O Fortuna

O Fortuna

O Fortuna,                         おお、運命の女神よ
velut luna             おまえはまるで月のように
statu variabilis,         絶え間なく姿を変える
semper crescis           満ちてきたかと思うと
aut decrescis;           また欠けていく
vita detestabilis          人生とは何と呪わしいものか
nunc obdurat            ある時は意地悪く突き放し
et tunc curat           ある時は愛想よく笑って見せもする
ludo mentis aciem,         お前にかかったら
egestatem,             人間の栄華なんぞは
potestatem             炎にかざした氷のようなもの
dissolvit ut glaciem.       簡単に溶け去ってしまう

Sors immanis            おそろしく非情で
et inanis,             空しい運命よ
rota tu volubilis,         ぐるぐる回る車輪のように
status malus,           悪しき性よ
vana salus             お前のさしのべる救いの手は
semper dissolubilis,        どれもこれも空しく潰える
obumbrata             お前はいつもコソコソと
et velata             影のようにつきまとい
michi quoque niteris;       この俺さえをもつけねらった
nunc per ludum           お前にとってはたわいないお遊びが
dorsum nudum            俺を突きおとし
fero tui sceleris.         俺からすべてをはぎ取ってしまった

Sors salutis            繁栄をもたらす運命も
et virtutis            権力をつかさどる運命も
michi nunc contraria,       もはや俺を見捨てた
est affectus            今や欲望と
et defectus            虚脱感が
semper in angaria.         俺の心を支配している
Hac in hora            ならばこの時こそ
sine mora             ためらうことなく
corde pulsum tangite;       弦をかきならし
quod per sortem          俺と一緒に歌い嘆いてくれ
sternit fortem,          力を持った勇者の中にさえ
mecum omnes plangite!       運命に押しつぶされた者のあることを



この対訳は、京都ミューズが発行(オリジナルは浜松労音が作成)した対訳集を 、一部改変したものです。


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