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                       まとめてみましょう

 まとまりのない内容になってきましたので、この辺で、私の考えをまとめてみようと思います。

 現在家の造り方の方向がやや見えてきているように思います。以前と違い必ずと言っていいほど、採用されているのが

通気工法です。これは、現在の住宅建築には欠かせないと言っていいと思います。現在では、外壁を木で作ることは

少なくなっています。ほとんどが窯業系、鉄板サイディングになりつつあります。これらを使うと、外壁の内側に入った

水分は排出されることが困難になってしまいます。そのため、外壁の内側に通気層を設けて、建物を乾燥させ寿命を延ばす。

それと同時に、通気層を使って熱を逃がす方法をいろいろと考えています。通気層の使い方が住宅の快適さを左右すると

言っても過言ではないような気がします。このことが、結露など多くの問題の解決につながりますので、正しい方法で

使われるべきです。使い方を間違えると結露を誘発する事になりますので注意して下さい。結露をなくすのところを参考に

して見て下さい。

 木は適材適所に使いましょう。現在の建築基準法を遵守すれば、私は地震などの災害には十分対処できると思っています。

地震に強い家づくり
でも書きましたが、個人的には、30年後に耐力壁が耐力壁として機能しているかが問題だと思います。その点

では、私はパネル工法には、一抹の不安を感じます。土台は桧で、柱は杉で、梁は松材(杉材)で、筋交いは杉(米松)で造ったならば

主要構造部は50年は大丈夫だと思います。これに、大引、根太掛を杉で、根太を桧(米松)を使っていけば、長持ちのする家になるのは

間違いありません。これを、注入土台、柱を米ツガ、大引を米ツガ、根太を米ツガのような使用にしたら、寿命は3分の1、4分の1に

なってしまいます。北洋と呼ばれている松材(たぶん)などの、湿気に弱いものを床に使う事は厳禁です。現在、価格競争激化の中で、

使い易く、安価な物が求められ、材料の使い方が解らなくなってきているように思います。今一度、適材適所ということを見直さなければ

ならない時期にきていると思います。これが、大手に出来にくいことなのです。また、とても、大事なことなのです。

 気密の取り方が、大事になってきています。昔ながらの真壁構造の場合には、壁の内部に空間、空気層がほとんどありませんでした。

ところが、現在の大壁構造の場合空気層が増えました。この空気層は、当然のことながら湿度があります。これが、結露に変化します。

機械を使い、管理された空気を循環させない限り、壁の中には空気を入れないのが原則です。室内の空気が入ってもいけないし、

外気の冷たい空気が入っても内部結露の原因となりますのでいけません。これは、以前の高断熱、高気密住宅の失敗から学んだ経験

です。気密、気流止め、断熱材の使い方が内部結露を防ぎます。理論の理解が失敗しない家を造るために欠かせないものになって

います。失敗を繰り返さないためにも信頼ある業者を選ぶことが大切です。



 以上のことは、現在の必須事項だと思います。これ以降は、建てる方が判断することであったり、要望として伝え検討する事柄だと

考えます。例えば、断熱の方法です。外断熱がいいのか、充填断熱を選ぶのか、どの程度の断熱性能を求めるのか。これらの事は

個人によって求める度合いがかなり違うようです。今、次世代省エネ基準が示され、それに適合した住宅が続々登場しています。

ただ、個人的には、千葉県などの場合、どこまで必要なのかということが問題だと思います。確かに、省エネは大切な事ですが、

それによるリスクがある事も知るべきだと思います。例えば、外断熱にした場合の外壁の止め方に無理が生じる。改良されては

いるが無理がないとは言えないと思う。充填断熱にすれば、断熱材の連続性と配線、配管の問題など生じる問題は多い。私は個人的

には、断熱材はそこまで必要はないと思っています。断熱材をつくるのにも、かなりの環境に与える負荷はあるのではないだろうか。

自然素材の断熱材もあるにはあるが、まだ、コスト面など問題はある。また、廃棄の時のことも考えなければならないと思います。

パネルに断熱材を貼り付けたものなどは、性能から言えば評価が高いと思いますが、リサイクルを考えたときはどうなのでしょうか。

 室内環境を、機械設備でつくることも多くなってきています。快適さを求める所以でしょうが、快適さと家の寿命は反比例するように

私には思えます。体調も同じだと思います。夏は半袖、冬はセーターでいいのではないでしょうか。住宅の価格は15年ぐらい、それ程

変わらないのではないかと思いますが、変わったのはどこに重点を置くかです。私は、骨組み、内装材にもう少し関心をもって

いただきたいと思います。

 

   

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