2,施工業者takayanagi さんへ

 これまでも、同様の質問を受けます。

                 (h15,11,24)

 
バードアイ工事管理方法に例があります、

 P26の「系統図の作成」
 p86システムの空間把握等があります参照下さい。

 あまり深く考えずに、系統図分類表の縦軸の各項から必要と思われるものを、構わず作成してください。
 どんな簡単なものでも、系統図分類表から考えるという癖を作ってください。
 しかし私は、どうもそれではと思えるのなら、思い付いたもの、系統図と思われるものを、A1に貼り付けてください。
 
 以下に考え方を記します、簡単に考えて作成してみて下さい。



  

 
系統図の作成方法

 
 次に、A4サイズの大きさと、なぜA4サイズなのかについて説明する。
 系統図を作成し始めると、関連するものがどんどん増えるため、記入する用紙の大きさを限定しなければ、無限に広がり、系統図として限定する意味づけができずに、拡散・膨張するのみとなり、訳が分からず意味不明となる。この状況をもう少し具体的に述べると。系統図を作成し始めると、これもあれもと関係が認識されどんどん付加され系統図が思考的に膨張始める。付加するとさらに違う世界が広がり、さらにと思考が膨張を繰り返す。

 作成している人は,いつもこの先はどこえ行くのだろうかという不安に駆られるという。
 これに対応する方法として、思考的に意味不明となることを、物理的に用紙の大きさを押さえることである。それはすなわち、記入できる量(思考・物理的)、すなわち一つ一つの系統図の表現できる空間を、系統図の表題(系統図分類表の縦軸の各項)という限られた意味づけに抑えることを目的としているものである。と同時に系統図の作成者の不安「どこまで、どこへ行くんだろう」を軽減する方法である。これはまた、さらにやる気を起こさせる方法であり、労務管理上もっとも必要な安定と安心をを提供することである。

 言い換えるなら、安定と安心感のある8枚に、8枚という俯瞰できる枠組みにおいて、どのように全体を画こうとするものかということである。
 それは難しいことであるが、全体を画き、さらに系統図の完成した姿を画き、編集を考えてA4サイズの用紙に画くことを目的としたものである。実状は、一気に編集まで持っていけるものではないことを、編集を経験したものなら理解できると思える。その内容は、一つ一つ作成した系統図を投影して行くと、そこに何らかの形が形成される。これが「俯瞰であり全体を形作ったもの」である。

 この投影・俯瞰という行為は、行う者それぞれの特徴が如実に表出するものである。均一に平均化できるものではないが、そこには個体それぞれの特徴が示す空間が形成される。これも「俯瞰であり全体を形作った」ものである。このように空間や全体は、それぞれの能力と力によって画く空間は違うものである。
 違うから意味のあることである、この違うところを利用して発想や想像を行う方法がある。それは、様々な系統図を作成した者が、系統図を持ち寄りブレーンストーミングを行うことである。

 系統図を作成した者は前記に示したように、{そこに何らかの形が形成される。これが「俯瞰であり全体を形作ったもの」である。}を持っているため、情報量を多く、しかもある一定能力を超えるところでのブレーンストーミングとなるため、想像を超える成果を得ることができる、こようなブレーンストーミング方法を系統図ブレンストーミングとしたいが、音に滑らかさがないためAM法に因んで「AMブレンストーミング」と呼ぶこととする。またこれは、投影という行為でもある。
 表記の方法に「AMブレーンストーミングあるいはAMブレンストーミング」と表記する場合がある。 


前記でいうこのような空間や全体は、前記のように画けないということばは当てはまらず、系統図8枚で系統図分類表の縦軸の項目を表現できない等とは、系統図の手法の問題でなく、作成する本人の能力というより、「やる気という能力」の問題であるといえるものである。

 8枚を越える場合、8枚以下でも、かまわず系統図をA1に貼り込む、俯瞰してみる。
 必要ならもう一枚というように、貼り込むと、すると系統図のあるものが不要となるものもある。また、各系統図に不整合や書き残しなどを見つけることが出来る、ある部分を記入する等、この繰り返しを投影という。

 1,上昇・降下について(h15,11,24)

  虫瞰視、tanaka (11月15日、土)さんへ

 鋭いご質問に、とまどっています、お答えいたします。.
 tanakaさんは、すでに管理とはについて認識されているように思えます。
 例として、
 バードアイp26の「系統図の作成」を確認してください、13の系統図があります。が、この系統図のうち今田中さんが必要とする8枚を選び出して、A1に貼り付けてください。


 このものを、次のように観てください。

 系統図の上昇降下については、
 俯瞰することが上昇である、鳥が上空を飛び全体を見る、俯瞰である。これは系統図を8枚を一つの視野に入れ見ることをいう。
 特にゾーニング、階層性、グルーピング、命令方向(平行、上下)等の全体構成を見ることである。、

 降下することは、
 系統図のある1枚、ある部分を、修正や加筆すると、または、系統図という観念からは、線で結ぶと、その部分が理解しやすくなることである。
 このことにより、関連する他の系統図との関係が解りやすくなる等の効果があることである。正に鳥が、地上に降り立ち草むらの虫や穀物を啄むような作業を俯瞰と反対の作業として位置付け、降下と呼ぶものである。




 3,はなさ さんへ   h、15,11,30


 貴重なご意見ありがとうございます。
 気軽に話せる雰囲がないと私も思います、もっと砕けた形で意見交換でき
たらと考えています。
 ところで、はなささんは講習会で興味があったそうですが

、何が興味があったでしようか。
 もし良ければお聞かせ願いたいと思います。
 よろしくお願いいたします。



平成15年12月6日
 
 4,MIDNIGHT 

サンタのネクタイさんへ


 メールありがとうございました、「human communication」というキーワ-ドを頂きました。
 アメリカナイズもいいが、日本人としてのポリシー国際的基盤、今失われた世界「職人手仕事、武道、神道、旧満州帝国」の様を一度知る必要を感じています。また日本人としての宗教観、これを知って日本人であることを認識して、これを知って初めて外国との文化対比比較が出来ると思っています。
 マンハッタンからのイーストリバー越しの朝日、逆からの光、夕日の色も文化により自ずと変化します。

 システム設計における、この話をしますと、今から去ること古い話ですが1970から80年前後にリレーシーケンスで受電設備の停復電自動回路を設計したことを思い出しました。
 この回路は、リレーが約120個位ありました。この頃、100個を超えるとリレーのタイミングが合わずに、切りの タイミング、あるいは入りのタイミングが合わずに、正にラダーに書かれた動作を行わずに別の動作をする、言い換えると暴走するとといわれていた時代でありました。

 この暴走と戦うための手段、キープリレーという防波堤、逆にいうと塹壕(隠れるという意味で、身を守る)を設けたのがが始まりであった。しかし今はコンピューターの暴走、さらには人間思想思考の暴走に使っている状況であります。 このものが結果として私の思想、バードアイあるいは事象分割のベースになっています。

 過去にあった、前述のリレーシーケンスと同時期のICのシーケンサー、シスマックは20年もの大ベストセラーの機種、これと比べると、現在の物は軽簿短小のコンピューターであります。小さい軽い分だけ弱い物となっています、さらには、思考やソフトといわれるものの未熟や暴走を防ぐ物であります。
 その分、短小軽簿のコンピューターは外乱に対して弱い物である、この為、外乱に対して暴走を阻止する。また内なる暴走を阻止する為のキープリレーを設けている。この考え方は今も昔も何ら変わることがない、「異質」なもので異質に阻止するものであります。
 ここで、キープリレーの単位と思考単位を考えると
 その単位は、A1にA4八枚を貼った系統図、この単位が最大の単位と考えるものである。八枚の内容がメインルーチン、あるいは、サブルーチンであるかの違いである。すなわちそれは、俯瞰できている世界が全てであるという結果である。システムエンジニヤーは、常にそこには階層を認識して全体という世界を別物として持つことにあると思います。
 
 キープリレーはハードの暴走、ソフトの暴走を、阻止する物である。特にコンピューターでは軽簿短小のハード、ソフトに今以て必要なものとなっている。阻止することが安心と安定に、結果的に人間愛につながります。
 「機器は人間を移す鏡であるといえる。」設計が人間愛でなければ、機器は必ず牙をむく物であると考えるべきであります。ここに最初の「human communication」つながると思います。                                




系統図という概念

 系統図とは、何種類かの図法・表現方法・手段を用いて、投影、展開、編集を行うことをいう。そこには、系統図という「表現方法」と、次の段階である「投影、展開、編集」とを含むものであり、空間形成と考えるものである。さらには、ぞれぞれの事象に置いて事象分割を行い事象単位での空間形成と、それぞれの事象での整合性を確認するものである。


系統図の概念形成は
 1,系統図の表現方法
 2,系統図の図法と表現

 
3,系統図から「基本設計と編集」方法の一例

 系統図の概念は上記1,2,3の内容を複合的に組み合わせて、全体を見るという処から、それぞれ上記1,2,3を駆使することにある。このため、系統図という形にこだわるものでないことを改めてここで確認する。言い換えると、全体を知るための系統図と、そのものを知るため周辺情報として、必要な平面図や展開図等も、広軌な意味で、系統的把握が必要であれば全てを含むものであると考えるものである。当然、平面図や展開図等も平面的内容のみでなく、系統的展開や内容を含むものである。

 要は、空間形成、把握を行うにはどうすればよいかという、思いから使えるものは全て使おう、便利なものは使おうというという考え方である。

 また、事象分割についても、ある事象を確認するため、ある事象を知るために、系統図というものを駆使する、使えるものは全て使おう、便利なものは使おうというという考え方である。このことにより、全体と部分、事象と全体、事象と事象の整合性と統合を行うものである。が、それは概念形成でもある。また、概念を確認するためのものを系統図と称する。


1,系統図の表現方法
 (1)流れ図、フローとは
   水の流れのように、ある目的のために生じる流れ、系統、順序を言う。
 (2)階層図とは(梯子図等)
   目的のために何が重要なのか階層を設ける、グルーピング、ゾーニングした図等をいう。
 (3)緊密図とは
   緊密関係を個人、部屋、職種を数値化もしくわ図に表したもの。
   もっとも安定する、有効であるか検討するグルーピング、ゾーニングした図等をいう。
 (4)系統図とは
   ダイヤグラム、オルガニグラム、ソシオグラム、シーケンス、スケルトンなどと称され表された図、また   は、関係図をいう。


2,系統図の図法と表現
 関係すると思われるキーワードを下記に羅列する。 
 羅列したものの分野については敢えてここでは紹介を差し控ます、しかし、専門の方は直感的に感ずるところがあると思います。
 
 (1)プロセスフロー系統図、正投影配管図、制御ループ、プロセスブロックダ イヤグラム、業務系統図     総合系統図、
 (2)逆投影
 (3)表示形体、パターン、形状、具象画、概念図、
   系統図、アナログ表示、セグメント表示、数字表示、機能手段、
   表示機能、拡大縮小表示、表示角度表示、
   投影機能(投射、投写)
 (4)図形とシンボルと文字の配置編集
   図形とシンボルの結合
 (5)画法幾何学(図学)
   投影理論、正投影図
   単面投影による立体表現(斜投影、軸測投影、透視投影、標高投影)
   復投影、線面の投影、
 (6)連鎖配列、核酸連鎖の並進
 (7)モックアップのモデル化、透視投影画像、
 (8)人間知識の投影
   認識様式(自然に対する理性の投影)
 (9)縮小投影露光装置
 (10)機能空間の要素
 (11)線遠近法、正投影法
 (12)船舶通風系統図
 (13)衛星画像受信解析装置総合系統図
 (14)投影ユニット(分割投影)、複数の水循環の閉ループ
 (15)平面間透視投影、並列視体積交差法
 (16)脳の統合機能、網膜系統回路、奥行系統図回路
 (17)濃度投影
 (18)ポーラーステレオ図法


3,系統図から「基本設計と編集」方法の一例
 建築に関係する一般的設計手順(コンセプトから基本設計)を示す。

 (1)コンセプト(概念)
 (2) 構想、計画
  @全体構想、方針決定、(自然、社会、歴史、景観、調査・設定)
  A基本構想、地域計画、環境画計、インフラ計画、平面図、地形図
  B基本計画、美的計画、機能計画、動線計画、造成計画、施設配置計画、設備計画、詳細計画、     植栽計画、コスト計画
 (3)基本設計
  @基本設計レベルの
   機能計画、動線計画、造成計画、施設配置計画、設備計画、詳細計画、植栽計画、コスト計画
  A機器設置表、平面位置図(諸元表)
  B命令・組織図、人員配置(職種、役職)
  C給水、電気、ガス、空調等設備条件書の作成
  D各部屋のモジュール作成
  Eフレーム作り(構造計画等)
  F各系統・階層図の作成
  G平立面と断面図の作成(基本設計レベルのもの)
  H安全計画  
  Iパース

 
4,系統図から「基本設計と編集」とは
 系統図の表現方法、図法と表現、「基本設計と編集」方法の一例から展開すると、バードアイ工事管理方法の6,「〜として」の投影参照(P47)に示す、「〜として」の投影、または、「〜として」見るというような知覚レベルでの処理が必要である。

 投影レベルでは点的投影、系統的(線的)の投影、後で示す空間投影などである。ここでいう投影は、系統図の系統的投影である、様々な系統によりシステムは構築されているものであるため、それぞれの系統を投影しそれぞれの特長を生かしながら安定する全体を構築するものである。投影では、事象としての線と線の交点、すなわち、周辺情報等を含む系統図の交点を確認する、あるいは、投影する方法。

 さらには、次元を越える絵画的要素を用いた空間把握、全体と部分の照合、または、系統と系統との照合、空間における時、ある事象での照合等、照合と共に投影が必要となる。これらの統合する系統図は、部分から全体、全体と全体、全体から部分という、双方向の空間把握を行うものを、空間把握と共に空間形成を系統図の投影によって行うものである。

 これを系統図の系統図による空間形成、空間移動、空間投影を行えること、そのものを投影、展開、編集という。

 また、ある目的のために行う空間形成、空間移動、空間投影を手段とも呼ぶ。そこには系統図分類表の全項目を駆使する、系統図の系統図による空間形成、空間移動、空間投影を自由に4次元移動することが出来るものをいうものである。

5,系統図の概念について、一つの形を伝えたいと思います。

 hujitariさん、KMD3さん,midnightさん、takayanagiさん、
また多くの方々にご投稿頂きまして有り難う御座いました、お礼申し上げます。

平成15年12月31日 
後何時間かで新年を迎えますが、皆様にとって良い年でありますようにお祈り申し上げます。
                

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 6,システム料理理論  ( H16,2,1(土 ))

   自動制御と手仕事の責任分界点
     (電気釜で豆を煮る方法など)



 システム料理論、自動制御と手仕事の責任分界

 電気釜料理法 
 豆類を電気釜で炊くと、スイッチをを入れるだけでうまく炊くことが出来る。方法は、黒豆でも金時豆でも洗い、豆の量の約4倍前後の水を入れて、昆布を入れて、電気釜で炊き、保温で3〜5時間程度保温すると柔らかいふっくらとした豆が出来上がる。単身赴任として、豆を煮るというような料理はとても出来ないと思っていたが、スイッチを入れるだけで豆が炊けるという、この方法に狂喜乱舞した者である。
 食べ方は、そのままでもよいが、クリームチーズを豆の上にのせ電子レンジで30秒〜1分暖める、とろーとしたチーズがかかる豆が出来上がる。甘いのがいい人は少し砂糖など甘味料を入れ同様に行うのもよい。これはワインのつまみによく合う。

