Straddle Cup ’99 Final


2000年1月15日:1999年Straddle杯決勝
記録者:Bakuhadoh氏
解説:謎のふぃりぴ〜の

優勝者dolye氏の感想も引用しながら、VP_KID氏へのインタビューも踏まえ、長い1年間の総決算ファイナルを振り返ってみます。


ふぃりぴ〜の:VP_KIDさん。決勝前の作戦は?

VP_KID:ぶるーなんかも、決勝前に似たようなことをちらっと書いていたので、少しやばいかなと思っていたのですが、まず基本中の基本として考えたのは、"take advantage of your playing style"。yahooでもIRCでもStraddle杯でも、今まで「tight agressive、でもちょっとweakよ(^^;)」というプレースタイルで通してきたので(と思っているのだが。。)、他のプレーヤーには十分私のplay styleのイメージが出来上がっているはず。従って、パラメータをいじって、steal more, bluff moreに変更することによって、それなりの利益が出るはずということ。
但し,
A:他人のplay styleに余り関心を払わないplayer
B: 私の普段のplay styleに反応するであろうplyaer
更にC:VP_KIDがplay styleを変更してくるであろうことをちゃんと警戒する可能性のあるplayer
の3タイプがいるであろうから、against who?を慎重に選びながらplayする。(誰がA,B,Cだと思っていたかは当然秘す)。

それともう一つ、awkも事前に確認していたけど、今回のtournamentは、事実上Winner takes it all、即ち、1位を取らなければ全く意味がないtournament(WSOPなんかのSatelliteと同じ構造)なので、生き残りに重点をおかず、Gamble moreで行くこと。この辺りを考えていました。具体的には、状況によって9Tsなどをfoldせず、limp in、場合によってはraiseで入ってみること。Raiseで入ることの意味は、テーブル全般がtight傾向になるのは必至なので、steal出来ること、また私がしょぼいランクのsuited connecotorをRaiseで入るというのは、あまりイメージされていないであろうから、drawingが成功したときのpotが大きくなる可能性があることなどです。

ふぃりぴ〜の:席順についてzuga_doyle氏はこう語っていますが。

Doyle
ファイナルの席順は、自分から見てこうなって欲しいと思っていた。
左側1番目2番目にタイトプレーヤー・左側3番目4番目にアグレッシブプレーヤー・右側1番目2番目にパッシブプレーヤー当日、席が決められた。左側1番目:tamapon 左側2番目:vp_kid 左側3番目:hatter 左側4番目:jo 右側1番目:awk 右側2番目:sasakimmx はっきりいって、驚いた。まるで私の好みで決めたような席順である。この席順の利点は以下の2つ。・(他人から)ブラインドスティールされにくい・(自分が)ブラインドスティールしやすいトーナメント中盤以降で、とても戦い易いであろう事が予想できる。この時点で、「これは上位まで行けそうだ」と感じた。

VP_KID:Quite agreeです(T_T)。
私から見れば、逆につぎつぎとStealが飛んでくる上に、こちらから見るとStealがしにくい。実際にもこんな形になったし、しかもawkやdoyleのとこには、全員foldでのチップがどんどん流れ込んで来て、かなりこれは苦しかったですね。まっつ、私もstealに抵抗する基準はかなり緩めていたのですが、pop-backするほどの手もこなかったですね(T_T)。もし、awk, doyleが左側1,2番目にいたら、どうだったかな。当初の計画では、capable of foldingな人からstealする予定だったので、play styleの変更を悟られるまでは、それなりに小遣いが稼げたとは思うのですが。。

ふぃりぴ〜の:ではdoyle氏の序盤戦の感想とそのコメントを

doyle
序盤早々、かなり荒れ気味の展開。看板:668A (だったかな。) hatter がベット。かんこんの all-in raise に対して hatter が call。てっきりフルハウスが出てくると思ったが、かんこんの手は以外にも AK。 hatter の勝ちだなあと思ったら、hatter は AQ。うーむ。hatter、無理し過ぎでは?

