単身赴任システム論


家庭システム論 、システム料理論
バードアイ・プロジェクト
 






 本項は、
 工事管理研究会ホームページに投稿されたものから「家庭・料理システム論」といえるものを集めたものです。




家庭システム論、システム料理論

 目   次

1,「著者からのひとことから」平成18年4月29日(土)

 19,マンション鼠 棲み分けと境界設定
            新宿のマンション4階の部屋に鼠が入った。

2,「著者からのひとことから」H16,2,1(土 )
 6,システム料理理論 自動制御と手仕事の責分界点
           電気釜で豆を煮る方法など

3,「事例集から」平成17年12月16日(金)
 26,システム料理論、冬の味噌汁 冬期昼食弁当のスープ(味噌汁)

4,「事例集から」平成18年5月24日(水)
 32,単身赴任 生活システム論 ズボンプレッサーとスプレーの組み合わせ

5,「事例集から」平成18年12月20日(水)
 41、天井換気扇の能力と周辺環境 
   住戸の必要換気量(シックハウス等)は確保されているか








1、「著者からのひとことから」平成18年4月29日(土)

 19,マンション鼠  
   棲み分けと境界設定


 新宿のマンション4階の部屋に鼠が入った。
 家族が寝静まると何処からとなく出てきて、神棚の稲穂の籾食べに来る。床に籾殻が落ちている、毎日籾が少なくなるおかしい。その内まだ家族が起きているのに、何処からか出て来て行動するようになった。それからは、高校生の長男、次男、中学生の娘、それに夫婦と臨戦態勢に入る。常に釣り竿、箒などを身近に置き、出たという声で、寝ているものも起き、全員立ち上がり、ガサガサという音を聞き分け、目凝らし監視する。
 あそこという声で、部屋の電気を点灯、最初はその場所に殺到して狭い部屋で各々が叩きまくったが、人間の行動よりはるかに上回る敏捷性で難無くくぐり抜ける。

 捕獲方法が分からない、
 この失敗から、鼠の通り道があるという事を聞き、夜中の何度かの捕り物合戦から観察して、鼠道ルートを探し出した。どうも、食器洗浄機の下から出て来て、そこに逃げ込んでいるようだということが分かった。子供のころ見たねずみ捕り器を思い出した、@金網籠のねずみ捕り器、奧に餌を付けて鼠が餌を引っ張
ると蓋が閉まる、生きたままの捕獲ができる。A通称はさみ、板の上のコ型の太い針金がコ型の開口部の先端が支点となり、板から見ると、長辺方向の端から反対側の端へ、円弧を描く可動域を持つ物、これで鼠を挟み込む、強いバネであるため即死である。これも針金の先に餌を付け、鼠が引っ張ると、コ型の太い針金が、止め金から外れ、バネの力で鼠の体の上に落ちてくる、言い換えると、コ型の太い針金と、これを取り付けている板に挟まれるもの。を知っていた。
 早速、中目黒の商店街の金物屋に行った、@金網籠のねずみ捕り器とA通称はさみが、今以てあったのには驚いた。@金網籠のねずみ捕り器を買い求めて、大きな袋に入れてもらい東横線に乗って新宿まで帰った。その間なんともいえない思いがあった、この車両、つながっている車両全てでも、いや、山手線上を今
走行している列車全てでも、金網籠のねずみ捕り器を持っているのは俺だけだという変な満足があった。持ち帰り、金網籠のねずみ捕り器をセットしたが鼠は人間の臭いが付いていたためか全く無視、何の助けにもならなかった。

 捕獲作戦
 作戦として鼠道に家族全員を並べ、一番人間の俊敏性の高い高校生の息子を発見場所に配置して、鼠を竿で叩く、そこから逃げ出した鼠を鼠道ルートで待ち伏せ、たたき殺すという戦法を取ったが、敵もさることながら何度しても人間の行動が遅く一瞬のうちにすり抜けられる。そうこうしていると三日位は良いが、十日目位になると、寝入り端に襲われるため、全員が寝不足とイライラからノイローゼ気味。
 