 煮込む物
 味付けは違うが、ひじき、切り干し大根、肉じゃが等が、電気釜の米を炊く特性である30分位煮る物には向いている。前記同様にスイッチ入れると自動的に出来上がる。
 冬場の単身赴任、朝セットしておき、仕事場から帰る時間に合わせ、例、帰宅時間午後7時半に合わせ炊きあがるようにして、帰宅するとほかほかが出来上がっている。いつも火の気のない部屋に、玄関を開けて入るのであるが、ぷうーんとの臭いが漂い、火の気を感じる部屋となっている。生活の臭いがするものである。初めて切り干し大根を作ったときのことを思い出した。
 この時の炊き方は、ご飯をセットして、真ん中にガラスの耐熱計量カップを入れて、そこに、もどした切り干し大根、みりん、醤油、昆布、水浸る量(押さえた状態)の三〜四倍位を入れて、セットする。すると時間が来ると、ご飯と切り干し大根の二品が出来上がっている。
 後は、みそ汁と、メインの魚か肉があれば、豆、切り干し大根があるため、一汁3品のおかずが出来上がる。
 冷蔵庫に入れておきストックとして冷菜として利用するのもよし。

 食えない煮野菜
 これに味を占めて、菜っ葉とあげの煮物を作ってみた、菜っ葉の繊維が柔らかくなり過ぎ美味くはなかった。しかし食べたみた、自分の味であるため美味かった、原因は電気釜の30分という煮る時間が長かったようである。
 
 料理システム論
 そこで、電気釜が入って10分から15分で切れるようにする、というようにタイマー、マグネットを取付て、回路を作り制御盤としてセッティングした。ところが、タイマーのセットは電気釜と制御盤の入り、切りのタイマー計3個のセットが必要であるが、これもおかずとしてはうまく行った、すごく嬉しかった。
この話を自慢気に妻にすると、そんなことをしなくても、鍋でも直ぐ出来るのにと一括された。
 考えてみると、タイマーのセットは以外に邪魔くさい。作業手順を紐解いた、すると、そこ10分位なら、食事を作るための平行作業、他の作業もあるため、鍋でやった方が早いと言うことになった。
 これなど、技術という範疇での技術屋の自己満足であり、顧客の状況や作業の関連など認識せずに、さらに基本である料理というものを認識せずに、顧客のニーズを無視した技術屋が作った典型の自動調理器であるといえるものである。
 しかし、これは単身赴任のお遊びの面白さと、味覚と、食欲の満足と、システム論の面白さが一度に表出したもの、生活システム論であった。






  






7,道具から系統図を考える (平成16年4月10日)

       
 道具から系統図を考える

 系統図の作成過程に使う道具、作成した系統図を俯瞰するための方法でありそのための道具を提示する。また、身近にある文具(道具)の活用から、系統図の作成過程を実際的な作業を通して思考の構築について述べる。
 俯瞰、投影、統合することにより修正、あるいは訂正、さらに分断、統合、接続等を行うための作業である。この作業を行うための文具である。文具からの展開として記述しているが、文具(道具)には文化が伴い思考をまとめる技術、方法が存在するものである。

系統図を作成するための道具(文具)を紹介しよう。

1,道具
(1)のり、はさみ
(2)定規、カッター、カッター用切り板
(3)系統図作成用(A4サイズ)用紙、台紙(A1サイズ)用紙
(4)付箋
(5)色鉛筆、消しゴム
(6)コピー機器
(7)鉛筆
(8)出来れば1畳程度の広いテーブル


 道具から系統図との関係を述べると次の様なものとなる。
 
(1)のり、はさみ
切り張り、思考の切り張り、分断と統合、接続を行うものである。
 あるものから想像、連想、関連するものを模索すると、思考はどんどん膨らみ拡張するものである、その時、表現する用紙の大きさを限定することなく、拡張する方向、膨らむ方向に紙を貼付、思考や思いを記入していく。畳一畳大になってもよい。このための「のり、はさみ」である。
 反対に、縮小、分断には、はさみで思考を物理的に分断する方法のために利用する。特に、はさみは細かいところやジグザグの切断や切り抜き部分に向くものである。

(2)定規、カッター、カッター用切り板、
 上記の切り張り、「思考の切り張り、分断と統合、接続」を、道具である「定規、カッター、カッター用切り板」表皮的には揃えるであるが、すなわち「思考の切り張り、分断と統合、接続」を行うものである。
  定規とカッターナイフは大きく分断、切断する時に向き、迷う分断などでは一度切ってみて、二分された系統図を離して見る(観る)のも方法である。まずければ、またのり付けして接続するとよい、というような試行錯誤であり、言い換えると思考の分断、統合という格闘である。
 思考をまとめるという静寂に、突然、カッターナイフで分断、切断というような暴力的行為があるということは、思考の大転換がある。正に、思考に分断、切断という物理的行為の導入である、と同時にある意味で思考に、異種格闘技の導入でもある。

(3)系統図作成用(A4サイズ)用紙、台紙(A1サイズ)用紙について
 上記1では、畳一畳大の例を示したが、ここでは反対に限定する方法を提示する。思考や思い限定する方法に、記入できる用紙の大きさを限定する方法がある、紙が小さければ記入できないという簡単な理由と物理的な限定方法である。
 系統図というものでは、用紙サイズを(A4)と限定するものである。
 また、系統図A4を俯瞰する方法に、A1サイズの台紙を用意するものであるが、A1サイズの用紙にA4サイズの用紙は8枚貼り付けられるものであるため、この8枚を俯瞰することを目的とす るものである。ある限られた用紙と いう空間に、系統図として画き記入するということは、そこに画こうという内容を限定しなければ画ききれるものではない。それは、思考の限定でもある。この限 定には、系統図分類表という空間を分析したものを使うことを勧める(バードアイ工事管理方法4,系統図の作成、p26、参照)。
 4,系統図の作成、から説明すると例系統図分類表揚水ポンプ設備(6図)の縦軸の階層、上位からA、B,C、中階層イ、ロ、ハ、下位階層1〜21の区分それぞれが思考の限定である。

(4)付箋、
 付箋は、系統図を俯瞰する時、系統図と系統図を投影する時に気になるところ、修正、訂正などを、メモするもの。
 もう少し広範に使用するには、暦の日めくりのようにして、大型の付箋を使用する。または、A4サイズ用紙も同様に使用できるので、適当な大きさ、形で切り、使用するのも方法である。
 訂正箇所に、「上部のみのり付け」して日めくり状態にして、訂正前の状況 は、日めくりを捲るとそこにあり、上の日めくりを戻すと訂正後のものがあるというような日めくり利用方法もある。
  先の「上部のみのり付け」部分は、訂正箇所の場所や形から、日めくりの上下左右自由に使い分けるのも方法である。のり付け部の辺が換わるということ はめくる方向が変わるということでもある。これも切り張りの一方法である。

(5)色鉛筆、消しゴム
 @一枚の系統図の作成過程。
 A作成した系統図を何枚かを持つ状態。
 作成した系統図の状況から、作成過程と、複数の系統図から投影あるいは俯瞰するもの、とは区 分するものである。
 一枚の系統図作成過程から、「部分と部分の統合・投影」と、一応完成された「系統図間における統合・投影」も、思考をまとめる、システムをまとめる方法は、次元を異にしても、その根本、原理は基本的に同じである。
 B作成過程、出来上がったものに、修正を加える過程。
 色鉛筆は、一度記入しても消しゴムで消せるという特長がある。最近よく使われている蛍光ペンな どは、一度書き込むと消すことが出来ない、修正、訂正の内容が残るのは後に混乱を招くことにな る。
 色鉛筆を使用すると、12色程度のものを使用して系統やゾーニング、グループ分け、あるいは時系列の色分け、システム的階層性など色分けに利用する。
 特に、投影例として、A系統図のこの場所と、B系統図のこのポイントとを結ぶと、というような時、赤鉛筆などで強く結ぶと、大きく思考は変化する、統合されるなどの効果がある、この様な使い方が出来る。

(6)コピー機器
 修正、訂正を行う時、現状がどうなっていたかを確認が出来るように、現状を示す図面は残す。
 修正、訂正を行うものは、コピーをしたものに修正、訂正等書き込みを行う。修正、訂正を行う範囲は部分全体とその内容によってコピー範囲を設定する。
 部分の切り張りは、日めくりがある。
 現状を残し、修正を、訂正を行うために必要なものである。

(7)鉛筆
 前記の色鉛筆同様、対話するもの同士双方が鉛筆を持って、系統図にこの部分 がこの様にと、記入する。このことにより、言葉で行うより何十倍もの情報を相手に伝えることが出来る方法となる。この繰り返しによって、対話を勧めていくと一気にシステムの全体まで伝えることが出来る方法である。
  またそこには、間違うと直ぐに訂正や、消しゴムで消すことが出来るため、曖昧な事柄でも話ながら形作ることが出来るものである。消せることが、曖昧さを持ちながら対話できる一つの要因となるものである。逆に言うと、確定しなくても意見を出して、テーブルにのせて討議が出来るというところが特長である。
 色鉛筆の例にあったが、「つなぐ、結ぶ」という行為に、鉛筆を使用すると、系統図のこの部分と、この部分をつなぎたい、自信がない時は弱く線でつなぐ、消しやすい鉛筆の線でつないで見る。自信があれば強い太い線で結ぶ、つなぐと、そこにはつなぐ前とは全く違う空間が存在する、また、そこには統合されたもの、あるいは違う考えが生まれるものである。新たな展開、発想を促すものである、と同時に提案型の討議が出来るものである。

(8)出来れば1畳程度の広いテーブル
 A1サイズの用紙にA4サイズの用紙は8枚貼り付けられるものであるため、 この8枚を俯瞰する ことを目的とするものである。と前述したが、このA1を何枚も俯瞰するためのスペースがテーブルの大きさである。
 並行作業として、片側で俯瞰、投影しながら、片側で修正、訂正を行うというような、場があると系統図の俯瞰、投影がスムースなものとなる。

   

 
8,系統図が存在しない会話   平成16年4月23日(金))

系統図が存在しない会話


1,例、設計対象、炊事場、設計時における給排気設備の話

 著 者、 系統図を書きなさい。
受講者、 書くとAとBをつなぐだけですよ。それだけのものですよ。
 著 者、 確かにその通り。系統図を書くと違う事柄が生まれますよ。
 
(1) 著者、受講者の会話から
 それはア、ある現場での話、イ、話をしているその部分、ウ、あるいは図面広げている図面内容のその場所、というその時のその場所の話である。
 実際のシステムは、@排気があると給気がある、A冷房がある,暖房がある。Bガスコンロ、蒸気釜など熱源がある。さらに、C部屋の広さ、天井の高さ、通路の広さ等逃げ場のゆとりなどが大きく環境を左右する。さらに、D外気からの塵埃、菌対策として窓は決して開放しないが、そこに窓がある,開けようとすると開く窓がある。Eその他関係するもの、等周辺条件が揃うものと、揃わないものとは大きく人間は気分が違うものである。

 さらに危機管理も考える必要がある、停電、断水、天災などの対応である。
 特に、極めて日常的なものでローテクといわれる窓の開閉は、危機管理上も絶対必要なものである。しかし、機械によって作られる人工空間における条件設定の根幹を揺るがすものであるため、窓の開閉は機器の能力・仕様を大きく変化させるものである。
 上記内容を「書くとAとBをつなぐだけですよ」で表現できるものか、考える必要がある。

(2)炊事場を系統図で画くと
 危機管理を除いて、1(1)ア、イ、ウで行う話でも、システム的には最低でも1(1)@〜Eに示す幾つものシステムの構成要因が存在する。また、それぞれが関係して全体を構成している。このことから、「受講者、書くとAとBをつなぐだけですよ。」では済まなくなる。
 系統図を画くと、@〜Eの画かれた系統図から、それぞれを投影すると、そこには(6×5)30通りの投影が生まれる。投影から考えると、実際は投影方向が異なるため、例、@からAへ、また逆Aから@へという方向が異なるため6の二乗となる。
 しかしそこに、系統図を作成していない場合は、受講者のいう「書くとAとBをつなぐだけですよ。」という内容となる。それは,頭で考えるものであるため、36通りの投影など考え及ぶものではない。さらに、投影を行い統合するということを、経験することが無かったためであると思われる。

 例、システム構成上、1(1)6条件のものが存在し、@〜Eの画かれた系統図があると、それぞれを、一枚ずつ投影することが出来る。それは、物理的に6の二乗の数だけ投影することが出来る系統図がそこに存在するからである。もしも、系統図がなければ幾ら系統図の作成し投影してきた者でも、先ず、36の投影を系統図なしで出来るものではない。
 この系統図の作成において、どのようなアプローチを行うと可能かというところを、系統図分類表というもので表現したものがある(バードアイ工事管理方法4,系統図の作成、p26、参照)。
 系統図で投影を行うと、そこには、頭で考えていた「書くとAとBをつなぐだけですよ。」とは全く異なる空間と、システムが織りなす統合されたシステムが存在することになる。それは、確かに一つ一つは「書くとAとBをつなぐだけですよ。」の簡単な系統図が書かれている、あるかないかの違いがある。
 
2,雨水・水の流れ図(系統図)一枚から例を示す

 系統図作成のための端的な例を挙げる。
 丘陵の中腹に既存道路がありこの道路から頂上に近いところに、揚水のタンクを設置し、面積は@一辺70mの四角い平地を造成した。また、この揚水タンクまでのA取付道路幅3,5m、道路延長70m、合計@+A7350uが造成された。これから流れ出る雨水に付いてである、実際はB周辺の傾斜地を入れて20,000uにもなる。

 最も、造成前も周辺雨水は、全部ではないが幾筋もの小さな沢になり中腹の横断する道路に流れ出していたようである。
 造成地の雨水の放流先がC既設道路の側溝一点に集中するというような極端な例である。まずいことに、既設道路の側溝から海に向かって、自然に出来たD沢を経由し流れ込むという経路となっている。E海には養殖池、養殖用の筏が浮かんでいるという例である。
 上記内容を、難しいものでなく単線で簡単に書けば分かる話である。

