同作業に参加できたことに驚きを感じていた。
これは内容の理解と反復が短時間で行えたということである、また、小さい単位、部品に分割して対応するのなら、そこには当然「アジャイル(Agile)機敏な」プロセステクニックであり、また、アジリチィ(Agility)敏捷性の実践の証明ということになる。
参考文献・資料
CNET Japan 2003,7,10 「ソフトウェア開発プロジェクト成功の秘訣は反復型にあり」
RUP創設者が語る(CNET Japan 、藤本京子、2003,7,10 )
The Rational Edge、「アジャイル」「RUP」「Rational XDE」の融合
by Gary K,Evans President,Evanetics,lnc 2002,10,10@ITから
加筆、訂正
5,加筆、訂正(H17,12,8(木))
8,4)加筆(H17,12,12(月))
平成17年11月12日(土)
24,プロジェクトにおける系統図分類表の位置づけ
バードアイ・プロジェクトマネージメント
( Bird's-eye・Project Management)
プロジェクトにおける系統図分類表の位置づけ
プロジェクト時代でありながら、プロジェクトマネージメントの土壌、素地となる経験や情報蓄積がない、情報獲得の「方法」が用意されていない。それはまた、未だ「プロジェクトの手法が確立されていない」という、信じられない状況にある。
しかし、米国の非営利団体(PMI:Project Management Institute))が提唱している標準的なフレームワーク事実上の国際標準になっているものなどがある。またそれ以外にも様々な方法が開発され、使われている、それでも「プロジェクトの手法が確立されていない」という、それ程、多様な多元的、重層的な複雑さがあるからであるある。
プロジェクトマネージメントは、目標を目的を予定通り達成させるための技術であり、そのものが大きな価値を持つ「仕組みや方法」であり、価値を生み出している。この仕組みや方法を、標準化したものがバードアイである。
バードアイにおける「系統図分類表」であり、「系統図分類表」から作成される系統図であり、系統図を投影・統合化、俯瞰することがプロジェクトマネージメントである。バードアイ・プロジェクトマネージメントは特別な方法でなく日常使用している系統図や平面図(フロー、スケルトン、シーケンス、ダイヤフラム、ソシオグラム、センサー設定フロー、命令系統・組織図、階層図、ゾーニング図等)で行うものである。
一般的なプロジェクトマネージメントは本来は空間的把握でなければならないが、思考はどうしても直線的捉え方でガントチャート的なものとなる。しかし系統図で捉えると、8枚貼り系統図を俯瞰すると、そこには空間的拡がりと共に空間的把握能力がそこに形成されるものである。
プロジェクトにおいて、プロジェクトとはどうしたらよいか、また要素・要因はどうすれば発見できるか等の、初心者は糸口がない不安があるという。しかし系統図分類表があると、固定化された要素、要因が系統図分類表の縦軸に記されている、しかも四階層にも整理されて分類されている。このため要素・要因の発見は容易となる。さらに、系統図分類表の横軸「事象分類、機能分類、設備分類、また、プロジェクトマネージメント項目」からマトリックスを組み投影、統合、総合化するものである。それには投影、統合、総合また編集が繰り返されることにより成果品へと導かれるものである。ここに、バードアイ・プロジェクトマネージメントを提示するものである、具体的技法例を下記に示す。
1,バ-ドアイと工事管理方法
チェックリストという日常業務のルーチンワーク内容だけではなく、ある事象において、そのものと他のものとの投影、あるいは統合という作業が生じる。管理上もっとも必要な投影、統合を行えるように、系統図を使い「空間把握するための方法」を伝えるものです。
バードアイ・プロジェクトの思考的根幹を成すものである。
1)結果を見通し
2)建物を造るための技法
3)誰でもが短時間で出来る技法
4)構造化した技法を会得する
5)系統図を使い空間把握するための技法
6)外部に向かって情報発信
2,バードアイ・プロジェクトと系統図8枚貼り
バードアイ・プロジェクトマネージメント【Bird’s-eye・Project Management】
プロジェクトマネージメントは、目標を目的を予定通り達成させるための技術であり、そのものが大きな価値を持つ「仕組みや方法」であり、価値を生み出している。この仕組みや方法を、標準化したものがバードアイ・プロジェクトマネージメントである。
具体的技法例は、系統図分類表から系統図を作成し、8枚貼り系統図の作成から投影・統合化を行い俯瞰することにある。
1)コンセプトの作成技法
2)コンセプトに近づける技法
3)プロジェクトの標準化と手法確立技法
4)価値を高め、価値を創り出す技法
5)仕組みや方法を具体化する技法
6)情報の見える化技法
7)同じ情報を共有化する技法
3,プロジェクトの立ち上げ、運営・管理法について
プロジェクトの立ち上げ
1)コンセプト、成果物と目標を明確化
2)系統図分類表から系統図の作成
3)作業時間、コストの見積
4)リスクと対応策
5)標準計画
バードアイプロジェクトの根幹と成す系統図について
上記2)系統図分類表から系統図の作成、プロジェクトの全ての基準を作ることが出来るものである。バードアイプロジェクトの根幹を成すもの。
系統図分類表は、何を行うのか、どのように進めるのか、作業内容と手順を参加するメンバーが理解できるように解りやすく細分化、詳細化でき、また、作業単位の明確化できるものである。
プロジェクト導入として共通利用できる、標準化されたもの。
4,プロジェクト運営・管理
1)現状分析
2)ブレイクダウン(breakdown)
3)タスクホース(taskforce)
4)作業評価、思考・創造評価
5)AMブレインストーミング(AMbrainstorming)
プロジェクト運営・管理ついて
1)現状分析
系統図分類表から、系統図の作成によって知ることができる。
2)ブレイクダウン(breakdown)
プロジェクト内容を下位階層に噛み砕き伝え展開実施すること。
系統図の作成から、伝える階層に合わせてアレンジすると、短時間で伝達し展 開ができるようになる。
3)タスクホース(taskforce)
自由に組織横断できる機動部隊
系統図の作成から、中間成果物を見つけ出し完成へと導くもの。
系統図があるとタスクホースは中間成果物は簡単に見つけ出すことができる。 当然解決方法も系統図から容易に重層的に見つけ出すことができる。
4)作業評価、思考・創造評価
手作業評価は一般的なものであるため問題なく正確に評価かできる。
しかし、思考・創造は評価しにくい。系統図があると、その内容を具象化し「見 える化」表現しているため、とんでも無い評価であるが、バードアイでは思考 ・創造を系統図によって計量化し、枚数として評価できる特徴がある。
5)AMブレインストーミング(AMbrainstorming)
系統図8枚貼りで作成者がその内容を発表する。
他の系統図作成者はその内容の確認と、内容からブレインストーミングを行う。 系統図は編集レベルにより、ダイジェストNO1から順次番号を重ねて系統図 8枚貼りの編集レベルを上げていく。中間成果物から成果物へ形作るものであ り、具体的成果物の形を示すものである。
安定する解りやすい系統図に、中間成果物を完成へと導く。
5,系統図と一般的プロジェクトマネージメント
系統図分類表の横軸に、様々なプロジェクト分類、方法におけるプロジェクトマネージメント項目を入れることによって、プロジェクト要素・要因から「事象分類、機能分類、設備分類、プロジェクトマネージメント項目」のマトリックスが出来上がる。全てのプロジェクトマネージメントに立ち上げ、運営・管理法まで、いかなるものでも関係なく対応可能である。
バードアイ・プロジェクトは系統図8枚貼りという俯瞰することによって、常に中間成果物、成果品との関係、さらに「統合(インテグレーション)」とQCD(quality, cost, delivery)とのバランス等まで一瞬に確認できるものである。
また、様々なプロジェクトマネージメントの分類や方法においても、要素・要因から全体を俯瞰できるため、一般的プロジェクトマネージメントにも適用できるものである。
1)階層構造を把握するには
プロジェクトマネージメントを構成する三大要素とされる、
(1)プロジェクトメンバーあるいは組織を階層構造に示す、
OBS(organization breakdown structure)。
(2)プロジェクトのコスト構造を示すCBS(cost breakdown structure)。
(3)成果物の構造を示すPBS(product breakdown structure)。
さらに、作業の構造として構成要因分類表(WBS・work breakdown structure)から成果物、作業、組織、コストを多元的に階層構造として把握する方法がある。
これらについても、系統図分類表では横軸にマネジメント項目として、プロジェクトメンバーあるいは組織を階層構造(OBS)、コスト構造(CBS)、成果物の構造(PBS)を記入する。そこには成果物、作業、組織、コストを多元的に階層構造として把握する方法、OBS、CBS、PBSのマトリックスが系統図分類表に構築されていることになる。組織を階層構造、コスト構造、成果物の構造そのものが、系統図分類表の縦軸に三角形の頂点から下位(底辺)まで四階層に区分した階層構造としたものである。
2)標準的なフレームワーク
米国プロジェクトマネジメント協会(PMI:Project Management Institute)が提唱している。標準的なフレームワーク(知識体系:body of knowledge)である、プロジェクトを実施する際の基本的な考え方、手順をまとめたもので、事実上の国際標準になっている。
8つのマネジメント項目と、それを統合的に管理する「統合マネジメント」の構成である。プロジェクトを統合的にマネージするためのガイドラインとして利用される。
フレームワーク(知識体系:body of knowledge)
(1)スコープ(開発目的とその範囲)
(2)タイムスケジュール
(3)コスト管理
(4)品質管理
(5)人的リソースの管理(顧客、開発側含む)
(6)コミュニケーション(コミュニケーションの方法と適用の決定)
(7)リスク管理
(8)調達管理
上記1)、2)おいても、系統図分類表では横軸に「事象分類、機能分類、設備分類、また、プロジェクトマネージメント項目」を記入して系統図の縦軸(要素・要因)と横軸のマトリックスから,「統合(インテグレーション)」してマネジメントを行い、計画立案・実施していくことである、が、決してひたすら「それぞれの領域を正確にやる」のみではなく、バランスをとりながらQCD(quality,
cost, delivery)を指向するものである。
それは即ち、系統図分類表の横軸に必要なプロジェクトマネージメント項目を記入して統合的に、言い換えると、前記同様系統図8枚貼りを俯瞰することである。俯瞰することによる、あらゆるところ、場所に四次元的に展開するものである、さらに展開したところものから、というように関連、関係、投影しながら管理を行い「総合マネージメント」ができるというものである。
上記、1)階層構造を把握するには、組織を階層構造(OBS)、コスト構造(CBS)、成果物の構造(PBS)であっても、2)標準的なフレームワーク(PMI)であっても管理というフレームからの分類である、それが故にプロジェクトマネージメント方法が示されていても要素・要因が発見できないという現実に直面している。そこに系統図分類表を提示する、系統図分類表は、縦軸に要素・要因を「階層的に固定化」しているため、見つけ出すことなく誰でもが要素・要因を知ることができる方法である。
このため、プロジェクトマネージメントの訓練、導入にも、系統図分類表縦軸の項目通り系統図を作成すると要素・要因がそこに形作られるというものである。どんなマネージメントでも対応できる、要素・要因を持つものであり、必要なマネージメントを系統図分類表の横軸に記入して、系統図8枚貼りを作成して、投影しながら統合を行い、管理を行い、「総合マネージメント」ができるという俯瞰法である。
6,ブレイクダウン
構成要因分類表(WBS・work breakdown structure)
作業を要素、要因に分解・分割し、構成、構造等からの作業単位、様々な作業単位を構築すること、と定義する。
この定義そのものが、そのまま系統図分類表の各項、階層であり、分解、分割さらには構成、構造までを、そのままの形で、三角形の左頂点第一階層から第四階層(詳細)まで示したものである。
プロジェクトの計画における主要部分において、プロジェクト成果物、仕事(work)を、要素・要因に詳細区分(breakdown)することと、多元的重層的構造としての機能分類、環境分類等がある。これらを、階層構造(structure)化した図表、あるいは図表によってプロジェクトの全体、あるいはプロジェクトの成果物を目的生産物として、成果物と作業(作業単位)の関係を系統図分類表から構成、構造から体系的に把握するものである。
1)歴史的に見ると
米海軍のミサイル開発に関連して、開発対象として、潜水艦発射型弾道ミサイル・システム等を階層的詳細化して管理する方法がされていた。1959年に発表された、初期のPERT手法に関する論文にWBSの原型を見ることが出来るといわれている。
これらの考え方を発展的に捉え1968年に軍調達品のWBS基準として制定された軍規格MIL-STD-881(改定1998年、MIL-HDBK-881)によると、例えば、船であると、「船体構造、推進室、電気室、監視・指揮、装備・備品」等定義されている。ここでは、「構造」「部屋」「監視・指揮」「装備・備品」、船の構造、部屋の名前、監視・指揮系統、これらに関係する装備・備品等の成果物を目的生産物として構築することにある。これは、現在の製造業における製品構成情報管理BOM(bill of materials部品表)の基本的な概念でもある。
また、日本では「成果物を目的生産物」に、物を作る「作業」を含めて考えているようである、あえて境界を明確にする必要がない日本的境界不明思考方法である。
システム等を階層的詳細化して管理する方法が示されているが、「階層的詳細化して管理する方法」が系統図分類表縦軸と全く同じと考えられる。
また、製品構成情報管理BOM(bill of materials部品表)に、製造業において、どの製品がどの部品、構成品、中間製品、下位製品および原資材などから構成・製造されているかという関係を示した表がある。これも同様、系統図分類表の縦軸の各項が示されている、そこには同様に「階層的詳細化して管理する方法」が示されている。
これまでは、ブレイクダウンをどの様に行えばよいか分からないなどといっていた者でも、空間として「固定化」された系統図分類表縦軸各項から、ブレイクダウンできる、また階層性を確認できるところが、これまでのものとは全く異なるところである。
2)系統図分類表からのトップダウン、ボトムアップ
プロジェクトのコンセプト、それに沿った目的生産物、最終成果物を、トップダウンに分割していく、系統図分類表の縦軸項目を三角形頂点から底辺へと、要素、要因を第一から第四階層まで「分割」する方法。逆の方法として、ボトムアップとして系統図分類表の縦軸項目を三角形底辺から頂上へと、詳細要素、要因の第四階層から上位第一階層まで「投影、統合、編集」する方法
プロジェクトにおいて不確定部分が多い場合は、大まかなトップダウン、ボトムアップの作成。
上位階層思考の「コンセプト、目的」、あるいは下位階層思考の「要素、要因」が不確定要素の高いときには、大まかな「分類、分割」、反対に「投影、統合」についても大まかに作成する。それは、系統図分類表の詳細項目縦軸の最下位(第4階層)とすると、大まかな第3または2階層で作成することである。
内容の密度は大まかであるが、全体としてのスケッチがそこにあるというものである。密度が低く大まかな系統図8枚貼りである。
3)具体的方法
成果物を目的生産物の構成要素、要因に分けて展開整理する方法。また、目的と手段から整理する。手順、作業フロー、工程から展開する方法等、順次ブレイクダウンしていくわけである。しかし、それぞれの分岐点では、各枝の分岐、深さは同一である必要はないが、「分類、分析、分解基準」は統一されるべきである。
ここに系統図をあてはめてみると、「分類、分析、分解基準」は、系統図分類表の縦軸そのものである、また深さについては第一階層から階層まであるため、「分類、分析、分解基準」は統一されている。
最下位のワークパッケージは、プロジェクトでの作業単位は均一化がある程度必要である、細分化の意味、粒揃え等が必要となる。ワークパッケージは成果物であったり目的生産物であったりするものであるが、系統図分類表の縦軸詳細項目(変化しない固定された項目)構成要素・要因からの分類がある。
さらに系統図分類表の横軸に、事象分類、機能分類、設備分類、また、必要なプロジェクトマネージメント項目(作業、目的、手段、手順、作業フロー、工程等)であったりするもので、プロジェクトに必要なもの全てをマトリックスに込めものである。
最下位のワークパッケージは、縦軸の詳細項目(第4階層)にある、要素・要因からの一つ一つが、ワークパッケージであり、作業単位は均一化されるものである。これはまた、プロジェクトとして伝達は、熟練者間はは大枠で会話・管理ができ、初心者が入る会話・管理は、大枠から階層的に示されたものから最小項目まで、系統的空間的に示された全体のこの位置ということでの、詳細内容と座標が示すことができる特徴がある。同様に大枠へあるいは上位階層への座表についても同様である。このように、空間からの座標でありワークパッケージであり、空間からの作業単位は均一化が容易になるというものである、この「空間からの」位置づけが直線的(ガントチャート等)との大きな違いである。
7,系統図分類表とプロジェクト(PMI、WBS等)との相違
プロジェクトにおいては、「コンセプト、目標、目的」からPMI、WBSで行うと、要素・要因、分類分析はその都度変化するものであり、それを発見することは容易でない、発見することがプロジェクトの成否を揺るがすものである。発見できなければ、プロジェクトは成立し得ないものである。
しかし、系統図分類表は、空間を水平に垂直にあるいは螺旋状にでも、空間的に縦横無尽に展開できるものである。
言い換えると、一枚の系統図分類表さえあれば、プロジェクトのいかなる創造、あるいは要素・要因、分類分析「事象(分割)分類、機能分類、設備分類、また、プロジェクトマネージメント項目」さえも行えるものである。いかなるものでも、系統図分類表があれば、適用ができる統一化されたものである。
また、系統図分類表一枚があると知識体系、要素・要因が階層的に明確に示されている。
要素・要因など発見することなく系統図作成するとそこに知識体系、要素・要因、階層が形成されるものである。
様々なプロジェクトマネージメントの分類や方法においても、実質的な国際基準でもあるフレームワーク(知識体系:body
of knowledge)、あるいは要素・要因等でも系統図分類表に含まれるものである。
分類分割とは反対に、系統図分類表においては上位階層から全体を俯瞰できるため、様々なプロジェクトマネージメントにも適用できるものである。
また、そこには系統図8枚貼りがある。
系統図すなわち、系統図8枚貼りを作成して、作成者がその内容を発信、伝達することができる。
先ずは、作成することによって、ある事象・空間把握が行える、把握できるから伝達ができる。
系統図8枚貼りがあると、内容の伝達が短時間で可能となる。それは、伝達がスムースであるがため、情報の共有化が容易となり、奔放なブレインストーミングが行え、活発に展開できる。という図式で展開が可能となる。
また、系統図8枚貼りという俯瞰することによって、「コンセプト、目標、目的」から中間成果物、成果品の区分、さらには関係、「統合(インテグレーション)」とQCD(quality,
cost, delivery)とのバランス等まで一瞬に確認できるというものである。
加筆、修正
2005,5,23 加筆、修正
2005,7,1 加筆、修正
2005,11,15 7,の項加筆、修正
2006,1,7 1,6)外部に向かって情報発信追加
参考文献、資料
バードアイ工事管理方法 有光正和著 工事管理研究会 平成5年3月10日
ザ、ゴール 企業の究極の目的とは何か
エリヤフ・ゴールドラット著 訳者 三本木 亮 ダイヤモンド社
2001年5月17日
PM magazine vol,001 翔泳社2001,11,9
新製品開発プロジェクトと総合技術(p40)
東京大学大学院工学科研究科教授 宮田秀明
ソフトウェア開発の「見える化」と「ムダどり」(p44)
(株)永和システムマネジメント 平鍋健児
製造プロジェクト、ITプロジェクト(p48)
千葉工業大学社会システム科学部
プロジェクトマネジメント学科助教授 関哲朗
TOCとプロジェクトマネジメント(p52)
(株)ロゴ代表取締役社長 津曲公二
平成17年9月24日(土)
23,電気設備学会誌にバードアイ工事管理方法が発表されています。
以下に紹介いたします。
講演論文集
社団法人電気設備学会、平成16年度(第22回)電気設備学会全国大会
開催日 平成16年9月9日(木)・10日(金)
会場 関西大学(千里山キャンパス)
論文、
E−6、現場管理における系統図活用について、著者、下田勝寛(P193)
電気設備学会誌
社団法人電気設備学会、Vol,25 2005 NO1
E−6、現場管理における系統図活用について、著者、下田勝寛
参考文献資料
バードアイ工事管理方法、平成5年3月10日
工事管理研究会 著者、有光正和
平成17年9月24日(土)
22,管理方法と建築面積の違い
系統図による暗黙知から形式知
電気、空調、衛生工事から考える
1,管理例1,000uでは
管理は口伝といわれているが、上司の動きを見て真似から始まり、管理経験者から経験的ノウハウを得て、管理とはどんなものかを経験的に認識し、「実践的経験的に蓄積」していくものである。
管理を3~5年間経験すると、「実践的経験的に蓄積(暗黙知)」することによって充分管理できるものである。この者を「千平米管理者」と呼ぶ。そこには、教科書というような形式知というものがなくても、管理は行えるものである。
それは、一人の個人という能力で、あるいは、頭の中で考える手順に沿って行うことにより、全ての管理という事柄を処理できるというものである。この状況下の管理について、認識を持つ必要がある。
さらに、通して合計約十年も積み重ねると「千平米管理者」は、難なく1,000uの管理ができるようになる、また自信も出来てくるものである。
2,管理例、1,000uの数十倍から百倍の管理方法
30,000 uあるいは100,000 uは、1,000uの数十倍から百倍である。
前記、約1,000uの管理においては「一人の個人という能力で、あるいは、頭の中で考える手順に沿って行うことにより、全ての管理という事柄を処理できるというものである。」とあるが、数十倍〜百倍の管理ではどうなるのだろう。
ここでは、百倍の100,000 u管理について考えてみる。
例、100,000 uは、1,000u管理を百件管理することになる。
暗黙知のみでそのまま適用すると、「千平米管理者」が百人いなければ100,000 uは管理できないということになる、しかし、管理はそんなものではない。
十万平米の管理は、下記のような管理体制例となる。
1)「十万平米管理者」1人と、「万平米管理者」約10人の管理体制,、合計11名。
2)「十万平米管理者」1人と、「設備系統別管理者」約2~3人と、「万平米管理者」約10人の、合計約14名位の管理体制。
対比として、「千平米管理者」が「万平米管理者」を出来るかというと、無理がある、それは、下記に述べるが根本的に違いがある。
「千平米管理者」は3~5年間管の実践的経験的に蓄積によって管理を行ってきたノウハウ(暗黙知)はあるが、それを十倍の万平米に、あるいは十万平米に展開できるかというと、展開できる術がない。それは、管理という内容を図または文字化した、「形式知」を持って、関わる人々も含めて共通認識を持ち育て、必要な事柄を伝えなければ成立し得ない。
「千平米管理者」は、個人という能力で、あるいは、頭の中で考える手順に沿って行うことにより、全ての管理という事柄を処理する、個人的能力によって成り立っている。それはまた「千平米管理者」は、頭にあることを全て言葉に置き換えて、言葉で伝えている。そして、現場に張り付き毎日現場に行き、現場の内容を確認して、指示を出す、「目で見た物・事柄を言葉で伝える」現場優先から形成されたものが「千平米管理者」である。
ところが「万平米管理者」は、「目で見た物・事柄を言葉で伝える」では万平米の管理は管理として成立し得ない。それは、万平米を「目で見た物・事柄」を
知るために、「千平米管理者」と同様に毎日見て回ることは時間的にも歩行距離的にも無理である。もしも、見て回るとそれのみで一日は終わり、他のことは全くできないということになる。
例え、現場を一日で回り得たとしても、その内容を「言葉で伝える」こと。さらに、現場に関係する事柄、工程的手順、施工要領、機能確認、相互調整など「言葉で伝え」伝わるまで時間が掛かり過ぎる。さらにまた、言葉を解して共通認識を持つなど時間的に不可能である。このように、万平米では「千平米管理者」の管理方法では管理できないことは明白である。
「十万平米管理者」になると「千平米管理者」の管理方法では全く、管理という枠から離れたものとなる、対比の対象とならないものである。
この状況から、「千平米管理者」は、前記、管理体制例2,1)2)にある管理体制には組み込めるものではない、管理者ということができる。
3,「千平米管理者」と「万平米管理者」の違い
千と万平米管理者の違いは、前者は「目で見た物・事柄を言葉で伝える」と、後者は、出来た物・事柄を見るのではなく「全て計画段階に、完成した姿を画き提示することにある。」そして出来た物・事柄、完成した物・事柄を確認するという違いがある。
「全て計画段階に、完成した姿を画き提示する」ということは、通常「千平米管理者」の管理では、計画段階にはそこに物がない、形がないということである。しかし、「万平米管理者」は、何らかの形をペーパーに画く、完成した姿を画くことになる。
それには、具体化した形、一般的な管理様式である、系統樹、フィッシュボーン(魚の骨)、クリティカルパス(工程表)、各種確認表等がある。さらに、暗黙知の動員と、暗黙知を具象化する手法、バードアイでいう系統図によって完成した姿を浮き上がらせ、施主、設計者、施工者、エンドユーザーまでが完成時の姿を画き共通認識を持つことが出来る違いである。
そこには、言葉で伝えるということはなく、図あるいは系統図でのやり取りでしかない、会話のない、これでいいですか、ここをこうして下さいという図面上への記入、削除のやり取りでしかない。言葉数が少ないか多いかで、具象化した資料ができているか、良否を示すものとなる。
この言葉が数が少ないということは、充分に必要な事柄が伝わったということであり、また反対に、言葉数が多い場合は、図示上の内容が画き切れていない、あるいは目的とする方向が違うなど差異がある場合で、情報交換量が少ないということである。
4,千と万平米管理者の管理方法の違い
「暗黙知」と「形式知+暗黙知」の管理方法の違い
「目で見た物・事柄を言葉で伝える」を「全て計画段階に、完成した姿を画き提示する」の違いである。それは、目で見る前、言葉でなく、具象化した図、系統図のやり取りとの違いである。このやり取りの情報交換量は、「千平米管理者」の情報交換量の、バードアイ著者として三十数年間実施してきた者として、約三十倍ははるかに超えるスピードで仕事が行えるものである。