 鼠の行動を見ると、
 夜行性で丁度人間と逆であり、人間が寝ると行動するというものである。とは言うものながら、私が寝ると動くというものであった。電気を消してスート意識がなくなると、ガサガサと何かが動く音がする。また、音がするのでその方向に意識を集中すると、動きが止まる、私の意識集中があるかないかで鼠の行動が決まる。ひょっとすると、すると俺は鼠と通信できているのかとも思った程である、気持ちが悪い。また意識集中(気)そのものが、鼠が感じ取れる信号であるのかも知れない。 

 鼠の兵糧攻め
 稲穂の籾を食べていることが分かって、直ぐに外し、台所にある食料、米、乾物、お菓子、果物等を全て冷蔵庫あるいは、鼠の歯が立たない蓋付きのアルミやブリキ缶んにすべて収納してしまい、流しの残飯も全て外に搬出して完全な兵糧作戦を展開した。1日後はそれ程変化がなく、二日目となると兵糧作戦が功を奏して食料がないのか、腹が減ったのか行動が大胆となってきた。
 タンスの裏側、テレビの下、本箱の後ろ、部屋の角などを逃げ回り、家族の声ばかりでいつも逃げられてしまう。この頃は、鼠の居住場所は食器洗浄機から冷蔵庫に移動しているようであった。
 これに業を煮やして、鼠捕りシート、ハエ捕り紙の鼠タイプ、名前は確か「チュークリン?」というものであった、これを女房が薬局で買い求めてきた。
 使い方は、鼠の出入りヵ所に新聞紙広げた大きさ(A1)二枚以上敷きつめて、粘着物に接着することで捕獲するというものである。この時の場合は、壁ぎわ冷蔵庫が2面の壁から平行に手前に約20p出し、その間に「チュークリン」を敷きつめ、壁立ち上がり部分にも、床に「チュークリン」がある部分には一枚分貼り付ける。さらに、前面には「チュークリン」新聞紙大(A1)を冷蔵庫2面にに向かい、新聞短辺方向が冷蔵庫の面に接するように配置する。すると、「チュークリン」と「チュークリン」の間が、冷蔵庫から離れると広くなる三角形の無防備ヵ所が生まれる。ここにも、チュークリーンを貼り込む。このセッティングは夜間のみとしないと、昼間は人間がチュークリンに掛かってしまうので、夜のセッチング、朝の撤去と大変である。
 兵糧攻め二日目
 「チュークリーン」要塞の初日は、夜中に鼠のけたたましい声を聞いた、起きて見に行ったが、歩き回っているような雰囲気はなかった。翌朝見ると、確かに「チークリーン」に鼠の毛のようなものが1p×3p位付着していた。
 兵糧攻め三日目
 翌日は、これをもっと確実にするため、冷蔵庫から「チュークリン」を越えた向こうの、壁床の角に油で揚げたおかき、ピーナツアラレを置く。女房の意見によると、鼠は昔から米や、醤油のような臭いがするものが好きだからという。根拠が何処にあるのか私には分からない。
 しかし、「チュークリン」要塞の二日の夜中、悲鳴のような鼠の声で飛び起きた、そこには「チュークリン」に粘着した鼠がいた、体長20数p位。かなりもがいていた。女房の鼠の好み分析は、これを以て認めざるを得ない。
 捕獲したが、狭いマンションの空間で約3週間ほど共に生活をしたと思うと、情が移っているのか、何となく哀れに思いチュ-クリンに挟んでゴミに出すのは忍びなかった。

 棲み分け
 もっともそこには、マンションの隣にあった体育館が解体された。住処を奪われた鼠が、周辺に出没し始めた、しかも猫ほどの大きな鼠を見掛けることが多くなった。これと相前後しての鼠騒動である。
 人間昼行性、鼠夜行性この棲み分けが上手くいけば、全く問題がないが、マンションという同一床平面での生活は、必ず重なる部分がある、それは人間の寝入り端と鼠の行動開始時間が重なり、人間が目を覚ますという重なりである。
 これが日本家屋であると、天井裏・床下での出来事となるため、ある意味では階上・下の棲み分けが出来ている。そう言う意味では、マンションとは棲み分けすらできない建物といえる。
 ある意味で棲み分け境界とは、動植物のテリトリー、人間の作った国境は常になんらかの抗争があるものである。また思考における、線引きのできない境界設定を行うとき、異常な興奮と共に大変なエネルギーを必要とする。思考的な意味で熱が出るものである。
 しかも、様々な武器を持つ人間と、たった一匹の敏捷な鼠との境界設定は無理であったが、人間がマンションの床を占領するための3週間抗争は、棲み分けが成立しない平面戦争であった。





