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                       木について

 構造的に非常に重要なのに軽視されがちな木について考えてみようと思います。

 現在は木に対して注意がはらわれなくなってきました。見えないからどうでもいいや。外材でも使い易い方がいいや。

私が仕事を習い始めた頃、家を建てる人は、まず、柱を材木屋さんに見に行ったり、山に立ち木を見に行きました。

それと同じくらいに梁の切る時期を気にしました。どうしてなのでしょうか。それは、だんだんと後で解ってきました。

修繕を頼まれて解ってきました。土台を取り替えてください。「はい。」 柱を取り替えてください。「・・・」
返事

詰まります。現在多く採用されている大壁方式(柱が見えない)ならともかくとして、柱が見え、梁などが組み合わせられている構造では、

簡単に柱を取り替えることはできません。では、大壁方式の方が優れているのではと思う人もいるかもしれませんが、少しづつ説明して

行きますが真壁方式(柱が見えている)の方がいいと思います。
柱は、取り替えにくく、構造的に重要なものなので吟味して選んで

いたことが解ります。 梁についてはどうなのでしょうか、松梁の場合、
松材が多く使われます、松材は虫害が発生しやすい材料です。

マツザイシバンムシなどは何年もしてから発生します。

 これらにどのように対処したらいいのでしょうか。では、以前はどうしていたのでしょうか。私にもはっきりした事は解りませんが、

虫害の原因の一つは、木材に含まれている養分であることは間違いありません。そのため、薬品処理が進んでいなかった頃は

養分がもっとも少ない時期に伐採を行っていました。一霜、二霜と言うように霜が降り始めた頃から、1月いっぱいでは、なかろうか。

そして、山で少しそのままにしておいて、葉から水分を蒸散させてから運び出し製材して寒の雨で養分を洗い流した。

現在のように薬品処理してもそれは一時的で、やがてカビが発生したり、虫がついたりします。
また、雨にあてることで水分と

養分が入れ替わります。また、養分と水分が入れ替わったことで乾きも早くなます。
当然養分がなくなるわけですから、カビの発生も、

押さえられることになります。
材木は、濡らしたらいけないというような先入観があるかもしれませんが、それは、養分を含まない木材の

ことであり、薬剤でカビを押さえて生な木材は立てかけ外で雨にかけた方がいい。よく、シートをかけて養生しているのを見かけますが、

それが、逆効果の場合もあります。木材を知っていることが大事な家を造る大きなポイントと言ってもいいでしょう。

 部材の狂いも、欠陥につながります。今では、工期の短さが、家を建てる要素として重要視されています。気持ちはわかります。

私が仕事を始めた頃は、家を建てようと計画すると、11月下旬頃から立ち木を切ったり、材木を買う場合は、いい時期に切ったものを

2月頃求め、それを乾かして、秋に工事を始める。つまり、材料を集めるだけで1年を要し、冬の時期に木工事をしました。そのことは、

養分を取り除き、乾燥させ、狂いを生じさせ、その狂いを大工が
取り、狂いの少ない家を建てた。乾燥させ狂いをとって、家を建てることは

当たり前のことであったのに、現在では、早さ優先でその事がないがしろにされがちです。構造材については、3,4ヶ月の乾燥期間は

頂きたいものです。それが、長持ちのする、カビなどの発生しない家の基本条件なのですから。建て付けが悪い、戸が動かないなどの

現象も、材料が家の竣工後に狂って起きる場合もかなりありますので、材料の扱いは重要です。

 材木に関連した熟語で適材適所というのがありますが、これも、忘れ去られようとしています。古い家の土台には、椎の木が使われて

いることがよくあります。現在では、ほとんど使われません。乾燥に時間がかかることと、狂いが生じやすい、加工が大変などの理由が

あげられますが、湿気に強く、圧縮に強く土台としての価値は申し分ありません。千葉県の私達の周辺では、椎が多いことがあげられると

思います。柱は杉材が多く、地廻、梁は松材が多い。大引、根太
荒床は杉、敷居は松、鴨居は松か杉、長押は松か杉このように、

材料は湿気の多いところには湿気に強い材料、乾燥がするところには松材などが使われています。今はどうなのでしょうか。床板を

張る下地に合板、根太掛けに北洋松。安価な北洋松はありとあらゆる箇所に使われています。適材適所という言葉が死語になって

います。と同時に建築に携わる人の材料に対する関心のなさに心が痛みます。このことが、どれだけ家の寿命を縮めているか

考えてみるべきです。2割のコスト削減が家の寿命を半分にしているとしたら、それはあまりにひどいことではないでしょうか。

 大工の知識が住宅に大きな影響が与えるのが解っていただけたでしょうか。新築、リフォームの時もただ安いだけで、選ぶと

後悔する事になるかも知れません。第3者にチェックしてもらうのも大事なことかも知れません。現在はデフレの時代で営業マンが

重視されています。営業マンの言っている事が正しいのか、私達も情報を提供していきます、情報の中からから正しい情報を得る事が

今大事なのではないでしょうか。メールなどでの質問にも答えていきますので活用してください。

 

   

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