VP_KID:
状況はもう良く覚えていませんが、ちゃんぷの場合88はかなりqualifyされるhandなんですよねえ(多分)。もっとも、似たような状況で99はlimp inしたり、raiseで入ったりして今回はかなりactionを振っていたのをみていたので、こっちは要注意事項として見ていましたが。結果はともかく、これがまさにHold'em is dominated と呼ばれるゆえんですよね。場合によるけど、特にno-limitの場合はAQo捨ても十分考えられるかと思います。今回のようにAがhitしたときの処し方が、かなり難しいですしね。

doyle
mamoru との戦い。自分にとっての最初の山場は、序盤早々に訪れた。 JTo 持ちの BB、チェックでまわってフロップを拝めた。 flop: 279 rainbow。ガットショットである。なぜかここもチェックでまわる。 turn: 8 SB は既にいなかったので、私からのアクションである。まさかここまで理想的なボードになるとは思っていなかったので、アクションを考えてない。しかし、ひとつ言えることは、ここで小考したらまずいという事。小考して、他の人にこの手を悟られてはいけない場面だ。反射的にテーブルを叩いてチェックした。 hatter からベット、mamoru からレイズ。今度はゆっくり考えても大丈夫だ。「hatterは、スティール気味、K8 程度であろう。」「mamoruは、マブ手。3本、あるいは 56, 6T, TJ のいづれか。」ここで、2つの選択肢があった。・ジャストコールして、hatter もコールしやすい状況にして、 hatterのチップから削る事を狙う・レイズして、mamoru のマブ手と勝負する。 hatter の息の根を止めたいのもやまやまだったが、ここは素直にレイズしてみた。 hatter フォールド、mamoru から all-in raise。「もしかしたら、彼も TJ かもしれない」と思ったが、22 の3本であった。

VP_KID
No-limitで、setをどこまでslow playでひきずるかは、難しい所ですね。ここで、no timeでcheck出来る所が年季の差なんでしょうが、逆にcheck-raiseのintentionがあるときは、こういうときに反射的にcheckしてしまい、却ってこれがtellになるかも。fullhandさん辺りは、結構その辺を見ているので、あの人怖いんですよね。
このようにCheck-raiseされたら、nutsの可能性が高いので、涙を飲んで降りるべきなんでしょうが、touranmentでふと集中力がとぎれたときってCallしてしまいがちですよね。

ふぃりぴ〜の
:Slow playと言えば、序盤でのJOのAAのプレーはどうでしたか?

VP_KID:誰とぶつかっていたかは、忘れましたがJOがAA持ちでslow play。turnでfireしたのですが、既に追いつかれていたという手ですね。難しい所かも知れませんが、やはりpre-flopでの決着がベストだったような気がします。

Doyle
次に、tamapon との戦い。 SB:私、$16000 持ちくらい。 BB:tamapon、$4000 持ちくらい。こんな状況で、前は全員降りて2人だけ。私の手は T6o。自信満々で、ブラインドスティール敢行(笑)かなりの確率で tamapon は降りてくれると思っていた。 tamapon の持ち点から考えると、ここは無理せずに、ポジションが良い場面まで耐えて、逆に自分からブラインドスティールを目指すのがベストだと思えたからだ。しかし、彼は降りなかった。私の T6o が白日のもとにさらされる事に(笑)結果、ボードに6が落ちて6ペアの勝ち。まわりからはブーイングの嵐であった。(^^;

VP_KID
当日のtamaponのスタイルの印象が薄れてしまっているのでコメントしづらいんですが、結果論としては「ふーん」という感じでしたね(笑)。Doyleは日頃からうさんくさいので、capable of foldingなプレーヤーなので、当日は、bluffでpop backするチャンスも伺っていたのですが、そういう状況にはならなかったんです。