2,「著者からのひとことから」H16,2,1(土 ))
 
 6,システム料理理論
  自動制御と手仕事の責任分界点

   (電気釜で豆を煮る方法など)

 システム料理論、自動制御と手仕事の責任分界

 
電気釜料理法 
 豆類を電気釜で炊くと、スイッチをを入れるだけでうまく炊くことが出来る。方法は、黒豆でも金時豆でも洗
い、豆の量の約4倍前後の水を入れて、昆布を入れて、電気釜で炊き、保温で3〜5時間程度保温すると柔らかいふっくらとした豆が出来上がる。単身赴任として、豆を煮るというような料理はとても出来ないと思っていたが、スイッチを入れるだけで豆が炊けるという、この方法に狂喜乱舞した者である。
 食べ方は、そのままでもよいが、クリームチーズを豆の上にのせ電子レンジで30秒〜1分暖める、とろーとしたチーズがかかる豆が出来上がる。甘いのがいい人は少し砂糖など甘味料を入れ同様に行うのもよい。これはワインのつまみによく合う。

 煮込む物
 味付けは違うが、ひじき、切り干し大根、肉じゃが等が、電気釜の米を炊く特性である30分位煮る物には向いている。前記同様にスイッチ入れると自動的に出来上がる。
 冬場の単身赴任、朝セットしておき、仕事場から帰る時間に合わせ、例、帰宅時間午後7時半に合わせ炊きあがるようにして、帰宅するとほかほかが出来上がっている。いつも火の気のない部屋に、玄関を開けて入るのであるが、ぷうーんとの臭いが漂い、火の気を感じる部屋となっている。生活の臭いがするものである。初めて切り干し大根を作ったときのことを思い出した。
 この時の炊き方は、ご飯をセットして、真ん中にガラスの耐熱計量カップを入れて、そこに、もどした切り干し大根、みりん、醤油、昆布、水浸る量(押さえた状態)の三〜四倍位を入れて、セットする。すると時間が来ると、ご飯と切り干し大根の二品が出来上がっている。
 後は、みそ汁と、メインの魚か肉があれば、豆、切り干し大根があるため、一汁3品のおかずが出来上がる。
 冷蔵庫に入れておきストックとして冷菜として利用するのもよし。

 食えない煮野菜
 これに味を占めて、菜っ葉とあげの煮物を作ってみた、菜っ葉の繊維が柔らかくなり過ぎ美味くはなかった。しかし食べたみた、自分の味であるため美味かった、原因は電気釜の30分という煮る時間が長かったようである。
 
 料理システム論
 そこで、電気釜が入って10分から15分で切れるようにする、というようにタイマー、マグネットを取付て、回路を作り制御盤としてセッティングした。ところが、タイマーのセットは電気釜と制御盤の入り、切りのタイマー計3個のセットが必要であるが、これもおかずとしてはうまく行った、すごく嬉しかった。
この話を自慢気に妻にすると、そんなことをしなくても、鍋でも直ぐ出来るのにと一括された。
 考えてみると、タイマーのセットは以外に邪魔くさい。作業手順を紐解いた、すると、そこ10分位なら、食事を作るための平行作業、他の作業もあるため、鍋でやった方が早いと言うことになった。
 これなど、技術という範疇での技術屋の自己満足であり、顧客の状況や作業の関連など認識せずに、さらに基本である料理というものを認識せずに、顧客のニーズを無視した技術屋が作った典型の自動調理器であるといえるものである。
 しかし、これは単身赴任のお遊びの面白さと、味覚と、食欲の満足と、システム論の面白さが一度に表出したもの、生活システム論であった。





