ひとしずく新聞
第139号 平成16年10月1日発行
医食(水)同源 =食欲の秋、水が守る食卓の安全・家族の健康=
医食(水)同源 =食欲の秋、水が守る食卓の安全・家族の健康=
グルメばやりの日本、テレビでもグルメ番組を取り上げるだけで、如実に視聴率アップにつながるほど・・・確かに何処何処の○○がとても美味しいと放送されると、翌日にはその店の前に長い行列ができることもあるそうです。
美味しいものを食べたいという人の想い、それじたい悪いことではありませんが、医食同源という本来の意味からは時代と共に遠ざかっていくようで・・・、それがあたかも私たち人間が、科学文明を発展させたことで、自然から遠ざかってしまったかのように・・・。
食は、水が基本
料理の世界では、フランス料理は”ソース”が基本、中国料理は”油”が基本、そして日本料理は”水”が基本といわれています。
これは、その国の料理の素材を生かすために、何が一番ベースとなるかを言い表したものです。
しかし、何よりもそれ以前にかんじんなことはやはり「水」ではないでしょうか。
現代の日本、東京に限らず全国どこでも、さまざまな国の料理を口にすることができます。
でも、その各国料理の調理人たちでさえもが、東京の水では料理素材の味が生きてこないと言っているとか・・・、中には浄水器を使用している店も多いそうです。
料理とは、いかに素材の味を生かすかにかかっているのに、そこに余分なにおいや臭みが加わるだけで、微妙に味が変わってしまうのです。
特に繊細な味を大切にしている日本料理の場合そこにこだわる料理人にとっては、大問題となるのです。
ご家庭でも料理上手の奥さんにとって、せっかくの美味しい食事を家族にと思っても、その味自慢の腕が十分に発揮できないこともあるのです。
料理上手は、まず「水」選びが基本だということと、大切な食卓の安全と美味しさを守る「水」をもう一度見直してみませんか。
最近の水事情
飲料水問題が取りざたされ始めたのは、今から30年以上前のことです。
日本社会が高度成長をとげ、物質的にも豊かになり、私たちはさまざまな恩恵を受けてきましたが、その反面、自然環境破壊も確実に起こっていたのです。
必然的に水環境の悪化が問題視され、その中で自己防衛手段としての、”浄水器”や”ミネラルウォーター”などが注目されてきたのです。
21世紀には言っても事情は同じ・・・
最近の飲料水に対する意識度調査の結果では、「普段、飲み水として利用しているのは市販の飲料水か、水道水か?」を聞いたところ、「水道水」と答えた割合が高かったのは、青森県と長野県で、いずれも70%以上、反対に「市販の飲料水」と答えた割合が高かったのは沖縄県の約40%、東京都と千葉県の約30%だったそうです。
次に「水道水の味」についての問いかけには、「美味しい」と答えたのは、熊本県が40%超で断然トップ、しかし全体では20%にも見たず80%以上の人が満足していないという結果が出ています。
また、水道水を利用している人でも、30〜40%が「浄水器を使う」で、30%近くが「一度沸かす」と答え、「そのまま飲んでいる」と答えた人が、30%近くいることに逆の意味で驚かされました。
その他、「水道水に求めるもの」については、『塩素(カルキ)臭さが、ないこと」が70%を超え、「有害物質(トリハロメタンなど)が、含まれていないこと」などのように、水道水の安全性を求める回答が多かったようです。
知恵を生かす
今までご紹介してきた「水」に対するさまざまな情報も、なんとなく知っているだけでは、せっかく得られた知識を生かすことにはなりません。
例えば、かなり以前からお伝えしてきていた「水道水の塩素が、ビタミン類を破壊する」というのも、野菜などが本来持っている栄養素であるビタミンや酵素が殺菌用の塩素によって相殺反応を起こし、体内に取り入れることが難しくなっているという情報でした。
当時はかなりの反響があり、「水道水で野菜を洗う時や、お米を研ぐときには注意します」とか、「これからは、浄水器を通した水で洗います」などというお答えも多くいただきました。
しかし「喉もの過ぎれば熱さを忘れる」のようにいつしか、知ってはいても実行できないということが多いようです。
今からでも遅くはありません、もう一度大切な食の基本「水」に想いを巡らせていきませんか。
「日常茶飯事」という言葉があります。
毎日の中でお茶を飲みご飯を食べることは当たり前のありふれたこと、お茶もご飯も水なくしては始まりません。
こんな言葉の中にも、自然に「水」の必要性が盛り込まれていたのは、昔の人たちの知恵にほかなりません。
ご飯を炊く・・・今ではスイッチ一つで簡単に、しかも美味しい?ご飯が出来上がる・・・と思っているだけで、本当の美味しさをどれほどの人が知っているのでしょうか。
本来、美味しいご飯を炊き上げるまでには、いくつものプロセスが大切なのです。
まず、米をとぐ作業も最初の水は手早く流してぬか臭さをなくします。
次に浸し水は、水温によって異なりますが、米の中心まで浸透するように最低30分以上は浸す。
充分に吸水できた米は、炊き始めから強火で炊飯にかかります。
つまり、米の組織全体に新しい水が含まれていると、その水を通して熱が伝導していくのです。
このことは、野菜でも同じです。
「煮物」という調理法も、野菜などが本来持っている水を、火にかけることで適当に抜きながら新しい水分(だし汁や調味料)を加えていくという水分の入れ換えによって料理を美味しくしていたのです。
このように日常茶飯に欠かせぬ「水」が安全かつ美味しいこと、そして私たちが生きていくうえでの知恵も、この食を通じて学んでいくことが大切なのだと「医食同源」という言葉が教えてくれているのです。
天地の音声
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