1,)現場(1,000u)を三十件管理する方法
「千平米管理者」が1,000uの点在する現場を三十件管理できるかというと、「千平米管理者」における管理方法では無理である。
(1)千平米管理者の管理(暗黙知)方法
@現場に滞在する時間が長過ぎる、
A伝達方法が言葉である、常に相手と電話なり会うなり、直接会話する時間が必要である。
(2)千平米管理者が現場(1,000u)を三十件管理(暗黙知+形式知)するには
@時間管理的に現場に滞在する時間が長いため管理することは出来ない。
現場は極力行かない方法とする。
A伝達方法が言葉では、常に相手と電話なり会うなり、対面会話が必要となるため、書類で伝達する。書類の補いを会話とする。
B三十件管理では、現場間移動に時間が掛かるため近距離条件がある。
結論的には、現場に行かずに管理する方法を考える。
上記(1)(2)の違いは(2)三十件管理(暗黙知+形式知)するには。@B現場には行かずに管理する方法。A書類で伝達する。書類の補いを会話とする。ということである。
しかし、未だ総合的な手法が確立されていないようである。指導書あるいは教科書が必要である。もしも、このようなものが無ければ「千平米管理者」は、暗黙知のみで術なく行うことになる。暗黙知を力仕事に例えるのなら、二・三倍量の管理平行移動が限界である。
しかし、1,000uの現場を三十件管理するには、力仕事では不可能である、形式知すなわち「術」マニュアルが必要である。三十件管理するには、管理「術」である形式知と暗黙知を得ることにより容易となる。この方法が、バードアイ工事管理方法(現場を三十件管理する方法)である。
2,)生産管理、グローバルな規模で普及例
グローバルな展開「暗黙知から形式知」
ザ・ゴール(E・ゴールドラット著、ダイヤモンド社)でTOC(Theory of Constrains)制約の条件理論では、システムのアウトプットはそのシステムの最も弱い部分の能力によって制限される。
トヨタ生産システム(TPS)はトヨタが組織として、60年代から職場提案等で長年蓄積した、成功ノウハウの集大成である。
成功ノウハウは、各職場、コンベアーラインで担当が個人的にあるいはグループで、繰り返し繰り返し提案し改良してきた結果の成功ノウハウである。職場全体が、女性の含めて残業もいとわず手弁当で提案、改善運動を、村の寄り合いのように行ってきた結果である。
その意味ではトヨタという組織風土だからこそ実現できた生産手法、暗黙知蓄積、トヨタイズムといえる。
そのため、トヨタ以外での適用には、手法としての体系化が必要であった。当時、日本の自動車産業に脅威を感じていた米国で、体系化の役割を果たしたという皮肉である。その結果、80年代に形式知であるJIT(ジャスト・イン・タイム)として生産管理の分野で体系化され、現在はグローバルな規模で普及している。
3,)一件の現場(50,000u)の管理「形式知+暗黙知」
現場(1,000u)を三十件管理する方法の延長線上とは基本的に違いがある、それは、一次的には、面積が大きい。二次的には、面積だけ多くの数があるためモジュール化が必要。三次的には、編集次元(1,000uより)上げなければ統合できない。
端的な例として、1,000uの現場なら例えモジュール化に間違いや問題があっても、施工後でも訂正改修可能である。ところが、現場(50,000u)の施工後は勿論、施工中でも、モジュール化に間違いや問題があることが解っても、その数の多さと関連する条件の多さに訂正改修不可能となる。
それは、関連する作業精度と条件について、一番作業精度あるいは条件の低いものに合わせた、基準に沿ったモジュール「制約の条件」を作る必要がある。モジュール一つを取っても「制約の条件」そのものが千、五万平米の現場では全く違う次元のものということを認識する必要がある。千で使えても五万平米の現場では通用しないものである。
また、50,000uの管理は、口頭伝達での管理では無理である。管理するためには軌跡を残し、工程という未来を予測しなければ管理が出来ない。それには、紙に書かれたもの文字、図での伝達が必要である。
50,000uの管理は管理上どれ一つ取っても多くの人が関わり、関わったところから別の人が関わるという図式の中で、今どこのあるのか、これから何をしなければならないのかの状況判断と共に未来を予測しなければならない、さらには、携わる者全員が共通認識が持てる資料がなければならない。
この違いを簡単にいうのなら、この前記資料(書かれた文字、図、)の有無が千平米,五万平米管理の違いであり、暗黙知をベースにした体系化「形式知」の違いであるといえる。
4,)情報を紙に残すには、その手法は
現場が1,000uより50,000uの管理は、情報やシステムの「集積、処理、蓄積、投影、統合、編集」レベルははるかに違いがあるものである。しかし前記同様、未だ総合的な手法が確立されていないのが状況である。
(1)全体把握として、コンセプト、現状把握という現状と目標・目的把握。
(2)工程として、未来を予測する、現状把握、今何をすべきか準備すべきか。
(3)共通認識として、携わる者全てが共通認識を持つ。
上記(1)全体把握、(2)工程内容を全て紙に残すには、その手法は
方法は、文字で、図でということになる。現状における状況は、設計図、施工図くらいで、資料があっても一寸した基本計画書程度である。
そこには、(1)全体把握、(2)工程内容における管理事項、情報やシステムの「集積、処理、蓄積、投影、統合、編集」の資料が含まれていないのが状況である。
特に設計図は、「工事金額を算出する図」と化し、そこにはソフトが記入されずに、例、この機器が何台という記載でしかないというのが実情である。
情報として、平面は設計図、施工図があるため確保が出来るが、三・四次元的情報(ソフト)は含まれていない。
具体的には、系統図分類表に示す労務管理、システムフロー、名称の編集、電気的、機械的、敷地平面図、動線図(時間)、通信手段の情報を把握することである、この情報が三・四次元的情報(ソフト)である。
全体把握するためには系統図を作成することである。
この術が、何故か世の中に未だ確立されていないといわれている。
しかし、既に存在する。
暗黙知から引き出し、管理できる形である形式知まで形作ることができる方法、バードアイ工事管理方法(現場を三十件管理する方法)である。また、系統化し体系化されたバードアイ工事管理方法のチェック項目約千二百を参照願いたい
5,何故、系統図かを述べると
通常プロジェクトは、構成要素・要因は多くのものが含まれている。プロジェクト規模によって構成要素の内容は、1ページのものから百ページに及ぶものまであり、検討事項は様々に派生するものである。
要素・要因を漏れなく発見するには、プロジェクトのコンセプト、目的を認識して順次下げながら、どの様に実行するか、何を実行するか、必要な事象や事柄について「なぜ、どうして、その基準は」を問いかけていくとプロジェクトの構成要素、要因を漏れなく見つけ出すことができる。
プロジェクトにおける要素・要因を見つけ出す悪い例
ハイレベルのところから、ある個人が頭の中で「要素、要因」を理解して、いきなり成果物が提出される。このような人も居られるが、組織として考えるのなら、
「要素、要因」を発見する方法が定着させなければならない。それには何らかの提示が必要である。
しかし、プロジェクトではこの要素・要因が「見つけられない、どうすればよいか解らない」というのが実情である。
また、例え要素、要因を見つけられても、プロジェクトの全体、あるいは空間、コンセプト、システムというところから共通項とし抽出できない、共通項を見い出すことができない。それは、プロジェクト毎に変化するものであるため、要素・要因は不変なものとして存在することはあり得ないといわれているからである。
この要素・要因を、あらゆるプロジェクトに対応できるように、確定したバードアイ工事管理方法における系統図分類表がある、系統図分類表の縦軸に示す各項、詳細項目が変化しない確定した要素・要因である。
1,)観想、想起、創造
要素・要因を表現する方法として文章や図がある。
しかし、文章となるとなかなか書き切れるものではない、特に技術系専門の方々はできないようである。ならば何でということになるが、私の経験から見ると図(絵)というものがある、系統図(図)になると、専門である技術屋は画けるけるものである。そこに注目して、系統図でシステムの全体像を表せないかと試行錯誤から生まれたものが、系統図分類表と系統図分類表から作成する系統図である。暗黙知から引き出す、具象化するには、様々な線を画きながら図形化していく、具象化する方法が系統図という方法である。
阿弥陀信仰に約二千年前から浄土を見ようとする方法に、観想という方法がある。観想とは、物事を画く形作るための方法として、情報を投影し重ね全体を知ろうとする方法である。
紀元前150年以前に記されたといわれている観無量寿経(観経)に観想がある。観想の方法に、観無量寿経には一六観。他に、仏の相好、容貌形相のうち顕著で見易いものからの三十二相など、また、我が国最初の観経の注釈書、良源(912~985)が著した、一般庶民にも観想が行えるように説いた独創的な往生要集の四十二相の分類などがある。
これら観想という展開は、私の作成した系統図分類表の縦軸の各項(20数項目)から、全体を画く方法と同様と考えるものである。
観想も系統図も、類推、想起、発想、創造、観想というものをある基準から行えるように作られている。観想は上記「観、相」からであり、系統図分類表は縦軸の各項(要素・要因)からである。
同様のものに、川喜多二郎の発想法(KJ法)があるが、これは観想のように一六観、三十二相、四十二相というような、これから観想しなさいというものがなく、気になる事柄を一行見出しに文字化して、自分でカードを作り、カードから発想しグルーピングして全体を構成、構築するする方法である。このため、ある一定以上の文字化表現能力が必要なものである、発想方法としては高度のものといえる。
2,)制約条件
誰でもが管理するときに先ず気づくのが標準化という作業である。標準・規格化するためには「制約の条件」を知る必要がある。
「千平米管理者」でも管理を一生懸命行うと必ず行き着くものである。千平米管理者は千平米の制約の条件がある、それがあるが故に五万平米管理にまで思考が行き着くことはない。それはまた、五万平米では情報量と共に制約条件が多いことと、多元的要素と共に重層的構造が、そこ、モジュール(標準・規格化)に含まれるからである。
制約条件が多いことと、多元的要素と共に重層的構造といっても一言で言い表すのはなかなか難しいものである。それを系統図分類表で説明する。
系統図分類表の縦軸各項(要素・要因)である、系統図分類表に示す「労務管理、システムフロー、名称の編集、電気的、機械的、敷地平面図、動線図(時間)、通信手段」などの項目(詳細項目は二十数項目)である。
さらに、系統図分類表の縦軸詳細項目と横軸項目の環境、設備、機能分類等が形作るマトリックスが、制約条件と共に多元的要素と重層的構造におけるプロジェクトの全体(空間、コンセプト、システム)を表現、構成しているものである。このマトリックスの横軸項目である、環境、設備、機能分類等そのものが制約条件、多元的、重層的な構成を織りなしている。
この内容を、第三者にも理解できるように系統図に書き表し表現するものである。
また環境、設備、機能分類から一つの項目、例、環境(河川)、設備(セキュリティー)を選び、系統図分類表縦軸から分類、分析し、縦軸その中での関係と共に制約条件が生まれる関係等を系統図の縦軸から考えるものである。それはまた、考えるためのキーワードを示したものである。
3,)「場」の設定と暗黙知の「近位項・遠位項」
ある目的あるいはコンセプトから、系統図分類表の縦軸詳細項目を思い浮かべると、暗黙知に近い近づけられた項目がある。近づけられた項目から、そこからの思いが吹き出てくる。それを文字におくことは容易でないため、取りあえず、A(図、絵)にして表す。この作業は、暗黙知を粘り強く探索して、系統図分類表という「場」を利用して、呼び起こされる知識を系統図として表出させるものである。
系統図分類表を探り棒と考え、道具の感触を意味するところを考えてみよう。
ポラニーは、探り棒、盲人が使う杖について次のように言っている。
洞窟を探検したり、盲人が杖を叩きながら道を探り歩くときの様子を参考にしてみよう。初めて探り棒を使うものは誰でも、自分の指と掌その衝撃を感じるだろう。しかし、探り棒や杖を使って、行く手を探るのに慣れるにつれて、手に対する衝撃の感覚は、杖の先端が探りの対象に触れている感覚へと変化していく。無意味な感覚が有意味な感覚に置き換えられ、もともとの感覚から離れていくのだ。おしなべて意味とは私たち自身から遠ざかっていく傾向がああり、暗黙知の二つの条件を表すのに「近位的」と「遠位的」という用語を使って説明している。
系統図分類表では、このものを探り棒とおく。
系統図分類表の縦軸詳細項目を探り棒、杖の先端の感覚とおく。手に伝わる感覚を、先端に伝わる道具が意味するものへと変換される。これが系統図分類表の縦軸項目である、縦軸項目一つ一つを投影、統合すると全体が把握できるものとなるこれが系統図分類表である。さらに、意味を投影、統合して,系統図分類表の縦軸項目の階層を三角形頂点へ、コンセプトへと向かわせるものである。
また系統図の縦軸の各項・詳細項目は、暗黙知に近いところ(近位項)から文字や言葉、あるいは語彙から、近接するものから、揺り動かされるものがある。また、ポラニーの言葉を借りると、「直感」には、勘としての直感と、想像力に生命を吹き込み、ここぞというキーポイントを掴む「創造的直感」との二種類があるという。等から系統図作成の手掛かりを得る。
このものを手掛かりに、縦軸の他の項目も同様にしてA(図、絵)にして表す。作成された図、絵を投影し統合して、目的あるいはコンセプト(遠位項)に沿ったものとして遠望する、統合、投影したB(絵、図)ようにまとめ上げる。
注釈、
A(図、絵)は系統図分類表縦軸の各項から作成される一枚の系統図をいう(近位項)。この一枚に名称と作成年月日、作成者を記入。
B(絵、図)はバードアイではA1サイズ台紙に貼り付けた8枚貼り系統図をいうものである(遠位項)。この8枚貼りの総称名称と、8枚貼り編集の作成年月日、作成者を記入。
また、系統図分類表では、縦軸項目の階層から三角形の頂点へ、頂点をシステム、コンセプトとしてイメージすることと同じである。
系統図分類表は「場」であり、かくれた意味や類推、想起、発想、創造を促し、下位レベルから高次へと向かうものである。投影、統合の要求は、運動選手が記録、記録へとあくなき挑戦と同じように、思考の統合も本能的向かうものでもある。
再度ポラニーの言葉を借りると、孤独な内観すなわち、直感とは、勘としての直感と、想像力に生命を吹き込み、ここぞというキーポイントを掴む「創造的直感」と二種類があるとされている。内観とは、俗に勘と同じとだと見なしてよい。想像力と直感はお互いに協同しつつ、目標達成のため統合行為を触発するに至るものである。
さらに、「階層の各水準は、それが機能するためにそれより低い水準に依存するが、それにも拘わらず、その水準それ自体は、このようないっそう低次元の原理には還元不可能である」とある。
しかしバードアイ工事管理方法では、系統図分類表の下位から高次、さらには、高次から低次には移行できるものである。系統図分類表には、明確にピラミット形の階層項目があるためいつでも還元できる。それはまた、「系統図8枚貼り」の日捲り編集方法によって、その変化と、投影、統合過程がそこにデーターとして残るという方法が取られている。
例え、機能そのものは全く異なる、下位に還元ができなくても、その変化と変化させるための状況と過程を、「系統図8枚貼り」は双方向に知ることができるものである。
6,系統図による「場」とブレークダウン
系統図とは、暗黙知として表に出ることがない、暗黙知から引き出し、具象化することができる方法、また、伝えるための[教科書のような形式知」に変換できる方法である。
具象化するには、様々な線を画きながら図形化していく、具象化する方法が系統図という方法が最も適切である。
1,)「場」と要素・要因
系統図分類表からの「場」設定には、暗黙知が含まれ、そこには、情報として通常含まれないものまで、系統図分類表から作成される系統図には書き込まれ必要な情報が含まれるものである。
管理とは、目的、それに伴なう作業、プロジェクトという「場」における要因・要素の発見である。ところが要素・要因が「見つけられない、どうすればよいか解らない」というのが実情である。
要素・要因は管理、プロジェクト毎に変化するものであるため、要素・要因は不変なものとして存在することはあり得ないといわれているからである。
この要素・要因を、あらゆる管理、プロジェクトに対応できるように、確定したバードアイ工事管理方法における系統図分類表「場」がある、縦軸に示す各項、詳細項目がそれであり、要素・要因である。
系統図分類表「場」から縦軸項目である要素・要因に分解、分析してその一つ一つを「なぜ、どうして、その基準は」をコンセプトから確認する。
系統図分類表の横軸には、多元的、重層的な分類としてある事象、機能、設備、システム、階層を入れて、前記同様に要素・要因に分析して確認する。そこには自ずと、投影、統合された多元的、重層的な再構築された空間という「場」ができるものである。
2,)ブレークダウン
分析、分類、分解された要素・要因を、意味を伴なった(暗黙知)一つの関係を、二つの項目(要素・要因)に形作る。二つの要素・要因によって統合される関係にうち立てる、さらに、意味のともなった複数項目から構成された、包括的存在である全体を構築していく。
創造的行為は、既存の意味体系を、一部あるいは全体を否定し要素、要因に分解、解体して、新しい意味づけのもとに投影、統合することである。そのものの「場」を系統図分類表によって設ける。
系統図分類表では、分析、分類、分解された要素・要因を、暗黙知に眠る情報から、意味を伴なうもの、意味づけを、図(系統図)というもので具象化するものである。さらに、作られた系統図を投影、統合することにより新たな意味づけ、目的、コンセプトに上昇構築することである。
また逆に、コンセプトから要素・要因にまで下降構築、ブレークダウンできるものでもある。
このように管理とは、思考的に上昇、下降が自在に行えることであり、状況や環境の変化に対して柔軟に対応できる思考力を持っているということである。
参考文献、資料
暗黙知の次元 2003年12月10日 マイケル・ポラニー著 高橋勇夫訳 (株)筑摩書房
浄土三部経(下)観無量寿経・阿弥陀経
中村元・早島鏡正・紀野一義、訳註 1990,12 岩波書店
発想法 昭和44年11月23日 川喜多二郎著 中公新書
ザ、ゴール 企業の究極の目的とは何か
エリヤフ・ゴールドラット著 訳者 三本木 亮 ダイヤモンド社
2001年5月17日
PM magazine vol,001 翔泳社2001,11,9
TOCとプロジェクトマネジメント(p52)
(株)ロゴ代表取締役社長 津曲公二著
言語文化論集 第]]XT巻 第2号 Vol.26.No.2 ホームページから
「暗黙知」の構造と「創発」のメカニズム 「潜入」と「包括的統合」の論理
著者、柴田庄一、遠山仁美
平成17年5月23日(火)
21,プロジェクト
プロジェクトと「系統図8枚貼り」
著者からのひとこと、18,プロジェクトを移動しました。
1、日本におけるプロジェクト
「何を作るのか」を決めきれないままに契約が結ばれ、プロジェクトがスタートしていることがある。極端なものは、「何を作るのか」をプロジェクトの中で決めればよいというものもある。最悪プロジェクトでは、プロジェクト完了時にいたっても,使用を確定できないままでいるケースもある。これが極端というものでもない、日常契約されている日本国内のプロジェクトによくある例である。
プロジェクトは、完成すなわち目的、品質、納期等が明確なゴールでなければならない。
顧客と受注者の関係においては、いつに日にか成果を出せばよいというものではない、こんなにした、頑張ったというプロセスが評価されるものではない、あくまでも、発注仕様を満足することが完成である。
2,顧客満足度の差異
納期遅れ、コストオーバー、品質不良・不足、結果として顧客とのトラブルが頻繁に発生している。その原因の大半は、顧客要求の変化といわれているが、顧客要求の「変化」というのは受注者(開発側)の言い分であって、顧客の意見では「品質不良・不足、操作、使用してみると不良」である。ここでいつも生じるいやな気持ちは、勝ち負けがなく双方に「被害者意識」があることである、気まずいしっくりしない関係である。それはまた、プロジェクトは顧客、受注者(開発側)双方がプロジェクト参加者であり、双方がプロジェクトを支えているからである。
顧客要求の「変化」を捉えると、顧客は基本的にはプロではない、受注者(開発側)はプロである。
顧客は当然、発注仕様書に書かれた内容で要求するが、開発側は仕様書を具体化する際に、現場を検証し関わる人々の意見を聞きまとめる過程に、顧客にも様々なもの、組織形態、管理形態、その他のこれまで気づかず、知り得なかった情報までもを知ることになる。また、そのことによって、発注仕様書内容が変化せざるを得ない、また、これらの行為から顧客そのものが情報蓄積して新たな次元へと変化することがある。
3,プロジェクトの失敗
契約は請負契約であり、発注者に何を引き渡せばよいか明確になって初めてスタートできるのが、プロジェクトで交わされる契約である。
しかし、失敗した開発プロジェクトは、「どうしたらよいのか解らない」「何をしたらよいのか解らない」「何を作ればよいのか解らない」「作ってもどう利用するのか解らない」というものもある。
その一方、プロジェクト時代に入りプロジェクトマネージメントの土壌、素地となる経験や情報蓄積がない、情報獲得の術が用意されていない、という嘆きや焦りの声が後を絶たない。未だ、「プロジェクトの手法が確立されていない」ところに問題がある。
4,プロジェクトマネージメント
プロジェクトマネージメントの歴史は古い、古代ピラミッドや万里の長城などがある。建築物が構築する時、今日のプロジェクトマネージメントがあったのか定かではないが、方法、道具は違うがそれに近いものがあったと考えられる。建築物プロジェクトの起源は気が遠くなるほど遡ることができるものである。
産業革命を起源とする製造業でも、約200年あまりの歴史を持ち、近代的、科学的管理法のテイラーの提案からも約100年を経過するものである。
車、船、航空機等は、幾ら優れた部品を組み合わせても優れたものには成り得ない。特に航空機などは投影、総合技術が優れたものでなければ乗り物でなく危険な物になってしまう。乗用車の場合は、ボデー、エンジン、支持装置、制御装置などの要素技術が優れていても、それら組み合わせる投影・総合技術がなければ、優れた競争力のある製品はできない。
30年前の車のエンジンルームを開けば、エンジンと冷却器と発電機など、数少ない部品が組み込まれていた。しかし、現在の車のエンジンは複雑になり、配線が目立つ、約30個も越えるマイコンが組み込まれているものもあると言う。
また、米ソ冷戦時代函館に亡命してきたソ連ミグ戦闘機は、日米の軍事専門家によって解体された。すると、エンジンの性能は優れているものの、電子部品などは旧型のものばかりで、まさかの、真空管を使っており我々日本人もびっくりしたことを思い出す。性能も精度も格段に低かったという。しかしながら、ミグの戦闘能力は当時、米国の最新鋭機に迫っていた。つまり戦闘機の開発では投影・総合技術が重要である。
極端な例は、米国のアポロ計画である、人類は月面に到着(1969,7)した。その時コンピューターの記憶容量は約50K程度、現在のコンピュータは、当時のものと比べて1000万倍以上、高速大容量になっていても、月面着陸が容易になったわけではない。コンピュータが1000万以上になっただけではシステム構築は容易にはならないものである。
要素技術だけが重要なら、組織構造を機能分解してそれぞれの効率を高めれば全体の効率は高められる。しかし、要素を単に足し合わせてできる価値を、さらに、私の提唱する系統図分類表により、投影・統合化技術によって何倍にも高めるのが「バードアイ・プロジェクトマネージメント」である。
5,要素と投影・統合化技術
プロジェクトの内容を、要素分解して担当やセクションに分配し、その成果がでたもので、要素部品を組み合わせれば完成するというものである。
しかし、プロジェクトはそれだけではない。要素技術だけなら、組織構造を機能分解してそれぞれの効率を高めれば全体の効率は高められる。がしかし、要素を単に足し合わせてできる価値を、投影・統合技術によって、全体として何倍にも高め、さらに付加価値を付けるのがプロジェクトマネージメントである。
総合化、投影・統合化することによって価値を高めたり、価値を創り出すことがプロジェクトマネージャーである。
しかし実情は、「価値を高めたり、価値を創り出す」この事が良く理解されていないまま、小さな成果しか得られないプロジェクト例も少なくない。
大きなプロジェクト
大きなプロジェクトは、機能分解は不可欠であるが、つねに全体最適解を求めるプロジェクトマネージが全ての構成セグメントをマネージメントしなければならない。
これには、私の提唱する系統図分類表による系統図の作成と、系統図の投影、統合により全体を把握し、系統図の投影、統合によって全体最適解設定すると伴に、さらなる値、「省エネ、操作の単純化、設置・維持管理費等」を求めていくものである。
プロジェクト・イノベーション
不果実性に満ちた環境のなかで、新しい価値を見出し創造することである。総合、投影・統合的に新しい価値を生み出すことにある。また、プロジェクトそのものの組織形態も、プロジェクトの目的内容によって変化するものである。このようなプロジェクト・イノベーションの代表は、軍事技術の世界で戦略の一環として実行されている。
しかし実情は、プロジェクトを実行する過程で、様々なものが生まれる、発見や創造的ソフト(回路図、フロー図等)が生まれる。すると必ず、そこで立ち止まってしまい満足してしまう者がいる。満足するとそこから動こうとしない人が多い。それは中間生産物で満足することである。それには、中間生産物で判断しない「明確にYESかNOかで判断できる物差しであること」、その物差しは「コンセプトに、あるいは顧客価値と直結いていることである。
プロジェクトを成功させるためには、情報・経験の蓄積、情報・経験を共有する仕組みが必要である。経験を獲得したり、情報、経験、仕組みを成熟させたりするには、一定の歴史と伴にプロジェクトに必要な風土というものが育たなければ成功まで導くことは難しい。プロジェクト風土があるということは、このプロジェクトに参加する前から、既に、帰属していた組織において、プロジェクトに必要な風土に接していたと考えられる。
6,プロジェクトとIT開発
IT開発の歴史は極めて浅い。さかのぼっても1940年代の今日型のコンピューターの開発にであり、1960年代のアポロ計画における実験用(InstrumentUnit)開発あたりが発祥であると言われている。
しかし、世界各地に古代遺跡などが点在する。また、ピラミット、万里の長城など宇宙から人工衛星で確認できるものまで、巨大建築物がプロジェクトマネージメントとして歴史的に存在し、経験と情報の蓄積が現在まで行われてきている。そこには、風土と歴史いう情報を共有する仕組みが出来上がっている。
構築物は、そこに物があるため形が存在するため、「見える化」があるため比較的、構築方法や手法を伺えることができる。しかし、そのソフトの部分は形や物から知ることは容易でない。IT開発についてもソフトは同様である。
プロジェクトを成功に導くためには、経験の蓄積と伴に経験を共有する「仕組みや方法」が必要である。経験を獲得したり、「仕組みや方法」を成熟させたりするには、一定の経験と期間、環境すなわち、「風土」が必要である。