3、「事例集から」平成17年12月16日(金)

 26,システム料理論、冬の味噌汁

 冬期昼食弁当のスープ(味噌汁)

 冬の昼食、職場で弁当を食べるのは味気ない、そこに味噌汁、スープがあると寒い冬の冷たさから開放されて安堵感と満足がある食事となる。
 
1,携帯用の味噌汁の作り方
 基本はパターン、
 生味噌に薬味(葱等)を入れて「団子(元種)」にして、ラップに包む、これを漏れないようにナイロン袋に入れて通勤カバンに入れて持ち運ぶ。食するときには、マグカップまたはお椀にお湯を注ぎ頂くものである。

2,汁物献立とバリエーション
 こだわり、お湯を入れて3分で出来るもの。
      自然のもので作る。
      「団子(元種)」を作るのに3分以内で出来るもの。

1)スープベース
@乾物出汁、(液体でない、粉末が移動に際して扱いやすい)
 鰹節、とろろ昆布、煮干しいりこ粉末、昆布茶、味噌(減塩、赤、白等)、量の目安、味噌は計量スプーンで(小1または5t以下)程度、煮干しいりこ粉末(小1/4または1,25t〜1/2)程度。
 昆布茶は説明による。
Aインスタント出汁(粉末、顆粒等を選ぶ)
 コンソメ、鶏ガラスープ(顆粒)、その他出汁
 量の目安、説明を確認下さい。
2)薬味、具材(出来るだけ生がよい、香りがある)
@薬味生野菜等
 きざみ葱、春菊、小松菜、椎茸その他キノコ類、その他青物
 生わかめ、すり胡麻、
A乾燥具材(スーパーに行くと棚に色々とある、探して下さい)
 わかめ、高菜・ほうれん草、葱、大根葉、椎茸その他キノコ類、小エビ、ちりめん雑魚、
  乾燥具材を戻すテクニック
  乾燥具材の、わかめ、高菜・ほうれん草、葱、大根葉等は、
  団子(元種)を作るときに少し水を掛けてラップに包む、3・4時間後の昼食時には柔らかく戻っているので丁度 良い。
B量の目安、上記@A好み。
 上記材料でも、様々に汁物献立とバリエーションを楽しむことが出来る。少し手を加えるというのなら、「団子」にお湯を入れて電子レンジに掛けると硬いものでも柔らかく頂けます。一度試して下さい、お勧めします。

 注意、
 電子レンジを掛けるときは、陶器のマグカップにして下さい、樹脂製は高温になるため樹脂、塗装が溶け出します。
 凝り性方は、あまり凝ると忍者の携帯兵糧になってしまうので注意が必要です、ほどほどに。

3,昼飯に限らず、単身赴任者の食卓を豊にする一品です。
 自然のもので楽しく「団子」を作って楽しい食事をして下さい。色々な「団子」を沢山作って冷凍庫あるいは冷蔵庫に保管して食べるのも方法です。
1)保管方法
@乾燥もののみで構成する物は冷蔵庫でも日持ちする。
A薬味生野菜は、冷凍庫という分類になりますが、保管はよいが解凍すると味が落ちる。

4,昼食弁当の味噌汁効用
 鳥取のとある現場において、現場の8人位のスタッフが居た、全員どう見ても黒い顔をしている、疲れ切っている、どういう生活をしているか確認した。
 全員単身赴任、食事は朝コンビニの物で朝食、昼弁当・カップラーメン、夜コンビニまたは飲み屋。仕事は、毎日九時、十時まで残業ということであった。この内容から野菜不足は歴然、早速、毎日昼のみでも良いので味噌汁を作ると体にいいよと伝える。
 現場には、アルバイトできている事務員さんが居た、出汁は必須アミノ酸が多い自然の物、昆布、出汁雑魚、鰹節を使うとよい、具材はビタミンの多い野菜、根菜類の具だくさんにするといい。特に子供の脳形成期にはこれが効果的、また子供が「切れる」など問題になっているが、効果があるとの報告書はある、など、丸元淑生のシステム栄養談義をした。
 何週間か後、毎日味噌汁を作っていると聞く。
 それから一ヶ月もすると全員、黒い顔が普通になっていたのには驚いた、効果覿面であった。システム料理学(丸元淑生著)そのものの実践であった。

