なんだかんだ言っても、スロットマシンは頭を使う必要もないし、テーブルで外国語を使う必要もないので、特に日本人観光客には人気があるようです。しかしながら、例えスロットマシンしかやらないにしても、それが率のいいものか、単なるお金の吸収装置なのかを判別する手掛かりがあった方が良いでしょう。(もちろんスロットマシンのペイアウトは、良くても98%程度だという事実はお忘れなく)
残念ながら、スロットマシンは種類が膨大なので個別のマシンのpay out率を全て記憶しておくことは不可能です。しかしながら、他のゲームの控除率が低い所は、スロットマシンの控除率も低いし、逆に他のゲームの控除率が高い所はスロットマシンの控除率も高いということは大体の傾向としてあてはまるでしょう。
この仮説に基づけば、ブラックジャックのルールが厳しい所はスロットマシンも出ないということになります。また、ビデオポーカーのPAY
OUT率は、台に書かれている PAY OUTの表を見れば直ちに計算出来るので、これからカジノの経営方針を読み取ることができます。
ラスベガスのカジノは、競争が激しいので、カジノ別のスロットマシンのペイアウト率も、それほどは変わらないのが実際の所なのですが、それ以外の地域では独占的な営業をしているカジノとか、ペイアウト率を低くしても、客がわんさか押しかける(Atlantic
Cityなど)などの事情で、スロットマシンのペイアウト率も驚くほど低い場合があります。そのような所に訪れた場合に、ビデオポーカーのペイアウト率から、勝負に値するカジノかどうかを判定することは非常に役に立つでしょう。
(日本のパチンコやパチスロ、そしてアングラ○円ポーカーでは、いわゆる「設定」があるので、ペイアウト率を計算することは不可能なのですが、諸外国では、マシン系ゲームの当りはずれを、「ランダム」に決めることがその地区の規則で要求されていることが多いので、ビデオポーカーのペイアウトも容易に算出出来るのです)
そこで、どうやってビデオポーカーの(最適プレーでの)pay out率を計算するかですが、これはまず基準となるポーカーのpay
out率を覚えておきます。
代表的なのが6・9マシンと呼ばれているもので、ルールはジョーカーのない単純なドローポーカーです。配当は
1 high pair (Jack以上のペア)
2 two pair
3 three of a kind
4 straight
6 flush
9 full house
25 4 of a kind
50 straight flush
800 royal flush
これでpay out率99.5(4)%となります。
ちなみに6・9という名前の由来ですが、このタイプの機種のバリエーションとしては、flushとfull
house(そしてroyal)の配当だけが、違う機種が多数出回っているので、この部分の配当のみで呼ばれるようになった訳です。(royalも含めて、6・9の800とか5・8progressiveとか呼ぶことも多い)
これを基準として、他のペイアウトテーブルのドローポーカー系ビデオポーカーマシンのpay
out率を概算する場合は、
flush, full house, (straightも)の配当が「1」違うごとに
pay out率が約1.1%変動する
と覚えておいてください。
royaについては、配当350毎に1%の変動
と覚えておいてください。
以下に例を挙げておきます。
もはや、倒産状態のラスベガスのStratosphereでは、100%以上リターンのビデオポーカーマシンなどで必死に客寄せを行っていますが、その中の一つに、7・9の800があります。この場合、
99.5%+1.1%=100.6%(正確な値は100.8%ですが)
↑
flushの配当が基準モデルより、「1」だけ大きいから
と計算できます。同じカジノにある6・10の800も同様に同じく100.6%(正確には100.7%)という計算となります。
また、たまに6・9マシンをfull bet未満で打っている人を見かけますが、この場合Royal=250が通例なので、
99.5%-(800-250)/350%=97.9%
とかなりpay out率が落ちます。(full betで打つのは基本中の基本! )
吠太郎が’97年に訪れたモントリオールのカジノ(Casino de Montreal)では、なんと5・6の800でした。ここまで来ると、
99.5%-1.1%-3.3%=95.1%
となり 殆ど搾取!です。こんな所でスロットマシンをやった日には、きっとお金がいくらあっても足りないでしょう。非常に感覚的な推定となりますが、このカジノのスロットマシンのpay
out率は85%程度しかないものと思われます。ざっくり言って、$1以上の高額スロットのテラ銭率は、ビデオポーカーの2倍以上になると思われます。また、25セントマシン以下のスロットは、$1スロットに比べると遥かにpay
out率が悪いようです。
この概算方法の応用として、ロイヤルがジャックポットとなるプログレッシブマシンの勝負するしないの判定も出来ます。一般に5.8プログレッシブは勝負可能と言われているのですが、上の数値からpay
out率100%となるロイヤルの配当を逆に計算すると、 99.5%-1.1%-1.1%+(x-800)/350%=100%を解いて大体1750となります。これは、quarter
machineで$2,200$1マシンで$8,750です。この額を参考にして打つ打たないが判定できます。但し、ネバダ州ではマシンゲームの高額配当(多分現在$1、500)に対し、30%の税金がかかるのでこの点も考慮して下さい。
最近は、純然たるドローポーカーマシンではなく、4 of a kind(4カード)のタイプに応じて、配当を変えているボーナスポーカー系のマシンが多いので、このような簡易な判別法も少しづつ使いにくくなっていますが、まだまだ有効です。
最後に、ここまで読んでくれた方へのサービスとして、じゃ「ビデオポーカーの最適戦術ってどんなの」というのが気になる所でしょう。5・8プログレッシブとDeuce
wildについては、Rec.Gambling
FAQの中にお宝があります。また、Jazbo氏のビデオポーカーページの中には、6・9マシンの準最適戦略が掲載されています。更に、上記Stratosphereの7・9マシンについては、Niftyserve内FGAME1フォーラムの10番会議室に吠太郎が算出したものをアップロードしてあります。これについては、ホームページ内での公開予定は今の所ありませんのでご了承下さい。(国外への情報流出のリスクを低めるためです。)