実情は「仕組みや方法」があるかというと、経験や蓄積という言葉のみで、そこには具体的提示がない。また、投影・統合といってもそこにも具体的提示がない。では、プロジェクトとは何を行うと出来るのかということになる、人が集まり知恵を出すという、曖昧な「仕組みや方法」でいいのだろうか。
プロジェクトマネージメント
要素を組み合わせ足し合わせてできる価値を、さらに投影を繰り返す統合技術によって何倍にも高めるのがプロジェクトマネージメントである。しかし実情は、プロジェクトマネージメントが理解されていないまま、プロジェクトとして機能成立せずに、成果さえ得られない例も少なくない。特に、要素を組み合わせ、投影を行う統合化技術においても、中間生産物で納得してしまう習性がある。それは、過去に行った知的集積を越える、集積や投影、統合を行った満足からくる中間生産物の満足のである。
プロジェクトの目的、完成到達点を忘れ納得してしまうところがある。少なくても、中間生産物で判断しない「コンセプト、目的を満足しているか、YESかN0かで判断できる単位であること」、その単位の到達点は「顧客満足、価値と直結していることである」。
プロジェクトマネージメントは、目標を予定通り達成させるための技術というものでもあり、そのものが大きな価値を持つ「仕組みや方法」であり、「仕組みや方法」に価値を生み出している。この「仕組みや方法」を標準化したものが、系統図分類表から作成される系統図であり、系統図を投影・統合したすることがバードアイ・プロジェクトマネージメントである。
解がない、与えられていない状態、つまり不確実性に満ちた環境あるいは条件のなかで新たな価値を創造することである。コンセプトから創造を追求し、具象化し、確信を現実化かするものであり、総合的に新しい価値を生み出すことにある。このようなプロジェクト・イノベーション究極は、現在でも軍事技術の世界では特別なものではなく日常的に多くの研究費を使い実行されている。すなわち、総合(シンセサイズ)することによって価値を見いだし、新たな価値を創り出すことがバードアイ・プロジェクトマネージメントである。
7,プログラミング
ところがプログラミングは、機械言語を操る仲間意識から「プログラミングは技巧の世界」であるという、自己満足の多くの関係者の思い込みは、ソフトウェアの進化の過程から「進化」と「標準化」の部分を遠ざけてしまったように感じる。
著者は、プログラミングは言語能力、文章能力と考え、次の方法を提示する。
事象を時系列に、タイミング、協調、同期。さらに階層に、異種、同類、直列、並列に区分して、一つのストーリーとしてまとめることがプログラミングであると考える。この作業が一般的になかなか出来ないという所がある。これは正に、思考力と編集力、さらには知識量によるものといえるものである。
プログラミングは技巧の世界というが「標準化」によって理解しやすく、扱いやすいプログラムを作るべきと考える。
その方法の一つとして、次の方法を提示する。
プログラミングは言語能力、文章能力と考える、段落、句読点をプログラムの中に入れて、まとめるという方法である、これを「プログラミング句読点」と呼ぶ。
プログラム句読点ではストーリーがつながるときは、本来の句読点は文章的には切れたり飛んだりするが、ここでは切れずに次につながり、プログラミング句読点としてつながっているものとする。では、切れる所はということになるが文章とは使い方が異なる段落である、これを「プログラミング段落」と呼ぶものとする。
「プログラミング段落」は、プログラミング句読点含むものとして以後呼ぶものとする。
「プログラミング段落」は、階層に、異種、同類、直列、並列に区分あるいは区切るものとして使用するものである。文章の段落の用い方と違い、多用して短いあるいは長いストーリーを構成するものである。また、このストーリー(プログラミング段落)とストーリーをつなぎ全体構成するものである。
システムはプログラムのみでは存在できない、人間や様々なセンサー、機器、機械が関わるためそれぞれ固有の動作やタイミング等がある、これらを目的のために協調、同期取りながらまとめるのが「プログラミング段落」である。
ソフトウェアQC
QCなどの呼称で情報システムやソフトウェア品質を確保する活動が行われてきた。ISO9000シリーズが導入されて、発注者の要求に応え顧客満足を得られるように続けられてきた。これらの活動のなかで、個別の成功は確立され、多くの実務上の成果が公開されている、がしかし、発注者はソフト構築過程において様々な情報蓄積を行うため、当初の要求と同じであっても要求度合いとその適用、運用幅が変化するという宿命を背負っている。このため発注仕様書、契約書が的確な正確なものでなければならない。
8,全体統合と思考プロセス
ザ・ゴール(E・ゴールドラット著、ダイヤモンド社)でTOC(Theory of
Constrains)制約の条件理論では、システムのアウトプットはそのシステムの最も弱い部分の能力によって制限される。
トヨタ生産システム(TPS)はトヨタが組織として、60年代から職場提案等で長年蓄積した、成功ノウハウの集大成である。その意味ではトヨタという組織風土だからこそ実現できた生産手法、トヨタイズムといえる。
そのため、トヨタ以外での適用には、手法としての体系化が必要であった。当時、日本の自動車産業に脅威を感じていた米国で、体系化の役割を果たしたという皮肉である。その結果、80年代にJIT(ジャスト・イン・タイム)として生産管理の分野で体系化され、現在はグローバルな規模で普及している。
成功ノウハウは、各職場、コンベアーラインで担当が個人的にあるいはグループで、繰り返し繰り返し提案し改良してきた結果の成功ノウハウである。職場全体が、女性の含めて残業もいとわず手弁当で提案、改善運動を、村の寄り合いのように行ってきた結果である。そこには、システム全体あるいは組織全体を俯瞰して、最も弱い場所、弱いプロセスや領域、検討されていない部分(ボトルネック)を見つけ出し、先ずは、そこを集中的にゆとりを持たせ強くしていくことによって、組織全体を強化することが基本である、これによって成功ノウハウ集大成が出来上がった。
プロジェクトの内容を、単純にみると要素分解して担当やセクションに分配し、その成果がでたもので、要素部品を組み合わせれば完成するというものである。
しかし、プロジェクトはそれだけではない。要素技術だけが重要なら、組織構造を機能分解してそれぞれの効率を高めれば全体の効率は高められる。がしかし、要素を単に足し合わせてできる価値を、投影・統合化技術によって、全体として何倍にも高め、さらに付加価値を付ける。また、JIT(ジャスト・イン・タイム)を他の生産分野に適用することがプロジェクトマネージメントでもある。
総合化、投影・統合化することによって価値を高めたり、価値を創り出すことがバードアイ・プロジェクトマネージャーである。
プロジェクトには不確実性が付きもの。作業内容、品質、所要期間の見積値の精度を上げるにも自ずと限界がある。そのため基本的に、ここの見積値のばらつきは許容し、全体の値が一定の幅に抑えられればいいと考える。ただし、個々における見積の際に、個々の値の余裕は持たせない。そのかわり、プロジェクト全体に余裕(バッハー)を持たせ、ばらつきを吸収していく。しかし、チーム構造とマネージメントは表裏一体の関係にある。
9,系統図の「見える化」
情報として、系統図化しているため情報が図として「見える化」されているため、情報の共有化と伝達がスムースに短時間で行うことができる。
プロジェクトを行うと、上手くいかなにということがある、次のような事例である。この内容は系統図で行っていると「見える化」によって、8枚貼り系統図から如実に見えるものとなる。
(1)学生症候群
一夜漬けではプロジェクトは成立しない。
プロジェクト参加者として知識と見識が必要である。
(2)パーキンソンの法則
期限に合わして仕事の密度を調整する。
期限前に終了した作業を次に送らない。
(3)ゆで卵の基準 完了基準が曖昧な場合、念のためといつまでもやり続ける。
(4)中間成果満足症候群
満足してそこから進まない。
注釈、「パーキンソンの法則」
人がいることが新たな仕事を生み、管理組織が限りなく肥大化するという法則 (1955)。
プロジェクトとは、選ばれた者がある目的のため、持ち得る能力を出すことによって、チームの発想啓発と伴に社会参加、貢献を行い、自己実現を可能にする場の提供を得るということである。本来のプロジェクト参加者は、上記(1)(2)の消極的参加態度は存在するものではない。能動的参加における上記(3)(4)は、プロジェクトとは、認識できない者にあっては、やむ得ない事例ではあるが、通常はこのようなことは起こり得ないことである。
プロジェクトとは、目標設定に向けてそれぞれの持ち場で計画、提案、改良、改革を、計画や案から具象化したものとして提示し、プロジェクトに関わる者が相互認識と啓発される知的欲求から、目標に向けて飽くなき探求心と目的を達成するためのチームである。なのに、上記(1)から(4)のような極めて利己的な考えを元にプロジェクト参加は、プロジェクトが成立しない条件となるものである。
10,バードアイ・プロジェクトマネージメント
プロジェクトと系統図8枚貼り
前記「プロジェクトの手法が確立されていない」状況から、私の提唱する「系統図の作成」(バードアイ工事管理方法、平成5年3月10日、有光正和著、工事管理研究会)を提示し、バードアイ・プロジェクトマネージメントの手法を説明する。
系統図分類表(4図)から、系統図を作成して、縦軸構成要素から横軸機能分類(セグメント)を確認する。
縦軸の各項(1〜21項目)を要素として考える、この項は一応固定、系統図分類表(4図)の要素分類と考える。が、必要なら付け加えるのもよし。
横軸を機能分類と考える、例、呼び出し装置、受電設備、無停電装置等である。また、これを設備名分類においてもよい。機能と設備名は、前記の呼び出し装置は装置の名前であるが、機能でもある、このように機能と設備名はあまり違いがないので同一とここでは考えるものとする。
またもう少し厳密に考えると、機能分類のさらなる分類に機能を区切った、セグメント(文節、区分)などがある、これを横軸に入れて検討すると、さらに詳細に検討できるものである。
ここで、バードアイの系統図分類表(4図)では、要素を縦軸に、横軸を機能分類というのが基本形態である。縦軸はそのままとして、横軸を機能分類のさらに区分されたものセグメントを入れると2段階の構成ができる。縦軸の構成要素@要素から、横軸のA機能分類に、さらに小さく区分するのならBセグメント(機能分類を小さく区分)と置くことができる。このマトリックスから作成される系統図を、「8枚貼り系統図」を俯瞰して全体をまとめる方法、手法の提示である。
バードアイ・プロジェクトマネージメント
プロジェクト時代でありながら、プロジェクトマネージメントの土壌、素地となる経験や情報蓄積がない、情報獲得の「方法」が用意されていない。それはまた、未だ「プロジェクトの手法が確立されていない」という、信じられない状況にある。極端なものは、「何を作るのか」をプロジェクトの中で決めればよいというものもある。
プロジェクトマネージメントは、目標を目的を予定通り達成させるための技術であり、それ自身が大きな価値を持つ「仕組みや方法」であり、価値を生み出している。この仕組みや方法を、標準化したものがバードアイである。
バードアイにおける「系統図分類表」であり、「系統図分類表」から作成される系統図であり、系統図を投影・統合化することがバードアイ・プロジェクトマネージメントである、ここに提示するものである。
参考資料
バード・アイ工事管理方法 有光正和著 工事管理研究会 平成5年3月10日
ザ、ゴール 企業の究極の目的とは何か
エリヤフ・ゴールドラット著 訳者 三本木 亮 ダイヤモンド社 2001年5月17日
PM
magazine vol,001
翔泳社2001,11,9
新製品開発プロジェクトと総合技術(p40) 東京大学大学院工学科研究科教授 宮田秀明
ソフトウェア開発の「見える化」と「ムダどり」(p44) (株)永和システムマネジメント 平鍋健児
製造プロジェクト、ITプロジェクト(p48) 千葉工業大学社会システム科学部 プロジェクトマネジメント学科 助教授 関哲朗
TOCとプロジェクトマネジメント(p52) (株)ロゴ代表取締役社長津曲公二
平成17年5月23日 訂正
平成17年11月12日(土)削除
24,プロジェクトにおける系統図分類表の位置づけ(平成17年11月12日(土))に移動加筆
20,バードアイ・プロジェクト(平成17年8月13日(土))
「作者からのメッセージ(2005,5,23・2005,7,1)」から移動加筆(h17,8,13(土))
平成17年8月12日(金)
19,エスコ事業における系統図8枚貼り
省エネと労務管理
1,ESCO事業とは、
(財)省エネルギーセンターESCO事業推進室ホームページ(2004年8月)抜粋。
ESCO事業とは、Energy Service Company の略称で、省エネルギーを民間の企業活動として行い、顧客にエネルギーサービスを包括的に提供する事業です。
ESCO事業者によって、省エネ削減量が保証・継続されるものであり、国の省エネルギー政策とも合致した新ビジネスとして注目されつつある。ESCO事業は、1970年代に米国で始まったビジネス形態であるが、1990年代後半から我が国にも導入されいる。等の内容が掲載されている。
2,省エネと一人管理体制
省エネ削減量が保証・継続されるものといっても、技術屋の私がいうのもおかしいが、ある一定の技術力があれば技術的にはエスコ事業各社の提案はそれほど変わるものではない。
例、空調設備においては行うことの内容は、状況把握を行い、風量、水量、熱源発生器(暖房・冷房機器)の制御、各ポンプ・フアン、末端の機器(フアンコイル等)制御、熱源から末端に至る「最適制御」である。また、コージェネ発電機を付加するなどの方法がある。
当然、制御を第一主眼として省エネ削減量が保証・継続されるものでなければならない。
そこにはもう一つ大きな「もの」がある、それは、労務管理である。
現場における実情は、維持管理に追われて維持することに全勢力を注いでいる、また、この状況に満足している。このため、なかなか、最適制御、最少人数(一人管理)という、システムを外部から、第三者的に検証できないというのが現状である。
ESCO事業では、「@最適制御」を行うときには、特に事業所のコンセプトを明確にする必要がある、それに沿った「最適制御」を考えなければならない。
コンセプトに合ったものが最適で、合わないものは、いくら条件が良くても最適でないということである。この判断がある、ということを特に認識する必要がある。コンセプトは事業計画である、技術レベルでの判断と異なることを認識すべきである。
省力化とは、労務管理がどの様に関係し、全体をどの様に構成すると、極論であるが「A最少人数(一人管理)で管理できるか」ということを検討する。
また、管理するにはどの様な状況把握をしなければならないか、何処にセンサーが、流量計が風量計が熱量など「B何処に計測が必要か」、また、「C警報・状態を把握する」必要がある。そこには、コンセプトである「一人管理」に沿った名称の編集と、センサーの種類と数、位置と設定が必要である。
さらにこの内容を包括する指針が、設備費が安価である、ランニング経費削減、あるいは「D経費削減が保証・継続される」ということである。
(1)労務管理から考えて次の検討を行う
@最適制御を行い
A最少人数(一人管理)で管理できるか
B何処に計測が必要か
C警報・状態を把握する
D経費削減が保証・継続される
技術屋がエスコ事業を行うと、どうしても機器と制御が優先しそれに関わる人間、労務管理まで話が及ばない。労務管理を除いた、設備費が安価、ランニング経費削減、あるいは、経費削減が保証・継続されるということでの提案が多い。
ここでは、労務管理から考えるものとする。この部分が一番技術屋に抜けていることであり、技術屋は技術を売ることに専念するが故に、自分の技術に満足し陶酔する「労務管理音痴」であるからである。
機械システムは、人間が管理し使い易いものでなければならない、そこには必ず情報管理あるいは編集という、言葉をいじる作業が生じる、これをも含めて構築するのが本来の技術屋である。
(2)労務管理から考えて次の検討する、内容は
@最適制御を行い
例、空調における最適制御が、一人管理できるか。
一人管理できるように最適制御を行うことである。
A最少人数(一人管理)で管理できるか
エスコ事業を行うコンセプトを「一人管理」に置き全体構築を行う。
B何処に計測が必要か
システムとしてどの場所に計測が必要か決定するにも、この計測が、計測点があると「一人管理」を行うには有効かを先ず 検証してから決定する。
C警報・状態を把握する
Bと同様になる、「一人管理」を行うには有効かを先ず検証してから決定する。また、名称、警報の編集など管理しやすい 名称と編集を行う、管理レベルに合わした階層性によって「一人管理」行えるようにする。
D経費削減が保証・継続される
一人管理できるか、休憩や休日などのことは考えずにシステムとして一人管理できるかを検討する。これが、ここでは経費 削減が保証・継続されること である。
エスコ事業は、エネルギーサービスを包括的に提供するということであるが、当然行える出来るものとして、さらに、CO2削 減、地球温暖化防止へ繋がることが望まれる。
(3)系統図分類表の機能分類から「(1)労務管理から考えて検討する」内容を、省エネ、省力化、CO2削減、地球温暖化防止 を具体化する方法。
説明、
要素・要因または機能分類から系統図を作成するが、系統図分類表の縦軸には下記の要素・要因項目は含まれている ため、そこから関係あるものを選び出す。詳細は、系統図の作成、系統図分類表の項を参照。
@水、空気流れ図(日常、危機管理)
A制御、熱源制御、大、中、小範囲制御(日常、危機管理)
B操作手順系統図(日常、危機管理)
C名称の編集(名称決定、計測、状態、警報)
D管理体制、例、空調設備をどの様に管理するか(日常、危機管理)
上記機能分類から系統図を作成する。作成した系統図(基本サイズA4)を台紙A1に8枚貼り付ける、貼り付けたもの「系統図8枚貼り」を下記(4)@〜Dの各項目毎に検証する。
(4)機能分類と労務管理
(3)系統図分類表の機能分類と(2)労務管理から考えて次の検討を行う、から、労務管理を機能分類という全く異なるベク トルから検討する方 法を以下に提示する。
@水、空気流れ図(日常、危機管理)系統図
(2)@〜Dまで水、空気流れ系統図で検討できる。
A制御、熱源制御、大、中、小範囲制御、センサーの設定(日常、危機管理)
(2)@〜Dまで制御、熱源制御、大、中、小範囲制御系統図で検討できる。
B操作手順系統図(日常、危機管理)
(2)@〜Dまで操作手順系統系統図で検討できる。
C名称の編集(名称決定、計測、状態、警報)
(2)@〜Dまで名称の編集(名称決定、計測、状態、警報)からの系統図で検討できる。
D管理体制、例、空調設備をどの様に管理するか労務管理系統図(日常、危機管理)
2)@〜Dまでどの様に管理するか労務管理系統図からの系統図で検討できる。
上記内容から、機械というシステム(ハード)と、一般的にいわれている労務管理(人、組織、命令系統等)ソフトといわれるものは、異なる次元、組織にあり全く関係することのない管理下にあるのが実情のようである。この問題、垣根を越える方法が、投影する方法である。
この垣根は、断層であっても、次元が異なっても、空間が異なっても、系統図分類表を使用することによって、何にでも適用できるものである。系統図分類表から投影、統合、編集方法をここに提示する。
さらに、例(4)@水、空気流れ図(日常、危機管理)等系統図の項に(2)@〜Dを投影すると伴に、関連することがらを、系統図8枚貼りの該当する系統図に加筆修正して、系統図8枚貼りを全体(空間)としてまとめ上げていく作業が、エスコ事業における系統図8枚貼りの適用である。この作業を系統図の編集、また、系統図ダイジェストの作成を行うことにより段階的に完成度を高める方法である。
系統図投影、統合が提案書になる
約20年前に系統図8枚貼りによって、現場管理する方法を京都の現場で出会い伝えた。
ある大手施工業者のエスコ事業h室長(現在)さんから、エスコ事業において、系統図8枚貼り思考における提案書が採用され、約十億円前後の受注を得たと吉報があった。提案書作成には、京都の現場での経験が生き、系統図8枚貼りは大変有効であるとの話を頂いたので、改めてエスコ事業の展開における事例をここに示したものです。
関連ページ
著者からのひとこと
10,「エンド・オブ・パイプ」とISOの違い (h、16,6,5)
地球環境という概念の有無と、OUTPUTの変化
midnight (h16,5,20)
11,系統図分類表 (h16,6,6, )
コンセプトを系統図で展開すると
1,プロセスを結果につなげる系統図作成 「エンド・オブ・パイプ」
平成17年5月17日(火)
18,承諾行為と系統図
承諾行為と系統図
承諾行為とは、監督員(施主)が設計図、仕様書に記されたものと同等であると認めることである。承諾を必要とするものは、代表的な「承諾図、施工図」その他様々なものがある。
系統図は着工と同時に作成が可能なものであり、また、設計図と人(施工担当者)とさえ居ればどこでも作成可能である。系統図は、当該機器の周辺からその必要性と存在理由などを検討し、そのものの機能を決定するものである。また、当該機器の機能から、周辺へと関連づけて必要性とする存在理由を検討するというものである。
仏教用語に「我入、入我」という言葉がある。仏が我に入り、我が仏に入るという入我、我入は、決して仏任せの心ではない。自分で努力し、自分で獲得するものである。そこには、関係する世界とのとの調和、そして「我入、入我」ができる世界を持つことである。系統図では、「我入、入我」を次のように関係づけしている、それは、仏をシステムと読みかることである。システムは「外から中、中から外へと関係づけるものである。」その方法は、系統図分類表の各項に関係づけてそれぞれの系統図を作成し、投影し統合して、8枚貼り系統図を作成するものである。
一般的な承諾行為と時期
工程に承諾という時を考えると、1,施工図は名前の通り施工前に承諾ということになる。しかし、2,承諾図は、建物でいうと基礎が上がり、躯体が上がった頃に、施工業者とメーカーとの契約が成立する。この頃、様々な機器類の承諾図が、承諾願いとして提出される。
もっとも、承諾図は着工と同時に提出され、系統図と同時進行で行うのが理想である。
1,施工図
設計が充分に検討されたものであれば、施工段階では位置関係のみで、機器システム、労務管理、操作方法など系統的関係など検討する必要がない。基本設計等が充分に検討され、その資料があれば施工上は位置関係のみという状況になる。実情は、施工図、承諾図で足らない所を補う必要がある。その方法が系統図という方法である。
前記に示す系統図から「系統図は着工と同時に作成が可能なものである。」を作成していると、「コンセプト、施設の管理者、エンドユーザーの希望や思い」を系統図という表現方法で表したものを得ることができる。すると、そこにはシステム的全体を知ることによって、施工後変更がない、訂正改修がない施工が行える特徴がある。これは、施工図で解決されるこのことは施工業者に取って大きな意味を持つことである。言い換えると、系統図があると施工図または現場は変更がほとんど生じることなく行えるものである。
特に、現場における施工図段階では、バード・アイ工事管理方法(有光正和著、工事管理研究会、平成5年3月10日)の11,システムと空間把握(p88)に示すものが必要である。
それは、簡単な系統図、例、AMP、ビデオデッキ会議設備では、コンセントがいる、アンテナはAM、FM、CSなど立てた図を「系統図(漫画)で作成」、マイク、スクリーン、テレビ、各種アンテナ、OHPなどを記入、機器を接続するための端子などを記入した図が、壁面に付く接続用のジャックコンセントなどを一つ一つ線、実際に必要な線(種類を記入)でつなぐ図である。これが、(2)機器類の承諾図に、「コンセプト、施設の管理者、エンドユーザーの希望や思い」の系統図につながる施工図は、上位のトータルシステムにつながる、つながるから変更がない、コンセプトにつながる意味を持つことである。
2,機器類の承諾図
設計図に基づき施工図を作成、相前後してエンドユーザーとの位置や使い勝手について確認する。そうこうしていると、躯体が上がり機器類の承諾図が、監督員(施主)へ承諾願いとして提出される。
そこには、設計図とエンドユーザーの声が入ったものはあるが、システムとして満足するものであるかというところが見えない。この部分は、設計段階で充分検討され、「コンセプト、施設の管理者、エンドユーザーの希望や思い」をシステムとして形作ったものがあると問題はないが、実情は、その資料は基本設計というようなもので書きつづられた簡単なもでしかない。現状における設計という行為にいささかの疑問を感じている。
ではどの様なものが必要か、「コンセプト、施設の管理者、エンドユーザーの希望や思い」を全て書き込んだものがあればよい。ところが、これを文字で書き綴ると、大変な量になる書ききれない所がある。現実は、施工段階で使えるような基本設計は作成されていない、という日本の設計実情である。
そこに、私の提唱する系統図という方法で表し、図表化した方法で書き表し残すという方法を提示する。
この方法は、前記に示す「外から中、中から外へと関係づけるものである。」。方法は、系統図分類表の各項に関係づけてそれぞれの系統図を作成し、投影し統合して、8枚貼り系統図を作成するものである。系統図で行うと「施設の管理者、エンドユーザー」伴に問題になることはなく必要なことは全て処理されているという状況が作れる。
本来は、系統図分類表で関連づける事柄は、設計時に全て解決されてなければならないものである。日本の設計業務がそこまで成熟したものでないため、やむを得ず施工段階に解決しなければならないことが多いのが実情である。そのための施工図と考えざるを得ないというものである。
施工図では、本来は位置関係のみ使い勝手までの事柄を処理するのが施工図であるが、結果として「コンセプト、施設の管理者、エンドユーザーの希望や思い」を含めた、設計における基本設計に立ち返り全体を構築するものである。その資料が着工と同時に作成される系統図である。
系統図があると承諾図がなくても承諾図を作成したことと同じである。それは「外から中、中から外へと関係づけるものである。」ため承諾図に必要な条件、関係を全て含まれたものが出来上がっているからである。
3,系統図とは
系統図は着工と同時に作成が可能なものであり、対象物またはシステムを「外から中、中から外」へと関係づけるものであるため「コンセプト、施設の管理者、エンドユーザーの希望や思い」を具象化しシステムとして実現できるものである。
平成15年5月24日 加筆
平成17年5月7日(土)
17,自己完結型時計と標準電波時計
腕時計と公共時計と時間
電波時計は日本国全域に展開されており、独立行政法人情報通信研究機構(日本標準時グループ)が管理運営の下に標準電波を発信している。
東日本は福島県大鷹鳥谷(おおたかどや)山から40kヘルツ、西日本は佐賀、福岡県境の羽金(はがね)山から60kヘルツで発信されている。
日本標準時とは
太陽の動きに農耕や日常生活は深くかかわっているため、日常的に使われている時系は、地球の運行に基づく、天文時系である世界時(UTI)に準拠するように調整された原子時系である。これを協定世界時(UTC)と呼ぶ。
地球の自転速度は、潮汐摩擦などの影響によって変化する、このため、世界時と協定世界時には差が生じる。協定世界時に1秒を挿入あるいは削除して、世界時との差が0.9 秒以上にならないように調整している。日本標準時は協定世界時に9時間を進めた時刻である。
