スタイルシートを使う前の基礎知識として知っておきたい用語について説明します。
HTMLでは、文書型宣言によってそのHTML文書がどのバージョンで書かれているのかを示さなければなりません。また、文書型宣言はそのHTML文書の最初に書く必要があります。->「文書型宣言の実例」
(補足:もしブラウザ独自の要素を使った場合には、それに対応する文書型宣言を書く必要があります。が、私はそれに対応するDTD(文書型定義)を聞いたことがありませんので、仮に質問を受けてもお答えできません。)
HTMLにはいくつかバージョンがありますが、そのうちスタイルシートに対応しているのは、HTML 4のみです。というわけで、スタイルシートを扱う場合はHTML 4で書かなければなりません。
「要素」は「element」を訳したものです。実例で示します。「タグ」というのは「<h1>」とか言うやつです。細かく言うと、「<h1>」が「開始タグ」、「</h1>」が「終了タグ」で、「h1」を「要素名」と言います。そして、「開始タグ+内容+終了タグ」全体を合わせて「要素」と言います。
「要素」はある値を持った「属性」を取ることがあります。「属性」は「attribute」を訳したものです。ここでa要素を例に取ると、
<a href="http://www.w3.org/">World Wide Web Consortium (W3C)</a>
とあった場合、a要素はhref属性を取り、そのhref属性は「http://www.w3.org/」という値を持ちます。スタイルシートではstyle属性、id属性、class属性がよく使われます。
ここ「CSS解説」では、「HTML UA」という言葉が時々出てきます。これは何の事かと言いますと、『視覚系ブラウザ(テキスト表示やグラフィック表示)、非視覚系ブラウザ(音声や点字による)、サーチロボットやプロクシ等をひっくるめたもの』のことです。
(注:スタイルシートが使われるのはHTMLだけではありません。勧告の定義では、単に「UA」と言った場合、それは仕様の約束事に従ってスタイルシートを適用するプログラムのことを指す、とされています。ちなみに、「Agent」には「代理人」や「仲介人」といった意味があります。 )
プロパティの適用対象として「ブロック要素」や「インライン要素」が出てくることがあります。これらは勧告(CSS1)では、
《ブロック要素》
「display」の値が「block」もしくは「list-item」である要素をブロック要素という。また、浮動要素(「float」の値が「none」以外である要素)もブロック要素とみなします。
《インライン要素》
ブロック要素として整形されない要素を、インライン要素と言う。インライン要素は他の要素と同じ行を共有できる。
といった感じで説明しています。
(HTML4.01での各要素の分類を少しだけ。->「HTML4.01でのBlock-level要素とInline要素」)
指定された内容と置き換わる要素のことを置換要素と言います。HTMLではimg要素などがこれに当たります(img要素はsrc属性が指し示す画像に置き換わる)。置換要素は、他の状況に依存しない内在寸法(画像サイズ等)を有していると想定できます。また、置換要素はブロックレベル、インラインのどちらにも成り得ます。