3,イメージ化する

 無謀なことですが系統図を以下に文字で表して見ました。説明には「2、雨水・水の流れ図(系統図)一枚から例を示す」から,@からEを使いながら説明する。

(1)A4の紙を縦長にして、
(2)最上段に系統図の名称を記入する。名称は前記に示した名前、「水の流れ図」 と記入する。

これから系統図を書き込む
(3)「水の流れ図」の下に、水上のB周辺の傾斜地を入れて20,000uの図を記入、 例、扇形の台形を記入、イメー  ジは平地から傾斜地を台形の下部短辺を平地 の周辺長と考え、上部長辺を傾斜地の頂部分水嶺と考える。こ  れから、水の流れを示す線を、少 し下に引く。
(4)台形の下に、@一辺70mの四角い平地を造成を真四角に書く。これから線を 少し下に引く。
(5)真四角の下に、A取付道路幅3,5m、道路延長70mをイメージした縦長に長 方形を記入、道路に並行に側溝も  記入、道路からと側溝とを合わせて、これ から線を少し下に引く。
(6)長方形の下に、C既設道路の側溝を、A4の紙を上下に分断するように横に 既設道路の側溝を記入。(5)が既  設道路の側溝に流入する。 
  側溝からつながる会所へ、この会所から道路下部を横断さらに下に引く。 
(7)道路横断したところに会所があり、これからD沢を経由し海に流れ込  む。  
 例、沢の表現は蛇行する線で表す、少し下に蛇行する線で引く。
(8)最終排水地点海に至る、E海には養殖池、養殖用の筏が浮かんでいる。
 波打ち際と、筏を書くとよい。

 敢えて、系統図を文字で表してみました、イメージできたでしょうか。文字で表すと、文字数が多く時間が掛かりますこれを絵図で見ると見た瞬間に状況は理解できると思われます。この違いを感じてください。

 もしも、系統図がなければ既設道路の側溝に接続で終わってしまうのが常である。一般的には見たもの、観念的判断である、これにつなぐと流れるで終わってしまう、納得してしまうものである。また、玄人でも、系統図がなければ見たもの、観念的判断で終わるものである。
 それを阻止するものが系統図である。系統図は難しいものでなく単線で書けば分かる話である。
 このように、雨水・水の流れ図というような系統図を、流れ初め分水嶺から最終海まで、言い換えると、造成の頂上から海まで作成すれば直ぐに分かる話である。例、造成地の平地、傾斜地の四角、扇形の図に雨水に関する情報、「面積と面積増、水平投影面積と面積増、雨量、勾配、係数等を記入する」。そうすると、概念図が出来上がり全体が見えるものである。
 詳細はともかくとして、簡単な系統図があると全体が分かるものである。このイメージを、構想時、基本設計時に作成することである。

4,水の流れ図(系統図)一枚からの展開

 系統図がなければ、既設道路の側溝に接続で思考は検証は終わってしまう。この場所が接続点、接続点では造成地の雨水はどうなるか考える必要がある。
 豪雨の時、側溝から溢れる、会所から溢れる、溢れた雨水は道路表面を流れ出すのか、その下の沢は土砂を削らないか、さらに海へは、汚染させないか、養殖筏、養殖池はと関連するものにつながる。また、丘陵地の分水嶺からの雨水は土砂を流さないか等関連することに連鎖的につながるものである。これが系統図の大きな特長であり、最も必要なことである。
 さらには、もっと良い方法、簡単な方法、安価な楽な方法など模索するには最も適した、思考方法である。
 この差、イメージ化が出来る、大きな差となるということである。さらに、系統図を画き訓練すると管理という次元、空間管理法まで変化し、管理空間が認識され形成されるものである。

5,管理という観点から考える

 前記に示す2、3、雨水・水の流れ図(系統図)一枚から、たった一枚で、これだけの情報を想起させると伴に関連を認識させるものである。多い情報を伝達するには、系統図一枚は、伝える方法として系統図が必要であるということである。
 もしも口頭で伝えなければならない場合、例に示す前記1、例、設計対象、炊事場、設計時における給排気設備の話、(1)に示す@からE6枚の系統図の内容を伝えられるのかということになる。
 伝えられないことはないと思えるが、関連する事柄など抜けてしまい、時間が掛かり過ぎ、結果として正確な情報が伝わらないということは自明である。この状況から、現場が、例、20または30件ある場合、「上記1(1)ア、ある現場での話、イ、話をしているその部分、ウ、あるいは図面を広げているその場所」、ということでは管理は出来ない。
 何故ならば、その場・部分のみの対応ではなく、現場が、例、20または30件を横断する形でどうするかということが必要である。さらには、上記で示す、ア〜ウの場と部分の設定、さらには前記1(1)の@〜Eに示す幾つものシステムの構成要因と、現場が20または30件にどう反映させるか、というような考えで伝える、聞くでは自ずとその内容は違ってくる。
 それには、共通事項の模索と共通対応の模索である。同時に、そのものの管理レベルと下げることなく、安定するところと伴に、将来へ展開、成長可能なものを提示することにある。

6,現場で系統図上問題があると考えられた場合の展開

ある現場で、前記1(1)の6枚の系統図から問題があると考えられると、系統図のこの部分ということを指し示すことが出来る。また、投影する系統図があると、現場にその内容を投影しこの部分をこの様に改造するなど対策が取れる。
 それぞれのシステムの構成要因と現場30件にどう反映させるか。
 方法は、系統図の投影、問題のあるところを他の系統図に投影することにある。言い換えると、系統図を重ねて串刺しにするようなものである。
 その内容を、少し引いて考えると、系統図分類表という系統図そのものではない分類項目、言葉から検索や類推できるものである。それは、系統図分類表で縦軸の項目、何番項目でどの部分かということを限定することが出来ることである。
 人間が本来持っている認知能力の直接的方法として、系統図として表現されている系統図上で、この部分ということを指差し限定することが出来る。
 また、直接的な図面で指し示すことよりも、系統分類された言葉による、人間が新しい時代に形成された言語という認知能力による、間接的位置関係、指示内容、さらに言葉による空間的位置を認識することが出来るものである。
 人間の古い、新しい認知能力を駆使できるところである。それは、全く違うところからの、違う方向からの問題へのアプローチが出来るところである。また答えも図面・系統図と言葉という道具も全く違うもので結果が出るところである。

7,系統図を投影し統合を繰り返すと

 
図面・系統図と言葉で投影、統合するすることが出来るため、そこには、基本的には二つの異なる空間が形成される。脳の部位でいうと、右脳と左脳である図面・系統図が右で、言葉が左と考えられる。それは、図面・系統図で全体を考え、言葉で詳細をつなぎ合わせ整合性を取るという使い分けである。
 しかしながら、言葉も図面・系統図も投影を繰り返し、また統合を行うと、どちらも右脳に限りなく移り行くものとなる。
 結果として、右脳におけるパターン認識が形成されると、詳細照合を言葉あるいは図面・系統図で確認するということになる。というように、全体から詳細さらに右脳から左脳、また、パターン認識から図面・系統図へ言葉へと縦横に思考を巡らすことが出来る特長がある。全体と部分の処理が同時に行える空間管理法を手に入れることが出来るものである。それはまた、関連するものをイメージ化すると伴に、イメージを基にシステム構成を自由に変化させることが出来る能力を持つことが出来るものである。










































 

 

 9,,しもちゃんへ

平成16年5月18日(火)
 
投稿有り難う御座いました、
バードアイの発表は、本の名前、著者、出版年月日、出版社、を記入して頂くと結構です。
出来たらホームページの記入をお願いいたします。
 
表題の全体ですが、
一度に全部見ることは誰でも無理です、皆さん苦労しています。
 
今回の管理で、全体を見るということはどういうことか、知ることが出来たと思います。
しかし、自分で全体を見るための資料を作成し、全体を見ることは訓練が要ると思います。
 
見る方法と、見るにはについては、系統図作成によって、これから何度となく何十回となく作成することによって培われます。
全体を見るというコンセプトで、作成、そしてカメラで引いて見るように、を繰り返し訓練してください。

系統図分類表で説明すると

系統図分類表の頂点「システム、系統図」という言葉がありますこれが、引いて見ることです。
また、系統図の縦軸項目はカメラの引き具合を段階的示しています。
系統図分類表は、言葉から系統図〔絵図〕の階層性を示すものであります、同時に階層を越えて投影を行えるものでもあります。
一番大きいことは、言葉から系統図〔絵図)をイメージして全体という階層に置いてどの部分を作ればよいかを、絵図のみではなかな指し示すことが出来ないところを、言葉という抽象化したものから指し示すことが出来るところです。
しかも系統図分類表において、言葉で階層化されているところ、さらに、空間的に関連づけられているところです。
また逆に、系統図がある程度以上の枚数が出来上がると、系統図〔絵図)から言葉と同様に行うことが出来るところです。絵図では、言葉をもっともっと具体化したものとなって表現されるでしょう。
 
必ず全体が見え、的確な指示、抜けのない全体が構築できるでしよう。
今後の活躍を祈っています。
 
全国大会をがんばってください、成功を祈ります。
 
h16,5,17
バードアイ著者、有光正和

 10, 「エンド・オブ・パイプ」とISOの違い

  
地球環境という概念の有無と、OUTPUTの変化
  (h、16,6,5)

 ホームページ、バードアイ工事管理研究会掲示板から、大変興味深いおもしろいメッセ-ジを頂きました。
 全文掲載いたします。

 midnight(h16,5,20)
 前略 面白い話を聞いたのでご紹介します。バ−ドアイの考え方を理解するうえで一助になればと思います。
 鶏に餌を食べさせるシステムのアウトプットは?かなりの人は鶏の糞、当社では卵という答えが返ってきた。正解は餌を食べた鶏である。ではもうひとつ自販機で缶ジュ−スを売るシステムのinputは?大抵の人は120円、良くてお金と答える。正解は自販機にある缶ジュ−スであり、outputは売られた缶ジュ−スである。この違いは重要である。お金をinputに考えると缶ジュ−スを売るシステムのinputはお金にこだわる必要が生じてしまう。
 最近携帯電話で支払う自販機が出てきたがこうした物はinputと考えずシステムと考えれば自由な発想が出来る此れこそがバ−ドアイの発想である。
 バ−ドアイ思考によれば単に改良でなく斬新なシステムの設計.開発ができる。 しかも製品開発でなくビジネスモデルにも役立つ。

 著者、inputとoutputのモデルは大変おもしろく読ませて頂きました、商売や機器として、社会システムとどう関わるかと考えると、見事に表現したものと思われます。また、ISOにおいてもIN、OUTで何が出るか変化するかを考えてみたい。から展開します。

1、ISOから考える

 同じ何が出るかでも、ISO国際基準と品質と環境との関係、ISOの精神にある「エンド・オブ・パイプを見るのでなく、プロセスを見よ」にあるように。
 例、航空会社ANAの環境アプローチ
 パンフレットに2001年取得、ISO14001について記載があった。
 この認証項目を見ると、環境経営を推進、騒音の低減、地球温暖化の防止、排出物の削減とリサイクル、大気汚染の防止、オゾン層の保護という重要な課題に取り組み、それぞれ具体的成果を積み重ねています、とある。
 具体的には、
 「できるコト1」
 燃料消費の少ない最新鋭機の導入CO2発生を抑制。改良型のエンジンを採用し、排出基準をクリアー。1994年には全機ICAO騒音基準チャブターV
に適合。排出物の最終処分量の低減、リサイクルに努力。機内冷凍機設備、整備作業などから特定フロンを全廃。
 「できるコト2」
 かけがいのない地球環境を守り、育むために企業としてできることを自らの手で始めたい。中略、空港名を付けた「私の青空」OOの森」。誰で参加できる森作り10年計画を立てました。
 かけがいのない地球環境を守り、育む、「木を植え、森を育てる緑化造育林活動を計画。リーダーとして使命を持ち、地域、市民の皆さまと力を合わせて豊かな森を想像する自然再生事業を進めています。等とある。

2,ISOの活動とは
 地球規模で企業活動をするエンタープライズは、進出国での安全対策が自国とは大きく違うなど、安全対策に悩ませられることが多くあった。
 万一大事故が生じると、生産活動が一時的に停止される、また多額の費用が必要というだけでなく、場合によっては管理者、経営者の刑事責任まで追及される。さらに、内容によっては進出国社会的批判や制裁に曝されることがある。
 これら、国情により余りにも違いがありすぎるため、国際的な調和が必要である。そして最も身近な経験の蓄積、各国の労働安全衛生規格の実績を積み重ねる重要性を指摘している。このためにはさらに、経験を積むことが世界安定と人類の幸せと地球環境を守ることにつながる重要性を説いている。

3,地球環境問題について
 ブラジル・リオデジャネイロで182カ国が参加し開催された、地球サミット(国際環境開発会議1992,2,6)に先立ち、地球サミットを成功させるために開催された。参加メンバーは主要国の有力産業界メンバーで、環境に配慮しながら経済の持続的発展を続けていくためには、環境への影響が大きい、企業活動を対象とした環境マネージメントシステムの国際規格化を提言した。それから3年半後(1996,9)最初の環境マネージメントシステム規格として、ISO14000の核となるISO14001(環境マネージメントシステム、使用および利用の手引き)が発行した。

4,ISO14001とは
 認証、登録または、自己宣言のために客観的に監査が可能な要求事項、つまり第三者認証に用いる要求事項を定めたものである。これらの規定事項は、「シャル(shall)」で書かれており、「シュツド(should)」で書かれた他の規格、ガイドライン大きく異なるところがある。それは、企業がどのような環境ポリシーを持ち、「Plan,Do,Check and Action」の四段階方式で、どういう体制で、組織で、どういう項目をチエックするか、そして、チエックした結果は、どこをどのように直したらよいか、その全てを記録する。
 こうした企業の活動結果を、環境対策をどのように講じていたか、外部からわかるように求めている。
 ワシントンで開かれたGEMI(Global Environment Management Initiative、1994,3)の席上でハバードビジネススクールのマイケル・ポーター教授は述べた「エンド・オブ・パイプを見るのでなく、プロセスを見よ」と指摘している。

5,我が国においても
 また、日本でも同じく1999年4月に厚生労働省から「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」が出されている。さらに、ILOからも2001年4月に「Guidlines on occupational safety and health management systems ILO-OSH 2001」が出されている。しかし、ISOからは規格は出ていない状況にある。
 産業界において地球環境や安全志向、高齢者・障害者対応など消費者ニーズの多様化への対応など、我が国においても、工業標準化制度が引き続き取り組まなければならない課題がある。
 1997年1月国際標準化機構(ISO)の技術管理評議会(TMB)は、労働安全衛生マネージメントシステム(OHSMS)規格の制定作業を、当面見送ることを決めた。
 OHS国際ワークショップの報告を尊重した結果である。品質(ISO 9000ファミリー)、環境(ISO14000シリーズ)に続く第三のマネージメントシステム規格、ISO 16000シリーズ(あるいは18000シリーズ)制定を目指す動きは、ISO国際標準の世界では頓挫したかに見えた。しかし、「ISO 16000 」は現在は、「OHSAS18001」として1999年4月に規格が出ている。このように、人類の願い、地球、環境再生へと願いを込めて、地球再生ネットワークは広がり、弛まなく世界は前進しているようです。

参考、OHSMS・OHSASとは
 OHSMSとは、労働安全衛生マネジメントシステムOccupational Health and Safety Management System のことです。ISO9001、ISO14001に続く第三のマネジメントシステムといわれている。
 しかし、OHSMSは現時点においてISO化はされていません。OHSMSに関する代表的な規格としては、ISO指針、厚生労働省指針、そしてOHSAS18001があります。OHSAS 18001、Occupational Health and Safety Assessment Seriesは代表的な認証登録機関などにより開発された、現在唯一の審査用規格である。
 OHSASとは、OHSAS18001は、その構成がISO14001と同じで、また、ISO化が図られた際には発展的に解消することが盛り込まれている。