Doyle
vp_kid との戦い。しかし実際にはぶつかっていない。ぶつかる前に、真綿で絞める作戦敢行(笑)ブラインドもかなり上昇してきていたところで、vp_kid の持ち点は、 BB の倍額ちょっと。ここはしっかりと息の根を止めておく必要がある。ここで彼にさせたく無いのはブラインドスティールである。すんなりブラインドを迎えて、自然消滅して欲しいところ。(^^;そこで、彼がレイズする前にミニマムレイズを入れてみた。 BB がawkという、超アーリーポジションでだ。予定通り、vp_kid が降りてくれた。そのままあー。しかし、その後ろのプレーヤーの反応が面白かった。私がミニマムレイズをする事はめったにないので、逆に不気味に思えたらしい。なぜか自分がブラインドスティール成功。(笑)ちなみに、このときの私のハンドは、KQs。この手は、本来このポジションからはレイズしないなあ。

VP_KID
真綿ですか(^^;)。個人的には、keyとなるplayはsoulのraiseを怪しいと判断してつっこんでいった手(具体手的には忘れた)なんですよね。どうも彼とは相性が悪い。なぜ、ミニマムレイズに戸惑ったかと言うと、T.J.なんかはraise入れるときに、stealのときもbluffのときも、raise for valueのときでも、同じ額(potに対する率)にすることによって、手を読みにくくしたほうがbetterだと主張しており、doyleもミニマムレイズは普通しないので、???と思った訳。しかし、KQs強いじゃないですかトータルtwentyだし。こっちはdoubledownの手ばっかり来ていたような。。。。他の人にもかなりの煙幕になったようですね。

ふぃりぴ〜の:そんなこんなで、残り5人。この間sasakimmxの4 Tensなどもありましたが、以下記録の残っている部分の紹介です。

【凡例】記号などはstraightforwardなので分かると思います。small blind は水色、big blindはオレンジで示しています。

Hand by Hand:Straddele cup1999, Final Jan., 15th 2000

player→
rate↓

Kankon

Soulful

sasakimmx

awk

doyle

BOARD

Game #1
2500-5000
pre-flop

fold

fold

BB

fold

fold

 
Game #2
pre-flop
fold  fold  fold  BB

fold

Game #3
pre-flop
Bet 16,100
All-in
 fold fold  fold 

CALL

 show-down AdJs
Finished 5th
     

8d8h
WIN

 5c,7s,6c,3c,9c
Doyle:kankon との戦い。良く覚えてない。(^^;確か、おいらが 99 だったような・・・かんこんが、QTs だったような・・・ボードも覚えていないっす。(^^;とにかく、嬉しくて。(笑)

ふぃりぴ〜の:tournament終盤のheads upでありがちなpocket pair vs Two over cardsですね。この場合、10:11でpocket pairがfavoriteになります。これは、AKであっても、22に対してslight underdogになるということで、Big Slickの処し方の難しい所。逆に言うと、pocket pairはかなり強力だということになるのですが、pocket pairは約17回に1回程度しかやってこないことを覚えておくことは、1.Short Stackのときにpocket pairまで我慢すべきか、2.誰かがAll-inしたという条件の元でそれがPocket Pairであることを推測する(所謂Bayesian的発想で)立場でのにも役に立つと思います。
Game #4
pre-flop
-

BB

 fold fold fold 
Game #5
pre-flop
-

Bet 10,000

 fold fold  fold 
Game #6
pre-flop
- fold  Make 18,800
ALL-IN 
 CALL
13,300
ALL-IN
Bet 18,000   
- CALL 800  
show down
 
-   7d7h
finished 3rd
Ah6s 
finished 4th
AdTh 
WIN!
8d,8h,5s,2c,Td
Doyle:awk、sasakimmxとの戦い。ゲームも終盤、残りは4人。 SB:sasa、BB:awk の場面で、私の手は ATo。スティール気味のレイズを入れたら、2人とも飛び込んできた。 sasa: 77 awk: A6o うーむ。sasa 有利。賞金が懸かっているトーナメントであれば、awk の手は降りが正解だと思う。たとえ BB で、持ちチップの大半を取られてしまうとしてもだ。ここは、sasa の手を恐れるべき場面だと思う。今回は、優勝にのみ意味があるようなトーナメントなので、ここで飛び込みも仕方の無いところなのだろうか。難しい。

