この賭けはあるチームのレギュラーシーズンの勝利数が、カジノが設定した値より、上か下かを当てるものです。一種のproposition
betですが、「勝てる可能性のある」BETとして有名です。この賭けの名称は"over/under
regulara Season Win"とか、"Season Wins", "Win Total"などいろいろに呼ばれることがありますが、まあ他のベットと間違えることはないでしょう。
賭けのlimitは、以前は大きかったのですが、1998年にはImperial Palaceがlimitを$2000に設定、それでも耐え切れず翌年には更にlimitを$500に縮小するなど、その面白さと収益性が知れ渡った結果、limitに関しては縮小傾向にあります。しかしながら、シーズン前の呼び水としては絶好のベットなので、このベットは廃止されることなく続いています。毎年概ね7月頃から、ボツボツとこのBetのラインが出始めます。一旦買ってしまえば、少なくともweek
10位までは長持ちするBETですので、夏場にLas Vegasに行かれる方は是非仕込まれるのが良いと思います。一部のオンラインカジノでもこのBETは提供されています。
なお、このベットには
1.シーズン終了までお金を無利子でbookieに預けた形になってしまう
2.通常のPoint Spreadと違って、15¢ラインなので表面的な控除率がやや高い。(あるチームが8勝より上になるか下になるかに同じオッズをつけると、両者とも-115になる)
3.Major Playerの序盤でのinjuryの影響が大きい
などの欠点もあるので注意は必要です。
その一方で、試合数が多数あるので、確実なhandicappingが行えれば結果のまぎれが少ないという特質もあります。これが玄人筋が、未だにこの賭けにこだわる理由の一つでもあります。例えば、あるチームのラインに"8
wins"が出ており、これに対する自分の分析結果が"10 wins"であったとすると、統計的にはこれがはずれる確率は非常に小さくなります。 (そのチームの全ての試合の勝率が、同一の10/16=0.625とすると、7勝以下、即ちはずれる確率は10%となります。「全ての試合の勝率が同じ」という仮定の場合が、最も勝利数の分布の広がりが大きいので、現実に想定される「対戦相手によって試合毎の勝率が異なるが平均予想勝利数としては10勝となる」場合には、7勝以下となる確率は、より小さくなります。)。即ち予想勝利数のhandicappingを、マージン2勝で行えれば理論的には莫大なエッジをもつBETとなる訳です。
基本的な賭け方の発想としては、「前年度のSuperbowl Championなどの過大評価されがちなチームはunder、弱小チームは逆にover」ということになります。あるいは10.5勝以上ならunder、5勝以下はoverと言ってもいいかも知れません。もちろん、このtipsだけでは、もちろん分析は不十分ですので、本格的に分析するのであれば、対戦カードやトレードの状況などをながめながら、各チームの予想勝利数を積み上げる作業を行うことになります。これはシーズンに向けてのウォーミングアップとしても絶好です。
このBETに賭けない方も、このラインは開幕前の順位予想としても眺めることが出来ます。Bookieの熟慮の産物ですので、下手な能書きを垂れる評論家の予想より格段に質の高い順位予想と言えるでしょう。
このベットの具体的な攻略法は、またおいおい書いていくとして、2000シーズンに「吠太郎の遠吠え」欄においても、有志と共にこの賭けの張り目を公開したのでそちらの顛末もご覧下さい。