1,標準電波受信状況
西日本のとある病院で、電波時計の時刻修正が屋内でどの程度可能か実験してみた。
基本的には、屋内の窓に面した部屋は使えるが、そこから中に入った部屋は使えないというのが電波時計といわれている。
実験の結果、@外壁からA廊下を隔てたB最初の部屋までは電波時計の電波は届くが、C二番目の部屋は、何日かに一回電波が届き時刻修正がされている。という結果が出た。
ちなみに電波時計の時刻修正は、一般的には一日一回午前2時に行われるようになっている。最近では、空中電波状態から受信失敗を補うため複数回というものもある。
2,時計の一般的誤差例
(1)テンプ式(ゼンマイ式、自動巻)
@日本では販売されていない時計等では平均日差、約+45、−30秒。
A安い日本製時計等では平均日差、約+25、−15秒。
B高級品の日本製時計等では平均日差、約+5、−3秒。
(2)水晶発信式(クオーツ)
@安い日本製時計等では平均月差、約±20秒。
A高級品の日本製時計等では平均年差、約±10秒。
(3)電波時計
電波時計は時刻を刻む機構は、一般的には前記(2)水晶発信式(クオーツ)@安い日本製時計等では平均月差、約±20秒。を使用しているため日差にするとほとんど秒に換算する程の誤差はない。しかし電波時計で時刻を自動修正を毎日行うので、日差以上の誤差は正常であれば生まれないものである。
(4)親子時計
水晶発信式、電波時計を組み合わせた親時計から、施設内の多数の時計に信号を送り、所内同一時刻を表示知らせる時計である。前記(1)〜(3)は単体の時計 を対象としたものであるが、親子時計は親時計一台と子時計多数の装置。
3、時刻を人間が合わせると
(1)毎日時刻を人間が合わせると
前記2(1)テンプ式平均日差、@(約+45、-30)〜A(約+25、-15)秒。であれば、例え毎日時刻を人間が合わせるとしても気になる所である。もしも、毎日時刻合わせを怠ると、そこには一日抜けても最大90秒という誤差が生じる。これでは、緊急を要する医療現場では対応できない所がある。
しかし、前記2(2)水晶発信式@安い日本製時計等では平均月差、約±20秒。であるため、毎日時刻合わせをしなくても誤差一日1秒未満であるため、医療現場ではほとんど問題はないと考えられる。
(2)月単位に時刻を人間が合わせると
前記2(1)テンプ式、平均日差、@(約+45、-30)〜A(約+25、-15)秒。の30倍これでは使い物にならない。また、2(2)水晶発信式@安い日本製時計等では平均月差、約±20秒。では辛抱すればという所である。しかし、何ヶ月も忘れるということもある。
4,電波が届かない電波時計の管理
(1)電波時計は何日に1回標準電波受信
何日に1回か空中の電波状態によって、電波時計が標準電波を受信できるのなら、時計そのものの精度として「(2)水晶発信式@平均月差、約±20秒」でも数秒の誤差であるため電波時計として充分機能したことになる。もっともそこには数秒の誤差で問題がないという事実が必要である。
しかしながら、間違いなく何日に一回という補償があるのなら問題がない。曖昧であるのなら後記(2)の状況となるため、PL法などの補償を考えのなら電波は届かないという処理を行わざるを得ない。この境界と判断が管理である。
(2)標準電波受信不能
電波時計でも、電波受信不能であれば「(2)水晶発信式@平均月差、約±20秒」の精度でしかなく、何ヶ月間も時刻合わせをしない場合は、三ヶ月間で1分にもなる、これには緊急、重症処置には向かないものとなる。ただし、一般事務などではそれ程問題にはならないと思われる。
5,大量生産、チームで作業をする時の時計
施設内標準時(親子時計)と腕時計
19世紀に作られた腕時計、今では種類も豊富で、自己完結型の古典自動巻、現在の太陽電池時計等がある。また時刻を刻む、機構がテンプから水晶発振まで種類が多くある。しかし変わらないものは、腕時計は、時という共通な時間でありながら、「自分の時間」という「個人の時」を持てるというものであるからである。
また、外からのエネルギー供給としては、電池、ねじ巻きタイプなど今なお存在し、さらに精度も昔とは対比にならないほど高いものとなっている。しかし、多種多様な機構や機種が存在するため、その分だけ、各人が持つ時計が刻む時間に違いと差が生まれている。特に「2(1)天府(テンプ)式、ゼンマイ式、自動巻、平均日差、約+25、−15秒」を持つ人と、電波時計と持つ人の差は日差分の積算値が違いとなって針を示すことになる。例として、4日間で100秒にもなる。この差をどう捉えるかと言うことである。
この差を埋めるには、各施設で標準時というものを設けて、この標準とどう違うか、どう合わせるかということを考え対応する必要がある。もっとも、施設での標準時と標準電波との時間が合っていることが、基準を一つにすることであるため、混乱を避けることになる。このような統合する時間というものが、個人が持つ腕時計などから離れて、基準となる時間「標準電波における電波時計」を、施設内所々に親子時計を配置し、大量生産におけるタイミングを計る、チームで作業をする時の時間統合などに、大きな意味を持つものである。
一例として、ある者は「自分の腕時計」で作業し、時間が来たので、約束の物を指定された所に持参する、相手も同様に「自分の時計」でその時間に取りに行く、そこには双方の時間のずれ、「自分の時間」差の何分かのロスが生まれる。分業化された大世帯であればあるほど、大量生産であればあるほど、この時間ずれの積算累積値は、例何百人の年間積算累積値はどれ程になるか考えてみる必要がある。また、製造ラインや道路の信号等、流れやすくするタイミングと時間、経済の物流を阻害しないため方法他、情報化における国境のない世界的金融取引等における決済など、時間の共有化は現代社会の根幹を成すものである。またそこに、標準時間という基本を作ることはシステムの基本軸(時系列)を作るものであることを認識すべきである。
標準時間がそこに存在しても、公共時間(標準電波における電波時計)と私的な自分の時間(腕時計)が時間として存在する。また、日本国中をカバーする標準電波が存在しても、腕時計の電波時計を拒否する個人姿勢があり、自己完結型の自分の時を刻む自由と、個人主体の時間が二重構造を形作る、時間という観念の面白さがある。同時に地球の自転速度は、潮汐摩擦などの影響によって変化する、一定ではない宇宙との関係に、公共、国家という空間と個人という空間の違いを思う。
平成17年5月9日(月)、2(3)訂正
平成17年5月3日(火)
16,コンセント抜け落ちと取付角度について
通常のコンセントは壁面に取り付けられている、壁面の垂直面に取り付けられたものである。
最近、カウンターなどデザインからコンセントの取付面が凵i左90度回転)斜面などに取り付けられたコンセントを見ることがある。特に気になっているのは「コンセントの抜け落ち」である。安全を確保すべき場所においても、機能ではなくデザイン優先傾向が目立つここに警鐘を鳴らすものである。
1,垂直面のコンセントにおける、引き抜きについて検証する。
コンセントに差し込まれたキャップ(並行の二本の金物がでたもの、歯部)の引き抜き角度と、その引き抜き力について考える。
(1)通常の引き抜き力、
壁面コンセントからキャップを真っ直ぐに(水平に)引き抜くときの力を言う、JISで定められている。
(2)斜めからの引き抜き力
キャップの先のコードを水平より上または下からの、キャップを抜く引き抜き力。壁面コンセントからキャップの先のコードを 水平より上または下に、例、約30度の二点から引とき。
コンセントに差し込まれた「二本の金物、歯部」がコンセントの中で、「金物、歯部」の先端部と、キャップから出た歯部が、 コンセントの奧と入口でこじられたようになるため、そこに大きな抵抗が生まれる、角度が大きくなると抵抗はさらに増すものである。一度試すことを勧めます。
実際に、病院における病室の状態は、ベット頭部上部に医療用コンソールが取り付けられている。
ベットから起きあがる時、頭をぶつけない配慮から、床からの高さは約1,4m位の所に取り付けられている。そこにはナースコール呼び出しボタン、照明器具、電気コンセント、医療用コンセント等が取り付けられている。
この部分、医療用コンソールに取り付けられている電気コンセントの抜け落ちについて考察するものである。
これまで、何度となく新聞紙上等で不注意なのか自然抜け落ちなのかの、論議があった。しかし、この問題については決着がつかず、解らないままである。
2,コンソールの形状とコンセントの引き抜き力
(1)コンセント垂直面取付
コンソールのコンセントが垂直面(壁面等)に取り付けられている場合は、医療機器などは、コンソールより下の位置にあり、医療機器コードは上にあるコンソールのコンセントに差し込むという形である。
この状態は前記1(2)の形になるため引き抜き力は大きくなる。
(2)コンソール形状凵i左90度回転)で、斜め部にコンセント取付
注、凾ェソフトの互換性の関係で、回転しないため(左90度回転)の言葉を入れていますあしからず。
コンソール凵i左90度回転)で、右垂直部を壁面に取り付けられているという形である。コンソール凵i左90度回転)の、斜め部にコンセントが付けられ、コンセント口が床面に向かう場合の形状についてである。
この場合も同様に、医療機器などはコンソールより下に位置にあり、下にある機器は、コードが斜め上のコンセントに差し込まれるという形になる。
コンソール凵i左90度回転)のコンセントは斜め面に付くものであるため、下にある機器は壁面から少し離れた所から、コンソール凵i左90度回転)のコンセントに差し込まれる。この形は、コンソールのコンセントは結果的には、コンセントに直角に近い角度で差し込まれたものとなり、前記1(1)と同様なものとなる。前記1(2)のより抜けにくい状況を形作ることが出来にくいものとなる。
もっとも、JISで定められたものであるため何ら問題はないし、コンセントの取付面については言及したものは存在しない。しかしそこには、形から安全を考えるのなら常識というものが存在するものである。
3,使用状況からと新聞紙上の決着は
前記の「何度となく新聞紙上等で不注意なのか自然抜け落ちなのかの、論議があった。」いう事実から、より安全な方法を選択することが安定することになるため、1(2)斜めからの引き抜き力を有効に使う方法、安全な方法を使うべきである。
特に、病院では生命維持装置などを接続するためより安全な方法を選択するのが設備管理としての選択であると考える。また、コンセント、キャップの機種が特定できずに計量的に測定できなくても、こじた状態ではコンセントからキャップはなかなか抜けない事実が明確であれば、より安全な1(1)<1(2)の引き抜き力を利用すべきである。
知的レベルが高ければ高いほど、論理が優先になりデーター、データーと論ずるものであるが、事実がそこに存在する場合は事実を先行し、データーは後の処理を行えばよい。安全確保は、事実や経験に裏打ちされた直感を優先すべきと考える、この能力を持つことが本来の科学と考えるものである。
4,コンセントの構造的強度確保
別項で述べるものとする。
訂正
1(2)医療ガス用コンセントを医療用コンセントに訂正(h17,6,26(日))
第59回国立病院総合学会(2005年10月14、15日(金、土))
広島国際会議場、広島県立総合体育館
でホームページ事例集、「個人情報保護と外来呼び出しについて」が紹介されます。
平成17年4月29日(土)
15,個人情報保護と外来呼び出しについて
外来呼び出しとドライブスルー
1,病院における外来者呼び出しについて
個人情報保護法(平成17年4月1日施行)、個人情報の保護に関する法律が施工された、外来における呼び出し放送を考える。
外来者は診察、治療を目的として病院外来部門に赴くのである。そこで外来における、行動標準例から行動と順序を分解してみる。
@受付において診察、治療を申し込み。
A目的診療科前で放送で呼ばれるまで待つ。
B中待ちで呼ばれるまで待つ。
C診察室に入る。
D治療室に行く、治療室前で放送で呼ばれるまで待つ、治療室に入る。
この間、二または三回の待ちと伴に、周辺に聞こえるマイク放送での呼び出しがある。呼び出しから、知ろうとすると名前、受診科は第三者に分かるということになる。
この部分を、ポケベルあるいは携帯電話で呼び出すという方法がある。基本的には、呼び出し音、振動、文字とで呼び出しを知る、詳細メッセージはポケベル、携帯電話の表示板から、名前と伴に何々診療科に行きなさい、そのルートは等表示する。そこには、第三者に放送のように知られる要素はない。
ただし、ポケベル、携帯電話の表示板の情報を扱うところには個人情報保護の問題は残る。
もっとも誘導には、院内に設ける案内板、表示等は、携帯電話の表示板とは異なる歩行という視点からの表示が必要となる。さらに、表示する文字、色等は「案内板、表示等」と「携帯電話の表示板」と同じ名称、文字、色、形にして一つのシステムと考えることが必要である。
2,待ち時間と呼び出し放送
ここでは、周辺に聞こえるマイク放送呼び出しについて検討するものである。
また、二または三回の待ちがあり、上記@からCに至る時間は大病院では三〜四時間というところもある。
この待ち時間は、診療科の前という狭い範囲で待つという拘束がある、離れると放送の呼び出しが聞こえない。この不安から、特に年を召した爺さん,婆さん方は、待ち時間の三〜四時間もその場所から離れられないという。
もしも携帯電話のようにどこでも連絡が取れるというものがあれば楽ということから、呼び出し専用のポケベル、携帯電話を上記@受付において手渡して、どこに居っても「呼び出せる」、待つという拘束から解放されるものである。
この解放されるということは、外来で待つ必要がないということである。
これまで、病院、医療スッタフ等の都合から、外来で待つという形態があった。集めて待つ外来形式は、病原体、菌、の集合場所でもある。この状況に身を置くことは、体力が落ちた体にはかなりの負担であり、外来で待つ間に新たな病気に感染するということがある。これからも開放されということである。
3,待つという場と空間
外来呼び出しを自宅または駐車場で待つ、ドライブスルー
呼び出し専用のポケベル、携帯電話(以後、呼び出し携帯電話、と呼ぶ)を携帯して、院内の喫茶店、売店等行きたい所へ往き、そこで待つ、または院内のどの場所でも呼び出しを受けることができる方法である。
また病気の時、著者は新宿の病院に診察に行くわけであるが、頭が痛い、気分が悪い、熱い、寒いときなど、@受付において診察、治療を申し込み。呼び出し携帯電話受け取り、駐車場の車の中で待つ、手足を伸ばし寝ながらでも呼び出しを待つことができる。病人に取ってありがたいことである。
また、乳幼児がいる場合など、車内でおむつ替え、授乳、寝かせるなどのなど空間が確保できるため、母子共に楽に外来の待ち時間を過ごせるものである。
この方法は、ポケベルが出始めたころ空港などのフード店のハンバーグ待ちなどに利用されていた。
これと、時間という単位は異なるがドライブスルーと組み合わせるのも、新しい病院の外来における姿を、ある意味で表現するものであると考える。ドライブスルーを病院に持ち込むのなら、距離時間は関係するが、病院の待合いは近くの町の中まで広がるということになる。
待ちというものが、車空間と時間、移動という方法に新たな方法を提示できるものであると考える、これを展開すると玄関も外来も大きく変化するものとなると思われる。
修正、加筆
2,待ち時間と呼び出し放送、段落、この解放されるということは、を(h18,12,23)加筆
副表題、「携帯電話利用による外来呼び出しとドライブスルー」を「外来呼び出しとドライブスルー」に変更(h19,3,26)
平成17年4月13日(水)
14,システム音痴と不協和音
バ゙イオクリーンルーム、手術室の安価なリニアール
1,バイオクリーンルーム、手術室の現状例
バイオクリーンルーム、手術室の改修を行なう、現状は約20前に作られたものである。
(1)空調機仕様、
フィルターはプレフィルター、室内換気回数30回、新鮮空気取り入れ17%、蒸気加湿器、電気集塵方式、ヒートポンプチラー水冷式、
(2)部屋の状態
壁・100角タイル、天井・ケイカル板、床・人造大理石、扉の形状・密閉度が低い、
2,リニアールコンセプト(renewal concept)
改修を行うには、ここでリニアールコンセプトが必要であるが、無いとどうな るか、無いまま読み進めてください。
3,バイオクリーンルーム、手術室空調システム改修例
(1)HPフィルターを取付け、空気は清浄度(クラス10000)を確保する。
(2)室の内装はそのまま。
(3)冷凍機は更新前の機器と同じ冷却能力で空冷式を設置する。
(4)室にファンコイル(HPフィルター)を取付け、HPの静圧増加分をブースターファンでカバーする。
(5)チャンバー、ダクトは既設のまま使用する。
上記内容は、HPフィルターを取り付けてクラス10000確保のみしか考えずに、システムとしてどう捉えるかということを抜きにした改修内容である。
4,リニアールコンセプトが無いため、次の枠組みを作る必要がある。
(1)今から、5、10、20年間のいずれかの期間使用しなければならない。
前記3(2)室の内装はそのまま、では壁・100角タイル、天井・ケイカル板、床・人造大理石、扉の形状・密閉度が低い、ではクラス10000確 保できない。
幾ら空気がクラス10000であっても、次の瞬間、タイル目地の凹凸の埃が落下する。これでも、落下したところ以外は空気がクラス10000と いえるであろうか。天井、床も同様である。扉については開閉時、隙間の不潔域からの空気の流入が問題点でもある。
いずれにしても、システムとは、常時、使用する間、間違いなく、言い換えると、クラス10000確保を実証できるものでなければならない。
(2)これからの時代に合うもの。
前記3(5)チャンバー、ダクトは既設のまま、では3または5年間もは使用に耐えない。また、これから5または10年間使用するにしてもダクト 、チャンバー内に塵埃などが堆積しているためファンコイル(HPフィルター)で除去できても、使用すると短時間でHPが目詰まりを起こす。 短期的には表面剥離、中長期的には積層剥離が生じるおそれがある。
(3)労務管理、方法に対応できる。
バイオクリーンルーム、手術室空調の運転、停止など、遠隔操作で全て現場担当者、看護婦等で行なうことが出来る。
清浄度が落ちると警報を発し、常に正常を保つことが出来るものであること。
(4)環境問題、PL法など対応できるもの。
環境問題、省エネ、廃棄物の選別等。
PL法、バイオクリーンルーム、手術室としての空気清浄度クラス10000は確保できない。本項の4(1)〜(5)に示す理由がある。
(5)冷凍機設置時(20年前)と現在の時代背景の違い。
20年前は、外気標準温度というような曖昧なもので温度を設定していた、現在では過去夏期10年の外気最高温度、例39℃の値。あるい は、バイオクリーンルーム、手術室等で使用する室温が、例16℃というような低温に対応できる能力が必要とされている、能力は遥かに大きな 物となる。また、室内で使用する機器についても20年前とは、質・量とも多くなり、熱負荷も大きくなっている。
また、バイオクリーンルーム、手術室では室温を何度に設定する。その温度を一定として使用する使用方法だけではなくなった。作業や手術の 内容により、下げる、上げるというような温度変化を必要とするものもあり、ある時間内、例、3分、5分以内という時間内に18℃に25℃にと いう要求がある。
ある意味で、空調は乗り心地のいい旅客機から戦闘機に変化している。急発進、急旋回、が必要となっているということである。
(6)他の設備、蒸気加湿器、電気集塵方式等。
これらにも前記同様に様々な問題があるが、本稿では触れないものとする。
5,システム音痴の呪文(言い訳)と責任
前記4の問題点があるが、どの様に考え考えているのかと設計者に聞くと、いつも同じ返答で呪文が返ってくる。
(1)システム音痴の呪文
@既存バイオクリーンルーム、手術室を、前記3の内容で改修すると空気はクラス10000を確保できます。
A既存は出来るだけそのままで行ない、お金を出来るだけ掛けない方法で行なう。
B施主の要望で行なった。
上記@〜Bの呪文は、システム音痴が認識できない説明、責任回避の羅列である。しかし、システムエンジニア、設計者はプロとして説明と責任がある、説明はシステムとしてどう捉えるかの説明責任がある。
6,呪文と責任
呪文は設計者責任回避の言葉であるが、空調のプロが行なう以上は、システムとして欠陥のない信頼性の高い安定したもので、かつ、社会的に認知されたものを提供する責任がある。
また、取扱いやその他の問題がある場合など、取扱者に説明責任があることを認識するべきである。
既存室を、前記3の内容で改修するとクラス10000を確保できます。は、4, リニアールコンセプトとの摺り合わせ(1)〜(5)にあるように、常に正常を保つことが出来るものであることがプロの責任である。
対外的には、HPフィルターを付けたことで、空気のみクラス10000ではクラス10000のバイオクリーンルーム、手術室とはいえないものである。
一例を上げると、空気はクラス 10000を確保できても、部屋の壁タイルの目地から塵埃が落ちるということが考えられる。これではクラス10000とは言えない。システムは全ての機器関連するものがクラス10000を確保することによって成立するものである。
このように各構成要素が、全てクラス10000を最低限上回る精度と能力を持つもので構成し、システムとして欠陥のない信頼性の高い安定したものであり、かつ、予想超える使い方にも、この場合・この状態でという問題点が最小限であり、社会的に認知されたものでなければならない。当然試験デターは、全体と諸条件がクラス10000を上回るものでなければならない。
それはバイオクリーンルーム、手術室というものが、クラス10000必要なもの全てを具備し、室のクラス10000という文字や言葉から、間違いのないバイオクリーンルーム、手術室として成立する部屋を顧客に提供しているという安心感が必要である。
特に、リニアールコンセプトが明確でない場合は混乱する。また、システム音痴の呪文では、例、「AをBに取り替える、物を取り替えるのみ」では問題は解決せずに、さらに新たな問題を生むものである。本来は、時代と伴に、変化する技術や社会的要求に対応するものを提供すべきである。
そこには、地球環境等の時代背景、技術さらにソフトや説明責任が伴うはずであるが、その情報取得作業を行っていないという状況にある。また、システムエンジニアとして責任の所在と、何のために行うのかというところが曖昧でコンセプトが不明確である結果を示している。
7,リニアールコンセプト(renewal concept)
改修を行うには、
(1)今から、また3年、5年,10年間使用区分、期間の限定。
(2)20年前の機器更新ではなく、これからの時代に合うもの、時代に即したものでなければならない、旅客機から戦闘機。
(3)労務管理での、管理方法、レベルが20年前と変化している、対応できるもの。
(4)環境問題、PL法など対応できるもの。
(5)空気清浄度クラス10000にする。
コンセプトと思考の限定とシステム限定
リニアールコンセプトを読んで4,を読んでください、コンセプトの有無で、これ程思考に基準に違いがあるか感じてください。言い換えると、思考枠の限界から限られた枠への置換である、これを行える者がシステムエンジニアである。
2,の時点でコンセプトがあると簡単に読み進めることが出来たと思われる、無い場合は4,の一つ一つの検証が必要であり大変である。特に、4(4)にはPL法では10000は確保できないとあるが、リニアールコンセプトでは対応とある、この差異を埋める必要がある。コンセプトから思考の限定とシステム限定が必要である。次ページの手術室改修前(現況)、更新図例を参照下さい(別項にて掲載予定)。
平成17年4月14日 訂正
平成17年4月9日(土)
13,施工前状況写真と指示書
写真という指示書
施工前の写真を撮るということは、状況を写真に撮るという一元的なものではなく、その状況からどう計画する、どう施工するかということを考えて施工前状況写真を撮るということである。
設計図から、現場代理人が施工する場所を確認して、どこからどこにつながるのかということを考え系統的に歩き、この場所はどのようになっているか写真を撮る、後で写真を見ると特徴的な内容を思い出すことができる写真を取っておくことである。
具体的には、例、低動力主幹は電気室のどのブレーカーから接続して、ラックの上を経由して、屋外に出てマンホールに入って地中配管で、病棟に至る。と図面にあると、全く同様に歩きその内容を写真に撮る。
すると、地中配管には予備はなく、新たに掘削して配管する必要がある。いやよく見ると、予備があるサイズからこの工事には使えるなど現地を確認すると同時に写真を撮る、正に施工前状況写真であると同時に、施工方法の確認が行えたということである。新築でも改修でも同じように行うべきである。
また、前記内容状況写真とは全く異にする方法、どのように施工するかをイメージしながら写真を撮るという別のベクトルがある。
施工を主体として撮った写真に、そのまま施工内容を記入、写真の上に絵を書き入れる、施工計画である。
以上のように、施工前写真「@現状確認、A施工方法」についてを確認するものである。
これら内容を、「@現状確認」施工前状況写真として整理して報告する。
これと同時に、「A施工方法」施工図を作成する、@現状確認を行っているため施工図の作成は容易に行うことができるということである。
一般的な方法と間接管理方法
施工前は必ず現場を確認にいているはずである、その時には何人かで確認しているはずである。先ず現場代理人一人では行かないようである。それは、一人で見るとまた状況を伝えなければならないからである。だったら、もっと多くの人に伝えて作業が進められるようにすべきである。
その方法は、施工前の状況写真を撮り、この資料で説明して、説明を受けたそれぞれが現地を確認するようにすると、何十人もの人間が一斉に走ることができる、例、敷地内のA、B、C、D点の施工前写真「@現状確認、A施工方法」が写真レベルで整理されているだけで一斉に走ることは可能である。
その内容は(写真のみの指示書といえるもの、以降、指示書と呼ぶ)
@設計図、写真の方向位置を記入したもの。
A現況写真。
B施工方法を記入した写真(施工方法を写真に記入したスケッチ)。
指示書を手渡し、説明すると、各人が同時に現地確認して施工に一斉に走ることができるというわけである。施工に際しては、施工図を作成するわけであるが、現状確認を行っているため施工図の作成は容易に行うことができるということである。
欲を言うのなら、そこに、系統図があると、さらに全体と部分が理解できるため、より内容が理解できるものとなると同時に、確実に内容を短時間で伝えることができる方法である。
そうすると管理というものが、直接管理から間に入る間接管理に変わることができる一例である。間接管理になると、自分という枠から、1対複数の何十人という人数の管理者を動かせる条件が揃うことになる。
しかし、難しいシステムでなければ、指示書のみで充分目的は達するものである。施工という作業においては、これで、充分にことは足りるものであることを申し添える。
工事写真、
前記でいう、指示書は官公庁における、工事写真、工事報告書、施工管理報告書としてそのまま使用できるものである。
報告書としても、施工前状況写真として、説得力のある資料として利用できるものである。
平成17年3月31日(木)
12,データーベースと編集
工事写真と施工報告書(系図の確認)
1,データーベースとは