 

h16,6,6,


11,系統図分類表

 コンセプトを系統図で展開すると

1,プロセスを結果につなげる系統図作成
 「鶏に餌を食べさせるシステム」のアウトプットは、かなりの人は「@鶏の糞」、ある会社では「A卵」という答えが返ってきた。もう一つの答え、「B餌を食べた鶏」である。との考え方を、鶏に餌を食べさせるシステムでは、inputとoutputのモデル「エンド・オブ・パイプ」と考えると理解しやすいと思われる。
 しかし私は、前述のマイケル・ポーター教授の「エンド・オブ・パイプを見るのでなく、プロセスを見よ」からも、INとOUTの中に「人と地球や環境とプロセス」を入れることを考えています。入れるとOUTは全く違うもの、違うものを生むものとなります。その具体的方法を、系統図分類表(4図)で説明する。

2,系統図における「Plan,Do,Check and Action」の繰り返し
 (エンド・オブ・パイプを見るのでなく、プロセスを見よ)
 コンセプトがあり、系統図を作成し、作成した系統図の投影があり、投影した内容を各系統図に記入する。また逆に作成した系統図からコンセプトを作り出すことも出来るものである。つまり「Plan,Do,Check and Action」が系統図分類表の中で繰り返すというものである。
 また、現時点において系統図を作成すること、使うこと、投影、統合、編集することにより、「ISO 16000あるいは18000シリーズ」に対応できる。また、対応できるものは何か、「人と地球や環境とプロセス」を当然考慮して、これから何が対応することが出来るか、さらには何をすれば、どうすればできるかという、改良、改革、創造のところを具体化できるものである。

3,系統図分類表の各項概要については
 (この項の番号は系統図分類表の記号により説明する)
A,ソフト命令系統図
 イ、労務管理の「人」という問題から考えるものとする、といっても過言ではない位置付けである。
B,ハード系統図
 イ、電気的、水の流れとよく似ている。ロ、機械的は、この場合は少し無理がある、元々は機械設備の建物辺と建物内を考えていたものである。ここでは、もう少し大きく捉えて地球あるいは環境と読み替える。また、水的,空気的、蒸気的を(海、河川、空、空気、湖・沼)を象徴する渡り鳥と読む。
C,平面位置図
 地面、地球、大地とおき、環境との関わりを系統図分類表で考えるものとする。


 系統図分類表には、人の部分がある、この部分を前記A、B、C検証してみる。
 A,ソフト命令系統図
  イ,事業所の労務管理、ロ,システムフロー、ハ,名称の編集、

イ,事業所の労務管理、
1,組織、2,命令系統、3,責任範囲、分担、4,勤務体制、5,人員配置
上記各項目は、鶏に餌を食べさせるシステムと、どのように関われるかということを表している。組織として、命令系統的に、責任範囲として分担として、勤務体制として、人員配置として、{人と鶏に「餌を食べさせるシステム」以降、「人とシステム」と総称する}とどのように関わるか、地球環境と人は、ということを、系統図分類表では問いかけているものである。

 ロ,システムフロー、
6,操作フロー、7,制御フロー、8,センサー設定フロー
上記各項目は、人との関係から前記イ,事業所の労務管理を念頭に置く、6,操作フローは、操作し易いか、分かり易いか、7,制御フローも同様に制御フローは理解し易いか、分かり易いか、その根底にあるのは「イ、事業所の労務管理,1,組織、2,命令系統、3,責任範囲、分担、4,勤務体制、5,人員配置」という
ものである。

 具体的述べると、
 6,操作フロー
 人との関係から組織的配慮があるか、操作フローとして命令系統が考えられ配慮されているか、同様に3,責任範囲、分担は、4,勤務体制、5,人員配置も配慮されているか。
 また、操作フローという内容を、機械・機器といわれるものが、ハード的に組織化、命令系統化として構築されているか。操作フローとして、責任範囲、分担は検討されているのか。さらに前記でいう、人との関係から勤務体制、人員配置まで関係を操作フローとというものから、考え配慮しているかというところ等である。
 7,制御フロー
 操作フローと同様に、制御についても、人との関係から組織的配慮があるか、制御フローとして命令系統が考えられ配慮されているか、同様に3,責任範囲、分担は、4,勤務体制、5,人員配置も配慮されているか。
 制御フローとして、ハード的に組織化、命令系統化として構築されているか。制御フローとして、責任範囲、分担は検討されているのか、等である。
 8,センサー設定フロー
 機械の構成、目的上必要なそれぞれの各機器が、目的のために必要な値を検出して、その値まで各機器を動かし、機器全体のストーリーを完了することによって、機器として目的を完了することにある。ここには通常、INがあってOUTがある、機械のみで考えられていたセンサー設定がそこにある。
 系統図分類表ではINとOUTの中に「人と地球や環境」を入れる。
 方法は、機器として設定すると、例、3秒で機器は必要な作動を完了することが出来る。しかし、そこに人間が入ると、3秒が確認できない、動きに人間の考えが付いていけない、解らないところがある。とすると、操作する人間が分かり易い状態にすることである。それには簡単な話で操作する人が解るまで、時間的に待とう、3秒を7秒にすれば解るというようにゆとりを持たすことである。
 環境問題から考えると、前述の、最新鋭機の導入CO2発生を抑制。改良型のエンジンを採用し、排出基準をクリアー。1994年には全機ICAO騒音基準チャブターVに適合。排出物の最終処分量の低減、リサイクルに努力。等きめ細かい機器、センサーの開発、改良、さらに今あるものでのセンサーの設定などにより、より環境に優しいものを作ろうとする努力など。

 設計あるいは操作、制御を考えると
 系統図分類表は、縦軸のA,ソフト、B,ハード、C,平面位置。
 という区分と伴に、階層というものがあるため、センサーから設計あるいは操作、制御を考え、階層的に、イ,事業所の労務管理、 1,組織、2,命令系統、3,責任範囲、分担、4,勤務体制、5,人員配置、ロ,システムフロー、6,操作フロー、7,制御フロー、さらにはC,平面位置図等を構築することである。さらには、前記内容のグルーピング等を構築することにある。
 システムをセンサーから把握すると、機器、組織等は、機械人間に関わらずセンサーの感知する能力と伴に、様々な種類のセンサーが幾つ付いているか、様々な事象に適したところ場所に、時にあるかということ、がシステムとしての能力や安全レベル、システムから排出する能力を表すことになる。また、センサーで感知したものをどう編集するか展開するかというところがシステム構築であると考えられるものである。

 ハ、名称の編集
 8,警報名称の編集、9,機器名称の編集、

 8,警報名称の編集は
 システム構築したときに、警報が出る、この警報はどの程度危険であるか、どの程度重要であるか、を文字から認識する必要がある。システムフローとしてどの範囲まで影響するか、労務管理上「人」に影響はないか、制御フロー、操作フロー的にどのような影響があるか、階層と伴に範囲を認識できるものでなければならない。
 9,機器名称の編集は
 警報名称の編集と同様で、まず機器の名称を決定することにより、そのものの機器や働き、設置されている位置や信頼性、大きさ重さ、等様々なものが機器名称から理解される。分かり易い名前と伴に、操作フロー、制御フロー、センサー設定フローなどを作成するときに理解しやすい分かり易い名称を決定する。
また、「エンド・オブ・パイプ」でないISOに対応できる背景と伴に、環境マネージメントシステムを構築できる、言葉を選択する必要がある。また言葉の選択決定は、システムとしての目的、環境等への関わりを示すものとなる、さらには第三者がどのように感じるか、関われるかというところがあるため、選定には注意が必要である。

 B,ハード系統図
 ロ、機械的は、機器の内部的には水的、空気的、蒸気的とする。前述したが、外的な環境問題は、海、河川、空、空気、湖・沼、あるいは象徴的意味合いで渡り鳥と読み替える。
 環境問題で処理すると、膨大な関連が見えてくる、しかし機器の内部的条件で考えると、機器のみで完結する思考と伴に機器として完結するものとなる、ここが大きな違いである。「エンド・オブ・パイプ」という枠内では、機器の関わりということでは内的なものであり、製品が出てくるまでである。ところが地球環境が出てくると、もうそこには、環境問題としての海、河川、空、空気、湖・沼、これらの象徴としての渡り鳥が出てくる、そうすると、OUTPUTは限りなく地球へと広がるものである。

 C,平面位置図、
 イ,敷地平面図、動線図(時間))ハ、通信手段
 これらは、大地を現し、海、河川、空、空気、湖・沼あるいは渡り鳥等でそれぞれがつながり、海、空気、河川、空、空気、で地球はつながり一体となっている。完結する機器は、完結していると思っているだけで、地球という宇宙船をイメージすると、宇宙船の一部分を占めているという、認識が必要であろう。地球上にあるものは全て完結したものはなく、地球と関係するものであるという考えが必要である。(以上、系統図分類表の番号、記号とする)

4,系統図とは

 コンセプト(概念)、ポリシー(政策)を持ち、「Plan,Do,Check and Action」の四段階方式で展開できるものである。と同時に逆にコンセプト(概念)、ポリシー(政策)を形作ることができるものである。
 「エンド・オブ・パイプ」という極めて一般的な考えの中に、IN,OUTの間に概念、政策、すなわち系統図を入れることにある。難しいが、系統図分類表と系統図を使用すると、それほど訓練を受けていない者でも、系統図分類表の各項目から詳細な各事象毎に概念と政策を展開できる特長がある。詳細とは、系統図分類表の細分化した縦軸各項目である。
 また、系統図分類表の縦軸各項目から作成する系統図は、多くの鳥類のすり込みと同じで一つ一つの系統図に、概念、政策などを刷り込むことにある。
 この刷り込むというもの、ある部分あるところに刷り込まれた系統図が多くあると、あるいは、空間を系統的分類した系統図分類表の縦軸の各項によって作成した系統図があると、そこには、概念、政策が反映されたものとなる。
 特に、刷り込まれた系統図を、さらに投影、統合、俯瞰することによって、概念、政策は形成される。
 これを三次元的な例で述べると、概念、政策は形成されると親鳥のようになり、その後ろに系統図という幼鳥がつづくという図式が出来上がる、系統図分類表の系統樹という形である。平面としてはつづくであるが、ひとたび空に舞い上がると、投影、統合、俯瞰も三次元となるため、空間的に展開できるものである。この様は、渡り鳥の渡り、編隊飛行と編隊の組み替えと同じで、情報伝達が各部で縦横に行われることにより、全体の編隊が変化するということである。このような様、情報伝達が投影、統合、俯瞰、を促し三次元的うねりを作ることが投影、統合、俯瞰の方法である。系統図としては四次元の展開の展開であるが、系統図で情報の伝達というレベルになると、五次元までを考えることが出来るものである。

5,系統図と思考の評価(計量的評価)
 どういう体制で、組織で、どういう項目をチェックするか、そして、チェックした結果は、どこをどのように直したらよいか、どのように直したか、その全て事実を記録することが出来るものでなければならない。
 通常記録とは、文字で時系列上に作成するものが記録とされているが、ここでは系統図というものを提案したい。文字でなくても系統図(絵図)で十分出来るものである、文字とは元々その持つ意味が違うため、全く同じではあり得ない。がしかし、特性を生かすと前記事実と変化があったところ等を空間的認識から現したり、把握したりすることが容易となる特長がある。このため、系統図は文字を遙か越える特徴を示すものであるといえる。その内容を時系列で系統的に確認できるものである。
 編集方法としては、文字の説明できない空間的認識関係などを系統図で表し、系統図の表現しにくい部分を文字で現すとよい。目次や、簡単な説明などである。
 具体的方法は、A1サイズの台紙に、系統図分類表によって作成した系統図を、基本サイズA4の系統図を8枚貼付、投影と共に俯瞰することによって展開できるものである、詳細は別項で述べるとする。
 つまり、一般的に作業内容を、計量的に評価できにところが労務管理上大きな問題となり、思考を巡らしたという軌跡すらなく客観的判断ができないといわれているところである。しかし、系統図(絵図)で現したものは、その作業内容を客観的に計量的に評価できる資料が作成できるものでもある。
 この系統図の内容から客観的に計量的に評価出来るものを得ることになる。しかも、変化の多い展開においても、系統図で行うと、短時間で、関わる多くの人が一度に理解できる特長がある。
 こうした企業の活動結果、環境対策をどのように講じていたか、あるいは思考プロセスを、外部からわかるように作成できるものである。


 参考
渡り鳥とラムサール条約(ウエットランド)
  1971年、イランのラムサールという町で、水鳥と湿地に関する国際会議が開催され、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」という名の条約が採択された。この条約が、開催地の名前「ラムサール条約」と呼んでいる。
 ラムサール条約による湿地の定義は、天然の湿地から人工の湿地まで含まれ、湿原だけではなく、川岸、海岸、干潟、水田も含まれる。これら湿地には、多くの生物が集まり、足下には魚、貝が生息しており、それを餌にする鳥、さらにその鳥を捕食するワシ、タカ、獣がやってくる、食物連鎖がある。また、渡り鳥には、羽を休め、食物を与えてくれる重要な休息地でもある。
 その一方で、湿地は、人間の生活の影響を最も強く受けるところである。工業廃水、家庭排水などの汚染された水や、土砂、ヘドロが流れ込み、都市に隣接された湿地は、埋め立てられ、工業用地やゴミ捨て場に変わって、世界中で、湿地が開発の脅威にさらされている。
 この条約は、容易に破壊されやすい重要な湿地を、世界各国が保全することを目的とした条約である。世界の湿地が自然な形できれいであると、渡りの前、途中、後、行き着いた国(湿地)での食糧補給と休息できる場があり、渡りを成功させることが出来る。渡りを成功させる、象徴的意味を持つ地球環境問題を、渡り鳥(水鳥)に託したものである。




 



平成16年8月30日

 13, 8枚貼り系統図俯瞰法と事象分割

 系統図A4サイズをA1台紙に貼り付けた、系統図の俯瞰方法を系統図俯瞰方法という。
 系統図俯瞰方法から、事象を分割しなさいという指示があると、どのように対処しますか、出来ますか。
 まず事象とは、分割とは、何を分割すればよいかということになる。

広辞苑によると

 事象とは
 @ことの成り行き・様子。ことがら。「自然界の事象」
 A[数]確率が定められることがら。試行の結果を見て、起こった起こらなかったかが確定されることがら。標本空  間の部分集合と同一視される。偶然事象。
 標本空間とは
  [数]一つの試行について結果の見方を定めるとき、結果の全体をその試行の標本空間という。標本空間の要  素を標本点・標本値という。

 ここで使用する事象とは、空間という捉え方から進める。
 一、二、三、四、五次元という次元からの事象である。
 一次元とは、点、線を表す。
 二次元とは、平面を表す、床伏せ、天井伏せ、屋根伏せ。建築的には展開等。
 三次元とは、立方体を表す。
 四次元とは、立方体に時間が加わる条件を表す。
 五次元とは、四次元が時間を超えて、言い換えると、意思伝達や情報伝達が説明なしである瞬間に伝わること。
  立方体に時間が加わる条件や事象を、次々に表し伝えることが出来る状態、状況をいう。
 系統図という考え方では、様々な事象空間を一から五次元で表し事象を分析し、分析したものをある目的のた  めに編集、統合を行うことにある。