 穴子談義
 以前、福岡県の津屋崎漁港の朝市(時期、年の瀬)で魚を買ったとき、穴子のみそ汁は、体が温まってうまいですよという情報を漁師から得た。その時、穴子は買ったが、酒の肴に白焼きをしたため、穴子のみそ汁は出来なかった。
 白焼きは美味い、二枚におろした穴子、長さ70p位のもので肉厚15o位の大振りのものに、奄美の塩を振り掛けて白焼きにした、表面はこんがり焼けて、開いた肉表面のざらざらから肉汁がぷちぷちという状態で吹き出し、噛むとサク、香ばしい香り、じゅわー、甘い塩の味がする、辛口の日本酒の肴には最高であった。
 津屋崎から2年後の早朝、散歩時に鳥取の市場で穴子を見つけた。
 穴子味覚連想の先につながる穴子がある、「穴子のみそ汁」を食べてみたいと思った。
 これはチャンス、開いてもらって皆で食べてみよう、持って帰りみそ汁に入れてもらった。
 生きた穴子を開き、骨を取り生のまま適当な大きさにして入れる、臭み取りにゴボウ、大根の根菜類と葱が入っていた。20人分の汁に小振りの穴子3匹であったが、脂がありはじめて味わう旨味があり、お椀一杯食べると物凄く満足があった。全員こんなにして食べた事がないと大喜びであった、若い人は上手い上手いと何杯もお代わりをしていた。
 冬の味噌汁から、美味い情報を提供できたこと。労務管理において、血色が良くなり病人を出さずにすんだこと。福岡の仇を鳥取の穴子で取ったという満足感と幸せがそこにあった。


参考文献、資料
システム料理学 丸元淑生著 文芸春秋1982,06





4,「著者からのひとことから」平成18年5月24日(水))

 32,単身赴任 生活システム論
   ズボンプレッサーとプレーの組み合わせ


 ズボンプレッサーを有効に使う方法

 電気屋の店頭でズボンプレッサーは約1万5千円前後で販売されている。
 外出から帰る、ズボンをズボンプレッサーに挟み込みスイッチを入れると、毎日ズボンの折り目が付いているという優れものである。アイロンのように時間が掛からない、邪魔くさくないのが特徴である。朝の通勤が気持ちよくなる。
 毎日ズボンを挟み込み何年も使っていた、しかしある日、疑問に思うことがあった。洗濯屋に出すと、折り目は何日も付いたままで、しかも、しっかり付いている。ところが、ズボンプレッサーは夕方になると、ズボン生地によるが折り目は痕跡が残る程度ということに気づいた。

1,ズボンプレッサーと水噴霧
 これは、何とかならないかという思いからの発想である。
 ズボンプレッサーに掛ける前に、ズボンに、特に折り目に沿ってスプレーで水を吹き掛け、そしてズボンプレッサーに掛けて電源を入れることを思い付いた。
 それならと思ったが、単身赴任の部屋にはスプレーはない。ならば、洗面器から指先に水を付けてピィ・ピィと何度となく指先をはじきながら水を掛けて行ってみた。水を掛ける範囲は、折り目の両サイドに吹き掛けると折り目はしっかり付く、がしかし、どうも斑があるようである。指先をはじく、水振り掛け斑のようである。