日々、ある平面ブロックという単位に区切って写真を積み重ねていくもの。具体的には、時系列に写真を並べて、ある平面ブロック、例、「何月何日の4階の西翼A工区の写真」を時系列に、工区毎に積み重ねたもの。
何を撮るかということであるが、串刺しの項で述べたが、下記の内容がある。
施工管理
施工状況、
施工計画書の手順、工法、材料、品質が確保されているか。
出来形(物があるか無いか)、完成。
設計、施工図通りか。
機能確認。
先ずは施工管理という観点から、上記施工状況を「時系列に、工区毎に積み重ねたもの」の写真をデーターベースとして確保する。
写真の羅列に、デバイス(devics)NOを付ける、日付、写真ナンバーを付ける、「例、2005、3,30、NO、35」これがデーターベースである。
最近は、パソコン内での処理が多いが、担当する人がプリンターで打ち出した同じ写真で会話することがないため、データーベースでの共通認識がないところが、共通のデーターベースとして成り得ない問題を残している。パソコンで見ると画面が小さいため、三〇枚あるいは四〇枚位しか一度に見ることが出来ない。
しかし、紙のデーターベースは、一畳位のテーブルに昔のカメラ、フイルム時代のベタ焼き(棒焼き)を並べた状態にして、最初の整理を行うことが出来る、これがパソコンでは出来ないところである。因みに、一畳位のテーブルにベタ焼きを並べると、写真としては約1000枚は並べることが出来る、これが違うところである。
デジタルカメラのデーターは、先ずは打ち出して、画面でなく紙で写真で確認し、そこに必要な書き込みを行う、これが使える、×記号の不要などを記入する。
また、関係する人がそこに記入する、ただし記入者名、日時はメモとして残す。そして、相互の情報交換する場として写真というデーターベースを使用し、情報の「見える化」を図り情報交換の場とする。
書き込みと、データーベースからの資料収集レベルによって、データーベースは変化する。第1次データーベース、第2・・・とデーターベースは変化する。
データーベースはそれぞれの段階によるデーターベースそのものがデーターベースとなるものであり、ペーパー、写真としてそれぞれが存在するものである。第何次かのデーターベースは、的確な書き込みと伴に写真は不要なものが少なくなり、必要なもののみが存在する率が高くなるものである。
2,データーベースから報告書の作成例
蒸気安全弁という項目でまとめると
安全装置という項目でデーターベースを作るのなら、例、蒸気設備の安全弁があるか無いか、有効に働くための機器構成になっているか、どことどこに付いているかを確認するものである。
データーベースの例、ファイル1の写真5に外来の安全弁が入っている。また、ファイル6の写真10に結核病棟の安全弁が入っているとする。
これをまとめる方法として、二つの方法がある。
@目次の作成、どこに何があるかのリストを作成。インタフェイスあるいは読み替え表の作成である。
写真を動かすことなく、目次を作成して必要な報告と写真を確保する方法。
例、表題は蒸気安全弁、縦軸に撮影日時「例、2005,3,30」の羅列。その右側に、ファイル1の写真5を同様に羅列する。その右に、ファ イル・写真番号、写真内容、施工状況と確認内容を記入する。
その一行を表すと、左から、日付、ファイル番号・写真番号、内容
「例、2005,3,30。ファイル1・写真5。写真内容、施工状況と確認内容。」という表になる。
この表が必要に応じて、表題、各項目毎に作成される。
Aデーターベースから写真を動かす、例、表題は蒸気安全弁というファイルを新たに作成する方法。
全く新たな報告書を作成する、目次の作成。
データーベースから報告書の作成は上記@Aと方法はあるが、報告写真・書類の量がすくない時には、「@目次の作成、どこに何があるかのリストを作成。」で済むが、量が多くなると「Aデーターベースから写真を動かして、新たにファイルを作成する方法。」にならざるを得ない。
上記の決定を下すまでは、「@目次の作成、どこに何があるかのリストを作成。」で全体把握を行い状況を見る、内容からどちらがよいかを検討する間と見るとよい。
3,報告書が出来ないときの事例と対応
@最初から完璧なものを目指すため労力と時間が足らなくなる。
対応、編集できる人を投入する、人数を増やす。
A編集レベルの階層を認識せず、段階的編集レベルを上げることが出来ない方法 を取る。
対応、形が変化できない報告書の形態でなく、変化できる形態とする。
B後から資料を添付すると、段階的編集レベルを上げることが出来るシステムと する。
対応例、建築キープランで作成したデーターベースを、電気、機械での配管、 支持など具体的確認内容を順次挿入添付することによって段 階的編集レベルを 上げることが出来る編集とする。
C現在のレベルで編集が出来ている、最終完成では編集レベルが変化するが中間 域での安定があるものを作成。
対応、中間域の安定を持つ編集を行う。
Dデーターベースがないとき、写真がなければ何も出来ない。
一般的には、報告書を作ると、写真は次に使うという観念がないため、整理されずにそのままとなり、後で使用しようとしても探し出されないと いうことが多いようである。ここには、データーベース成り得ない資料が存在する。写真はあるが、有っても探し出せない。
4,串刺し報告
データーベースから、串刺し項目を決定して、「壁面取付アウトレットボックスの支持方法」を検証すると、次のような項目がある。
軽鉄間仕切部、
L形持ち支持あるいは三分ボルトでの支持がされているか。
コンクリート壁部、
鉄筋にスタットバーで止められているか、型枠にボルトで止められているか。
塗り代カバー、継枠、
適正に施工されているか。
データーベースから上記項目を抜き出し、施工管理または報告書を作成する。 その内容は、前記2、@Aの中間域の安定を図りながら、段階的に編集レベルを上げていく方法を取るものである。
様々な確認事項に対して、データーベースから串刺しによって施工管理または報告書を作成するものであるが、この報告が如何様にでもできるものがデーターベースというものである。しかし、何が必要か予め分かるはずである、また、何をすればよいか計画すればよい話であり、この項目には何枚というように、工程表から時系列に枚数を換算し全体枚数を決定するとよい。
編集方法としては、ある部分を時系列に最初から最後まで一度に並べるか、平面ブロックという単位で施工上のポイントを、ある時(ある工程)のみを並べ整理するかというような編集方法がある。
また手違いや、施工法の間違いなどが生じると、現場全数確認というようなことも生じるため、充分な施工計画と施工確認が必要であることを申し添える。
編集には、報告というまとめ方に「@最初から最後まで一度に並べる」「Aある時(ある工程)のみを並べる」という方法がある、どちらがよいか内容毎に検討する必要がある。
訂正、 平成17年4月1日
加筆・訂正、平成17年4月2日
平成17年3月11日(金)
11,受電電圧不安定時の危機管理対応事例
操作における危機管理方法
1,事故内容
山陰地方において、場所の特定は避けさせて頂きます。
冬季には雪、風と共に砂が舞い上がり、病院の窓に吹き付けるというところである。
(1)台風シーズンに過電圧が(下記設定6900V@)発生して、受電遮断器 が作動して停電となった。
(2)停電し発電機は正常に作動し送電する。
復電時に、電力会社の受電電圧が(下記設定値6000VA)を確保できず、自動において復電(電力会社に切り替え)出来なかった。
上記状況から下記周辺との違いに戸惑う
周辺との対比から機械はまともに働いているのか、まともに働かないのなら要らない。発電機というシステムに苛立ちと不信感が芽生えている。
(1)の状況では、病院は停電になったが、周辺は電気が点いていた。
(2)の状況では、周辺は点灯しているのに、院内は停電で発電機からの限られた少ない所しか電気は点いていなかった。
2,電気事業法において、標準電圧は次のように定められている。
標準電圧
200V系は、202±20V(182〜222V)
100V系は、101±6V (95〜107V)
末端負荷から見る、低電圧時の高圧電圧は、
95V×(6600/105)≒5970V・・B
末端負荷から見る、高電圧時の高圧電圧は、
107V×(6600/105)≒6725V・・C
ここでは、病院における人工呼吸器など緊急を要するものについて特に考慮して、利用者、使用者の安全を考えて次のような安全装置があり作動設定がされていた。
過電圧・不足電圧設定値は
低電圧時の高圧電圧は、標準電圧5970VBを6000V・・Aに設定
高電圧時の高圧電圧は、標準電圧6725VCを6900V・・@に設定
3,機器の特性と末端負荷電圧
不足電圧は約90V切ると、
一般的には作動不能、あるいは制御不能、測定誤差拡大などの状態が生じる。ひどい機器は低電圧のため故障するなどのものもある。
過電圧は、約110V台の後半超えると、
不足電圧と同様であるが、加熱状態がひどくなり、この熱のため加熱故障、焼き切れる等の問題と、出力の電流・電圧異常、高温異常などの問題が生じ、 人体に接するものなどで大きな事故となる可能性がある。
4,機器特性を確保するための電圧設定
前記1,の事故内容時の継電器設定値
不足電圧継電器、過電圧継電器が設けられている。
設定は、電気事業法における標準電圧に近いところに設定されている。
不足電圧継電器(設定、100V、時限0、1秒)
計器用変圧器から見る高圧電圧は、100V×(6600/110)≒6000V
過電圧継電器(設定、115V、時限0、1秒)
計器用変圧器から見る高圧電圧は、115V×(6600/110)≒6900V
5,トラブルは「山陰地方における海辺の送電線経路」の電力供給状況が起因している。
00変電所から送電線約7、0kmを経て供給されているため、経路が長く、しかも、病院が位置するところまでの間に、病院と同容量の大口需要家の施設が一つあるという状況で、後は小口の需要家である。なお線路の全長は約10、0kmである。このため、大口需要家が多くあるとバランスがとれるが、大口が二施設でしかないため電圧の安定を確保することが出来にくいと,ころにある。
結果として、台風時には需要家稼働停止等により電圧の上昇、前記1(1)の例、「標準より高い過電圧」になり標準電圧を確保できなかった。反対に、停電ではないが、前記1(2)の例が、「標準より低い不足電圧」が生じた。過電圧、低電圧は異常であり、事故と考えられる事態である。
事故は、人間が確認して、安全であるという事でなければ、電力会社あるいは発電機で電気を送ることが出来ない。もしも事故であった場合は、電気を再送すると、事故の拡大、停電区域の範囲拡大等となり事故を大きくすることになる。
このため、事故では発電機の自動起動は行なわない。低電圧の電気が来ても同様、自動では復電作動は行なわないように、制御が作られている。
このことが、周辺は電気が点灯しているのに、なぜ、点かないのだということになったと思われる。
6,復電検出・発電機を動かす不足電圧継電器設定
ここでいう継電器は、停電、復電というものを、基本的には電気がない、来ているという状態を検出ものである。制御的には次のように事象を定めている。
制御的検出と事象の定義
停電は、電気事業法において標準電圧(5970V)≒設定(6000V前記2A参照)を下回り、かつ、一般的には、一定時間(例、2秒〜10秒程度)継続して停電することを、停電としている。
復電は、標準電圧を確保して、かつ、一定時間(例、1分〜10分程度)継続して復電することを、復電としている。
しかし、「山陰地方の海辺の病院」では電圧が安定せず6000Vを下回ることもある状況から、設定した(6000V前記2A参照)を、制御的には復電の標準電圧と読み替える。
手動における管理的対応
1,内的外的要因の判断
「復電ではない・過電圧、停電ではない・低電圧は異常であり、事故共考えられる事態である。」は、事故であるため、専門の技術者が状況を確認して、院内、あるいは、外的要因なのか確認する。
(1)院内の異常であれば、異常部分を一時的に切り離す、改修する、異常回避を 行なう。以後に、院内正常回路の状況から、発電機から、または電力会社から の送電をする判断を行なう。
(2)外的要因であれば、自己完結的に対応する。方法は、発電機で対応する。
以後、確認して異常がなければ、電力会社からの送電に切り替える。
2,予め外的要因で停電すると予想される場合
前記1(2)外的要因であれば、自己完結的に対応する。に該当する。
方法は、例、台風の時など、台風が接近した時から、通り過ぎるまでの間は、発電機(機器)を手動にして発電機から電気を送り続ける方法。
手動にすると、外的要因に同期することなく、変化することなくその状態を維持することが出来る方法となる。
これは、制御の自動というものを使うことなく、人間が予め状況を予想して、予想が行える範囲を手動で対応する方法である。
労務管理的には、手動の間は人間が判断するため、判断を必要とする間は発電機の近く、あるいは、中央監視装置の側で監視の必要がある。
3,外的要因を考慮した施設コンセプトからの判断
本来は、電気事業法の標準電圧は確保されるべきであるが、客観的状況から、確保されると考えることは無理と判断する。管理的に、標準電圧の値を前記事実から上下限幅を広げて、下記の値に変更する。
以前に設定した値、
低電圧時の高圧電圧は、標準電圧5970VBを6000V・・Aに設定
高電圧時の高圧電圧は、標準電圧6725VCを6900V・・@に設定
変更設定
電力会社の送電担当者、病院の主任技術者と相談して、気候風土と電力系統の 環境から「下限を下げ、上限を上げ」て正常という幅を大きく設定し、病院の 運営、医療機器の特性から勘案して、危機管理に対応できる値とした。また今後の、状況の変化や経緯から適切な対応が必要であると考えられる。
低電圧時の高圧電圧は、標準電圧6000V≧値に設定。
低圧の末端負荷は95.45V≧値になる。
高電圧時の高圧電圧は、標準電圧6900V≦値に設定。
低圧の末端負荷は109.77V≦値になる。
参考
末端負荷電圧は、変圧器の電圧を基準に算出(6600/105)の変圧比で算出する。
継電器は、計器用変圧器の変圧比(6600/110)で算出する。
変圧比の違いから、値に若干違い、差が出るため、読みにくいので、基本は高圧受電電圧と末端負荷電圧を基準に表している。
h17,3,6
10,系統図が止まるとき
1,「最初」の系統図の貼り込みが終わり、資料集めが終わったとき
2,第一回目ダイジェストが出来たとき
3,第2、3,4回目ダイジェストが出来たとき
4,試験要領書が出来たとき
5,取扱説明が出来たとき、「完了」
1,「最初」系統図の貼り込みが終わり、資料集めが終わったとき
必要な情報、自分にとって知識がなかったところ、気になるところ等を情報として収集しているため、2,第一回目ダイジェストに移行できないところがある。編集する際、せっかく集めたものであり、自分自身にとって捨てがたいものが多いため、編集という作業にいつまでも入れないという状態になる。
現に、ダイジェストを作成しなさいといってもいつまで経っても、ぼろぼろになった表紙の、分厚い系統図を後生大事に持ってきて説明する。ある事柄が議題になると、それを探そうとしてもあまりにも多くの資料があるため、なかなか探しきれないという状況である。
その内容は、系統図として貼り込む最初は、資料も少なく貼り込んだ二,三枚のA1があるのみであるが、資料が多くなると、目次での区分、グループ分けや、階層性などが混乱を来し、ただ必要なもの資料をA1に貼り込んでいくだけとなる。
これはもう整理が必要であるという信号である。
この時に系統図が止まっている、また思考も系統図があるという満足で停止している、編集が進まない、編集をしなければという意欲がない時でもある。
ダイジェストの作成方法
一つの案であるが、全く携わったことがない、新しい人(第3者)が入って、8枚貼りのダイジェストを作るというのも方法である。作成した者が系統図の内容を説明して、その説明から、新しい人が8枚を選びダイジェストを作成するのも方法である。
系統図を説明して、説明から、新しい人が8枚を選ぶという行為を行えるということは、説明用の系統図がいかに理解できたかということである。
そうすると、自分が作成したものでないため、思い入れや愛情がないため、躊躇無く、バードアイで思考的に判断して、機械的に必要なダイジェストが作成できる。という方法である。
鳥取県の現場で、上記の方法で実際行ったが結果は、思った以上に効果が出た。系統図を作成した者は納得がいかないので後で何枚か貼り付けていた、これも必要な思い入れであろう。
2,第一回目ダイジェストが出来たとき
こんなに少なくなるのか、最初の系統図が無ければ対応できない、不安がある。ところが、実情は第一回目ダイジェストが出来上がると、ほとんど最初の系統図は見ることがない。それは、既に情報として知識として定着している、このため最初の系統図を見ることはないということである。
第一回目ダイジェストが出来たときにも、これで終わったと止まってしまう。しかし、下記の項目に展開すると状況は大きく変わる。
着工後、早い時期に第一回目ダイジェストが完了した場合は、次のような展開となる。
顧客への説明、
この系統図を持って、顧客に説明用として使用する。また、顧客の方も系統図があるため理解が出来る。
同業者、異種業者への打合せ、
系統図があるため短時間で意思疎通が容易となる。
試験要領書が直ぐに作成できる、
作成した系統図を使用すると試験要領書になる。
取扱説明書が直ぐに作成できる、
作成した系統図を使用すると取扱説明書になる。
承諾図が直ぐに作成でき、短時間で承諾ができる。
第1回ダイジェストができると、そこにはコンセプト、機器の目的、操作使用方法等が網羅されている。第2,3回ダイジェストでなくても十分対応できるものである。
一番機器の特性、特徴を知っている承諾図提出メーカーは、系統図と承諾図の機器の照合を行い、機能取付方法、要領等も含めて確認する。この事によって、承諾図は系統図との照合でほとんど問題は解決される。方法は、系統図を添付し、確認して提出することである。後は、一般的な設計との仕様(共通仕様書等)確認である。
3,第2、3,4回目ダイジェストが出来たとき
最初の系統図は、機器システムの概要がどうなっているか、全体を把握できるもの程度である。
系統図作成者の能力によって下記の内容がどの程度含まれるかが決まるものである。この一つ一つを理解していないときに、思考は止まる系統図は止まるものである。すなわち、投影されているか、これから投影しよう、このときに、その知識がない、足らないとき投影できない、思考は止まる系統図は止まるものである。
(1)管理上の観点から
システム構築が出来ていない、系統図が出来ていない。
(2)高次制御、全体制御
中央監視などで如実に表出する、高次制御、全体制御が構築されていない。例、現場盤での制御は出来ていても、中央監視からの制御が出来ていない等の、系統図から読み取れない。
例、空調制御において中央監視盤の制御は何をしょうとしているか分からないという、全体との関係が分からないなどが端的な例である。
電源系と制御系の区分
停電時に非常用発電機から送電できる、非常回路に接続するのか、しないのか。主幹はどこに接続するのか、変電設備の非常回路か、一般回路か、それとも空調設備の、例、現地盤には非常、一般の二系統を送り込むのか。それとも、幹線は非常回路のみ送り込み、停電時は、必要負荷(非常用負荷)のみを残し、制御で切り離すのか、その組み合わせを高次制御または全体制御という。
(3)労務管理上
労務管理上の、人員配置、滞在時間、管理・制御熟練度、等の観点から、
機器と人間の関係が系統図から読みとれるか。
(4)操作から、
人間が扱いやすいか、理解しやすいか、人間と機械の関係が人間にとって負担になっていないか。肉体的、精神的安定するように構築しているか。
系統図の作成は、誰もが最初の系統図で上記内容(1)〜(4)まで投影できるかというと、個人差があるため千差万別である。そのため、系統図の完成には
第2、3・・回目ダイジェストの作成が生じることとなる。慣れていない人は、上記内容(1)〜(4)をこんどは(1)管理上の観点から投影を行い、次に(2)高次制御、全体制御を投影というように行うため何度となくダイジェストの作成が生じるというわけである。
さらに状況の変化が生じた場合の、例
第2、3・・回目ダイジェストが出来るということは、最初の系統図が出来たときから、状況が変化したり、設計変更が生じたり、変化があるときである。
変化に対しては、元々系統図があるために変化に対応が出来る、変化内容や場所、箇所が明確になるため変化内容は一目瞭然である。また、1回目、2回目・・の変更についても同様に変化内容は一目瞭然である。
設計変更の内容はもちろん、金額把握も同時に行うことが出来る特徴がある。
4,試験要領書が出来たとき
ダイジェストを使用して、試験要領書を作成する、系統図の通り試験をすると、試験になるというものである。
最初の系統図の機器概要からの機器そのものの試験要領書の作成。
そして、機器に含まれる付随するソフトといわれる前記「3,(1)管理上の観点から、(2)高次制御、全体制御、(3)労務管理上、(4)操作から」の系統図を使用して、その内容通りの試験を行う試験要領書を作成するとよい。
試験要領書も思った以上に簡単に作成できて、気を抜くところである。
5,取扱説明が出来たとき、「完了」
ここでもダイジェストを使用して、4,試験要領書同様、系統図の通り取扱説明をすると、説明になるというものである。
そして、機器に含まれる付随するソフトといわれる前記「3,(1)管理上の観点から、(2)高次制御、全体制御、(3)労務管理上、(4)操作から」の系統図を使用して、その内容通りの取扱説明を行うとよい。全てが完了する。
平成17年5月1日(日) 2,「承諾図が直ぐに作成でき、短時間で承諾ができる。」追記
これより上段は、新しいものを上段に掲載します。
平成16年4月17日(土)
9,台風時の発電機起動不能
事象分割とシステム協調
台風時に、発電機の起動について次のようなトラブルがあった。
場所の特定、時期については控えさせて頂きます。
台風が近づき強風と伴に豪雨の中、停電した。停電の時たしかに発電機が起動し電気は送ってきた、部屋の電気は点灯した。何度かこれを繰り返した後、停電が3〜4時間も続いた。この時、発電機を動かそうとして、手動で起動させようと操作をしても、反応が無く全く起動しないという状況であった。
管理責任者から原因はともかく、非常用発電機があるのに、なぜ電気が来ないのだ、おかしいということになった。
発電機の概要
ディーゼル発電機、3φ3W 6,600V 400KVA 空気起動 燃料A重油
原因を調査した。
台風が通り過ぎた後、発電機を起動させてみた、間違いなく起動する、別に異常はない。停電時の電気を送るための制御、遮断器(VCB)等も正常であることを確認できた。さらに、システム全体を確認するため、引込点で開閉器を開閉させ模擬的に停電させてテストを行なった、停電、復電共に全く異常が見られなかった。
ただ一点、「手動で起動させようと操作をしても、反応が無く全く起動しない」件については、停電時に慌てて起動させたため、2本ある圧縮空気槽の一本は圧力は下がっているので、予備のもう一本に切り替えることを忘れていたようである。
これら状況から、圧縮空気槽の圧力低下、圧力がなく起動しなかったということが判明した。そこで、圧縮空気槽の圧力がなぜ低下したか確認する必要があった。
何度か停電をしたということから、回数を確認した。主任技術者はその時には数えられなかったが、ロガーのプリントから確認すると、12回/2時間の停電を確認できた、うち10回は40分以内に集中している状況であった。これから類推すると、空気槽の圧力が上限一杯の時から停電が始まったとすると、消防法でいう4回は起動可能という条件を満たしている。4回をこえる停電には、起動できなくなるということである。
状況は、停電は「10回は40分以内に集中している」ことから、停電回数では当然空気槽は空気圧低下であるということである。すなわち、起動できない。機器としては正常であるということになる。
対策は
ならば、空気圧が低下しないようにするにはどうすればよいかということになる。
自明なものとして、空気槽の空気圧が低下し、起動できないことがないようにすればよい。空気槽の空気を使用しても、すぐに使用しただけ補充できるというようにすれば、この問題は解決する。
それには、発電機が起動すると「使用した空気が補充できるまで発電機は運転する。」というような極端な条件設定が考えられる。
中間的処理として、4回までの起動には耐えられるということであるのなら、その半分まで回数を確保できる圧力まで下がると、「使用した空気が補充できるまで発電機は運転する。」という方法もある。
すなわち、自分が使用したものは自分で処理する「自己完結」という方法である。この方法が同期・協調をとる場合もっとも簡単にとれる方法である。
それは、発電機が空気を使用すると、自分が発電した電気で空気槽を補充するということである。外的要因による、を一切の干渉を受けずに処理できるところに大きな違いがある。しかし、ここでは同期・協調を「発電機の始動・運転と空気槽」という限られた条件で考えられているが、実情は他に多くの条件が複雑に絡んだものであるため、簡単には同期・協調はとれないものである。同期・協調は、複雑になればなるほど私の提唱する事象分割という方法を取り入れると可能となるということを付け加える。
事象分割からの同期、協調例
制御としては大きく分類すると、停電フローと復電フローというものに区分できる。これも、二分することそのものが事象分割であるが、ここでは話が交錯するため区分して、区分済み、これから考えるようにして下さい。
本事例では停電の内容であるので、停電フローと空気槽との関係から検証してみる。
停電フローは
@停電確認時間(0から10秒程度)+A発電機起動時間(10から40秒)+B発電機から送電するための切り替え(10から30秒程度)。
合計、最大80秒間の停電フローである。
空気槽充填時間
@空からでは約20分から30分位、A自動で最小起動可能圧力約22sから充填圧力約31sまでの時間は10分位である。
最もこの時間はコンプレッサーの容量によっても変化するものであるが、目安として提示する。実際に制御として使われているのはAの方法である。
事象として、停電フロー80秒間、 空気槽充填時間A10分間または@30分であるので、「使用した空気が補充できるまで発電機は運転する。」という考えで、事象を構成する。
空気槽充填時間の@Aのうち、何れかを採用するかは、空気槽の空気がどこまでなくなった時に、空気槽が空もしくは最小起動可能圧力に状況が対応できるかという、対応範囲の違いであるので、周辺状況やシステムの目的から決定する必要がある。
空気槽充填時間A10分間で話を進める。
停電フロー
停電フロー,または発電機から送電時間を 、空気槽充填時間A10分間 の、どちらか時間幅の大きい方を停電フローと考える。
停電・復電というサイクリックするフローの中で、停電フローでは、 @停電確認時間、A発電機起動時間、B発電機から送電するための切り替え時間、を含む事象を分割し、自己完結型の停電フロー事象として、包括する同期・協調を取ったということである。
復電フロー
発電機では停止時に、停止命令後、燃料給油管に入っている油量で燃料カット後も、運転を続けるためタイムラグが生じる。
これを大まかに分類すると、C停止命令後最初の2〜3分は無負荷運転でクールダウン、D残りの1分は燃料カット後のエンジン停止までの時間である。C+D合計最大3〜4分間。
発電機の動きは、C停止命令後最初の2〜3分は無負荷運転でクールダウン中、この間は起動命令が出ると、直ぐに運転状態に入ることが出来る。
すなわち制御とは
C停止命令後最初の2〜3分は無負荷運転でクールダウン、D残りの1分は燃料カット後のエンジン停止までの時間、C+D合計最大3〜4分間。のうち、C停止命令後最初の無負荷運転でクールダウン中、この間は起動命令が出ると、直ぐに運転状態に入ることが出来る。