 系統図とは
 一次元には、特に線には、表情がある、大きな意味がある。
 一次元の線は、考えが定まった線、考え倦ねる線、パソコンによる正確な直線、フリーハンドによる線、強い意志による太い線、鉛筆を舐めた迷い線、細い揺れる線、書いてみた・つないでみた考える確認する線、点線等の試行錯誤する線がある。
 最初の段階では、前記線を全て残しながら、必要な線を強く書き入れる。このものが発想のベースとなるものである。そこに、関係認識と方向、命令系統、階層が表現される等の意味がある線と二次元の紙、A4という平面に、前記一次元の線で表すもの。もっとも、文字、記号は入るものをいう。また、必要な二次元の平面図も含むものとする。もちろん内容的には、事象、空間を表すものである、システムのソフト、ハードの全てが系統図に含まれるものであることを申し添える。
 一般的な系統図の使われ方は、基本設計時、通常の設計図では、建築的には平面図と横断図、展開図が提示される。設備的には、建築同様に平面図と横断図、展開図、さらに設備別に系統図が提示されているという状況である。

 系統図には入口と出口がある
 通常のものは、入口(分析、問題点、不都合内容、問題提起)を行うものと、
出口(編集、統合)が同じ手法で行えるものは存在しなかったように思える。しかし、系統図あるいは分類表では入口(分析、問題点、不都合内容、問題提起)と出口(投影、編集、統合、問題解決)が系統図作成という手法で行えるものであるところが特長である。
 しかも同じ手法であるため、問題提起から解決までの思考手間や方法に無駄なく行える特長がある。
 また、入口である分析方法の決定、さらには問題点、不都合内容、問題提起等をどのように探したらよいか、見つけ出すにはと苦慮するものである。問題は見つけ出すと、解決するといわれるぐらい大変なことである。課題整理、評価、問題解決、それが同じもの系統図で行えるところである。

 入口(分析)とは、
 系統図分類表で「ある事柄や事象」を分析するものである。
 簡単にいうなら、設備区分での一例、発電・変電設備を分析するということになる。
 分析方法は、系統図分類表からその項目にあった項目、例、大きくは、ソフトうち一例、労務管理。ハードうち一例、スケルトン。平面位置うち棟平面図。等の項目である。これら項目の内容から、「ある事柄や事象」ではどうなっているかということを系統図という表現方法で表すことにある、これを分析系統図という。
 系統図分類表の縦軸詳細項目は約20項目ある、この各項目から系統図を表す。全ての項目を系統図で表したとき、そこには「ある事柄や事象」が丸裸にされた全てが網羅されるものとなる。
 縦軸の一つ一つを系統図に表すことによって、「ある事柄や事象」をあらゆる方向から分析したことになる。そこには、特別の能力や技術は必要なく、ただ系統という観念から線で画き、必要な名称程度の説明を文字で書き表し作成したものである。ただし画くときには、系統図分類表の縦軸の項目のうち、一つの項目を思い浮かべ、文字からの語彙、辺縁へと意味と関係を広げながら、ひたすらに画くとよい。上手に書こう、画こう、という小細工は一切不要である、思うがまま自分が持っている世界で画くとよい、それは自身が持っている世界しか書けないからである。ただひたすら画くと、誰でもがそこには系統図というものが出来上り、「ある事柄や事象」が分析された系統図が存在することになる。
 このように、系統図分類表の縦軸各項目あるいは詳細項目は約20項目を同様に画くと系統図が出来上がる。枚数は20枚になるかもしれないが、多く画かれると、そこには共通のものがあるため、これとこれは一枚になる、それとあれは同じであるなど、重なり部分があるものである。そうすると、A1台紙に貼り込む系統図は多くてもA1二枚分、系統図A4で多くても約16枚で全てを表せることになるものである、これを「分析系統図」と呼ぶ。もっとも全てといっても、それは、「系統図を画いた者の、既に持ち得る情報そのものであり、空間そのものが画き出されるものである。

 チームで画く系統図
 チームで画く系統図は、一人一人が 「系統図を画いた者の、既に持ち得る情報そのものであり、空間そのものが画き出されるものである。」ため、それぞれの人は得手不得手があり、興味を持つところが違うため、画く空間が異なる、これが、系統図作成の大きな特長である。それぞれが違うから、重なりが少なく別の空間に広がる展開が出来上がる。さらには、例、全く異なる空間がそこに広がると、この空間を知り得なかったスタッフそれぞれが、自分の空間に関連づけ別の空間がそこに展開する、というように条件反射的というか増殖的に拡大展開するものである。この展開をある程度行うと、参加するスタッフにそれぞれが考えていることが、「理解できる」ものとなる。一人でも同様である、自分の空間に関連づけ別の空間がそこに展開するため、分析ができ、問題点、不都合内容を客観的に探しだし、周辺状況を加味した形で問題提起まで、系統図で形作ることが出来る。
 通常の仕事仲間である、スタッフ同士での付き合いや考え方の理解は、表面的であるため「理解できる」にはなかなか至ることはない。しかし系統図を使用すると、通常の「理解できる」は根本的に異なるものとなる。系統図を作成し、ブレーンストーミングを行うと、チームの構成、チームの知的情報集約は数ヶ月の期間で何十年分に相当する、人間関係とともに情報集約されるものとなる。

 出口(投影、編集、統合)とは
前記の入口、この空間を知り得なかった個人、チーム、それぞれが、自分の空間に関連づけ別の空間がそこに展開する、というように条件反射的というか増殖的に拡大展開するものである。この展開で面白い面白いでは仕事にならない、そこで、展開された内容から投影し目的にあったものに編集、統合する必要がある。これが出口である。
 系統図分類表から見ると、詳細項目は約20項目から横軸左頂点システム(系統図)一点に集約することである、これが出口である。この作業を、投影、編集することという、また、統合ともいうものである。
 投影、編集、統合等、ことばを並べてもなかなか理解できないと思われるので、系統図の枚数から編集を考えてみる。
 今手元に、「ある目的」から作成された20枚の系統図があるとする、このものをA1の台紙に8枚でダイジェストを作成する、少ない枚数で「ある目的」を表現できる、必要な情報がその8枚にあるというような状況を作ることを、投影、編集、統合が出来たと考えることが出来るものである。これが出口である。

 情報の階層性
 「系統図8枚貼りダイジェスト」を作成する、ダイジェストを作成した時点において、そこには「@編集という階層性が出来上がる」。下位には20枚の系統図、上位にはダイジェストがあるという形体である。
 また、他の設備のダイジェストが出来上がり、これを使い、他の設備や機器との連係、時系列上の変化、例、改修前・後、移転前・後、仮設前・後等における事象の変化に対して対応などを、目的から横断的に系統図で作成するものである。
 横断的に作成された系統図は、既に、系統図を作成した者が認識しているいないは関係なく、「A高次分割、事象分割という作業を行っている」ということとなる。
 それは系統図の不思議、系統図を作成(分析系統図)すると、その時に分析することによって、系統図分類表の縦軸項目一つ一つから目的や空間「ある事柄や事象」認識し、縦軸各項目との関連、関係まで認識することが出来るという、不思議な方法である。
 また、目的や空間「ある事柄や事象」認識は、作成する者の既に持っている空間把握能力に合ったものが系統図という表現方法によって表出するものである。さらには、系統図を作成するということは、新たな世界を経験することになるため、系統図作成そのものが様々な世界への展開とともに社会性が身に付くものである。
 さらには、これまで経験した事柄、系統図で経験したものまで、潜在意識の中にあるものまで、本人の認識以上のものを表出させることが出来るものであり、系統図を作成する者の空間、世界、全てが系統図になるものである。
 第1段階、潜在意識下のものを系統図に作成、
 第2段階、系統図分類表から作成された系統図、
 第3、4段階、系統図から「系統図8枚貼りダイジェスト」へと高次な編集へと移行するものである。

 第1,2,3,4段階を説明する
 第1段階、
 文字や図形という形になると、潜在意識下のものは形にならない、落書きのようなものを、意志の向くままに書き続けるとそこの形が出てくる、この作業が系統図の作成である。ある目的や方向を必要とするときには、系統図分類表の各項をイメージして画くのも方法である。
 第2段階、
 もっとも、ここで言う編集とは系統図を使用する者が苦手なところ、情報量が少ないものが、この時点の系統図製本に多く入る特長がある。それは、系統図を使用する者が「使いやすい、分かりやすい」ものを作成することにある。「使いやすい、分かりやすい」ものを作成すると系統図が必ず枚数が増えることになる、枚数にはこだわらない系統図製本、情報集めという段階。
 第3段階、
 この時点でさらに「系統図8枚貼りダイジェスト」を作成する、これが編集を行ったところ、系統図において編集を初めて行ったところである。しかも、A1にA4系統図を8枚貼り付けるという、物理的強制によって編集を行わざるを得ない環境作りを行う段階。極めて乱暴な編集方法である。
 しかし、「系統図8枚貼りダイジェスト」を使い仕事をまとめ、系統図に気になるところと、分からない、分かりにくいところなどを記入し、系統図を仕事で使用していく。時間が経つと、様々に関連する事柄、投影による問題点や注意書きが増えられて、系統図の枚数が増えてくる、結果は「使いやすい、分かりやすい」ものを作成することになる。
 第4段階
 さらに、「系統図8枚貼りダイジェスト」を再度作成することによって、その現場、その系統図を使用する者が必要とするもの、使えるものがそこにある。また、その内容は第3段階の系統図というソフトのデーターベースとバックボーンがそこにある。
 前記第3段階と同様に、時間が経つと、様々に関連する事柄、投影による問題点や注意書きが増えられたものを、「系統図8枚貼りダイジェスト」を繰り返し作成するものである。ここでは、安定した、使いやすい、分かりやすい、理解されやすいものとして、目的、事象が空間的に表現され作成される。

 投影と事象分割
 系統図を並べた時点、系統図分類表の約20項目から20枚の系統図が作成されたとする。A1に貼り付けると二枚ともう一枚の2分の1(4枚)を貼り付けたものとなる。このA1三枚を広い床に置いて俯瞰して見る。
 位置関係から説明すると、二枚以上の関係を眺めていくと、「交差、交錯、包含、隣接、並列、上下、左右、経緯(因果)」の関係を認識できる。その関係には、放射、拡散、伝播などの関係、関連認識が位置関係のみではなく、内容から放射、拡散、伝播などの関係、関連認識が、位置関係を超越してソフトとして系統図が語りかけるものである。
 ソフトとして系統図が語りかけは、方法としては投影というものである、関係、関連認識を絵図として重ねて投影して統合する方法である。
 その先には、集合、統合したものを、階層に分類し、周辺雰囲気、気象、風土、環境等に合ったものとして分類するものである。
 上記内容に合った、それぞれの「系統図8枚貼りダイジェスト」が出来上がるというものである。もっとも全部作成するものでないが、階層からの分類、周辺雰囲気、気象、風土、環境等目的にあったものが作成されると、8枚貼り俯瞰法と事象分割は出来たということになる。
平成16年8月1日 

12,系統図効果

1,系統図効果について次の分類から考えてみる。
 (1)思考的には
 (2)系統図の作業から空間形成
 (3)意思や考えの伝達方法
 (
4)管理的には
 (5)顧客ニーズは
 (6)計画・設計は
 (7)現場サイドでは


(1)思考的には
@曖昧なものを、系統図という図にすることにより具象化、具体化できる。
A複合するもの、交錯するものを系統図分類表の項目に分類して、単一の条 件,方向、事象に分けて系統図いうも のに表し(分析系統図)、検討するこ とができる。
B分析系統図を投影、統合することにより、あるコンセプトの元に分析系統図で検討されたものの統合であるため、 無理のない統合が行える。
C形が出来上がったものからでも、前記ABを行うことにより再検討が容易に行え、分析し無理のない投影、統合 をすることができる。
D空間把握能力を高めると伴に、様々な触手を伸ばし、広範に展開できる能力を身につけることが出来る。

(2)系統図の作業から空間形成
@思考枠を限定するための方法として、A1サイズの台紙に、A4サイズの系統図を8枚貼り込む、A4サイズ8枚を基本「系統図製本」とするまと   め。
A台紙に貼るA4サイズは、日めくりのように貼付、上部のみのり付けする。すると、日めくりを捲ると経緯を知ること が出来る方法。
B打ち合わせ時に、系統図に訂正、加筆、削除の内容をフリーハンドで書き入れ、記入したものを貼付け・切り取る 、作業を行い内容の確定を行う。
C系統図が、これも要るあれも要るとあまり増えすぎると、上記@に戻り8枚を原則に立ち返るダイジェストの系統  図製本を作成する。この繰り返し のでまとめるものである。
D系統図分類表の各項から作成する、また、思い付いてた系統図を作成するを、@からC作業を繰り返すことによ って、あるシステム、空間が出来上 がるものである。

(3)意思や考えの伝達方法
@系統図を提示し説明すると、10分の1以下の時間で内容伝達できる。
A系統図製本でブレーンストーミングを行うと、参加する人が多い(約10人越)場合、 20分の1以上の時間で内容伝達  できる。また、内容を相互に理解して伝   えることが出来る。
B組織内伝達がスムースになり、個人個人の意思疎通がスムースになる効果 がある。

(4)管理的には
@最小限の書類(系統図)、すなわち系統図で管理が出来ることを知る。自 信が生まれる。
Aこれまでの管理では見えていない部分がある。系統図がなければ全体が理 解できないところ。
B時系列経緯が系統図を使うことによって明確にすることが出来る。
Cソフトのみで結果を見通す、建物がない時に結果を見通すことが出来る。
D階層化、抽象化、段階的に詳細化出来るため、クリティカルパス、チェッ クリスト等、系統樹化できるところ。

(5)顧客ニーズ
@顧客ニーズに沿った形でのコンセプト、全体計画が系統図で作成できる。
Aシステムの試験、検査など、系統図があるため目的がはっきりしているた め、顧客ニーズに沿った形の試験、検 査が出来る。
B系統図上で予め発見・解決できるため、施工上ミスやトラブルを回避でき る。

(6)計画・設計
@コンセプトを作ることが出来る。逆に、コンセプトに沿った形でシステム 構築できる。
Aコンセプトを明確に無理なく伝達することが出来る。
B何が問題か知ることが出来る。
C問題解決の方法を、空間的に関連する事柄から、周辺状況からも解決する 糸口を見つけることが出来る。
D計画、設計段階で、ある、システム、空間が出来上がるものである。
 これは、計画、設計段階で前記2,(5)で系統図を作成するため、結果を見 通すことが出来る根元となる。