2,スプレーと噴霧粒子の違い
 スプレーと思ったが単身赴任の部屋にはその様なものはない。
 早速、スプレーを購入した、立ちながら片手でズボンを持ち、片手でスプレーで吹き掛けてズボンプレッサーに掛けた、結果は良好であった。しかし、吹き掛ける対象部分、折り目の周辺はびしょびしょ状態であり、電気製品のズボンプレッサーには具合が悪いのではと思えるほどである。
 スプレーを、ゆっくり押して少量にしても、結果は、霧の拡がりが無く部分に多く集中するようである。
 霧の量が多いのなら、ズボンから離して霧吹きをした、範囲が大きすぎて周辺の物や床がぬれるという状態であった。どう見ても霧の量が多すぎる。
 やむを得ず、何年かこのスプレーで辛抱していた。
 ある時、スプレーが壊れた。
 丁度、東京の自宅に帰っていたので、スプレーは無いかと聞くと、これがあるよと、手指消毒剤ウェルパス(100t)のスプレーをくれた。
 単身赴任先で使ってみた、手指用であるためかスプレーしてみても広範囲に広がらず、ズボンの折り目に沿って25p位離して噴霧すると、噴霧集中部分が、直径約20p位で噴霧することができた。しかも、噴霧の水滴の粒子がスーパーの物より小さく、びしょびしょにならず水滴はほどよく付いている、丁度良い位である。これで、ズボンプレッサーに掛けると、びしょびしょの時より、不必要な折り目が付くことが少ないようである。
 その理由は、びしょびしょの時は、ズボンプレッサーのプレス面に張り付き、ズボンの裾がズボンプレッサー下まで滑り込まないからと思われる。ウェルパスのスプレーでは張り付くことはない、適度の噴霧量である。
 製造メーカーに確認すると、手指消毒用のスプレーは、消毒液の手もみ蒸発を目的としているため粒子が細かく、噴霧水量も少ない。また、噴霧範囲も手指目的であるため小さく作られているということであった。
 私のような胴長短足、日本人の遺伝子原種では股下約70p(長め申告)位である、このズボンに噴霧を行うには、前記、「噴霧集中部分が、直径約20p位」であるので、片足筒の折り目、例、前のみで70/20=3,5回の噴霧となる。これが両足前後、さらに折り目裏表で8倍となるため、約28回吹き付けなければならない。
 これを解決する方法、ハード的解決方法、メーカーに確認したところ楕円の範囲に噴霧できるスプレーも製作可能という返答を頂いた。そうすると28回噴霧の現状を、三分の二位に減じることも可能では、という答もあった。

3,スプレー回数を少なくする方法
 ズボンの両足、前の折り目を3〜5p位「ずらせて重ねる」、そこにスプレーを掛ける。折り目の裏側も同様に行う。
 さらに、スプレーするときには、スプレーをズボンの折り目に沿って上から下にずらす、スプレー回数は「ずらせて重ねる」ではズボン折り目片面で2回で済む。ズボン前の折り目(裏表)では4回、後ろの折り目(裏表)では同様4回、計8回である。しかも、噴霧量は少なく丁度良い、折り目もしっかり付いている。
 もっと楽するには、ズボンプレッサー製造メーカーもズボンプレッサーの噴霧器付き、あるいは、蒸気噴霧装置内蔵の物もあっても良いのではと考える。

4,日本から、ズボンの折り目標準の発信
 親元から離れて、一人生活している若い独身男性のズボンが、膝の丸くなった姿を町でよく見掛ける。子の親として気になるところである。また、単身赴任おじさんのズボンの折り目についても同様である。だからといって、毎日アイロン掛けるなんて単身者にとてもできることではない。ズボンプレッサーなら、掛けるだけで折り目が付く、これならできる。
 この発案によって、若者が町を闊歩する姿、また、おじさんは体がよれよれでもズボンの折り目は立っているという日本の姿を画きたい。また、折り目基準が、アイロンから噴霧装置内蔵ズボンプレッサーに代わり、ズボンプレッサー折り目が世界標準になることを願う。また江戸の開国以来、外来文化の背広というものに、新たなソフトを加えたことになる。
 ここに、ズボンの折り目という維持管理概念を変え「ズボンプレッサー折り目」を日本から世界標準として発信するものである。


訂正(h18,5,28)
 3,噴霧装置内蔵を蒸気噴霧装置内蔵に訂正





5,「事例集から」平成18年12月20日(水)