ふぃりぴ〜の:ということで、さきほどとは逆のDoyle 2 over cards vs sasakimmx pocket pair。なので、doyle氏が11:10のunderdogなんですよね。Game #6, Game #3のじゃんけん2連勝で$48,000の収入はここに来てものすごく大きいですねえ。
 ところで、awkの飛び込みは結果的にdominated handsでほとんど勝ち目なし。Doyle氏の言ってるように、doyleのstealではなく、sasaどんのAll-inをrespectすべき所でしょう。例え、Winner takes it allのストラクチャののtourneyであっても、ここでのawk All-inは私もちょっと納得し難い所。彼のコメントを待ちたい所です。そんなこんなであっという間にheads upになりましたが。。。。

Doyle:結果、リバーで T が落ちていよいよ heads up。 soulfull との戦い。さて、目の前にいるのは・・・かんこ・・・あれ?なかなか予想というのは当たらないものだ。(^^;チップ量は、$85000 vs $25000 かなりのリードになっている。ここで私の選んだ戦略は、「可能な限りスティール」である。絵札が1枚あったらレイズするという感じ。
Game #7
pre-flop
- Bet 10,000 - -  fold  
Game #8
pre-flop
-  fold -  - Make 17,000  
Game #9
pre-flop
- fold  -  - BB 
Game #10
pre-flop
-  fold  - - Make
17,000 
 
Game #11
pre-flop
-  fold  -  - BB
Game #12
pre-flop
-  fold  - - Make
17,000
 
Game #13
pre-flop
-  ALL-IN
12,500
 - -  fold
Game #14
4000-8000
pre-flop
-  BB  - -  Make
30,000 
 
Game #15
pre-flop
- fold - - BB
Doyle:偶然だが、これが良かった。後から聞いてわかったのだが、毎回私にはハイカードが来て、 soul にはハイカードが全く来なかったとのこと。結局私は毎回レイズし、soul はほとんどの手を降りることになった。少しずつブラインドで削っていき。。。。。。。。。

Soulfull:長考の後、「ラスベガス行きてー!!」(爆)(←と書いてはいけませんな(^^;)実感こもってました)
Game #16
pre-flop
ALL-IN
5,000
SB
show down Js7c TsTd
VICTORY!!
2h,6h,9s,Tc,Ac
Doyle:最後は強制オールイン。記憶が定かではないが、heads up になってからフロップが開くのはこれが初めてだったのではないだろうか。そして、結果的に最初で最後のフロップとなった。すべてがうまくいったという感じ。ちなみに、私が最後に選んだ「可能な限りスティール」戦略は、期待値マイナスの戦略である。単純に言えば、単なるレイザーモードである。相手が最善を尽くせば、そして最善を尽くすためのチップ量があれば、逆に私のチップが少しずつ減るはずである。大きなトーナメントで heads up になった場合、お互いのチップ量がブラインドなど余裕の状態のときには、この戦略を使うのは自分の首を絞めることになるであろう。今回のような、チップに偏りがあり、かつ、ブラインド高額のときにしか通用しないと思う。

ふぃりぴ〜の:Garbage after GarbageだったというSoul氏の感想戦でしたが、少なくともGame #15はALL-IN(この場合ほとんどcallと等しい)すべき手だったような気がします。pot oddsは13000:5000であること、against random handであること、foldしても次回が強制all-inであることなどなどがその理由です。


ふぃりぴ〜の:まずはDoyleにCongrats!ですが、記録が最後の16Gameしかなかったというのがやはり勿体無いですね。ここまでBlidが上がると、flop以降のactionがほとんど皆無になってしまいますから。また、わずか16ゲームで、5人から優勝というのはやはり、ちょっとパラメータ設定に反省材料ありという感じが個人的にはします。10,000持ちのノーリミットであるならば、SB-BB,1,000-2,000に留めておいて、後はじっくり勝負というのが少なくとも決勝の構造としてはbetterだと思います。規定時間内に決着しない場合は、翌月に勝負の続きを持ち越すことを考えてもいいような気がします。
 最近、Straddle杯参加者のlevelがかなり底上げされて来たような感じがします。少なくとも、IRC pokerのno-limitですと、*.jpドメインプレーヤーは、皆さん結構いい成績のようですし、2000年はどんな戦いになるのでしょうか。


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