自己完結型として制御にどう組み込むか、
(A停止命令後最初の無負荷運転でクールダウン中を)
イ、最大限利用して停電フローに即座に入れるように制御を作るのか。
ロ、また、C+D合計最大3〜4分間を発電機停止フローと考えて、停電フローの始まりから終わりまでを一つの動作と考え、次の復電を待つ制御を作るのか。
というように、イ、ロの様に事象分割の方法により制御は大きく変化するものである。
また、C+D合計最大3〜4分間を復電フローで吸収することも可能である、それは停電の後は復電であるからである。一例として、復電フローのE復電確認というものを設けて、この確認時間後でしか、復電フローに入れないという様にするとよい。この復電確認時間を「C+D合計最大3〜4分間」を越えるものとすると、復電フローは停電フロー時のタイムラグや不同期、不協調を、E復電確認という時間で全てを同期、協調させることが出来るものである。
この様なサイクリックでものを考えると事象分割も、分割しやすいものとなる一つの事例である。バードアイ工事管理方法(P152)事象分割参照、有光正和著。
平成16年4月17日
8,危機管理と仮設発電機の運用
単相負荷60サイクル地域での危ない使われ方
工事現場においては、大容量になると通常三相の発電機を使用している、発電機の製造も三相発電機が主力である。
このため現場では、大きい容量の単相電源を確保できない状況にある。
この状況から、三相発電機の出力電圧と巻線状態から単相負荷に供給できる方法を模索してみる。
一般に使用されている発電機の巻線状況は、スター巻線方式を使用している。このため、メーカーや地域によって多少違いはあるが、次のような標準電圧を確保できる、例、出力・定格三相(U,V,W間)210ボルト前後、中性線(点)から、出力U,V,Wそれぞれと中性線(点)間で約121ボルト前後というものが確保されている。
単相、大容量負荷利用を考える
一例として、単相電源は出力U,V,W,と中性線(点)で標準121ボルトというものが確保されている、しかしこの電圧では、定格電圧100ボルトの家庭用電気器具、あるいは医療機器類その他には供給できるものではない。何故ならば121》100Vであるため、高い電圧のため機器が異常加熱したり、制御ができなくなるからである。
発電機には、電圧調整装置が付いているため、どうしても単相負荷の電源が必要とする場合、この電圧調整装置でコントロールすると可能である場合もある、下記にその状況を述べる。
日本には50サイクル、60サイクル地域がある。
発電機の一般的最低電圧コントロール範囲(100KVA前後)
50サイクル地域では、200V±20V、180〜220V(U,V,W間)
60サイクル地域では、220V±20V、200〜240V(U,V,W間)
発電機の巻線はスターであるため、中性点とそれぞれU,V,Wで取り出すと、50 サイクルでは約104V、 60サイクル地域では約115Vとなる。地域に合わせた使い方がされている。
60サイクル地域での対応
今回使用する地域は60サイクルであるため、ほとんどの発電機は最低電圧が「約115ボルト」が限度で、これより低い電圧で供給できないという発電機がほとんどであるという状況である。
特に、信頼度の高いもの、病院などの生命維持装置等については、発電機の二次側にトランスを設置して、安全・確実な電圧100Vを確保できるようにしなければならない。タイトランスとしてスコット(⊥)結線、ブイ(V)結線などを使い対応することである。確実な電源として確保が出来る。
特に、上記のV結線のトランスを接続すると発電機側に負荷バランスに問題が生じる。三相の負荷バランスは2:1:1になる不平衡である。この場合、理論上は、発電機の定額出力の50%以下の負荷で使用することとなるが、安全を見て40%以下が適当であろう。
しかしながら、最近一部メーカーに置いて、発電機の巻線スターの三相電源より、中性点と中性点に近い巻線の位置から取り出して、60サイクルでも105V前後の電圧を確保できるものもある。
「警 告」仮設発電機の使われ方と現状
ところがここに大きな問題がある、工事現場の単相負荷では、あまり考えずに前記で触れた「約115ボルト(三相間200V時)」で供給して、全国的に一般的に使用されている事実がある。その内容たるは、工事現場では長い送電距離があるため、110ボルト以下に電圧降下するほとんど問題が出ていないなど、荒っぽい回答が発電機リース屋さんからの回答であった。
工事現場ということでは現に問題は出ている。
例、現場の担当者の聞くと、そう言えば蛍光灯などよく切れていた、というような話があった。その信頼度での、対応と責任範囲内の処理で解決して、問題が生じていないのが、工事現場の発電機と電圧コントロールであると考えられる。
生命維持装置への仮設発電機からの送電
非常回路の停電と危機管理対応
ある病院において、電気室において「非常回路の切替用開閉器を交換」したときの事例である。
説明会風景
1,赤いコンセントが切れている
「切替用開閉器交換」時に、通常の停電では、非常回路につながる非常用コン セント(赤いコンセント)が生きていて、他のコンセント(通常のクリーム・ 白の一般コンセント)が停電している状態である。
本事例では、いつも「生きているはず」の非常用コンセント(一般的には、 赤いコンセント)が切れるということで、危機管理上の混乱と動揺が生まれた。
2,正逆の危機管理パターン変化
「切替用開閉器交換」時に、非常用コンセント(赤いコンセント)が切れると いう状態が生じる、前記1,内容をさらに推し進める方法。
通常の停電と逆のパターン、で使用する方法がある。非常用コンセント(赤 いコンセント)が切れるのなら、一般コンセントを生かしておいて対応する方 法がある。
ところが何度も停電する中において、危機管理上、通常の停電と逆パターン に入れ替わる、また、正パターンに戻るということがある。このような状況は、 危機管理上混乱が生じるものであるため、危機管理のパターンはどのような状 況にあろうとも変化させないという強い意志を持つ考え方がある。
3,労務管理上の人員配当から停電を考える。
前記1,非常用コンセントが「生きているはず」という危機管理上の観念から 外れる「電気がこない」という方法。
上記内容から、労務管理から考えると、「生きているはず」が「電気がこな い」切れているこれだけで危機管理上重大な問題である。それがさらに、「生 きているはず」が「電気がこない」、この時、一般コンセントに接続替えする。 また、この逆・正を繰り返すなど危機管理上あってはならないことである。
労務管理上の勤務態勢等で、
例、前日の勤務時は、非常用コンセント「生きているはず」の観念の基に作 業していた。次の勤務時に「生きているはず」が「電気がこない」では、一人 だけの職場でさえ混乱を来す。
まして、チームで 多くの人間が係わる病院等では、2あるいは3交代勤務 では人が入れ替わるため、状況の伝達がうまく伝わらないところがある。混乱 を来す処の話ではない、充分な計画、対応と確認が必要であろう。
4,仮設による対応
「切替用開閉器交換」時に、前記1,2,3に示す問題点と方法もある。が、 仮設という方法もある。即ち必要なものは全て仮設で設けるという考え方であ る。
この事例の場合、発電機を置いて、配線して必用な場所に、必用なもの、例、 コンセント等を設ける方法である。費用は掛かるが比較的安全な方法である。 難点としては、仮設であるがため全ての器機、器具、その他のものが信頼性が 低いという問題がついて回るものである。
5,危機管理体制の維持
危機管理を体制維持するために行う、改造、補修等の時に、危機管理体制を逆 利用しながらでも、体制を維持する必要などの対応も、危機管理体制維持の長 期展望に含まれるものである。
極論ではあるが、戦略的には、本来の危機管理体制を維持することが目的で あるため、既存の観念さえも逆に利用することも、危機管理であると考える必 要がある。
改めて危機管理とは
非常回路といえども、危機管理上生命線であろうが時間が経つと、いずれ、取り替えたり改修したり何らかの維持管理上の処置が必要である。この時にどう対応できるかが本来の危機管理である。情報回線の不通も同様である。
極端な方法は、もう一つ危機管理用の設備を持つハード的対応。または、設備はないが人間による設備を上回る情報交換からソフトによる対応がある。
本来危機管理とは、ソフト、ハードが伴に不足分を補い合い、危機管理を達成することにある。このため、前記の問題点、混乱などはソフト、ハードのどちらかがダウンしても、次のハード、ソフトが代わりを行うものである。
しかしながら、通常の施設、あるいは病院レベルの変電システムではハードの代わりまで準備しているところは少ない。例、非常回路が故障、取り替え等の場合に、次の代わる設備まで準備されているかというと、それは先ず無い。という状況にある。すると後はソフト(人間)しかない、ソフトで対応するしかないということになる。
本事例では、危機管理の体制維持はソフト(人間)に掛かっているという危機管理体制である、と考えられる。これで、この体制でどうするかということが危機管理の危機管理である。それには、J・ガルブレイズのいう横断組織の設計と運用である、と同時に、組織構成員全員が一丸となって危機管理を達成するという意志、組織の意志が必要であると考えられる。
平成16年5月22日(土)
7,システムにおける個と全体との相違
システムとラッシュ(突入)電流
システムにおける個と全体との相違(システム確認とラッシュ(突入)電流)
ある施設で、特高受電主変電所の一般回路6.6KVA電気系統の改修があった。
時期、場所の特定は控えさせて頂きます。
主変電所は設置してから約20年経過している、研究所も相前後して設置したものである。主変電所は特高受電で二系統受電であるため、二十年近くも停電がなかったため非常回路として利用した事実がなかった。また、遮断器や関連する機器が経年変化のため正常に作動するか確認する必要があった、このため前記の改修に先立ちテストを行った。
テストにおいて、主変電所から、非常回路を利用して研究所に送電しようとしたときの話である。
1,研究所を設置したときには
主変電所に併設された非常用発電機の容量にもゆとりがあり、研究所全てを賄っても問題が無く送電できた。このため、研究所としては何の制御も手立てもなく、電源種(非常、一般)の関係もなく研究所全て賄えるというシステム構成になっていた。
2,送電系統を説明する
主変電所からは、一般系統と非常系統を切替えて、一本の送電ケーブルを使って研究所に送っている。研究所を非常系に切替えるには、主変電所で、切換器で一般から非常系統を切替え、送電するものである。
研究所の変電設備から見ると、電気が送られてくる線はケーブル一本であるため、電源種(非常、一般)によって、負荷を非常系統用に、あるいは一般系統用に自動で切替え利用できるようには構成されてていなかった。
3,テスト結果は
主変電所から非常系統で送るために、遮断器を投入すると、ラッチが外れ、開状態になる、繰り返しであった。調べてみると過電流継電器(OCR)が作動して、インスタントが作動して投入と同時に遮断するということであった。
古参の研究者の話では、停電時に正常に働いたということであったが、実際は送電不能という状況であった。
おかしいということで何度か試みてみると、時として3度目あるいは4度目に一度投入が出来ることがあった。
研究所の非常回路が駄目だということで、これまで非常がなければ研究試料が駄目になる、これまでの何十年も続けてきた研究成果が停電によって無駄になると、停電に際してクレームを付けていた、関係者が一同に驚いたということがあった。
ここで、停電時正常であったということはかなり古い記憶、研究所設立当時の約二十年前のことということが分かった。
4,原因調査の結果
研究所を設けたときと、現在の改修時前における状況が変化していることを確認できた。
(1)建築当初は電灯、動力のみでトランス容量として300KVA程度であった。
このテスト時には、設備増や冷房装置の増加により当初の4倍近い容量まで増 加している状況にあった。
(2)遮断器、継電器を調査してみた何れも正常であった。
改修に先立つテスト時のインスタントの作動テストも正常であった。
(3)電気的にケーブル、高圧機器類の絶縁を調査してみた、何れも正常であった。
前記(1)〜(3)このことから、特にインスタントの作動というところから疑問が生まれ調査した。結果、トランス容量が4倍近くにまで増加することによる、トランスのラッシュ(突入)電流ということが考えられた、対策としてインスタントの作動特性を検討して設定値を上げテストを行った、結果は、問題なく正常に使用できることを確認できた。
ラッシュ電流は一般的に約20〜30倍にもなる、特に小容量トランス10〜20KVA(油入単相)は、励磁突入電流第一波波高値倍率約40倍にも達する、このため要注意が必要である。なお、最新の省エネトランスなどについては、手元に資料が少ないので確認下さい。
もっとも、定常時の負荷電流は常に頭の中にあり、先ずこの件でトラブルことは少ない。
5,何故、これまでこの状況が解らずに事故なく来れたか
原因であるラッシュ電流すなわちトランス増によるところを、何故問題なく来られたかを検証してみよう。
研究所における過去の改修工事の記録を見ると、変電設備のトランスが何度となく、増設が行われていた。
改修工事には、その都度停電が絡むため、停電範囲を最小限におさえ、仮設負担や作業効率を図ることを目的として行われてきたものである。結果として、100KVAのトランス増設、また時期を異にして200KVAのトランス増設というように、「その都度、その場所のみを、その系統のみを増設し、またテストを行い、繰り返してきたため、全体が大丈夫だ」ということでの結果である。これで大丈夫だと思いこみがあったと考えられる。
さらに、二十年近くも停電がなかったため、非常回路を利用した事実がなかたという背景がある。
しかしながら、改修に先立ちテストを行うの様に、実負荷で実際に行うテストがいかに大事であるか認識する必要がある。この場合も結果として、実負荷として行ったためと、部分ではなく全体システムとしてテストを行ったことによる、系統的あるいは動的全体の実負荷テストによる問題点が噴出したものである。
6,システムにおける個と全体
システムは、「全体から考えこの部分が正常である」という結論と、 「その都度、その場所のみを、その部分系統のみを増設し、またテストを行い、繰り返してきた、個の集合が全体だ、だから大丈夫だ」という結論とは全く異にするものである。
それは関連するものを系統的に包括することによる結論@と、全体とは全く切り離しそれぞれ部分のみで結果を出し、個の集合体が全体との結論Aでは、@は全体である。が、Aはあくまでも個である全体にはなり得ないものである。
個という正常な物をつなぐと全体という考え方である。また言い方を変えると、正常な部分を、正常な全体につなぐと、全体は正常だという考えである。が、そこには、「全体から部分に至る系統的関係、またその逆の関係、さらに系統の間の整合性」における、部分をつないだ時点で系統が変化する、という考えがない問題点がある。
さらに、制御が絡むとタイミングとタイミングの重なりなど、動的要因が大きく関係するものである。これが、個の集合体と、システムといわれる静、動の系統的関係をシステム構築したものとの違いである。
特にPL法などでは、部分を改造する、部分を付加するなどの行為のうち、「全体から部分に至る系統的関係、またその逆の関係、さらに系統の間の整合性」の問題について、同一メーカーでなければ現実問題として処理しきれないところがある。また、例え同一メーカーであっても、事例としてシステム的には処理できないところが多々あることが指摘されている。
このような状況から、部分で完結するものは、全体へつないでも完結するものではない。システムとは、システム構築として系統的関係からは、部分は部分の完結であり、全体の完結ではないことを認識する必要がある。
平成16年6月19日(土)
6,医療ガス設備の現状と将来展開
A,病棟運営と医療ガス試験方法の差異
既存病棟にアウトレット(酸素)増設
たった一カ所の増設にしても、圧力試験を行い安全であるかを確認する必要がある。その方法が、使用中の病棟においては混乱を引き起こしている。
1,アウトレットボックス一カ所を増設するにも、JIS等で圧力試験方法が定められてい るため、病棟全体を24時間も酸素供給停止の状態を作らざるを得ない状況に ある。
2,酸素系統を区切るシャットオフバルブが、一般的に病棟系統に1カ所というのが標 準という状況にある。また、増設を前提とする成長変化ということを考慮した システムではない、閉鎖的システムである。このため上記1の状態が生じる。
対策、病棟という生命維持装置を必要とする所において、「増設のため、接続のため、試験のため」病棟全域の酸素供給を停止する、また24時間停止などという事態を、設けなければならないことそのものに医療スタッフから家族から苦情がある。試験は短時間で出来る方法はないのか。増設を考慮したシステム構築は出来ないか等を検証してみる。
例、アウトレット一般的増設状況
既設配管に接続して、アウトレットを一口増設したときのことである。
配管系統が通っている間に、T型の接続金物(以後、チーズと呼ぶ)を使用して割り込む、接続点をT(チーズ)中心に右左に分け、左を上流接続点@、右を下流接続点Aと名付ける。下に伸びる接続を増設接続点Bと名付け、これから配管してアウトレットボックス1カ所に至るものである。
既設病棟の、ガス流れの上流に位置する、図上、配管左端にシャットオフバルブを設けられている。
本来、患者のための病棟運営が出来るように、安全で患者に負担が掛からないように行うのが、病院の使命である。実情は、酸素を必要とする重症患者が入院中であっても、24時間もの停止テストを行わなければならないという試験基準について、結果として様々な問題が関連し派生している。この解決、試験方法の検討、さらに、酸素設備のシステム構成の再検討も含め考える必要がある。以下に対策と実情についてを述べる。
B,テストの方法
1,完工区域のテスト、2,全体のテスト、3,系統検査、方法がある。
1,完工区域のテスト
チーズから配管からアウトレットの圧力テスト。
既設配管の上流接続点@と下流接続点Aの接続前に、増設接続点Bと配管接続 し、言い換えると、チーズと配管を接続(増設接続点B)して・アウトレットまでを 一体として、圧力テストを行なう。
試験方法は
圧力はJIST7101(医療ガス配管設備)標準圧力(表1)1,5倍以上加圧した後、 ガスを密閉したまま24時間放置する。とある。
また、厚生労働省健康局国立病院部監修、機械設備工事共通仕様書(2001年 版)では1MPaで24時間とある。
2,全体のテスト、
アウトレット、マニーホールド、ポンプ、タンク等一切の機器取り付け後実施する。
圧力方法は上記1、に同じである。
3,系統検査
検査系統毎に標準圧力を加圧し、当該系統ベースブロックを開放して、検査系 統 からガスを放出しつつ、検査系統以外から放出しないか系統確認する。他の 系統は開放し大気圧にして検査を行なう。
系統検査時の圧力確認方法は、定常時の圧力、規定流量を放出・流入時の標準 圧力の確認を行なう。
加圧テストの考え方と違い
加圧テスト値は、そのシステムの信頼性、安全性を数値で表したものであり、必要な条件を圧力と加圧時間というテストにおいて包括的に確認する方法である。基準であるJISでは、試験方法は単一圧力、時間による方法である。これに対して、上記厚生労働省健康局国立病院部監修の方は、高加圧可能部(配管、バルブ等)と低加圧部(アウトレット等)に分けて圧力、時間(24時間は同じ)を定め試験方法を定めている。
C,既設病棟の状況例
1,実際のテスト
既設配管系統に割り込むようにはいる、チーズ接続点の左右、上流接続点@と下流接続点Aを接続して増設部に酸素は供給できる。しかし、既設配管との接続部、@Aの圧力試験を行うためには、既設配管にも圧力を加えなければならない。その範囲は、図上、配管左端にシャットオフバルブを閉にして、病棟全体を酸素供給停止にして試験を行わなければならない。
方法は、圧力テストにあるように加圧し24時間放置しなければならない。この問題が、入院患者が居る、使っている病棟等で行うことに問題がついて回るものである。
2,例、病棟において
チーズ接続点の左上流側配管には、既設のアウトレット(酸素)が接続されている、その数、例20個とする。また、同様に右下流側に3個接続されているとする、計23個(増設分含まず)にも成る。
増設するためには
T字型(チーズ)の接続材を接続しようとすると、左端上流に設けられている既設シャットオフバルブ(病棟全体を止める)を閉にして、下流の左既設のアウトレット(酸素)計23個を供給停止にして、接続するということになる。
接続の後、圧力テストのために、閉にしたシャットオフバルブの系統の全系統において、既設のもの計23個に、基準として安全を優先する圧力テストにする、と24時間(JIS)もしなければならない。
3,医療サイドからは
テストとはいえ24時間も酸素供給停止するようでは医療行為に影響が出る、また重症の患者を移動させることが出来ない等々ため、最小限にとどめてほしいという要望が出される。
4,施工上の対応
これを受けて、施工業者は酸素停止時間を最小限にと、チーズの接続点の左右のテスト方法を、基準を無視して検討すると次のような方法が考えられる。
(1)接続後のテスト前記B1(JIS等)を省略する、全てではなく実施可能な範囲で。
(2)接続後、JIS等の試験時間(B1)より短い(例、1または2時間)、可能な試験時間で行なう方法。
(3)簡便な試験方法として、チーズ接続を、接続箇所に石鹸水を塗り、確認するという極端な方法もある。
上記(1)〜(3)の方法は、人命を優先する医療現場としては、いずれもこれで良いということが出来ない方法である、それはいずれもJIS等の試験方法にあるように24時間、規定圧力を、直接的に圧力を掛けて試験したわけでないからである。危険であるため採用は出来ない。
D,試験方法と準備
下記1,2は試験の時、病棟のシャットオフバルブを閉にするため病棟全体が酸素供給停止となる。ただし、3,簡便試験方法は試験時には酸素供給停止する必要はない。
1,公的基準(前記B1参照)による試験と準備対応
(1)ボンベ仮設
小容量のボンベを病室に持ち込み仮設として対応する。
(2)患者病棟移動
アウトレット(酸素)を必要とする患者は、患者の安全確保のため別の病 棟に移動する。
2,短時間試験方法(公的基準外)
提案として、公的基準より試験圧力を上げ、短時間(例、1または2時間)で 結果を出す方法。
3,簡便試験方法
(1)簡便常時確認方法
前記C4(3)常時圧力で石鹸水を塗り確認する。
毎日確認あるいは何時間毎に確認するなどの、状況確認しながら使用する方 法。
(2)簡便確認方法
上記(1)のように常時確認でなく、一度切の確認で大丈夫という方法。
E,準備と問題点
1,公的基準(前記B1参照)による試験と準備
(1)ボンベ仮設(前記D1、(1))
仮設の信頼性、ボンベ内容物の消耗など安全上も含め管理が大変である。特 に24時間であり、長時間のため、実質上は医療現場としては患者の状況、 状態変化により長時間試験が出来ないことがある。
(2)病棟移動(前記D1、(2))
アウトレット(酸素)を必要とする患者は、患者の安全確保のため別の病棟 に移動する、移動後試験を行なう。患者移動が可能であると最も安全な方法 となる。しかしながら、患者には負担を掛けることとなる。
2,短時間試験方法(公的基準外、前記D2参照)
24時間試験は無理があるため、医療スタッフの確認を取ると1時間あるいは2時間で行えるのなら、時と場合によるが、スタッフの努力で対応可能であるとのことであった。
そこで、提案として、試験圧力を上げ、短時間で結果を出す方法などがある。
正式にはJISの変更、それに準じる方法として、社会的同意を得ることが必要。
1,2時間の試験方法であるが、ボンベ仮設、病棟移転を伴うが、圧力試験としては時間が短いため楽な方法である、可能である。
3,圧力試験を行うにはどうなるか
前記例、既設の左右アウトレット(酸素)合計24個も同時に加圧しなければならないため、既設アウトレットの漏れ、パッキンなどの劣化など、考えられるため、あらかじめパッキンの交換などが必要となる。
いずれにしても、準備作業として前記D1(1)ボンベ仮設、(2)病棟移動、伴に同様の対応は必要となる。
アウトレットの固有の圧力許容値(あるメーカーでは0,5MPa耐圧)もある、さらに、既設ということで、様々な経年変化、劣化等が考えられるため充分な準備が必要である。
特に、短時間試験方法(前記D2)は、社会的基準でないため責任の問題はついて回る。このため解決方法として、実施可能なものとして公的機関で短時間試験方法、基準を作るべきものであると考えられる。
4,簡便試験方法
常時圧での石鹸水確認(前記、D3(1)(2))は、余りにも簡便的方法であるため、限られた短期間使用には向いている。がしかし、恒久的なものとしては問題がある。
ある意味では、常時確認しているということであるのなら(前記、D3(1))簡便常時確認方法は、常時確認という意味で安全であるという考え方もある。
5,医療スタッフからの要求
増設の時、接続、試験時の二回は、病棟全て図に示す通り酸素設備は使えない、さらに圧力試験時24時間テストが必要である。これでは、入院中の患者に対して、人命を預かる医療施設として社会責任が果たせないという状況である。
E,新しいシステム構築の提案
システム成熟と成長と変化
1,成熟したシステム電気系統では
電気系統の主幹設備のように、固定的設備と考えず発展変化するものという考え方である。
今後増設を必要とすると思われる所に、予め分電盤というものを取り付けている。形からいうと、主幹から分岐する、系統毎にブレーカーというものである。そこには、分岐すると同時に将来必要と予想される分岐数(ブレーカー数)だけ設けた箱、分電盤をあちこちに設けている。
設置場所でいうのなら、病棟の中央に分電盤を設け、その中に予備を設けている。増設等必要なときには、これから目的とするところ(コンセント等)に接続して電気を供給するものである。
このものの能力は次の通りである。
電気を入れたり切ったりする機構(開閉機構)と過電流継電器機構(過電流の時遮断する機構)を持っている。
2,医療ガス設備に適用すると
設備の特性、あるいは設備の成熟、許容などに違いがあるため、電気とは全く同じに出来るわけではない。しかし、基本的には同じことである。
病棟において設けるとすると、電気の分電盤と同じようなもの、具体的には箱の中にバルブが何個か(一例として5個とする)設け主幹につなげたもの。系統的には、主幹から並行に5個のバルブがつながる物、ここでは名称を「酸素分配盤」と名付ける。
酸素用配管の銅管は、余りゆとりを持たした物でないため、アウトレットの数、酸素の送気距離を短くする必要がある。これは、現在の酸素システムの構成基準とレベルに合わす、前提の話である。
そうすると、病棟単位ということになると、病棟の長辺長から見ると、約50Mであるため、4等分の場所、入口から入って12,5Mの所付近、それから25M入ったところに「酸素分配盤」を設けることになるに。そうすると、「酸素分配盤」から約12,5Mの半径で描く円で、それぞれの「酸素分配盤」によって病棟全体をカバーできることとなる。このような増設可能な構成を一例として提案するものである。
また主幹においても同様に、「主幹分配盤」というようなものを設ける。
前記に示す増設、接続時の主幹の酸素供給停止により、病棟単位よりさらに大きい範囲への影響を最小限に、あるいは全く影響なく主幹から分岐接続可能な状況を作る。設備方法は「酸素分配盤」より大きい範囲、病棟単位、棟単位で幾つかを一つの供給範囲とする主幹分配盤を設ける方法である。