(7)現場サイドとして
@ジョイントベンチャーを何社かで組む場合など、様々な組織風土を背景に 持つスタッフの集合体となるJV組織は、新たな組織としての組織文化が 必要である。また、通常の現場でも、建築、電気、機械、その他下請け等、 様々な職種、組織が係わり建築という作業が完成という形に持っていく物 であり、所詮は文化の違う組織の集合体ということができるものである。 このためどのような形体にしろ、建築現場では特に労務管理上のスタート ベースなどの初期調整が必要である。
  しかし、この問題は系統図作成という行為によって解決するものである。 それは、系統図分類表から作成される系統図作成過程から、あるいは作成 されて系統図の投影を繰り返す過程において、初期調整が自然と行われス タートベース(データベース)が初期調整として行われて安定するもので ある。
  そこには、情報の共有化という系統図、A1に貼り込んだ8枚単位の系 統図製本があるからである。係わるスタッフ、あるいは途中から加わるス タッフであっても系統図製本があれば、日捲りから過程、さらにその状況 と伴に、全体システムを系統図製本から理解できるものである。結果とし て、共有する情報が客観的に誰が見ても理解ができる、系統図製本が存在 するということである。誰でもがその情報「系統図製本」があれば理解で きる、必要な情報があるという環境作りができる大きな利点がある。情報 という共有化に伴い、各人が、その能力にあった力と空間構成能力に合っ た、展開と空間把握能力を縦横に展開できる情報を得ることができるもの である。これが系統図の特長である。
A前記(1)から(6)までの項目が系統図という中で精査、調整されているため 施工上の問題は殆ど表出することはない。既に解決されているということ である。
B試験方法、結果
  通常は、工場検査あるいは現場検査を行おうとする時に作成するものであ るが、系統図の効果として、系統図を作成した時に、既に試験方法、結果 が明確となっているため試験方法は完了している。
ただ、試験結果を記入して残す表のみが作成されていないということで ある。

2,顧客ニーズを「4,管理的には」で考えてみると

 顧客ニーズは(2)試験方法、結果と同様で系統図を作成した時に完成している。
 系統図効果とは、1,(1)から(7)に示す内容を全て含むものである。
 1,(1)思考的には、(2)系統図の作業から空間形成、(3)意思や考えの伝達方、(4)管理的には、(5)顧客ニーズは、(6)計画・設計は、(7)現場サイドでは、上記1から7の内容は、系統図分類表の各項から系統図を作成することにより、全てが組み込まれ、検討対象となり、さらに、コンセプトからの検討、また逆のボトムアップ的検討、さらに、コンセプトから、また逆のボトムアップ的検討 を、言い換えると、上から下、下から上を統合するように全体がまとめることが出来る方法である。
 通常、トップダウン的思考とボトムアップ的思考とでは口頭のやりとりでは、まず接点を求めることは容易でない、また、なかなか繋がるものでもない。しかし、系統図で行うと系統図上でこうですか、この様に繋がるのですか、この関係はこうですか等々、具体的には、@このゾーンが関係しますね。A命令系統的には並行でしょうか、それとも上、下でしようか、またどれが上ですか。Bこれとこれは強い、また弱い関係等の分類。前記@からBの複合的重なりを系統図というものでお互いが説明することにより、思考的に一つ一つがつながるものである。
 さらには、系統図はこの時点では系統図いわゆる線ではなく平面、さらに、3次元、4次元へと展開できるものである。また、トップダウン的思考とボトムアップ的思考とが、意思伝達が出来て、キャッチボール出来るということは、四次元的思考の元に時間軸を越えたやり取りとであり、5次元的な伝達が出来上がっていると考えられる。
 通常の思考では、10あるいは20も問題があれば大変だということになるが、系統図で検討すると、その数は問題とならない、それは、解決する方法と手立てが系統図という中に存在するからである。
 同時に、その問題を頭の外に置く、データーベースとしてのA1に貼り込んだ8枚単位の系統図製本があるからである。このため、外の置く安心感から考えや思考に混乱を来すことはない、外に置くものとは系統図そのものである。
 また、多く作成した系統図の系統図上で、マトリックスが関連事項を整理し、さらに、問題事項も処理されたものであるため、がパターン認識が形成されていく。と同時に、様々なパターン認識が複合的に形成されているからである。特に多くの系統図で形成されている空間には、空間の中に空間的が形成され、あらゆる事象が網羅されていることとなる、その効果は計り知れないものである。
 系統図とは、系統図があると、問題は問題でなく解決するものである、解決することが出来る、という認識から、全ての行動を行えるところが、系統図の系統図であるところである。

3,系統図効果の源
 系統図分類表という森羅万象を包括する分類がある。これから系統図を作成し作成することによって、系統図分類表の縦軸各項を認識し、認識するが故に系統図ができるという繰り返しから、空間の一部を認識せずに空間の一部が形成されていくというものである。さらにこれを継続すると全体へと空間へと行き着くものである。
 また系統図というものは、止めどもなく思考が広がり、自分自身のコントロールを越える思考枠にどうして良いのか分からない、いらだちをと伴に自身の限界を感じるものである。このいらだちを解決する方法として、A1に貼り込んだ8枚単位の物理的限定方法である「系統図製本」を推奨する。
 このように作成された系統図、A1に貼り込んだ8枚単位の「系統図製本」と、その中に含まれる「日捲り」からその経緯変化を理解できるものによって、形成された空間と伴にその経緯が分かるものデーターベースがあるからである。
またそのものの存在「系統図製本」は、現場というある日突然集まる技術集団が、既に持っている文化・技術土壌、組織文化が、系統図作成という行為によって表出したものである。
 情報の共有化、安定について
 系統図は、新たに作成するものというものではなく、既に持っている情報、既に持っている資料を、A1に貼付、俯瞰できるように行うものである。これが多く集められると、システムのコンセプトから俯瞰すると、不要なもの、必要なものを分けることができる。この時点でダイジェスト系統図製本を作成する。それでもこれは必要と思うときには、もう1頁のA1に貼り付ける。これをダイジェスト系統図製本と位置付けて、情報を資料を編集する。この繰り返しによって編集レベルを上げると伴に、コンセプトに沿った全体と部分を統合するものである。
 また、一つ一つの系統図から、A1に貼り付けた8枚俯瞰の系統図から、ブレーンストーミングによって、烏合の衆である技術集団がスタートベースと初期調整が行え、技術集団として一つのコンセプトを持つ集団として成長、変化する、できる方法である。一つのコンセプトは「系統図製本」という、統合されたコンセプトを持つ製本となるというものである。また逆に部分から全体を見ることが出来、その整合性と安定に、社会活動、組織活動、さらに生活活動へと人間集団としての満足を得られるものである。
 また個人としては、空間を大きく形成する触手を、どこまで伸ばせるか、空間把握は可能であるか験し、経験できる方法でもある。通常の方法では、ここまで触手を伸ばすと怪我や、社会的抹殺される条件となるが、系統図というものがあると、そこには何をして、模索しても、さらに冒険しても、その中にある、安定する羊水の中にあるかのように、その空間に収まるような安定があるところである。
 これは正に、構想、計画、設計などに最も向くものである、またこれらの検証につても同様である。と同時に、施工という次元である完成図書(竣工図書)の施工、試験に置いても、安定する判断と方向づけに、安心できる方法を示すことができるものである。

平成16年10月16日 訂正

平成16年9月25日(土) 

NURU さんメール有り難う御座いました、返事が大変遅れました。
あまりにも私の考えに近いところからの発想があり戸惑っていました。
結果としていい原稿ができました、ご一読頂ければ幸いです。


 14,マルチタスクと系統図

  WINDOWから出口・系統図8枚貼り


 バードアイ工事管理方法に「分類化の難しさ」の投稿を頂きました。以下に抜粋を掲載します。
 
 投稿者:NURU  投稿日: 1月26日(月)
 私がバードアイに触れたときには、まだパソコンもDOS-Vが主流だったときだと思います。
その後WINDOWSのOSが一世風靡し、今は10年前から考えると信じられないくらいのOSになりました。
1つの画面上にたくさんのWINDOWが表示されるだけでも驚きでしたが、それらがマルチに動作していることの驚きを今でも覚えています。
今は、制御盤の制御機器もディジタル化をしてきました。
このWINDOWSと同じように、幾つかのプロセッサによって全体のシステムが成り立っています。
つまり、マルチタスクです。
これを工事監理技法に置き換えたものが、バードアイだと思います。
考えてみれば、マルチタスクを取り入れ、それを工事監理技法に使用されたことの時代を先駆けた著書に、今になって驚いています。
今、私はディジタル制御を多少、かじっています。
一番悩むのが、項目の分類化です。この分類化を間違えると、全体の投影が不完全になります。
少しでも、影が映り、不鮮明になったとき、分類化の失敗に気が付きます。
きっと、これは経験を積まないとなかなかできるものではないのでしょう。

 マルチタスクと系統図8枚貼りを展開する

 系統図の投影方法は、A1サイズの台紙にA4系統図を8枚貼り付け、俯瞰することにある。系統図8枚貼り俯瞰法が、そのまま投稿者:NURU さんの「1つの画面上にたくさんのWINDOWが表示されるだけでも驚きでしたが、それらがマルチに動作していることの驚きを今でも覚えています。」になります。
 系統図を8枚貼り一枚でも、ある系統図と他の系統図がどのように関連しているか関係しているか、また、それぞれを投影するとこれまで思っても見なかった関連や抜けを知ることができる方法である。
 投稿者NURUさんの言葉を借りると、系統図を8枚貼り一枚が、1つのプロセッサによって作られ、幾つかのプロセッサが同時に動いて、全体のシステムが成り立っています。ということになるが、系統図8枚貼りをそれぞれの担当が分業で作成して、作成された系統図を並べて、担当者それぞれが俯瞰し関係、関連するところを確認することができる。この様が系統図8枚貼り分業の特長である。
 また、系統図8枚貼り一枚のみではなく、関係すると見られる、例、8枚貼り三枚位を俯瞰すると、マルチタスクが存在する。もっと関係する系統図8枚貼りを多く俯瞰すると、もっとマルチタスクになり、さらに多くを俯瞰すると更にマルチタスクになる。これを続けると無限に関連する投影するマルチタスクを確認することができる。
 無限マルチタスクはある意味で、様々な人がそれぞれの興味や、得手不得手によって、気が付くところ、不都合なところ等を見つけ出したりすることができる。言い換えると、誰でもが系統図の俯瞰に参加ができるということである。これは、様々な人の知識や意見を系統図に集約し採り入れることができる方法である。また取り入れた内容を、系統図に記入し、記入した系統図を、多くの人によって確認するという方法が取れる特長がある。
 さらに訂正箇所を、日めくりのように重ねることによって、その経緯を確認することができる方法であるため、その変化と伴に全体を認識できるものである。
必要なら、系統図8枚貼りを何枚も並べて俯瞰できるものである。
 一方パソコンの画面では、日めくりのようには行かず、消すと消える、今見える画面はそのままにして、前の画面を見ようとすると、画面を2等分するかことになる、さらに見ようとすると3,4・・等分となり画面が小さくなり判読不能となる。判読できるようにと大きくすると全体が見られなくなる、この不便がある。
 いずれにしても、マルチタスクは系統図8枚貼りには存在するが、パソコン内では一度に見られる数と、その量に限りがある問題がある。さらに、訂正や変更にしても、俯瞰することによっても枚数が限られるため俯瞰の範囲が小さくなり、関連箇所を見つけ出す範囲も同様に小さくなる。このように、A1台紙に貼られた系統図8枚貼りは、俯瞰できる範囲が、面積がそのままマルチタスクの量と比例するものである。畳四畳半に敷き詰め、全体をくるくると見て歩くる系統図8枚貼りも、俯瞰、投影、関連、関係を知ることができるマルチタスクである。結果として系統図8枚貼りに勝るものはないといえる。
 
 分類の難しさ

 何のために分類か、何故分類するか、どう分類するかと悩むものである。
 系統図分類表では、何のために分類か、何故分類するか、を明確にする。その目的がぶれないために文字化する、方法は作成する系統図の一番上に目的何々と記入する。その後に、または2段目に系統図の名称を記入する。
 どう分類するかを考えると。
 一般的にはどう分類するを決定することが大きな問題となり、方法を決定することが結果を選ぶこととなるため喧々諤々の論議の結果導き出される。しかし、系統図分類表では、縦軸項目各項に沿った形で系統図を作成する。すると、そこには全方向といえる全体が現れ、前記、「何のために分類か、何故分類するか」の目的からの系統図が作られる。
 系統図分類表があると、どう分類するを決定は必要なく、系統図分類表の縦軸各項を系統図で作成すると、分類の難しさなどなく必要な全てがそこに存在することになる。それが関係、関連、投影するところ、違いや、ずれ、同じものであっても表現や周辺設定の違い、等が表出するものである。系統図分類表では、縦軸項目各項(約20数項目)は左システムあるいは系統図という一点に統合されるということから、縦軸項目各項(約20数項目)は関連、関係しており、これそのものがマルチタスクとなっているものである。
 方法は、作られた系統図から、マルチタスクによってそれぞれの系統図が関連するため、そこに不都合箇所を見つけ出して訂正、修正、加筆が生まれるものである。この内容が「何のために分類か、何故分類するか」の答えでもある。

 具体的例で示すと
 系統図分類表で、どのようなシステムを分類するか先ず確定する。
 「目的システム」を確定すると、文字化する、系統図分類表に記入する。
 確定したシステムのシステム構成を確認する、どのようなシステム機械で構成されているか、その「構成システムの名称」を系統図分類表の横軸に記入する。横軸の各項を、前記の縦軸項目各項(約20数項目)で系統図を作成する。作成したものを背景をも含めて整合性を整える。

 統合

 系統図が作成されると、関係、関連、投影するところ、違いや、ずれ、同じものであっても表現や周辺設定の違い、等が表出するものである。これを訂正、修正、加筆することによって全体の整合性を取ることになる。
 統合とは、整合性が取れた系統図を統合するには、系統図運類表の横軸の設備名称、あるいはシステム名称から、系統図8枚貼りを作成する。作成されたもの系統図は系統図分類表の縦軸の数(約20項目)だけ存在するが、系統図8枚貼りダイジェストを作成する。
 系統図8枚貼りダイジェストを作成するには、手持ちの系統図を投影し、目的とする設備、システムの存在理由を念頭に置きながら投影を繰り返すこととなる。その結果、系統図8枚貼りダイジェストが出来上がるものである。もっとも8枚でなくては成らないということではない、8枚に近い形でのダイジェストが作成できればよいということである。投影する過程において、系統図は系統図分類表の各項によって作られたものであっても、同じもの、同じところの重なりが多く存在するものである。この部分は
 目的とする設備、システムの存在理由、すなわちコンセプトを明確にするというものである、これがシステム統合である。方法は、投影によって8枚ダイジェストにすること、と8枚ダイジェストにすることそのもの、物理的制約が必要なことは何かを問い直すことになる、コンセプトそのものになるところである。

 具体的に示すと
 「構成システム」毎に作成された系統図を、系統図分類表の縦軸毎に系統図8枚貼りダイジェストにまとめる。さらに、部分である「構成システム」を全体である「目的システム」にまとめる、この段階は系統図8枚ダイジェストが可能であれば作成すればよい。もしも、系統図8枚にならないのならそれでもよいが、可能な限り少ない枚数でダイジェストを作成することである。
 全てを8枚にまとめることは、可能であるがそれ一枚、系統図8枚ダイジェストということは無理がある場合がある。一般的に認識されている事柄、あるいは、系統図作成者が知識が豊富であり、システムをよく知っている人が作成すると、スケルトンとして単純なもので、枚数が少なく表現されることになる。
 それでも、複雑なシステムの場合は多くの枚数となる場合がある、この場合は系統図の階層性というものを作り、「目的システム」の系統図と「構成システム」、の系統図の階層を作る。全体は「目的システム系統図」で表し、そのバックデータとして「構成システム系統図」を使う方法がある。
 言い換えると、統合とは階層があるという認識が必要である。
 また、この階層レベルのうち、どの階層の系統図を、一番多用するか使用するかが、その人の知識量とシステム認識レベルを表すこととなる。

