最近のVP戦略研究の成果により、シングルプレーの普通のビデオポーカーマシンについては、破産のリスクと必要資金量の間の関係(いわゆるrisk
of ruin)を厳密に算出出来ることが分かってきました。(その手法についてはここをクリック)。せっかくの機会ですので、代表的なマシンについて、リスクの計算をしていきましょう。必要資金量とは覚悟すべき最大の通算の最大のはまり額と考えても結構です。
今回比較の対象としたのは、LD15/10, All American, Jack or Bettter 9/6. 9/7,
Double Bonus 10/7, Double Bonus 10/7 with sf 80, Deuces Wildといった現実にプレー出来るマシンがラスベガス地区に存在するおいしいマシン群のみです。これに、最近人気のPick'em
pokerも比較対象に加えました。Pick'em以外はこのHP内にpay out表がありますが、Pick'emはなじみの薄い人もいると思うので、ここにルールとpay
out表をまず示しておきます。
参考.Pick'em Pokerのペイアウトとルール
Pick'em Pokerはちょっと普通のvideo pokerとルールが異なるので、nifty ラスベガスフォーラムの今週の写真back
No.を見て確認していただくとして、pay outは以下の通りです。
Royal Fllush | Straight Flush | 4 of a kind | Full House | Flush | Straiht | 3 of a kind | Two pair | High pair* | |
Pick'em poker | 1200 | 239.8** | 120 | 18 | 15 | 11 | 5 | 3 | 2 |
Pick'em poker TAX effectあり*** |
840 | 239.8** | 120 | 18 | 15 | 11 | 5 | 3 | 2 |
*High pairとはpick'emの場合9以上のペア **コイン5枚賭けに対して1199枚の配当であることが通例。従って1コインあたりだと1199/5=239.8 ***実際には$0.25以上のデノミの場合Royal Flushの配当が$1200以上となり、non-US Residentに対しては、30%の税金が源泉徴収されるため、実質的な配当は840になる。以下の計算でも、特に断りの無い限りnon-US Resident向きにRoyal 840を前提とする。 |
では、早速グラフです。横軸に、コンプを含めたキャッシュバックレート、縦軸に必要資金を取り、リスク10%の元での必要資金を示しています。即ち、グラフでしめされただけの資金があれば、90%の確率で「破産せずに」「永久に」回しつづけることが出来るという意味です。
なお、10%以外のリスクも知りたい場合は、下の早見表に従って計算して下さい。(この係数は厳密に成立する式です。理由については、ここを参照)
●リスク計算換算表
求めたいリスク | 10%リスクにしたの係数を掛ける |
50% | 0.301 |
10% | 1 |
5% | 1.301 |
1% | 2 |
0.1% | 3 |
0.01% | 4 |
●0.25$デノミの場合
●$1デノミの場合 ($1デノミなので、Pick'em以外の全ての機種についてもロイヤルの実質的配当を7割(800×0.7=560)と仮定して計算しています。 |
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●考察:一般論
このグラフを見て頂くと、キャッシュバック+コンプが大きくなればなるほど、急激にリスクが低減していくことが分かると思います。即ち、キャッシュバック0.1%の差は、「平均的な」収益に対しては0.1%でしか効いて来ませんが、あるリスクの元での必要資金量に対しては極めて重要なパラメータだということになります。
また、戦術上のエラーは例えpay out率に0.1%しかひびかなくても、リスクに対しては厳しく効いて来るということも読み取れると思います。従って、Video
Poker trainingソフトで日々練習を重ね、Accuracyを99.98%以上に高めていくことは、必ずやらなければならない作業だということになります。(と、一見思えるのですが、実はAccuracyを99.98%に高めることが必ずしも正解とは限らないこともあります。これについては3.2「最適戦略は必ずしもベストとは限らない(工事中m(_)m)をお読みください。
●考察:$0.25デノミで選ぶべき機種
まず一目で分かることは、Jack or Better 9/7の驚くほど優れた特性でしょう。全くコンプがないと考えても必要資金は$2000台、即ち3
Royal分にもなりません。、逆にLoose Deuces15/10はsuper full pay machine、即ちペイアウト率が驚異的に良いマシンなのですが、2%のコンプをもってしても、3ロイヤル近くのリスクがあります。従って、コンプ目的のビデオポーカープレーヤーはLoose
Deucesを対象からはずすべきというのは極めて明らかです。
Pick'emとJack or Better9/6については、マシンそのものはover 100%とはならないので、ある程度のコンプがみこめないと、常識的なリスクとなりませんが、Pick'emですとコンプ1%、Jack
or Betterですとコンプ1.5%以上を得られる場合には、かなりリスクは少ないと言えます。
Jack or Better9/7以外で、全てのキャッシュバック率において秀逸な特性を示しているのがAll
AmericanとDeuces Wildです。
さて、以上はキャッシュバック率が同一という条件の元でグラフを眺めた場合ですが、実際にはJack
or Better 9/7はStratosphereにしか存在しないので、Cash Back率は0.1%、またその他のコンプについてもそれほど良いofferがあるという程ではないようです。Stratoshpereのコンプをもらっても仕方ないということも考慮にいれるべきでしょう。また、Deuces
Wildについても、on stripのメジャーカジノにはほとんどないでしょう。また、あったとしてもcash
back率は低いことが通常でしょう。
即ち、上のグラフを見るにあたっては、「同一のcash back率」の条件の元で比べることは無意味であり、実際に得られるCash
Backとコンプを考慮した比較が必要であるということです。
となると、やはり最もバランスが取れているのが、All American @Las Vegas Hilton
(0.5% Cash Back+good comp)といった所でしょうか。深く追求していくと、好みの問題ということにもなるかと思います。但し、AA@LV
Hiltonは例のSpace Quest Versionなので非常に打ちにくいという欠点もあります。
●考察:$1デノミで選ぶべき機種
$1デノミの確実に存在すうるおいしい機種というのは限られてきますが、やはりDeuces
Wildは秀逸なことは間違いないです。しかし$1のDWはネバダ州全体でも、数える程しか現存してないものと思われます。となると、Pick'em
Pokerが現実的にはほとんど唯一Serious Playerのニーズに適合した機種ということになるでしょうか。Double
Bonus 10/7は0.25$デノミではPick'emとまあ互角なのですが、$1となるとTax
effectがかなり大きくなるので実はPick'emの方が圧倒的に有利だということです。Jack
or Better9/6はコンプ稼ぎで、かつそのコンプがまあまあおいしくないとリスクの点からは勝負に値しないということになります。
以上暫定版です。結果はローカルには出ているので、随時コラムとグラフを増強していきます。お楽しみに。