住宅やさん

ビルダーさん決定までに関わった住宅やさんの数は両手の指で数えられるぐらい。なのでここに書いてあるのは業界全体なんていう大げさな話でもなく、極々個人的な感想です。

一生のうち、これほどたくさんの営業さんにたったひとつの商品について営業されることはそれほどないんじゃないかと思います。最終的に「設計士さん+地元工務店さん」に決まったちょみっつですが、決定までの道程ではいくつかのハウスメーカーさんとの関わりがありました。

ちょみっつが巡り合ったハウスメーカーの営業さんの半分は家を大量消費する商品と同じような感覚で扱っている方々でした。そういう方々とは早々に縁を切りました。

後の半分のそのまた半分にあたる営業さんは、家が超高額商品であるけれど、その対価として自社の商品は自信を持って薦められると自負がある方々でした。その方たちとは少々長くおつきあいができましたが最終的なおまかせをするまでには至りませんでした。

結果として、「家」という商品に惜しみない想像力と創造性を注いでいる(と、ちょみっつが感じた)方々に私たちの住まいをおまかせしました。ちょみっつとしてはこれでよかったと納得しています。

ビルダーさん決定までに印象深かった住宅やさんについてちょみっつなりの感想などをつらつらと。
上にも書きましたが、これはあくまでもちょみっつが出会った営業さんや住宅やさんのお話しで、全体としての話でも、住宅会社の良し悪しを判断するものでもありません。ほんの1例程度に読んでください。
ご自分が会って話して感じたこと、それが一番だと思いますです。はい。


☆S林専属契約(というのかな)事務所

ここはちょみっつがホントにおうちを建てようと動き始める前に地元のマイホームセンターに行った際のアンケート名簿を見て営業に来られました。

忘れもしません。2002年ワールドカップ日本代表初めての試合開始5分後に我が家のチャイムを鳴らしたこの営業さん。女性でした。このタイミングからしてこの辺りで営業するには不向きです。ここはサッカー王国、「○○(選手名)ってさー、うちの従兄弟の通ってた学校の先輩の友達の知り合いなんだぜ。」というよくわからない自慢がまかり通ってしまうような土地柄で、この日このときのTV観戦率は全国でも屈指だったのではないかと思われる瞬間に「家、うちで建ててください!うちはすごくいい事務所です!とにかくうちで建てた物件を見に来てください!」と、強引に玄関にはいってこようとしたことで、「今、ワールドカップで忙しいんです。」と嫌味たっぷりに言ってしまいました。「とにかくうちで建てた家の写真だけでも!」としつこくアルバムを手渡そうとするその人、どうでもよくなってハイハイ、と受け取って「早めに取りに来てくださいね」と玄関閉めてしまいました。

その後、いつも間の悪いタイミングで何度かご訪問いただきましたが、きっぱりお断りしました。
後日談として、その年の冬、同じアパートに住むご一家が家を新築してお引越しするというご挨拶にみえたとき、おめでとう!と言ったら「ねえ、ちょみっつさんちも建てるんでしょ?」と返されて、当時は具体的な計画が立っていなかった私は??。「え?ちがうの?だってね、ウチの営業の人がちょみっつさんちもあの辺の土地(そのお宅が建った辺り)でS林で建てる話しをしてるって言ってて、それで家も…」。営業さんの風体を聞くと正にあのS林の営業さん。

正直、あきれてしまいました。きっぱり断った我が家がさもその土地を検討してるようなことを言って引っ越すお宅を煽っていたなんて。別にウチが悪いことしたわけじゃないんですが、なんだか気まずくてごめんね、違うよ、とお話しすると奥さんは「はぁー。あの人ならやりそうだわ。S林の家が気に入ったからウチもあそこでお願いしたけど、家が建って何がうれしいってアノ営業と関わらなくて済むようになったってことよっ」と苦笑いでした。「家を建てるのは営業じゃない。住むのは私たちだ。」という信念の元に敢えてあの営業さんにつきあった奥さん。立派だなぁ、と思ったのでした。

☆Kホーム

こちらはFC。ネットでHPを見て外観が良さそうだったので、隣町のモデルハウスを見に行きました。メーターモジュールが売り。私たちについてくれた営業さんは若いおにいさん。一通り見てまわり、アンケートに記入する静かなその時間、彼はちょみっつ家の禁句をポロリとこぼしてしまいました。
1号ひでみが年齢を書いたのを見て「ご主人は、お若いんですねぇ。」と。

…「ご主人は。」の「は。」はちょみっつ家では警戒レベルMAXの禁句です。例えそれが事実であっても2号の友人以外は口にしてはいけない最高ランクの禁句です。彼はそれを知らないとしても仮にも営業なんですから、絶対に踏み込んではいけない場所だということに気が付かなければいけません。いけないったらいけないんです。

「ふーーーーん。”ご主人は”、ねぇ?」2号の警戒宣言が発せられた瞬間、営業クンは大失敗にやっと気づいた模様。それまではとっても流暢だったおくちもアワアワと焦りまくってます。半分冗談だったのに、可哀想になるぐらいオタオタのボロボロになってしまいました。お?これは?いぢわるがお好き?
2号のニヤついた姿を見て状況を判断した1号ひでみがすばやく撤収にかかり、女王様モードに変身しそうな2号を脇に抱えてモデルルームを後にしました。

そんなことがあっても自社の構造やら何やらを一生懸命語ってくれた彼に悪い印象はなかったので、探してくると言っていた土地情報なんかも聞きたくてご訪問をお待ちしておりましたが、彼は2号が家にいる時間帯にも関わらず「よろしければで結構ですが、どうぞご検討ください。すみません。」と小さな文字で書いたご自分の名刺と売り出し中の土地のコピーをそっと郵便受けに差し入れて帰ってしまわれたようでした。