  41、天井換気扇の能力と周辺環境
  住戸の必要換気量(シックハウス等)は確保されているか

 換気扇の掃除と方法

 都心あるいは郊外、幹線道路の沿線、離れた所などによって状況は違うが、都心、幹線道路沿線における住宅、マンションの便所、天井埋込形換気扇1例を示す。
 マンション等では、居室の空気を便所や洗面所に集めて排気をしている。
 条件、設置して1年、一日24時間運転、常時運転。
天井埋込形換気扇を清掃するには、天井面のカバーを下に約10p位引き抜くと、一般的には、脱落防止のV字型バネが付いてくる、ここで一度止まる。この形が多いようである、他にはビス止めもある。
 この後、カバーと天井の隙間からバネの上端広がった部分Vを狭めて、V先端部から外に左右に突起(約10p)する部分を、上部の引っ掛け部から外すし、カバーを取り外す。
 そこには、中央に回転する円筒の物がある、これがシロッコファンである。筒の回りに外に折り曲げた羽と、羽の部分だけ空間があいているという物である。最近は樹脂製の成型品も多く存在する。この、シロッコファンで下から空気を吸引して、外部に空気を排出する物である。 シロッコファンに吸い込んで排気する物であるため、当然そこには軽い粉塵、綿くず、塵埃などがシロッコファンの羽に付着するものである。

1,換気扇に付着する埃と排気能力
(1)空気を掻き込むシロッコファン羽の先端部分に、埃が着き、湿気を呼び、さ らにその上にと堆積するように付着して、裏表で5〜10oも厚くなり丸くな っているところがあった。これでは、先端の風を切る鋭利なところが無くなり 極端に効率が低下する。
(2)天井埋込形換気扇が取り付けられた状態で、シロッコファンの最頂部の底の 部分に中央から周辺に多く、盛り上がるように堆積している。ひどいところは 内容積の四分の一まで堆積していた。容積が小さくなり効率が低下する。
 どうも、都心で幹線道路沿い、シロッコファンの小径(直径10p位)のもの 程、埃が剥離せずに堆積するようである。これに反して郊外、大径(直径20 p位)は小径に比べて少ないようである。 
(3)カバーに着く埃、これは天井に付いている場合はよく見えるため、掃除機あ るいは雑巾で拭くと取れるものである。

2,建築基準法に基づくシックハウス対策について」を考える。
  (国土交通省ホームページから抜粋他。)

 シックハウス対策に係る法令等は、平成15年(2003年)7月1日に施行
 ホルムアルデヒドに関する規制(換気設備の設置が義務付けられる)
(1)内装の仕上げの制限
 居室の種類及び換気回数に応じて、内装の仕上げに使用するホルムアルデヒド 発散建築材料は面積制限を受けます。(令第20条の7)
(2)換気設備の義務付け 
 内装の仕上げ等にホルムアルデヒド発散建築材料を使用しない場合であって  も、家具等からもホルムアルデヒドが発散されるため、居室を有する全ての建 築物に機械換気設備の設置が原則義務付けられている。(令第20条の8)
(3)天井裏等の制限
 天井裏等は、下地材をホルムアルデヒドの発散の少ない建築材料とするか、機 械換気設備を天井裏等も換気できる構造とする必要がある。(平成15年国土 交通省告示第274号第1第三号)
(4)建築物の居室には、住宅等の居室にあっては換気回数0.5回/時、その他の 居室にあっては換気回数0.3 回/時以上の能力を有する換気設備を設置しなけ ればならない(令第20条の5第四号の表において規定する回数)。

3,換気扇の清掃
特に建築基準法に基づく「シックハウス対策」の換気扇は24時間常時運転である。1年もしくは2年も経つと「1,換気扇に付着する埃と排気能力」に示す状況となり、排気能力は半減するものである。
 掃除の方法は、
  準備する道具、
  注意、換気扇の電源ブレーカー、またはスイッチは必ず切っておくこと。
(1)電気掃除機(角取り用の先)、割り箸、歯ブラシ、
 換気扇のカバーを外し、電気掃除機の角取り用の先を取付て、シロッコファン に当て吸引を行っておく。その状態において割り箸で埃を掻き出す。ある程度 除いた後、歯ブラシで綺麗に埃を取り除く。
  この時シロッコファンはくるくる回るので、固定しながら行うこと、あまり 力を入れると歪むこともあります注意が必要。家庭用は大きさは7〜8p位の 物から20p位を越える物まである。掃除を、完了するまでは掃除機は運転の まま。床にゴミが落ちないため、人間に降り注がないため吸引する。
 さらに器用な方は、シロッコファンを外して清掃するのも方法である。
 