平成16年12月11日(土)



 15,系統図と打合せ記録との違い

1,系統図という記録方法
 通常の記録というと、打合せ記録というA4サイズの用紙に、工事名、記録者、参加者、場所、日時の打合せ定型設定に記入し、打合せ内容を記入するというものである。
 その内容は、箇条書きに1,何々。2・・・と記入するものである。
 その内容は、極めて簡潔で、AがBに変わった、CがDに変化する、という内容のものである。
 言葉として羅列すると「@変化(変わった)、A入れ替え、Bこれに決める」というような、たった3つの言葉でしかないものである。例え打合せ記録が何枚あろうとも、箇条書きが何十項目あろうとも同じである。一度読者の方は確認をして見てください。いかがでしたでしようか。
 本当に必要なものは、前記の内容のようにAがBに「@変化(変わった)、A入れ替え、Bこれに決める」結果のみではなく、なぜそう成ったのか、理由、そして成った必然性がもっとも必要なことである。
 ところが、打合せ記録にはAがBに「@変化(変わった)、A入れ替え、Bこれに決める」にしか記入されておらず、なぜそう成ったのか、理由、そして成った「理由と必然性」等は全く記入されていない。
 なぜ、「AがBにでしかない」かということを考えてみる。
 例、システムとしての全体からの整合性から、AがBに変化するとすると、なぜそう成ったのか、理由、そして成った必然性等を記入しようとしても、文章で記入すると大変な字数になるため、短時間で作成できる、理由を省きAがBでしかない記録が出来上がることとなる。

2,系統図で行えば


(1)1枚の系統図から
 例、システムとしての全体からの整合性から、AがBに変化するは、全体系統図にある部分のAがBに変わったと書き入れることにより、全体からの整合性を伝えることができる。そもそも系統図というものは、ある目的に関連することが全体として書き込まれ、全体があり関連があり、部分と全体を関連づけたものである。また、全体を現し関連する事柄を部分と共に整合性を確認できるものであるため、「全体との整合性と関連」を確認することができるものである。そこには当然「理由と必然性」を読みとることができるものである。

(2)系統図8枚貼り
 系統図分類表において、作成される系統図は系統図分類表の縦軸各項のの数だけ系統図があると考えると、あらゆる事柄が系統図にあるという考えである。実際は重なりがあるため7から10枚程度であらゆる事柄が含まれるものである。 作成されたA4の系統図をA1の台紙に8枚貼り付ける、もしも10枚なら次のページに引き続き貼り付ける。この全てを広げて俯瞰する。この全体にAがBに変化するを記入する。一つの系統図に記入すると、関係する他の系統図にも記入しなければならない、また記入すると、新たな関連が見えこの系統図のこの部分にはこういう記入は必要である、というように展開を始め、自己増殖的に展開する、そして安定するところで完了というものである。
 そこには、AがBであるというものではなく、「全体との整合性と関連」を全体と部分、部分から全体というように整合性を確認できたということである。言い換えると、部分と空間の


整合性を作った、保てた、安定したということができるものである。ここにはもう「AがBに変化する」というものではなく全体あるいは空間としての整合性を作った、保てた、安定したというものとなる。

(3)打合せ記録と系統図
 打合せ記録は「AがBに変化する」はあっても、なぜそうするのか「理由と必然性」が「全体との整合性と関連」という部分は記録にないため、その部分は、その人でなければ、同じ人でなければ分からないという、覚えている知っているというレベルの話で、個人の記憶に頼ったものである。そのため 、覚えると忘れる、人が変わると存在しないという、第三者には知るよしもない情報であるため、当然、混乱が生じるというものであった。
 ところが、系統図8枚貼りで打合せ記録を行うと、系統図8枚貼りの「AがBに変化する」部分に記入する。8枚貼りでの記入は、一枚のみ記入ということはなく何枚かの関連があり記入があるものである。それは、系統図という一枚のみの全体だけではなく、8枚貼りという全体との「理由と必然性」と「全体との整合性と関連」を確認して記入したということになるものである。このため系統図8枚貼りは、記入があり、残るものであるため「理由と必然性」と「全体との整合性と関連」を、系統図から読みとることができるものである。

(4)系統図8枚貼りに記入する
 覚えると忘れる、が、書くと残る、後で見ることが出来る。というものであるが、系統図8枚貼りには大きな特長がある。それは、系統図8枚貼りに必要な事柄、抜けている事柄、訂正、加筆、削除を行う、言い換えると、系統図8枚貼りを見ると、そこに存在する情報から、訂正、加筆、削除を行わざるを得ない衝動に駆られる。
 系統図8枚貼りを見る、俯瞰したため全体を纏めよう揃えよう辻褄を合わせようという、衝動、そのもは、編集を行おう、俯瞰という全体のコンセプトからまとめようという衝動に揺り動かされるという、自分ではないところからの衝動を感じるものである。これは、俯瞰という発展的展開と全体との整合性を追求することになる。

(5)俯瞰した系統図への記入方法
 一人で行う俯瞰方法
 俯瞰する、衝動に揺り動かされる。思い付いたことをその系統図に記入してみる、そして系統図8枚全体を見る。あの系統図にも関連する、この系統図にも関連すると、ある方向に思考が動き出す。それぞれに記入してみる。記入する時には日時と記入者名を記入しておく。
 もう一度、俯瞰してみる。悪くないか確認する、もしも不味い時には、取りあえず二本線で消しておく。また、必要と思われるのなら他の関連はないか確認する。という作業を繰り返し整合性やバランス、編集レベルを確認する。

(6)多人数で行う俯瞰法「AMブレンストーミング」
 系統図8枚貼りを広いテーブルに(一畳以上位)置き、多人数の人がテーブルを囲み、系統図作成者が発表する。参加者の条件は系統図が画けるとい条件のみである。
 発表内容からテーブルを囲む人々が質問する、あるいは、系統図のこの部分はこの方がよいのではと、それぞれが、発表した系統図にスケッチとして記入しながら意見交換する。また関連する事柄についても、具体的に系統図8枚貼りにスケッチしながら意見交換する。この方法で行うと、「理由と必然性」と「全体との整合性と関連」を一気に伝えることができるため、通常の会議の1/10〜1/20のスピードで意思疎通が行え、結論に達することができる特長がある。
 この方法は10人から15にまで位の方法である、これ以上の人数ではブレンストーミング(brainstorming)は難しいと思われる。
 しかし、系統図8枚貼りは思想をまとめる方法、また、プロジェクトを行うためのブレンストーミングのために存在するものである、といっても過言ではないものである。この方法、系統図8枚貼りを利用しながら行うブレンストーミングを、系統図8枚貼りの発案者、有光正和に因んでAMブレンストーミングと呼ぶ。
















  平成17年3月19日(土)


 16,顧客要求からまとめへ
 
  聴き取りからシステム構築

 系統図作成の講習を受けた、受講者から質問がある。
 顧客要求、聴き取りからどの程度のことを考えればいいのですか、という質問がよくある。
 聴き取り相手からの、要求から、系統図を作成して、こんな内容ですかと、要求全てを関係づけ系統図化する。それは、相手数だけ、要求の数だけ図を作成することとなる。
 ここで、バードアイにおける系統図の定義を整理する。
 系統図には、系統図が必要とする図全てを系統図という枠で括るものである。
そのには、ダイヤグラム、オルガニグラム、ソシオグラム、シーケンス、スケルトン、フロー等があり系統図が必要とする平面図や立面図等も含むものである。
 系統図の訓練を受けた者は、聴き取りそのものは大変であるが、少なくとも「顧客要求、聴き取りから」の百枚位のものは難なく作成可能である。会話における内容が三十分いや一時間の内容でも、系統図に置き換えると、簡単な一枚である、それ程難しいことではない。

 表題、見出し
 作成した系統図には、聴き取り相手、場所、日時は勿論、内容に沿った表題を付けておくことである。
 また、闇雲に表題を付けると混乱するので、一例として、系統図分類表の縦軸項目を大項目として、中小項目の表題で二段、三段書きの表題、見出しを付けておくことも必要である。
 この時の、上記表題の話をすると、一般的には何でそんな細かいことを指示するのかという反応がある。それは、大量の資料や書物を扱ったことがないからである。以下の系統図の編集を行っていく上において、これが、整理編集段階に大きく寄与することになる。
 大量の資料や報告書などの編集においては、前記の表題、見出し分類がその報告書や論文の価値を決定することになる、特に、どのように何の目的で分類していたかという、最終結果につながることを見越してのものでなければならない。
 しかしここでは、思った表題、見出しを付けておくことである。難しいことをいわなくても、これはこれで編集段階においては大きな成果がある。系統図には、その人の経験と能力と段階に応じた、目的と表現しようとする内容の表題を記入することである。

 系統図の編集、系統図八枚貼り方法
 聴き取りで得た情報から、作成した系統図全てを、職域(職種)、機器システム別、管理、施設コンセプトと経営管理から系統図八枚貼りを作成する。
 この時に、系統図八枚貼りには全体を表す表題を作り表紙に記入する。そして、その中に納められた系統図の目次を作成する。また、中に貼り付けられている系統図にも当然同じ表題がある。この表題が結果的に全体をまとめるキーワードとなる。
 大きく区分したものを次に示す。
(1)職域(職種)から八枚貼りを作成
(2)機器システムから八枚貼りを作成
(3)管理から八枚貼りを作成
(4)施設コンセプトと経営管理から八枚貼りを作成
 
(1)職域(職種)から八枚貼りを作成

 分類された系統図のうち、上記を(1)職域(職種)からの八枚貼りを、顧客、聴き取り相手に見せて説明する。系統図を元に中心に話を行い、加筆、削除、切り貼り、貼付等を行い話をまとめていく。
 このように行うと、伝える方も、聴く方もその内容が理解でき、同時に系統図という図になるため納得するものである。
 この時点のものを(11)職域(職種)双方確認と呼ぶ。
 双方が納得すると、次の段階に入る。

(2)機器システムから八枚貼りを作成
 今度は双方ではなく、施工者、技術者として、聴き取りした(1)職域(職種)からの八枚貼りを、技術者の偏見と独断で(2)機器システムから八枚貼りを行う。最もそこには、技術者として系統図分類表の縦軸の画かれていない図、あるいは、抜けている項目を加えて、系統図八枚貼りの俯瞰できるものを作成する。ここでは、システムエンジニャーとしての判断からの全体を構成することにある。

(3)管理から八枚貼りを作成 
 管理から八枚貼りは「(11)職域(職種)双方確認と呼ぶ」を作成すると、管理というもの、ほとんどを知ることになる。それは、「(11)職域(職種)双方確認」を行う段階に置いて、管理というライン・形態をいやが上にも、全て知ることになる。そこには、双方確認という時があるため、制度的なラインは勿論、通常知ることがない私的なラインまで明確な形で知ることと出来るものである。

(4)施設コンセプトと経営管理から八枚貼りを作成
 前記(1)〜(3)を、施設コンセプトと経営管理から八枚貼りを作成する。
 この時点が、顧客要求からまとめへ、聴き取りからシステムが出来上がったものとなる。

 通常、上記の(1)〜(4)の区分は、それぞれ一つを作成すると、終わった出来たと勘違いする者が多い。特に、技術者といわれる人々に技術的にまとめたその時点が完了という間違った観念が一般的にある。
 システムとは、ある位置ある方向から観て、考えて、ラインをつないで、出来上がったそれぞれの「八枚貼り俯瞰図」を並べて、その中から「(4)施設コンセプトと経営管理から八枚貼りを作成」を行い最終投影と統合を行った、システムとしてコンセプトとの統合を完了したことになる。
 この時には、表題、目次そのもので全体を把握できるようになっている筈である。
 「八枚貼り俯瞰図」の完了を見て、編集行為は区分は、最初の聴き取り系統図の表題と見出しとどのように関係しているか考えてみる。編集がスムースであると、それは聴き取り系統図の表題が目的と合っていたことである。また、編集段階に、資料の入れ替え訂正、表題の書き直しなど何度も生じる場合は、最初の聴き取り系統図の表題と見出しが、最終編集と合っていなかったということである。
 これらは、系統図のみならず全てのことに通ずることである、いかに大事なことであるか認識が必要である。この最終編集が、統合レベルがそのものの投影レベルを示すことになり、この時に、安定したシステムを構築で出来た、出来ないという判断の基準にもなる。
 出来ていると、そこには地球環境、マン・マインドというような次の高次な関係における全体を、関係づける足掛かりを作ることになるものである。
 上記まとめる方法とは別に、本格的な系統図分類表の縦軸の各項においてまとめる方法があるが、項目と階層が多いため混乱を来すおそれがあるため、上記の4項目からの導入方法をここでは提示します。慣れたら、系統図分類表にも挑戦して下さい。

















 バードアイ工事管理研究会

  著者からのひとこと

   
     工事管理研究会ホームページ 著者からひとこと


 目  次


1、上昇・降下について(h15,11,24) 
   虫瞰視、tanakaさんへ (11月15日、土)

2,施工業者takayanagi さんへ(h15,11,24)
     これまでも、同様の質問を受けます。
   系統図の作成方法

3,はなささんへ (h、15,11,30)

4,MIDNIGHT  (平成15年12月6日)
   サンタのネクタイさんへ

5,系統図の概念について、一つの形を伝えたいと思います  (平成15年12月31日)
   系統図という概念

6,システム料理論、自動制御と手仕事の責任分界  (平成16年2月1日(土))
   電気釜で豆を煮る方法など

7,道具から系統図を考える  (平成16年4月10日)

8,系統図が存在しない会話  (平成16年4月23日(金)) 

9,しもちゃんへ   (平成16年5月18日(火))
   系統図分類表で説明すると

10,「エンド・オブ・パイプ」とISOの違い  (h、16,6,5)
    地球環境という概念の有無と、OUTPUTの変化
    midnight  (h16,5,20)

11,系統図分類表  (h16,6,6, )
    コンセプトを系統図で展開すると
    1,プロセスを結果につなげる系統図作成 「エンド・オブ・パイプ」

12,系統図効果  (平成16年8月1日)

13,8枚貼り系統図俯瞰法と事象分割  (平成16年8月30日)

14,マルチタスクと系統図  (平成16年9月25日(土)) 
    WINDOWから出口・系統図8枚貼り

15,系統図と打合せ記録との違い  (平成16年12月11日(土))

16,顧客要求からまとめへ  (平成17年3月19日(土))
    聴き取りからシステム構築

17,バードアイ管理で竣工してみると  (平成17年5月14日(土))

18,プロジェクト (平成17年5月23日(月)) 事例集に移動。
    プロジェクトと「系統図8枚貼り」 
平成17年9月24日(土))
    事例集21,に移動しました。



19,マンション鼠
    棲み分けと境界設定(平成18年4月29日(土))
      新宿のマンション4階の部屋に鼠が入った。

 