その営業くんとはそれっきり。この経験を生かしてイヂワルなおばさんに負けない立派な営業さんになってほしいと思います。

☆M井ホーム

ここはマイホームセンターという総合住宅展示場でお会いした営業さん。非常に豪勢なモデルハウスの中で接客してくださいました。それも「木で鼻をくくった」という表現ぴったりな態度で。「○ery!&Fun」というシリーズに興味があって出かけたのですが、「パンフレットとか見たければどうぞ?」という態度。どー見てもお金持ちには見えないちょみっつファミリーになんか時間を割きたくないもんねー、という雰囲気がありありと見えました。でも、まあ、それはその人なりの営業スタイルなんだから、必要な情報さえいただければ気にしないでおこう、と思ったのですが、土地の話になったときふっと「実家の土地に建てようと思えばねぇ…」と漏らしたら「ご実家は何坪ほど?」と態度一変。これぐらい…と答えるとそれまでとは打って変わって下にも置かぬ慇懃無礼な営業スタイルに早変わり。あまりのわかりやすさに苦笑いしてしまいました。

結局は好きだなぁと思った○ery!はまったく予算に合わないということで、候補からは外れましたが、なんというかネットや雑誌でみかける「こんな営業さんどーよ?」という定番にきっちりあてはまる人物を実際に見られたことが面白くて印象に残ってます。

その後、こちらからはDMをバンバンいただきました。つい最近1号ひでみ宛にお電話までいただきました。あの時まるっきり相手にしてくれなかったのに1年以上経ってからの営業。どこも契約取るのに必死なんだなぁ、とまたまた苦笑い。今でも○ery!は建っているお宅をみかけるとかわいいなぁ、と思います。こんなかわいいおうちを建てるのは比較的若い世代が多いのではないかと思うので、営業スタイルを今一度検討したほうがよいんじゃないかな、と思ったりするのでした。

☆Iホーム

ローコスト系FCの大手メーカー、になるんでしょうか?お金のないちょみっつは「ローコスト」に惹かれてモデルハウスに行ってみました。行ってから知ったのですがたまたまキャンペーンで限定○○棟に限りアレコレ付いてこの値段!という時でした。一通り見て説明を受けテーブルに落ち着いた途端、「本日10万円にてこの限定商品を仮契約していただけます。これが仮契約書です!」と差し出されました。座ったテーブルの脇の壁には「祝!ご契約!」とポラロイドで撮った契約者の笑顔の写真とともに、仮契約から本契約になった施主さんとこにリボンがついた模造紙が貼られています。

「これって形を換えた営業成績グラフだよね。」と思いつつ、10万円なんて大金ホイホイ持ってるわけないですし、見て30分でちゃっちゃと決めろと言われたって無理に決まってます。と、やんわりお伝えするのですが、この営業さん、「この契約取るまで絶対帰さない!」とばかりいろいろとまくし立て、ちょみっつ一家を解放してくれません。最初のうちはメモを取りながら笑顔でお茶なんか入れてくれていた案内の社員さんも、無理です、そう言わず、と延々と続く押し問答で重く緊張していく空気の中、黙り込んでしまってます。

いい加減、1号ひでみがプチ切れか、と思われた頃、所長さんという人がやってきて、穏やかにその場をまとめて帰してくれました。あの後あの営業さんは「空気読めよっ」と注意されたんでしょうか?それとも「見込みあるかないか、もっと早く判断して次のお客さんにつくように。」と諭されたか。

家自体は可もなく不可もなく、予算内でどこまでオプションを付けられるのか参考までに検討してもよかったんですが、あれじゃあ新興宗教かキャッチセールスだよねぇ、ということでその後検討することもなく終わりました。ちょみっつ家はこわがりなんです。

☆Uホーム

こちらもローコスト系FC。近所の営業所は直営店でした。実を言えばここは最後の最後まで候補に残った住宅やさんです。何がよかったかというと「床下蓄熱工法」という工法で、これがあるために1階は全室床暖房付きです。担当営業さんの体育会系な対応も、いく都度にすみみの相手をしてくれる女性社員の方のかんじもとてもよくて、予算的にもあまり無理せずなんとかなりそうな雰囲気だったことも最後まで残った要因でした。営業さんは若いおにいさんでしたが、約束の時間はしっかり守ってくれるし、いつもハキハキとわかること、わからないこと、できること、できないことを伝えてくれました。ローンの相談にもきちんと対応してくれ、貧民ちょみっつに無茶をふっかけることもありませんでした。

相見積もりを取っていることも知りつつ最後まで笑顔で対応してくださり、こちらをお断りするときは非常に心苦しかったちょみっつです。お断りした時もどうしてだめだったか、の理由を感情を挟むことなく聞いてくれました。

最初は心惹かれた工法も、杉のムク板の柔らかさを知ってしまうとそちらに軍配があがったこと、フリープランと言いつつ設計にあまり自由度がなかったこと、そういった事を伝えてお断りすると「最後にひとつお願いがあるのですが決定した間取り図を見せていただけませんか?」とおっしゃり、今までつきあっていただいたこともあり、外観と間取り、予定している仕様をお見せしました。

「…ちょみっつさんちの希望がしっかり反映された良いお宅ですね。こんな家だったらボクも住みたいです。今までありがとうございました。」と最後まで穏やかにでもきっぱりとお話ししてくださる方でした。

まだお若い営業さんですから、たまに??ということもあったけれど、プロとしてがんばっている姿勢が伺えて高感度高い方でした。



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