(2)人間防護対策、マスク、水中めがね、
上向きのゴミ取りであるため目に口、 鼻に入るため準備が必要。清掃は二人が都合がよい、一人は掃除機専用にする と上手く処理できる。

 この作業が終わり、カバーをして、換気扇を動かしてみてください驚く程の換気能力が蘇ります、同時に、回転音も静かになります。
 ここ様な清掃は、習慣として日本人には無かったが、各家庭にも便所、洗面所、台所、何台かの居室の換気扇、5台を越える換気扇が設けられるようになった現在、各家庭で上記清掃を行う時代が来たと、客観状況から認識する必要がある。
これからは、夏の大掃除、年の瀬の掃除に、換気扇の清掃が習慣化され、新鮮な空気が室内に提供される、日本の家屋をそこに画きたいものである。

4,外風からの換気扇選定について
(1)外風による圧力損失
P=9.80665×C×γ/2g×V2
 外気風圧Vは(m/sec)、風圧Pは(Pa),Cは風圧係数、
 γは空気比重量(1,2Kg/m3乗)、g重力加速度(9,8m/sec2乗)
( 風圧係数は建物の形状で変化するのでここでは0.7とする。)

 外風からの影響、季節における風向き、冬の北風、夏の南風等、地形による、山からの吹き下ろし、海からの風等。また、毎日の陸風海風によって影響される、川風、道路風等。さらには街のビル建て込み状況、ビルそのものの形状と風上風下によって外風による圧力損失は大きく変化するものである。
 東京都内においても、冬季、高所で北風が当たる所では10mから20mは常に吹いている。ビル風はさらに激しいいものである。
(2)北風を換算すると
 10mで約40(Pa)、20mで約170(Pa)にもなり、天井換気扇の排気は、外気に押されて、ほとんど排気できないという状況が想定される。
 このため、排気口は季節、地形、建物の形状等を考慮して強い風が当たる所を避けて、設けることも必要である。
 特に、マンションでは、入口玄関とベランダと二方にしか外部に面する面が無いため、排気口の方向と形状は検討が必要である。また、騒音についても、居室では低い物を選定する必要がある。
(3)吸気口の確認
 排気はあるが外部からの吸気口が無いということが、実際に多くある。吸気・排気でセットというシステム作りをすべきである。

5,換気扇というシステムからバードアイすると
前記1から4から考察すると
 1,換気扇に付着する埃と排気能力
 2,建築基準法に基づく「シックハウス対策について」を考える。
 3,換気扇の清掃
 4,外風からの換気扇選定について


 シックハウス対策の「住宅等の居室にあっては換気回数0.5回/時、その他の居室にあっては換気回数0.3 回/時以上」で選定しても、「1,換気扇に付着する埃と排気能力」低下、「4,外風からの換気扇選定について」を考慮した、ゆとりがなければ能力を出すことが出来ない。このような設計指針や方法を世に問うものである。
 また、理論廃ガス量からの排気、発熱や一人当たりの占有面積からの換気量等についても同様である。という状況から、必要換気量を確保できていない住宅、マンションや建物が多く存在する現実がある。その実情を社会的に認識すべきである。
 換気口の考慮と伴に、前記4,外風には、静圧の高い換気扇。前記1,埃の集積からは、法に定める容量から、何倍かゆとりのある大きな物を選定する必要がある。このため、出来るならば排気容量コントロールが付いた物も有効である。
 特に設計者は、物があればよい、ではなく前記諸条件を考慮して、効率的な自然環境下での自然換気、あるいは排気口等の配置を考慮する設計、さらに劣化や埃付着等について配慮する必要がある。また換気があるから良いではなく、有害物質を発生しない材料を開発する、選定する等の根元的対応が必要であると考える。
 さあ、年の瀬に換気扇を掃除をして、日本の風物詩にして正月は室内に新鮮な空気をいれ運気を高めよう。





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