このように、最初に構成しておけば「増設の度、接続時と24時間テストの二回は、病棟全て図に示す通り酸素設備は使えない」等の問題は、全てではないにしろ解決するものである。
是非、電気系統の構成を参考にすると伴に、システムの成熟度合いに合わす形で、構築する必要がある。ついては酸素設備に止まらず、医療ガス設備の再構築を社会的要求として受け止め、メーカー、施工会社、設計事務所、病院管理者が一丸となって、医療ガス設備の再構築を行う必要があると考える。また、医療ガス設備が安全で、扱いやすく、成長と変化に対して柔軟に対応できる、成熟したシステムに成長する後押しになればとここに提案する。
平成16年7月7日(水)
5,着工と同時に作成できる完成図書
(施工管理・試験報告要領書等)
「串刺し方法」による検査と報告との関係
検査における書類確認方法
時系列上に報告されたもの、情報としてデーターベースになるものである。これをベースに次のような編集を行う、方法はある施工問題、ある施工方法、安全器具・機器・装置をデーターベースから抽出して同様の機器、施工方法を並べて、その差異やシステム的位置、位置関係等を検証するものである。また、単一のシステムとしての設計基準、施工方法などを確認するものである。また、複合的関係におけるソフトである命令・応動と,
ハードである機能、機構との関係や関連を串刺しにして確認する方法。この方法を串刺し確認方法という。
通常の検査
検査方法の内容は
A,「物がある、仕様は満足か」
図面上に示された物があるか、取り付けられているか、物の前で見える範囲 で仕様が満足されているか、を検査する
方法。
B,全体システムとして、効率的で安全か、
C,使用目的から有効であるか、
D,試験、テスト
E,コンセプトからの確認
A,B,Cの内容が検査内容であるため、Eの内容まで問われることは少ない。
特にC,使用目的から有効であるか、E,コンセプトからの確認、などは検査員から口頭で質問がある程度で、ほとんどは、設計図通りであるかという確認でしかないというのが現状である。
それは、これらソフトというものを形にして、第三者が評価できる形にする方法が、あるいは他の形で提出する巧い手立てがないからである。結果として口頭でのやり取りでしかない、現状の曖昧な形と評価である。
ソフトデーターベース
串刺し確認方法、この串が多いほど多角的に検証できたということになる。一度に関連するシステムを確認する方法を複合的串刺しと名付ける。そして、最終的には、コンセプトから試験に持っていけるように施工し、報告し、試験結果がコンセプトに沿ったものであるかを確認することにある。
施工管理報告内容と竣工検査内容とが一緒であれば、本来は問題がないという方法である。が、検査で見るところは仕上がり、システム的内容と多岐に渡るため全く一緒ということはあり得ない。しかし、ソフトデーターベースがあり報告が出来ていれば検査はスムースに進むものである、検査も報告も基本は同じであるためその方法を下記に示す。
一例であるが、ある現場検査において、現場代理人が緊張の余り、伝えることが出来ず系統図を提示するのみという状態で検査を受けた。
質問に対して系統図を提示するという繰り返しで、ほとんど声は聞けない状態であった。しかし、検査員の判断は必要な内容、検証は十分されているという評価であった。これなどは、ソフトを第三者が評価できる形があったというものである。その方法が、系統図を下記に示す2,串刺し方法(ソフトデーターベース)で表したものである。
串刺し統合方法
データーベース
1,時系列報告(施工としてのデーターベース)
2,串刺し方法(ソフトデーターベース)
データーベースを形成するための確認方法
3,単一串刺し報告
4,複合的串刺し報告
5,系統的串刺し報告
6,コンセプトからの串刺し
7,OUTからIN(6の反対)
8,試験、テスト報告
上記1,2,は施工とソフトのデーターベース、3〜8は確認方法である。1,2,を使い施工管理報告書、試験報告を作成することにある。
また、2,串刺し方法(ソフトデーターベース)すなわち系統図を使うと、各項目伴に、着工と同時に、施工管理報告書の要領書、また試験要領書などが最終結果を想定し作成できるという特長がある、着工後2ヶ月程度で作成できるものである。
1,時系列報告(施工としてのデーターベース)
通常の検査、該当例A,「物がある、仕様は満足か」
(1)図面通り、数合わせ、支持固定されているかの確認。
(2)施工計画書通りであるか
計画通りの施工方法で施工されているか、写真図面等を添付してその事実を時系列報告するものである。
(3)定点報告
ある場所を特定して着工から竣工まで、上記(1)(2)報告する方法。
通常この項目は、着工と同時に作成できる等とは誰もが思い付かないと思われる。しかしここで言う、時系列報告(施工としてのデーターベース)は現場の形が無くても、始まらなくても、施工管理報告書の作成可能である。それは、先ず系統図を作成し、その系統図からシステムの構成、目的、用途などを把握することによって、平面を越えたところから確認することが出来る方法である。
それは系統図というもので全体を把握して、何がこの時必要かを系統図から、予め決定して、この時期にこれとこれを、この場所の写真を撮ればよいと言うように作成するものである。
方法は、系統図に報告箇所を記入、工程表にその時期を記入、写真は施工要領からこの角度、この位置、時期を記入した、写真台紙までを作成する。これが出来るというところである。
そうすると、写真を残して他のものは着工と同時に作成可能という方法である。
この方法は、系統図の作成とバードアイ工事管理方法を経験したものは当たり前であるが、初めて経験した方は驚きと、展開の違いに驚嘆している。それは、系統図で作成を行うと、常に最終結果へ、完成図書(竣工図書)に添付するものが完成するというものである。
2,串刺し方法(ソフトデーター)
通常の検査、該当例B〜Eであるが,B,全体システムとして、効率的で安全か、から
例、効率的を串刺し方法で表すと以下のように考える
(1)システム構成を示す系統図(等価回路等)を作成、作成サイズはA4とする。例、センサー設定系統図、フロー等。
単一システムとして、必要事項、関連する値を記入する、これら数値から単一システム的系統関係の整合性を串刺し確認することにある。
(2)単一システム(1)と関係するシステムの系統図を、A4サイズで作成する。
俯瞰できるように、A1の台紙に貼る付け、最大8枚を俯瞰する、関連箇所、項目串刺しすることでもある。
(3)(2)を統合し、すなわち統合箇所を串刺しにすることである、加筆、修正して、システム全体を効率的に構築する。
(4)システムの中には、機械のみでなく、人間、感情、労務管理も含めたもので全体を構成する、構成要箇所を串刺しするものである。
系統図を作成し、串刺し方法で全体像を画きソフトまたは施工データーベースを作るものである。そこには系統図というシステム構成図から施工を考え、その位置と、その場所を、4次元的に確定するものである。それは、系統図があると施工管理報告、試験の要領書を着工と同時に作成できるということである。
系統図の作成方法と8枚編集方法は、系統図の頁を参照下さい。
下記に、串刺し方法の区分として前記3〜8の確認方法を提示する、
3,単一串刺し報告(施工としてのデーター)
通常の検査、該当例、B,全体システムとして、効率的で安全かのうち、
例、安全から以下に機器、器具例を示す
下記に示す物、方法についてシステム的に有効な位置、場所にあるか、安全に取り付けられているかを確認するものである。システム的に有効な位置、場所とは、系統図によって、そのシステム位置、場所を確認する。また、同様の装置、システムは平面的にどこにあるかを確認できるようにする、というようにある装置を串刺しするようにそのものを並べて報告する、書類で検査できるようにする。
これも同様に、系統図があれば着工と同時に二ヶ月ぐらいで作成できるものである。
(1)伸縮継手
系統的位置、平面位置、支持方法は適切か
配管部分のクッションは適正か
(2)安全弁、安全装置等
安全弁の必要な装置は列記する
イ、システムとしての設ける位置、設けなければならない、設けられている位置を、システム共通の系統的な位置から確認す
る。系統図を作成、系統的位置を明確にする、センサーの設定と伴にモジュールを作成。
ロ、全体システムとしてイ、の単一システムが平面的にどこにあるか確定する。
平面図に位置を記入する。
ハ、その内容を報告書(施工管理報告書等)にまとめて報告する。
ニ、システム全体になると、前記イ、ロの内容の上位または下位に位置するシステムも存在する。
前記同様イ、ロ、ハの手順で作成する。
(3)エアー抜き弁
システム構成上設けなければならない位置、設けられている位置を確認する。前記(2)イ〜ニ同様同様作成と伴に確認する。
(4)支持方法
(2)イ〜ニ同様同様作成と伴に確認する。
(5)配管勾配
機能的、効率的、安全配慮から、平面的位置と伴に横断図を作成し確認が出来るようにする。
給水、冷温水、ドレン、排水等 を(2)イ〜ニ同様作成と伴に確認する。
(6)強度的耐力
用いようとする物の要求条件は、強度、頻度、使用量、流量、圧力等が満たされているか、また周辺状況から、周辺機器とのバランスは取れるか。
(2)イ〜ニ同様同様作成と伴に確認する。
(7)防火区画、主要な間仕切りの区画
穴詰め、モルタル、専用パテ、鋼管等で保護する
防火ダンパー、防火シヤッター、防火戸、
(8)動線、避難経路
前記(7)(9)と関連づけて、防火戸などの関連機器、器具、階段、避難口などから経路、時間を確認する。
(9)排煙経路、設備
前記(7)(8)と関連づけて確認する。
(10)風の流れ図、風圧バランス
発揮性有機化合物ホルムアルデヒド等の室内濃度低減対策。機械換気、自然換気、冷暖房の確認。
冷暖房時における、渡り廊下、ホールの温度差における風発生。また、扉等の開閉に伴う風の流れ図、風圧バランスの確認。
(11)水の流れ図、水圧・流バランス(電気も同様)
コ・ジェネなどの熱回収バランスと湯、冷水流れ、水圧流バランス。
例、風呂における、湯舟からの排水流れ図、
湯舟から溢れるお湯でどこまで洗い流すか、湯舟に入ると必ず流れるので綺麗に床を洗い流せる。
(12)ゾーニング(清潔・不潔)
手による汚染に除去
ドアの開閉、手を使わないフットスイッチ付き自動ドアー。手洗い器、手先を使わない肘水栓。前記同様インターホン、ナースコール等の呼び出しボタン等。
(13)建築的平面と扉による清潔・不潔ゾーニングの区分
靴は着替え。空調における空気の清浄レベル。空気の流れ、速度。ドアー開閉などによる気流の変化と安定。
4,複合的串刺し報告(施工、ソフトとしてのデーター)
通常の検査、該当例B,全体システムとして、効率的で安全か、(複合的該当項目)。
(1)制御
制御と命令と応動する機械とに区分する。
イ、命令を命令系、応動系の二つに区分する
@動けと命令を出す、これを命令。
A上記@この命令を受けて動いた、作動中、作動完了の信号を応動という。
上記の内容@Aそれぞれを時系列上で確認できるように行う要領書の作成
と、その内容を軌跡として、分かり易い記録として残す方法。
ロ、機械的なものを機能的、構造的に区分する
機械そのものが持つ機能と構造的な能力、応答速度、許容限界、環境限界(温度、湿度等)が目的から適当であるか。機能的、構造的のものであっても目的 に合わせた試験、テストが行えるか、要領書の作成と記録。
5,系統的串刺し報告(施工,ソフトとしてのデーター)
通常の検査、該当例C,使用目的から有効であるか、
単一システムの系統図内容を報告する方法、系統的にINからOUTまでを
確認する。
設備、機器、システム、系統等の報告
6,コンセプトからの串刺し(施工、ソフトとしてのデーター)
通常の検査、該当例E,コンセプトからの確認、
使用目的から有効であるかと簡単には判断できない、それは設計図には使用目的コンセプトは書かれていないからである。
通常は、設計事務所から設計概要書、諸元表などからコンセプトを知るものである、このため竣工時の検査員がコンセプトを理解しているかどうかというところが問題であるが、施工者は理解して目的にあった使用目的を限定して施工するものである。
もう一つの評価方法は、ものが出来上がる過程の検証
設計概要書、諸元表をどのように理解したか、その内容を「コンセプトを客観的に伝えられる資料を作成しているか」、が評価である。
しかし、評価方法が現在確定されたものがないため、現状は口頭で説明した内容での判断などから、判断している、よく解っている、よく考えられている、顧客満足に沿っている等、極めて会話という範疇で判断されている。
「コンセプトを客観的に伝えられる資料を作成しているか」
現実は、適当な方法がなく、巧くて伝えてられていない。客観的判断方法は私が提唱している系統図という方法を提示する。
コンセプトから、システムを串刺しして使用目的から有効であるか検証するものである。
7,OUTからIN(6,の反対)(施工、ソフトとしてのデーター)
コンセントを例に取ると、最終の口(OUT)コンセントの種類を検証決定すると全体のシステムを知ることが出来るという方法である。
具体的には、コンセントの色、プレートの色等でその用途を決定する方法である。
下記に例を示す。
@赤のコンセントで、プレートも赤色は「非常用コンセント」
停電時に非常用発電機から送電される系統
A緑のコンセントで、プレートは通常のクリーム色「無停電装置コンセント」
無停電装置からの系統のコンセント、ただし、停電時に非常用発電機が起動すれば発電機が動いている限り送電可能。不起動の場合は無停電装置のバッテリー容量による時間内送電可能(例、30分前後が一般的)。
B茶色のコンセントで、プレートは通常のクリーム色「燃料電池コンセント」
燃料電池からの電源、燃料のある限り。
C赤のコンセントで、プレートは通常のクリーム色「常用発電機コンセント」
燃料がある限り。
DCと同じ、赤のコンセントで、プレートは通常のクリーム色「常用発電機コンセント」に、停電時、常用発電機点検中は停電します。の表示付き。
通常常用発電機は複数台で運転しているため、一台故障、一台点検等の時には送電容量は一台減の容量になる。
この時には、当然コンセントに送電できる容量も減となる、するとコンセントの送電数を減らさなければなならない。表示として、減らされたコンセントの表示はどうするかということになる。停電時、常用発電機点検中は停電します。説明付き二段表示。
停電時、電気が来るときと来ないときがあるという状況、この変化は発電機の点検時に停電するというものであるため、表示のみでは状況が理解できないため、発光ダイオードを付けて点灯時は電気が来ている、不点灯時は停電を確認して、使用するという対応するもの等。
このように、末端を決定すると顧客の必要とする全体像から、変電設備の全体像を画くことが出来る。特に変電設備は、変電設備から末端に向かって画くのが通常の設計方法である。このため、一度上記に示す末端から変電設備を画くと、今まで使ったところのない脳の部位が動き、違う世界から、違う思考でシステムを見たような新鮮さと伴に、全体を見通すことが出来る方法、報告方法である。
一般的には、建築平面図に電気、機械(空調・衛生)設備のOUTと称されるもの、使用するスタッフとの摺り合わせや要望から、コンセント、家具,水栓、流司等を平面図(合わせ図、プロット図等と呼ばれている)に記入したものがある。しかし、OUTからINまで遡るという検証方法は少ないと思われる。これが、コンセプトとOUTとをつなぐものとなっている。すなわち、これがソフトである、常にこの部分が設計や施工に欠けている部分である、ここに問題提起する。
8,試験、テスト報告(施工、ソフトとしてのデーター)
通常の検査、該当例、D,試験、テスト
串刺し方法の前記2〜7のうち、統合項目6,コンセプトからの串刺し、7,OUTからIN(6の反対)で行うべきである。
設計時において試験、テストを考えて、目的用途に合わせた試験、テストが行えるように設計する。また、施工においても目的用途に合わせた試験、テストが行えるように施工することである、また要領書を作成し確認することにある。
言い換えると、設計時において試験、テストを考えられているということは、コンセプトから試験、テストを考えたものであるため、一番コンセプトに近いところから考えられたものであるため有効なものと考えられる方法、報告方法。
しかし実際は、設計とは違う形態、形がそこに形成されている場合は、串刺しに従い統合項目6,7,で確認すべきものである。
9,検査内容と報告は
写真に残せるもの、残せないもの、試験結果・データー等の記録でしか残せないもの等がある。が、系統図があれば、着工と同時に施工管理要領、試験要領が作成できる、どんな内容であっても報告書として作成することが出来る。残すは試験結果の記入、写真のみであるという形を取ることが出来るものである。
施工とソフトのデーターベースの両方がある場合
1,時系列報告(施工としてのデーターベース)、
2,串刺し方法(ソフトデーターベース)
が資料としてあるため全てのことに対応できるものである。
特に、施工としてのデーターベースとソフトデーターベースは補完し合うものであるため、結果として、統合するものとなる。ここまで来ると資料の編集は完了である。
特に系統図(串刺し方法、ソフトデーターベース)は報告内容のねらいやコンセプトから作成したものであるため、報告書をまとめる要となるものである。また検査においても、この内容が検査のレベル、基準を示すことになる。
結果として、施工管理報告書、試験成績表は、系統図に書き込まれた内容によって、その報告書のレベルを表すといえるものである。
平成16年8月17日
4,建築平面をまとめる方法
システム連係と統合
基本設計があり、設計図が作成される。
この設計図から平面プロット図(備品等配置図)が作成されるものである。
施工に際して、平面プロット図(備品等配置図)とは、
電気設備では、コンセント、スイッチ等。
機械設備では、空調、給水、給湯、ガス、排水等。
機器類、家具類、
の位置、大きさ、取付高さ等(文字記入)を縮尺(30分の1または50分の1)の平面に記入したものである。
平面プロット図では見えない大きな抜けがある
1,システム連係と統合
平面プロット図(備品等配置図)がきっちりと作成されているにも係わらず、その周辺情報、言い換えると、平面プロット図(備品等配置図)が出来上がるための系統的条件、系統的連係といえるものが存在しない。系統的条件、系統的連係とはどのようなものか、平面プロット図には表現されていない、存在しないものであるので例を以下に示す。
(1)組織体制
その建物(例、病院とする)を使用する組織、組織体制(管理体制)、命令系統、人員配置、職種の決定。
(2)物流
さらには、人間の搬送、物品搬送、搬送能力の決定。搬送物品については、その内容、定時搬送、緊急搬送、臨時搬送 の物品内容の物の決定、量の決定。
(3)共通室の標準化
各部屋での、機器類の使用方法、使い勝手、共通室の機器類の標準化、関連機器の連係。
(4)人と情報の流れ
部屋と部屋との連係、仕事の連係における連係方法、物品のやり取り、情報のやり取り、人間のやり取り(人の移動)等が ある。
(5)機器と人の関わり(やり取りに伴う、機器類の連係)
エアシューターを例に取ると、
ステーションと各部屋からの導線、時間など。離れた部屋への知らせ方、到着連絡方法。誰かが、決まった人が電話で連 絡するのか、自動で連絡するのか。
2,平面プロット図とシステム連係と統合の違い
通常、平面プロット図を作成するときには、既に基本設計時にシステム設計が行われ、設計図が出来ている状況から、システム連係と統合は当然完了しているはずである。
施工段階には、既にシステム連係と統合は完了している、この資料が必要である。システム連係と統合資料を手に入れて、その内容とその検討結果と、寸法から平面図とを統合(投影)するものである。それは、平面プロット図作成時に、連係、統合された内容(4次元)と顧客から要望、位置関係からの寸法(2次元)とを、統合(投影)するものである。
ところが、システム連係と統合資料を得ても、その資料が第三者に伝えられる資料でないというのが実情であり、手に入れても曖昧で使えるものではない。その内容は、設計者の頭の中にあるということである、ここに問題がある。
それは、設計者がシステム連係と統合資料を第三者に伝えられる筈であると思われている。誰もが出来ないはずがないと思うのであるが、実際はそこに設計者が居なければ伝えることが出来ない、資料のみでは手立てがない、という状況のようである。
通常は文字、文章で、絵図にて伝えるわけである。がしかし、設計という仕事の内容から、文章力の方は充分な訓練が行われているとは期待できない。例え、能力があったとしても文字数が多くなり時間が掛かりすぎ、設計という仕事枠では書ききれない。また絵図で表すにしても、絵図表現方法というものが確立していない、教育されていない、そのため内容を表しきれないというものである。
ここに大きな問題がある、このことを問題点として提示する。
問題となるところは、どんなものか、どういうものかを、具体的に事例を下記に3,外来の呼び出し装置例、4,防犯(security)システム例、5、警報盤(装置)例を示す。
3,外来の呼び出し装置例
初診の人は、再診の人は、どこで手続きをして、診察室のどこで待つのか、誰がその案内をしてくれるのか。ここでは誰がどこで、何人配置されているのか、どの様な職種の人が行うのか等。
呼び出し方法は、マイクで医師が呼び出すのか、看護婦か、事務員か何人で行うのか。また、呼び出しは、ポケベルで行うのか、どういうメッセージで、何段階で、待ち時間を分類して、目的の診療科に近づけるか。そのためには、案内表示とどのようにリンクしているか。
特に外来は部屋数が多いため、幾つもの櫛状の廊下や、コア状に幾つも並ぶ外来の形体などから、迷い易いに形である。深く奧に入る廊下などは路地と考え、何々路地など名付けるのも方法である。
外来受付これにより、@外来から路地、A路地から診察室前、B診察室前から中待ち、C中待ちから診察室へと、順次小さく位置を絞り4段階のポケベルメッセージとなる、その都度文字だけでは分かりにくいので、地図を表し文字と併用するのも方法である。
文字、地図が良くなると、外来受付より、C中待ちから診察室へと2段階へと簡単になる。もっとも、案内、サイン表示も分かりやすいという条件は必要である。
4,防犯(security)システム例
(1)防犯ゾーニング
全体組織内の命令系統。
@ゾーニングから全体組織
ゾーニング内の人員配置、時間帯における滞在位置、人数。防犯体制における命令系統、エリアの設定と全体組織の連 係。
Aインフォーマル防犯システムとして、
ゾーニング内において、平日勤務時間内、夜間、休日のゾーニング内においての体制。
(2)防犯から、
@鍵の安全性と形状、鍵の信頼度合いによる階層性
A防犯ゾーニングと管理・責任範囲、
防犯ゾーニング囲いの強度、壁の形状・コンクリートの厚さ、扉の材質、蝶板の強度など、
(3)電気的に考えると、
防犯ゾーニングと管理・責任範囲内で、照明が電気が切れるか。
これは、防犯ゾーニングが鎖状にあっても、照明を切っても他のゾーンと跨っているため、切れないというようなことがないよ うに、 防犯ゾーニングと協調を取る。
(4)空調、換気等
電気と同じで、防犯ゾーニングと管理・責任範囲内で、空調が切れるか。他のゾーンと重なるようなことはないか。防犯ゾー ニングと協調を取る。
(5)外部から防犯ゾーニング内へ連絡と情報展開
@固定連絡機器、
メール固定パソコン、固定電話、
A防犯ゾーニングの接する廊下または外部入口からの連絡方法。
入口からの連絡方法。
廊下からの呼び出し、 防犯ゾーニングの深いところ、または、常時人が居るところへのインターホーンなどの単機能の設 置。
B携帯電話からの呼び出し
イ、部屋という単位の呼び出し、
職員は全員持っているので、個人から部屋という固定電話へ呼び出す。
ロ、職員個人に連絡を入れる。
個人対個人の呼び出し。
5,警報盤(装置)例
(1)施設目的(病院)ということで考えてみる。
@設備単位では、
イ、受電設備系、ロ、非常用発電機系、ハ、医療ガス系、ニ、空調系(冷房、暖房、換気)、ホ、ボイラー系、ヘ、給排水系等。
A医療、室、機器単位では、
イ、手術室、ロ、ICU,ハ、CCU、ニ、X線血管造影装置、ホ、医療・経営用コ
ンピューター、ヘ、その他情報用コンピューター等、
B危機管理対応機器
前記@Aのうち危機管理優先順位が高いもの、且つ、組織の持つマンパワーと設備の許容範囲とその能力。
(2)危機管理的に考えると
@危機管理状態に至ったという表示
A危機管理状態
どういう状況であるか把握する必要がある。
5,(1)@設備単位では、A医療、室、機器単位では、何と何が停止で運転
可能なのか確認できるものでなければなら ない.。
B具体的に、機器の個単位あるいは系統単位で、危機管理が行える警報表示が必要である
C名称から組織が、その状況を認識できる表示と伴に、組織内で統一的に危機管理上、同じ認識がもてる表示が必 要である。
D分かりやすい表示と、第三者の協力も得られる、表示と解説が必要。
(3)経営管理上の表示
@危機管理
A日常の管理
設備機器管理、医療からの管理、防災管理、防犯管理等
B命令系統、責任範囲、連絡方法(連絡機器)を警報盤表示。
表示から、ソフトとして命令系統、責任範囲、連絡方法を確認、訓練整備
を行う。
6,システム連係と統合表現方法
前記に示した事柄を、今、紙と鉛筆で表現しなさいということになると、どのように読者は対応しますか。
それ以前に、何が問題か理解できたでしようか。システムは人を中心に、あるシステムから人を介在して別のシステムに関係、連係することによって、システム統合が行えるものである。
このような基本設計上の連係と統合された内容(4次元)と、顧客から要望、位置関係(2次元)とを、基本設計というもので提示されているか、その実情は資料は無いといわざるを得ない。
手に入るものは、簡単な資料というより、機器名で、例、インターホーンをこの場所とここに設ける、というような機器を設ける内容が羅列されているのみである。平面図に机、家具、機器を配置した二次元的である位置を確認すると、建築的内容は完了したという考え方がある。また、インターホーンの機能があれもこれもより、この機器(インターホーン)と間に人が介在して他の機器と連係すると、そこには組織、組織体制(管理体制)、命令系統、人員配置、職種の決定等が人を介して存在することになる。
またそこには、システムは人を中心に、あるシステムから人を介在して別のシステムに関係、連係することによって、システム統合が行えるものである。という考え方であるが、平面プロット図のみでは連係は存在しないものとなる。
要は、人がどう係わるかというところが抜けているところである。
この部分から、平面位置、システム連係、人と人、物と人その逆の連係によって構成されるという認識があっても、その連係方法とともに、その表現方法と手法を持っていないところが問題である。
そこにはソフトとともに、そのソフトを表現する方法と手法を手に入れることである。
7,系統図によるソフト表現
それは系統図である、しかし、系統図でいうような絵図表現方法が確立していない、教育されていない、そのため内容を表しきれないというものである。
手法は著者が提唱する系統図という方法、さらに、系統図分類表という分類方法である。系統図による表現方法を、系統図分類表という確立したものを提示したい。
系統図分類方法という分類によって系統図を作成する(目的、対象は病院である)。
