この楽器、どんな楽器?


ヴィオラ (Viola)

[violaの絵]


この文章は学生オケ4年間での経験を元に書かれています。ひょっとしたら間違い等あるかもしれませんので、書かれていること全てを鵜呑みにするのは危険かもしれませんです、はい。


はじめに

楽器について、と言ってもここに書いているのはヴィオラについてだけなんですが、さてこの楽器、みなさんご存じでしょうか?クラシックをやっている方は恐らくご存じでしょう。「クラシックは良く聴くよ」って言う方は名前ぐらい聞いたことがあるのでは?しかしながら、その他大多数の方は多分ご存じでないでしょう。そう、この楽器はクラシックで使われる弦楽器の一種なんですが、いかんせん目立ちません!さらにヴァイオリンのように独奏楽器として使われることも滅多にないので、一般的に知名度はかなり低いと思われます。実際僕もオーケストラやるまではその存在すら知りませんでした。さてさて、それではいきなりですが、ここからはこの楽器の素性に迫ってみたいと思います。

どんな楽器?

このヴィオラ(Viola)と言う楽器。見た目はヴァイオリンより少し大きいぐらいです…と書くと大抵の人はチェロが浮かんでくるのではないでしょうか。もしそうなら、ちと違います。本当にちょっとだけ、大きいのです。素人目にはヴァイオリンと見分けが付かないでしょう。音域もヴァイオリンとくらべて5度低いだけ、4本ある弦のうち3本はヴァイオリンと一緒です(とは言っても使う弦はちゃんとViolin用とViola用の2種類がありますが)。持ち方もヴァイオリンと一緒で、顎で挟んで弓を使って弾きます。

大きさについて

さて、この楽器の大きさについてなのですが、手元にある楽器を実際に計ってみたところ、約55cmありました。同じViolaでも大きさは楽器によって微妙に違いますので、楽器によってこれより大きいとか小さいといった差があります。で、実際持った感じはどうかというと、ヴァイオリンよりかなり大きく感じます。見た目の大きさはそう変わらないんですが、これが結構大きくて慣れるまではちょっと辛いです。たまにヴァイオリンを弾かしてもらうとその小ささ、弾き易さに驚き、そして羨ましがったりします。

音色

次に音色についてですが、以前はヴィオラはダメダメだと言われていたようです。しかし最近になって、「深みのある、憂いを帯びた音色」として認められ、独奏楽器としても使われることが増えてきているようです。実際僕も弾く人が弾くと、良い音がすると思います。

ちなみに、チェロは「優雅で甘美な音色」、ヴァイオリンは「明瞭で煌びやかな音色」などとたとえられるようです。(イメージ、わきました?)

弦について

ヴィオラで使われる弦は大まかに言って「ガット弦」「スチール弦」「ナイロン弦」の3種類があります。

ガット弦

ガット弦」は古くから使われているもので、その音色の豊かさは他を圧倒します。ただ、やわらかく湿度や温度に影響されやすいため、音程がすぐずれてしまい初心者には扱いにくい弦であると言えます。イメージ的にはプロ用って感じです。

スチール弦

スチール弦」について。これは音色的に「ガット弦」に及びません。ですが音程は最初から安定しているため、初心者用と言えるかもしれません(クラシック以外ではその単純でクリアな音色が好まれ用いられることがよくあるそうです)。ただ、1番弦(最も高音の出る弦)には「スチール弦」もよく使われます。

ナイロン弦

ナイロン弦」は、音色がガットに近く、音程も安定しているため、これが一番よく使われるようです。僕が使うのも「ナイロン弦」の一種ですが、いずれは「ガット弦」に見合う腕前を身につけたいなぁ、と思っております、はい。

音部記号のこと

要するに「ト音記号」や「ヘ音記号」の事です。ヴァイオリンだと「ト音記号」を使いますし、ピアノだと両方とも使いますね?では、ヴィオラはどちらを使うのかというと、実はこのどちらでもありません…などと言いつつ、実は「ト音記号」も出てくるのですが(^^;、それは特に音が高いときだけで、大部分では「ハ音記号」というのを使うんです。こんなやつです。

[ハ音記号の画像]

真ん中のへこんだ所(第3線上)が「ド」になります。「ハ音記号」はさらに細かく5種類に分けられるのですが、ヴィオラで使うのは「アルト記号」といいます。(ちなみにチェロにも「ハ音記号」の一種である「テノール記号」というのが出てきます。)それまで聞いたこともないような記号なので、馴れるのにかなりかかります。さらにヴィオラの楽譜が読めるようになっても他の譜面はほとんど読めないのでした(^^;。

曲ではどんな感じ?

オーケストラにおいて、ヴィオラは内声を受け持ちます。で、実際曲で弾くのはどんなとこかと言いますと、メロディの裏でリズムをやってたり、きざんでたりすることが多いです。メロディはあんまりありません。あっても裏メロとかが多いです。ただ、たまに美味しい(目立つ)ところがあると、そこだけ妙に気合い入れて弾きます。ヴィオラで美味しいのは少ないですから。ただ、同時に「なんでヴィオラだけこんな目立っとんねん!」とビクビクしながら弾いてたりもします(^^)。

オーケストラにおけるヴィオラの位置

ヴィオラ弾き達はオーケストラではどの辺に座っているのか?お答えしましょう。簡単に言ってしまえばチェロの隣ですね(ぉ。客席から見て、弦楽器は扇状になっていますよね?で、チェロが外側(客席側)にいるとき、チェロの左、弦楽器全体の4分の1がヴィオラです。チェロが内側、即ちヴィオラが外側(通称・外びおら)にいるときはヴァイオリンと混じってしまわないので、よく区別が付いていい感じです。大抵の場合はこのどちらかなのですが、偶にこれ以外の配置で演奏することもあります。

パートの生態 ~普段の練習風景より~

Violin Partの場合

まずは、みっちりと基礎練習。その後みんなで曲を合わします。中身はかなり濃いです。でもお茶の時間(休憩時間)もあります。練習にメリハリがついてます。さすがヴァイオリンパートって感じです。

Viola Partの場合

まずは、しっかりと基礎練習。その後みんなで合わすこともあれば、個人練モードに入ったりもします。もちろんお茶の時間もあります。ぶっ通しで弾くと疲れますからね。ただこいつはごく稀に練習終了時間まで続くことが……?が、もちろん演奏会が近づくにつれ、練習にもバッチリ気合が入ってきます。頑張ります。

……とまあ、うちのとこではこんな感じかな?(他所のことはよく分かりません……が、どこか「のほほん」としたところがあるっていうのは、結構共通しているみたいです。)

それではこの辺で。最後まで読んで頂いて有り難うございました。