  投稿者: KMD3

    系統図がとまる時 
投稿日: 3月11日(金) 投稿有難う御座いました

   竣工したら意見をお聞かせ下さい、楽しみにしています。
   下記の内容と対比下さい。




 平成17年5月14日(土)

 17,バードアイ管理で竣工してみると


 バードアイ管理で竣工してみると

 約二万平米の新築と改修工事が終わって、一年と二ヶ月経過した二件の工事がある、その時の現場代理人A氏、監理技術者B氏に話を聞く。

1,管理というものを計量的に計る。
 これまでは管理とは、時間は掛かる、手間は掛かる、調整がある計量的になど計れない。状況で変化しながら、相手がある大変だ等々、とらえどころがないと言われていた。この不確定要素と伴に変化があるため、管理は計量化できないと言われていた。
 しかし、管理を系統図というものに置き換えると、管理で何をしたか、どれだけ時間が掛かった、それに要した労力を計る方法を知ることが出来た。
 それは、系統図を見ると何をしてきたか、どのようにしてきたかの経緯と伴にその内容が解るという方法である。
 
2,「あれはどうだったかな」数年経過しても明確に知ることが出来る。
  1年も経過すると、現場担当者は忘れてしまう。
 通常は必要な書類は、完成図書などという名称のものがあり、ファイルされたものがある。このファイルの中から目的のものを探すことは容易でない、それは大変な量と伴に枚数があるためどこに入っているのか分からないというものである。特に第3者が探すとすると、先ず探し出せるか、探し出すまでの時間は大変なものである。
 ところが系統図では、少ない枚数から目次の内容で探し当て、その系統図を見ると必要な内容を読み取ることが出来るというものである。また、その関連まで確認が容易となる。

3,現場に応援者が来たとき
 一般的に、現場において応援者を得た場合、作業を始めると最初の1週間あるいは1ヶ月位は内容把握できずに足踏みがある。もっとも、そこには作業の内容と同時にレベルの問題がある、その内容によって期間の違いは生じる。
 しかし、系統図があると説明を受けて、系統図を手元に置きその内容を何度となく確認すると、内容は応援に来た者であっても短時間で理解できるものである。
また、数日間でチームの一員として共同作業に参加できるところが系統図の特徴である。
 これまでの経験からも、系統図がなければ、数日間の後にチームに参加できることはないというものである。事実、鳥取県の現場に応援に来た課長さんが、直ぐに共同作業に参加できたことに驚きを感じていた。

4,竣工後の不安要因がない
 施工過程に系統図を作成して、不安要因を潰しているため系統図があると安心がある。また現に、竣工後何ヶ月間も一年もクレームがなく拍子抜けしているという状態である。

5,系統図で指摘されると
 著者から系統図を指摘されると、当初は指摘された所のみを訂正すればよいと考え処理していた。
 しかし、系統図を段々と理解してくると、系統図の指摘事項のみを処理するのではなく、関係する系統図全てに関係する箇所を、全て訂正しなければならないことに気づく。当初の指摘された所それだけから、思考的に関連が拡がる。
 一般的には、思考的に関連が拡がるといっても、どのように行えばという質問がある。これには、思考方法手順を示す系統図分類表(バードアイ工事管理方法、有光正和著、工事管理研究会、平成5年3月10日)を頭に浮かべると、何が関連しているか知ることができる方法である。
 系統図分類表は横軸の項目に記入された名称があり、指摘事項は縦軸のある項目のこのものがと指摘される、その項目は全ての系統図に関連するはずである、その部分を訂正する内容を示すものである。すなわち、関連するもの全てを串刺し状態にして訂正するものである。
 系統図作成者はここが抜けていると思って打合せにくる、著者は必ずそこを指摘する、それは関連から関係づけるから、そこに穴があると知ることができる。何故、そうなるのか解らない所がある。またそこには、著者の指摘は常に串刺し状態という仕事量がある、量の驚きとその関連と必要性に圧倒される。

6,打合せでは同じこと(言葉)を繰り返さない
 現場では、バードアイで行っている電気は、打合せは早いですね、現場には行っていないようですが大丈夫なんでしようかと、請負業者の担当者同士で話をしていた。
 いつも打合せは早く終わり、関連する所を確認していたように思えます。
 打合せは、電気と他の業種、建築、衛生、衛生等と同じ部屋で打合せするため聞こえてくる、同じことを何度となく何時間も繰り返している。
 バードアイで行っている私たちは(電気)は直ぐに打合せが済む。バードアイで行っていなかったこれまでの自分達の管理は、聞こえてくるような方法であったのかと反省を交えて聞いていた。この時、人ごとながら何であんなに時間が掛かるのか、同じ会話を繰り返す状況が不思議にも思えた。

7,業者間の情報伝達風景
 通常の業者間では、その都度ここはどうですかと、承諾図何枚もめくり、めくりながらいう会話がある。しかし系統図を作成すると、系統図これを見てくださいということで話が終わる。
 例、天井懐の確認
 照明器具の埋込、露出これによって天井面に付くものの確認、フアンコイル、吸い込み・吹き出し口の位置、カーテンレール、火災報知器の感知器等。天井懐に入るダクト、配管、機器などの位置と取り合いを行う必要がある。さらに天井伏には、床面に置く、ベット、キャビネット、壁面に付くコンソールボックス等空間6面に付く、置かれる物が記入されている。
 このために、電気の照明器具等の天井伏には、天井より上天井懐の情報が記入されたものと。天井より下の情報とが平面に記入されてたものである。
 そこには、埋込・露出の色分け明記、さらに天井懐内への出っ張り部の寸法などが記入されているものである。
 特に空調、衛生担当者がこのものを持ち、常に検討しているため、作成した担当者に戻り手元にあることが少なかったというものである。また建築業者も、部屋の全て6面が記入されているため、最終結果を示すものであるため同様に利用している。しかしそこには、ほとんど会話は存在しない、資料で全てが進むというという例である。

8,仮設の整理
 通常仮設は、計画、施工状況などの資料が残りにくいものである。
 8枚貼り系統図があるため、仮設の経緯、1回目、2回目・・・と資料が残っている。系統図から状況の変化が手に取るように理解できる。
 系統図8枚貼りに、日めくり状対になっているため、この日めくりをめくると、一回前の状態を知ることができる。
 経緯と伴に、人員配置、仮設作業内容を知ることができる方法である。当然、仮設前に作成し、その内容を検討しているため、その時点、施工前に仮設工事費とそのタイムスケジュールが出来上がっている。
 この資料をそのまま使用して仮設計画、施工計画の説明がそのまま行えるものである。さらには仮設に付きもの、設計変更まで使用できるものである。

9,系統図が全てにつながる
 系統図が(1)打合せ説明用に@施工者間、A施主、Bエンドユーザー。(2)施工図に。(3)承諾図に。(4)試験要領書に。(5)設計変更。(6)取扱説明書に。につながり全てに展開するものである。
 系統図をベースに、目的に合わせて系統図から必要な系統図を選び目的の資料に添付すると資料として出来上がる。この繰り返しである、これには驚いた。  特に、(1)Bエンドユーザーへの説明において、病院では事務担当者、看護婦さん、その他医療従事者などに、8枚貼り系統図を持参して説明すると短時間で内容把握して頂き、スムースに話が進んだ。そのうちに、例、防犯設備など説明ということになると、ドアーなどの電気錠鎖状の関係があるため、建築から要請があり系統図を持ってきてくれ等、関係者全員が系統図は分かりやすい、関連するものが理解できるという共通認識が生まれた。常に8枚貼り系統図を持参であった。
 竣工後も要望があり、系統図は「置いといてくれ」と要望があった、内容を見ると経緯が分かるからという理由であった。



 



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 平成18年4月29日(土)

19,マンション鼠
  棲み分けと境界設定

 新宿のマンション4階の部屋に鼠が入った。
 家族が寝静まると何処からとなく出てきて、神棚の稲穂の籾食べに来る。床に籾殻が落ちている、毎日籾が少なくなるおかしい。その内まだ家族が起きているのに、何処からか出て来て行動するようになった。それからは、高校生の長男、次男、中学生の娘、それに夫婦と臨戦態勢に入る。常に釣り竿、箒などを身近に置き、出たという声で、寝ているものも起き、全員立ち上がり、ガサガサという音を聞き分け、目凝らし監視する。あそこという声で、部屋の電気を点灯、最初はその場所に殺到して狭い部屋で各々が叩きまくったが、人間の行動よりはるかに上回る敏捷性で難無くくぐり抜ける。

 捕獲方法が分からない、
 この失敗から、鼠の通り道があるという事を聞き、夜中の何度かの捕り物合戦から観察して、鼠道ルートを探し出した。どうも、食器洗浄機の下から出て来て、そこに逃げ込んでいるようだということが分かった。
 子供のころ見たねずみ捕り器を思い出した、@金網籠のねずみ捕り器、奧に餌を付けて鼠が餌を引っ張ると蓋が閉まる、生きたままの捕獲ができる。A通称はさみ、板の上のコ型の太い針金がコ型の開口部の先端が支点となり、板から見ると、長辺方向の端から反対側の端へ、円弧を描く可動域を持つ物、これで鼠を挟み込む、強いバネであるため即死である。これも針金の先に餌を付け、鼠が引っ張ると、コ型の太い針金が、止め金から外れ、バネの力で鼠の体の上に落ちてくる、言い換えると、コ型の太い針金と、これを取り付けている板に挟まれるもの。を知っていた。
 早速、中目黒の商店街の金物屋に行った、@金網籠のねずみ捕り器とA通称はさみが、今以てあったのには驚いた。@金網籠のねずみ捕り器を買い求めて、大きな袋に入れてもらい東横線に乗って新宿まで帰った。その間なんともいえない思いがあった、この車両、つながっている車両全てでも、いや、山手線上を今走行している列車全てでも、金網籠のねずみ捕り器を持っているのは俺だけだという変な満足があった。持ち帰り、金網籠のねずみ捕り器をセットしたが鼠は人間の臭いが付いていたためか全く無視、何の助けにもならなかった。

 捕獲作戦
 作戦として鼠道に家族全員を並べ、一番人間の俊敏性の高い高校生の息子を発見場所に配置して、鼠を竿で叩く、そこから逃げ出した鼠を鼠道ルートで待ち伏せ、たたき殺すという戦法を取ったが、敵もさることながら何度しても人間の行動が遅く一瞬のうちにすり抜けられる。そうこうしていると3日位は良いが、10目位になると、寝入り端に襲われるため、全員が寝不足とイライラからノイローゼ気味。
 
 鼠の行動を見ると、
 夜行性で丁度人間と逆であり、人間が寝ると行動するというものである。とは言うものながら、私が寝ると動くというものであった。電気を消してスート意識がなくなると、ガサガサと何かが動く音がする。また、音がするのでその方向に意識を集中すると、動きが止まる、私の意識集中があるかないかで鼠の行動が決まる。ひょっとすると、すると俺は鼠と通信できているのかとも思った程である、気持ちが悪い。また意識集中(気)そのものが、鼠が感じ取れる信号であるのかも知れない。 

 鼠の兵糧攻め
 稲穂の籾を食べていることが分かって、直ぐに外し、台所にある食料、米、乾物、お菓子、果物等を全て冷蔵庫あるいは、鼠の歯が立たない蓋付きのアルミやブリキ缶んにすべて収納してしまい、流しの残飯も全て外に搬出して完全な兵糧作戦を展開した。1日後はそれ程変化がなく、二日目となると兵糧作戦が功を奏して食料がないのか、腹が減ったのか行動が大胆となってきた。
 タンスの裏側、テレビの下、本箱の後ろ、部屋の角などを逃げ回り、家族の声ばかりでいつも逃げられてしまう。この頃は、鼠の居住場所は食器洗浄機から冷蔵庫に移動しているようであった。
 これに業を煮やして、鼠捕りシート、ハエ捕り紙の鼠タイプ、名前は確か「チュークリン?」というものであった、これを女房が薬局で買い求めてきた。
 使い方は、鼠の出入りヵ所に新聞紙広げた大きさ(A1)二枚以上敷きつめて、粘着物に接着することで捕獲するというものである。この時の場合は、壁ぎわ冷蔵庫が2面の壁から平行に手前に約20p出し、その間に「チュークリン」を敷きつめ、壁立ち上がり部分にも、床に「チュークリン」がある部分には一枚分貼り付ける。さらに、前面には「チュークリン」新聞紙大(A1)を冷蔵庫2面にに向かい、新聞短辺方向が冷蔵庫の面に接するように配置する。すると、「チュークリン」と「チュークリン」の間が、冷蔵庫から離れると広くなる三角形の無防備ヵ所が生まれる。ここにも、チュークリーンを貼り込む。このセッティングは夜間のみとしないと、昼間は人間がチュークリンに掛かってしまうので、夜のセッチング、朝の撤去と大変である。
 兵糧攻め二日目
 「チュークリーン」要塞の初日は、夜中に鼠のけたたましい声を聞いた、起きて見に行ったが、歩き回っているような雰囲気はなかった。翌朝見ると、確かに「チークリーン」に鼠の毛のようなものが1p×3p位付着していた。
 兵糧攻め三日目
 翌日は、これをもっと確実にするため、冷蔵庫から「チュークリン」を越えた向こうの、壁床の角に油で揚げたおかき、ピーナツアラレを置く。女房の意見によると、鼠は昔から米や、醤油のような臭いがするものが好きだからという。根拠が何処にあるのか私には分からない。
 しかし、「チュークリン」要塞の二日の夜中、悲鳴のような鼠の声で飛び起きた、そこには「チュークリン」に粘着した鼠がいた、体長20数p位。かなりもがいていた。女房の鼠の好み分析は、これを以て認めざるを得ない。
 捕獲したが、狭いマンションの空間で約3週間ほど共に生活をしたと思うと、情が移っているのか、何となく哀れに思いチュ-クリンに挟んでゴミに出すのは忍びなかった。

 棲み分け
 もっともそこには、マンションの隣にあった体育館が解体された。住処を奪われた鼠が、周辺に出没し始めた、しかも猫ほどの大きな鼠を見掛けることが多くなった。これと相前後しての鼠騒動である。
 人間昼行性、鼠夜行性この棲み分けが上手くいけば、全く問題がないが、マンションという同一床平面での生活は、必ず重なる部分がある、それは人間の寝入り端と鼠の行動開始時間が重なり、人間が目を覚ますという重なりである。
 これが日本家屋であると、天井裏・床下での出来事となるため、ある意味では階上・下の棲み分けが出来ている。そう言う意味では、マンションとは棲み分けすらできない建物といえる。
 ある意味で棲み分け境界とは、動植物のテリトリー、人間の作った国境は常になんらかの抗争があるものである。また思考における、線引きのできない境界設定を行うとき、異常な興奮と共に大変なエネルギーを必要とする。思考的な意味で熱が出るものである。
 しかも、様々な武器を持つ人間と、たった一匹の敏捷な鼠との境界設定は無理であったが、人間がマンションの床を占領するための3週間抗争は、棲み分けが成立しない平面戦争であった。



訂正、加筆
1、ねずみ取り器をねずみ捕り器に訂正(h18、6、27)


18,プロジェクト (平成17年5月23日(月)) 事例集に移動。
    プロジェクトと「系統図8枚貼り」 
平成17年9月24日(土))
    事例集21,に移動しました。


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