システムとして存在するもの、単一のシステムを横軸に羅列する。縦軸に、ソフトとして、事業所の労務管理、システムフロー、名称の編集。ハードとして、電気的、機械的。平面位置図として、敷地、動線、通信手段。詳細は系統図分類表を参照。という前記マトリックスを形成し、単一のシステムをソフトあるいはハードで貫き(串刺し)、その他の単一システムも同様に串刺しする。すると、例、労務管理で串刺しするとそこには勤務時間、責任範囲などが、それぞれの単一システムで統一的な基準判断が生まれ安定する労務管理体制を構築することが出来る、また、全体を労務管理から統合することが出来る方法である。
また、縦軸の各項において作成される系統図は、当然、縦軸各項に対応するものである。この系統図をA1サイズの台紙に8枚貼付て俯瞰するものである。それは、A4サイズを標準とし作成される系統図をA1に貼り付けると8枚貼り付けられるということである。この八枚を俯瞰すること、足らないところ、違い、間違い、バランスが合わない等のところを、俯瞰することによって調整する方法である。
この方法で行うと、誰でもが、連係、統合された内容(4次元)を系統図というもので表現でき、しかも、第三者に短時間で内容を伝えることができるものとなる。これが、「システム連係と統合」が伝わった、解ったというものである、また、短時間の情報伝達が成立しうる表現方法が存在したといえるものである。
平成16年10月16日 加筆
平成16年9月18日(土)
3,フレキシブル(編組)導帯の相間接触について
フレキシブル(編組)導帯と変圧器低圧二次側端子との関係
問題点として、変圧器低圧二次側端子に接続されるフレキシブル(編組)導帯(細い電線で編込んだ可とう導帯)のたわみが隣の編組導帯に接触する件について以下に述べる。
変圧器低圧二次側端子方向、横、縦の検討について
トランス上面の二次側端子をトランス正面から見て、横一タイプ[−−]と並ぶものと縦一タイプ[||]に並ぶものとに分類できる。
横一タイプ[−−]
編組導帯との接続方法は、変圧器低圧二次側端子[−−]に重ねて[==]接続するものである。このためトランス正面から見て、編組導帯は前後に可動(柔軟)域を持つものであるため、隣の極との接触というものは考えられない。
比較的少ないが、トランス正面から、編組導帯は後に動くとフレームや支持金物と接触するものもあった注意が必要である。
縦一タイプ[||]
編組導帯接続方法は、変圧器低圧二次側端子[||]に重ねて[‖‖]を接続するものである。このためトランス正面から見て、編組導帯は左右に可動(柔軟)域を持つものであるため、隣の極との接触が成立する。特に二極共に内側にたわむと接触する。三端子の場合は、中央と両側の何れかがたわみ接触する。という状況の物が納入された、トランス閉鎖盤で何度と見受けられ、早速手直しを指示した。
その内容は
1,トランスの振動防止の関係で、振動を吸収する防振装置の揺れ振幅が大き いためである。それに対応できる編組導帯が必要である。
また、手でトランスを押すと、その揺れは大きいことを感じることができる。
2,揺れが関係なく、設置されたトランスで編組銅帯二極を、内側に強く手で 押すと柔軟に動き接触するという状況がある。また、三相または単相三線の 場合は、中央の端子につながると編組銅帯と、外側のどちらかの編組銅帯と が接触するという状態がある。注意が必要である。
同様の盤があると思う方は、一度、確認または試してみて下さい。
対策と試験
対策
変圧器低圧二次側端子を[‖‖]から[==]に行えるように、接続端子を入れて、縦一タイプから横一タイプに変化させる方法。
例、接続端子は┏型の導体を使う方法である。┏型の導体左側縦の片を、変圧器低圧二次側端子[||]に重ねて[‖‖]接続する。そして、┏型の導体の横の片を、あたかも変圧器低圧二次側端子[−−]であったかのように、編組銅帯を重ねて[==]接続する方法である。
もう一つの方法は、トランスの設計を変更して、メーカーにおいて変圧器低圧二次側端子を横一タイプ[−−]に変更するのも方法である。
トランス盤メーカーにおいても、加工方法を考えて、前記、例、接続端子┏型の導体を使う方法等の設計あるいは配慮が必要である。
試験
変圧器の編組導体は大容量を流すものであるため、そのままの形では試験ができないと思われるので、小容量の編組導体と模擬的トランスによって、実験を行なうべきである。
短絡時を想定して、短絡発電機における試験において、トランスと編組導体の可動域(柔軟)と、複合的ものの揺れ振動を確認する必要がある。また、地震等の振動試験をも確認するため、振動試験を行う必要があると考える。
特に、トランス、盤、メーカーは上記の内容を認識し、設計、試験を充分に行い安全なる装置を供給することが社会責任である。システムとしての関連を認識できずに、この様な問題点が世の中に存在することに、仕事という範疇における認識の曖昧さと伴に、管理以前の社会責任の欠如を感ずるものである。
安全なシステムを構築するには、私は、会社は、ではなく、子孫によりよい物、安全な物を社会に、地球に送り出す、という思いが必要である。それには、それぞれの個人が、今の持ち場で、今ある持つ技術で、いかに考え社会還元できるかという認識が必要である。
訂正 平成16年10月9日
平成16年9月18日(土)
2,発電機設備と危機管理体制の構築
危機管理(トップダウン)とシステムの協調
発電機システム構築条件
一般的な、設計事務所の設計内容に、「発電機設備と危機管理システムの協調」という条件を検討し満足した内容で設計されたものが少ない。それは、一言でいうと、システム構築に関しての素人が設計しているからである。
具体的には、「発電機へのラッシュ電流、発電機負荷投入率、発電機負荷不平衡率、発電機負荷容量等」の条件を満足する必要がある。もしも満足していない場合は、正常に発電機が作動しても、発電機が停止、あるいは変電設備の安全装置が作動して、停電となる。
事故、台風などの災害時、電力会社(商用電力)が停電した場合、危機管理上もっとも必要な発電機が、正常に起動し送電しようとするが停止する、前記条件満足をしていないための保護装置が作動して停止、停電という状態に至る。
これまで、著者が30年間見てきた現場では、殆ど検討された形跡すらないものが多く、設計者の技術不足よって、起こるべきして生まれる欠陥である。
下記にその内容を記する。
システムをトップダウンとボトムアップという、ある位置から下降、上昇という捉え方をしたい。トップダウンは、発電機という電気を送電する元、元から全体を把握する方法。ボトムアップとは、負荷末端から(例、コンセントから)発電機という元へつなげて全体を把握する方法。システムに高圧、低圧が存在する場合は、高圧は全体あるいはトップダウン的処理、低圧は負荷からの積み上げボトムアップ的処理と考えると解りやすい。
経験的数値から発電機(供給側)を検討
データから不都合が考えられる値、あるいは、経験的判断からの値がある、何れも間違いではないが値は全く異なることが多い、特にメーカー、機種などが違うと大きく違いがあるものである。違いがあるから管理的には必要な値を知る必要がある。
A,発電機へのラッシュ電流
(例、変圧器は、励磁突入電流第一波波高値倍率約20〜50倍もある)
B,発電機負荷投入率
(例、エンジンとのカップリングで下限40%位から100%位まで幅がある)
C,発電機負荷不平衡率
(例、高調波も考える必要があるが、約15〜20%)
D,発電機、短時間・連続負荷容量、
(例、発電機連続定格か短時間定格かの区別が必要)
E,負荷投入バンクとトランス容量
(例、順次投入のトランスバンクと前記A,B,C,Dとの協調)
トップダウン的処理(高圧側)から見ると
A,発電機へのラッシュ電流、発電機から見る値(約20〜50倍)
B,発電機負荷投入率、発電機から見た値、発電機定格に対する値(約40〜100 %)
C,発電機負荷不平衡率、発電機から見た値、3相の不平衡率(約15〜20%)
D,発電機、短時間・連続負荷容量、(約30分〜連続運転)
ボトムアップ的処理として設計または実際の検討
1,トランス容量と上記A,B,Cバランスにおけるとトランス容量の選定。
制御における、投入タイミングの調整。負荷容量の積み上げ。
2,前記1で選定されたトランス容量における、負荷の限定。末端のコンセント から見ると、トランス毎、主幹毎に見合った末端コンセントの数を限定する、 同時に病院として危機管理上どこに必要か、選定について基準と危機管理上の 順位を設ける必要がある。コンセントあるいは負荷の容量の積み上げ。
3,既に設計が上がっている場合、前記1,2,の再編成、設計変更が生じる。 特に変電設備の低圧側の電磁開閉器を含めた設計変更が生じる。
負荷の選択と伴に負荷容量の積み上げ。
前記トップダウン的処理としての発電機(供給側)から検討事項A,B,C,D,E,から、ボトムアップ的処理として設計または実際の検討事項1,2,3を行いシステム構築を行う必要がある。
もしも行っていないシステムは、停電で発電機が起動しても、発電機遮断器を投入するとOCRのインスタントあるいは過電流、あるいは不平衡において働き、遮断器を遮断するということになる。このため電気が送れない、停電ということになる。
事例は、バードアイ工事管理研究会のホームページ(http://www12.plala.or.jp/birdseye/)にも掲載している。
危機管理
エマージェンシー(emergency)のランク付(@が最上位)けする
@発電機単機運転、A発電機複数運転、B2回線受電の切換、C通常受電、
この順位を危機管理という観点から分類すると、
@これしか電源はない、別格のランク
@Aは、病院自己完結型の電源供給体制
Bは、電力会社からの供給を受けている、バックアップにAから@へと、ま だ最上位危機管理ランクまでは、とゆとりがある。
システム構成上、大事な送電までの時間
送電までの時間は(例、一般的事例)、
@発電機単機運転、
発電機単機の起動時間と切換時間、
時系列で示すと、
「停電確認時間(1秒〜10秒)+発電機起動時間(消防法では約10秒 〜40秒)」+「負荷選択と切換時間(約10秒前後)」
合計21〜60秒
A発電機複数運転、
「停電確認時間(1秒〜10秒)+発電機起動時間(消防法では約10秒〜 40秒)」+発電機同期時間(60秒〜3分)+「負荷選択と切換時間(10 〜20秒)」
合計81秒〜4分10秒
B本線予備選切換
「停電確認時間(1秒〜10秒)+「切換時間(10〜20秒)」
合計11〜30秒
10秒から4分10秒までの大きな幅があることが解る。危機管理上最上位ランクから見ると、後者の4分10秒は役に立たないということであるが、危機管理上の装置等のうち緊急を除くと、大容量の電力を供給できるものが必要となる。緊急時と長時間生活というレベルではその目的が違うため、システム構成と制御方法の使い分けが必要である。特に、生命維持関係の装置などでは約10秒という単位での送電が必要なものもある。
エマージェンシー@の状況
危機管理最上位の、もっとも精緻に負荷状況と制御管理を行わなければならない@発電機単機運転について述べる。
@発電機単機運転時の負荷内容は
イ、防災負荷、
防災アンプ、消火ポンプ、スプリンクラー、排煙設備、非常照明等
ロ、医療設備関係負荷
生命維持装置、医療ガス設備、非常用コンセント、重症患者用医療機器等
停電で、発電機単機運転という状況は、その負荷の半分から大部分は、防災負荷に取られてしまい、残りの何割かで上記ロを賄わなければならないという状況である。それは、イ,防災負荷、ロ,医療設備関係負荷を十分賄え賄える容量が残っている状況ではない。このため、危機管理上最上位のランクのもの、これだけはどうしても必要だというものを抽出する必要がある。このため、前記A,B,Cから1,2,3と危機管理を加味した再編成(設計変更)が必要となる。また、数少ないコンセントで上記内容を賄おうとすると、施設や組織全体の危機管理体制が必要である。一例では、病院の医療部門、管理部門等の、危機管理体制の確立が必要である。危機管理委員会などの設けて組織的検討と決定が必要である。
ボトムアップ的解決方法として提示する
病棟やナースステーション、検査室、その他の部屋で医療機器その他に非常ランク付を行う。例、重非常(ランク@)、中非常(ランクA)、軽非常(ランクB)の札を各機器に付る。防災負荷が入るかどうかによって、軽非常(ランクB)は電気を送れるかの状況は変化する。もっとも、地震、火事は100年に1回といわれているものである。ここの考え方が大きくシステム構築で大きく変化するところである。
非常回路を次のように区分する
重非常(ランク@)
停電になると、最優先で必ず電気が確保できる回路をいう。
中非常(ランクA)
停電で火災が発生していない時、すなわち、消防負荷がない時に発電機の負 荷にゆとりが出来た時に送電する回路をいう。
とはいっても、札を付ることによって、危機管理のエマージェンシー (emergency)のランク付がそこに生まれる、札の効用がある。
もしもボトムアップ的解決で対応できない時は、必要ならトップダウン的 決定方法がある、発電機の容量、システムとしての余裕などから、限定をし て、電気容量あるいはコンセントの差し込み口等の必要総数から決定する。 そして、ボトムアップ的内容と照合、調整を行うとよい。
発電機複数台数存在する時は、中非常も複数存在するものと考え、危機管理のエマージェンシーのランク付に合わせた、例、中非常1,2等の名称を付て区分するものである。
軽非常(ランクB)
停電になると、電気は送られないところ、言い換えると、停電時には発電機から送れなくする回路をいう。
しかし、発電機の容量にゆとりがある場合に送電することができる回路、制御は手動または自動で考えるものとする。
既にシステムが存在する場合時には、
具体的には、コンセントに合った札の数、電気容量から、札の発行を行いその数に合わせて、危機管理を考えるすると短時間で全体を構成することが出来る、または数を決定するとよい。時と場合によるが、これをフードバックして電気系統の見直しを行うのも方法である。
これらのことから、コンセントの方にも重非常(ランク@)、中非常(ランクA)、軽非常(ランクB)の札に見合った、色分け、表示によってコンセントが設置されている。またこの場合は、機器の札とコンセントの表示、色が同じであることである。文字あるいは色でコンセントと札が対に出来る状況を組織的に作ることにある。
また、下記の事項の検証を行いトップダウンとボトムアップの差を調整する。
A,発電機へのラッシュ電流
B,発電機負荷投入率
C,発電機負荷不平衡率
D,発電機負荷容量
E,負荷投入バンクとトランス容量
上記の内容から、プロとして概算数値を持ち、必要な認識を持ちトップダウン的判断が必要である。
トップダウン的判断とは、それはシステムをイメージすると、図面を見ると、一瞬にその内容と問題点を捉えることが出来ることである。反対にボトムアップ的判断は、システムの形体が決まり負荷が決まり全てが決定して、初めて積み上げを行い、その結果から判断するというものである。そこには一瞬と積み上げ時間という大きな差があり、さらに、閃きにおける決定との差が存在する。
これら条件から、一瞬はともかくとしても、捉えられないということは、システム構築を行う知識不足ということがいえる。システムエンジニヤの力量においても同様な状況にある。
特に、重電メーカーの豊富な知識集積と援助が社会的に必要と考える。このレベルでの判断は、制御においてもタイミングと同期、協調が必要となり、システムエンジニアとしての対応能力は、一般的に分電盤メーカーでは、そこまでの訓練が行われていないため難しいものとなる。
H16,10,28(木)
1,市場競争力と系統図
原価見直し
従来は、開発、製造原価に一定の利益を上乗せして価格を決めていた。このため、コストが市場競争原理から割高だと評価されると、値引きを強いられて利益を確保できないこともあった。この方法を根本的に見直す方法が、市場原理からの経営的観点から客観的に示される。
経営的観点から、市場で競争力を持つために、市場で競争力を持てる水準に品質と共に製品の価格を定める。そこから、割り出した原価の範囲から、製品の資材、部品、製造方法を決める。例、コスト構造改革推進本部等の新設や、組織横断的な専門グループ等の発足を通じて、全社的、組織的な取り組みを行う。
方法は、個々の製品について他社と競争できる品質、機能、適正価格を算定する。
一方で資材、部品の実勢価格情報を集め一覧とし、板金や切削、さらには製造するためのソフト、製品のソフト等、各製造工程ごとの規準コスト一覧を作成する。これらを突き合わせ投影し、適正価格に見合った原価で製造できる資材、部品、製造方法の組み合わせ、商品を仕上げる。
市場原理から経営的観点からは当たり前である、これが出来ないというのは組織的硬直があると考えざるを得ない。さらにまずいのは、携わる人に経営的観点、認識に問題があることと思われる。
系統図分類表からの製造原価見直し
経営的観点、認識に問題さらに組織的硬直を蘇らすにはと喧喧諤諤と会議を開き、検討する、どの方法が適当か、何時になったら結論が出るのか、というのが通常である。
しかし、分析し問題点を見つけ出し、それを改革し、処理し対応まで出来る方法がある。それが、バードアイ工事管理方法の系統図分類表による系統図の作成である、ここに提示する。
具体的に系統図分類表を使い説明する。
現状を系統図分類法から分析する方法を示す。現状を系統図として表す、系統図分類表の縦軸の各項目から系統図を作成する。
系統図に価格換算金額を入れて算出する。経営的観点から、市場で競争力を持つために、市場で競争力を持てる水準に製品の価格を定め、これに合うように各系統図を使い投影し全体構築を行ない、製品、ソフト開発を行なう。
系統図分類表に基づく一例を下記に示す。
(この項の番号は、系統図分類表の番号とする)
A,ソフト系統図
イ、事業所の労務管理
1,組織、2,命令系統、3,責任範囲・分担、4,勤務体制、5,人員配置、
製品を計画、設計、作成するまでの組織体制と人員について検討する。
組織は、命令系統は、責任範囲・分担は勤務体制は人員配置は、現状の事業所の労務管理を系統図に表し、そこに製品が出来上がるまでの組織の関わり、人数、時間を記入する。
各系統図に人数、時間単価を記入、労務から価格を算出する。
具体的換算方法は
系統図分類表の各項、下記各項の系統図を作成すると、それぞれに何人工必要か等の判断が出来るものである。これが系統図の特長である、また必要な事例や事項、事柄について検証する場合でも、何を行えばよいか、何が必要かを知ることが出来るものである。
ロ,システムフロー、
6,制御フロー、7,センサー設定フロー
6,制御フロー
製品を作るための制御フロー
どういう制御で、工程で、機械で作成するのか、それぞれの系統図を作成して、そこに工程区分、機械区分ごとに価格換算金額を入れて算出する。
製品が持つ制御フロー
制御における工程、どの様な部品で機械で制御するのか、制御フローに記入することによって、価格換算金額を入れて算出する。操作方法についても、操作が人間との関係においてどれだけ機械が肩代わりできるか等同様に価格換算金額を入れて算出する。
7,センサー設定フロー
製品を作るためのセンサー(工作機械等)
制御フローの中でどの様なセンサーで幾つ付けて制御するのか、制御はセンサーの精度と種類と数によって決まるものである。センサーの数と種類の価格換算金額を入れて算出する。
製品が持つセンサー
製品そのものをどの様にセンサーを付けて、幾つ付けて制御するのか、上記同様に、センサーの精度と種類と数によって決まるものであるため、センサーの数と種類の価格換算金額を入れて算出する。
8,警報の名称の編集、9,機器名の統一、
8,警報の名称の編集
事業所の労務管理、システムフローの内容から警報が何が必要な、どのレベルが警報か、製品の社会的要求は、市場との対比、製品のコンセプトとの整合性。どのレベルで警報を出すか、種類は数を価格換算金額を入れて算出する。
9,機器名の統一
システムとして機器名称の統一を図る。名称に精度、信頼性、体力などのレベルの統一が含まれるため、全体システムの名称を決定して、システムのレベルと階層を決定することによってシステム構築を行なう。
B,ハード・系統図
イ、電気的、
10,スケルトン、11,シーケンス、
10,スケルトン(skeleton)
現状のシステム(ハード、ソフトの区別はない)の状態を骸骨、骨組みという意味でスケルトンで表す。
また、電気的流れからシステム的に捉えて、電気というものから評価して価格換算金額を入れて算出する。全体の意味、部分についても骨組みを表すもの。
11,シーケンス(sequence)、
制御対象に加える操作の順序、操作の順序と人の関わりからどれだけ人間が関わるか、またそのための人数、時間を価格換算金額を入れて算出する。
もう一つは、制御、操作の順序から、機器、部品の構成を形作りその価格換算金額を入れて算出する。
ロ,機械的
12,水的、13,空気的、14,蒸気的、
12,水的(液体)
ハードでは機器、部品からシステムを考えていたが、ここでは、水的(液体)からシステムを捉えて、水の流れ、水漏れがないか、水圧に対して耐力はあるか等の検証を行ない、そのシステム構成での構成次元に分けて、部品別に分ける。
また、機能から水の流れ、動きから、単純化、簡素化して捉える。そして、構成次元と機能から価格換算金額を入れて算出する。
13,空気的(気体)
上記同様に、空気的(気体)からシステムを捉えて、構成次元に分けて、部品別に分けて、風の流れ、動きから捉え単純化できないか、簡単にできないか。価格換算金額を入れて算出する。
14,蒸気的(気体、液体の間)
上記12,13,同様に価格換算金額を入れて算出する。
C,平面位置図
イ、敷地平面図
15,棟平面図、16,室平面図、17,
敷地との関係、建物の大きさ、位置関係、投資金額(平米単価)、意匠等 を価格換算金額を入れて算出する。特に部屋の稼働率が大きな問題となる、部屋はある一定期間を超えると最割り当てなどを考える。
時価評価額を念頭に置く。
建物のメンテなどランニングを低価格での運営が出来るかの対策、価格換算金額を入れて算出する。
ロ,動線図(時間)
18,歩行、19,自転車
自動車やバイクの必要なく、あくまで徒歩における移動を優先する、導線計画を作成する。導線を距離と、時間から価格換算金額を入れて算出する。
ハ,通信手段
20,電話、21,インターホン
導線との対比となるが移動無くしてどこまで情報交換可能かというレベルが通信手段のメリットである。このメリットを、時間から価格換算金額を入れて算出する。
情報伝達手段に上記項目の系統図が役立つものである。
系統図という統計的手法
統計とは、広辞苑では、集団における個々の要素の分布を調べ、その集団の傾向・性質などを数量的に統一的に明らかにすること。また、その結果として得られた数値。とある。
要約すると「個々の要素の分布を調べ傾向・性質」を数量化するとある。
統計はそれなりに大きな意味を持つものであるが、結果は、数値というところが系統図と大きな違いである。統計の数値は全て整理し編集した結果であるが、あまりにも整理されすぎて、その過程における、創造、発想や関連、連係、連合、統合、分析、さらに、放射、拡散、伝播などの関係認識に含まれるものを取り去っている。
この部分を、系統図というものに残し、且つ、数値を入れることによって、関係認識を高め様々な発想展開に期待するものである。
統計という数値と、その数値が出る過程、すなわち系統図である。系統図には「個々の要素の分布を調べ傾向・性質」が表現されている、それは、系統図分類表縦軸各項の数だけの「個々の要素の分布を調べ傾向・性質」が表現されている。その系統図に統計を入れ、数値を入れて過程と結果を見ることができるようにしたもの、図という系統的表現と関係認識を想起させる中に、統計的数値を記入し、アナログ表現と伴にデジタル値を表現したものが系統図というものである。
他社と競争できる適正価格を算定するには
先ずは、どんなものでも価格換算金額を入れて算出する。価格換算はその組織の価値観が大きく左右するものであるが、他社と競争できる適正価格という基準があるためそれ程難しいことではない。
製品ののコンセプトから、市場価格と製造工程、部品単価、設計、検査レベルから決定する。コスト構造改革推進本部等の新設や、組織横断的な専門的グループの発足を通じて全社的、組織的な取り組みをする。取り組みの価格換算金額も加え換算する。
取り組み方法についても、系統図分類法から分析する方法を示す。
現状を系統図として表す、系統図分類表の縦軸の各項目から系統図を作成する。作成した系統図に価格換算金額を記入する、例、ある系統図にAという機器、部品が記入されており価格10とする。Bという系統図には価格30と入っていたとする。
A、B伴にソフトの系統図とすると、価格からA、Bではソフトの考え方が違うということになる、系統図からどう違うか確認することが出来る、全く異なる守備範囲のソフトならA+B=40となる。
しかし、重なりがある、系統図があると系統図のここからここまでということが解る、系統図の特長的利用法である。
これが系統図があると、随所で「この部分です」といえるものであるため、具体的に重なりは、例、価格15であると判断できるものとなる。すると重なり価格は40-15=25となる。そこには、ハードの弱いところをソフトでカバーする、また逆等、の重複部を検討する。ハードとソフトの枠を超え重複部の確認が行えるものである。
系統図分類表縦軸項目の約20項目、この項目は、あらゆる方向から作成された系統図の二乗分だけの部分を確認できるものである。というように、系統図があると、あらゆる方向からの具体的価格まで言及することが出来るものである。会議でここまで進むと、通常の会議とは全く異なるものとなる。
もしも、価格が合わない場合は、重なり部分を探す、ソフトのストーリーを少なくして簡素化を図る、機能を減らす等の方策を、系統図分類表の縦軸21項目から系統図を使い検討する、様々な方向からの系統図を投影し価格削減できる方策を検討する。と同時に機能、部品、製造方法まで検討することが出来る方法である。
顧客の利用方法から、稼働率、利用率などの検討も必要である。他品種との重なり、機能と用途目的など検討する必要がある。これも同様に検討できるものである。また、製品、品質検査においても前記同様に検討することができる。がしかし、顧客満足というところを抜きにしては成立するものではない、というところからの選択も必要である。また逆に、系統図を使用すると高級品、高品質を作ることも容易である。
このように、前記同様にコンセプトからの、ソフトとハード、ハードとハード、ソフトとソフトにおいても投影を行ない重なり、抜けを判断できるものである、この運用が系統図の投影、統合の特長である。
市場競争力の維持
系統図それぞれで価格換算金額を入れて算出する。違えばその価格にした基準が違う、使用する機器、部品の違いが解る。それは、系統図そのものに、それぞれの方向と伴に、違う内容が書かれているからである。重なりがあれば、もし抜けがあると、系統図に重なり、また、何がないのかが解るものである、その時点で加筆、必要な系統図にスケッチするとよい、そこに違いを把握することが出来る。方法は、加筆、スケッチ、切り張り等を行ない、その場で検討し作成する。
このとき、系統図にそのまま金額を記入する、他の系統図と対比しながら投影し金額と伴に、システム的構成、存在理由、価値などを検討しながら機器、部品のレベルを定めて、金額を記入する。
競争相手がそこに存在するのなら、系統図で分析してそこに価格換算を記入して、開発する製品の系統図を比べればよい、一目瞭然である。他の系統図と投影しながら、機器、部品のレベルを見直し市場で競争力を持てる水準に製品の価格を定める。競争相手の内容を、系統図分類表で対比するその値が、価格換算で下回ると市場で競争力はあるということになる。
文化という顧客吸引力
この項については、別の項で述べたいと思います。
平成16年11月10日(水)加筆