古民家移築再生
高崎のブティックと住まい
・・・自分で着たい服がないので自分で作る・・・
昔の着物の裂地を使って、女性物の洋服などを作っていたら、評判が良く、いつしか商いになっていました
そのお店をつくることになりましたが、自然と古民家に住みたいと望むようになりました
時間をかけて、地元の上州で民家を譲ってくれる方を探していましたが、タイミングの問題もあり、なかなか見つかりません
人づてに、宮城県で民家を譲ってもいいという話があり、実費に近い値段で分けて頂きました・・・
古民家の概要
この建物は、今から100年以上前に、木挽き(今の製材業)の人が自宅として建てたもので、5間×9間の45坪の建物である。
土台は栗で、内部は石端建て。梁や柱などはほとんど杉材である。
通常は、建物が建っているうちに実測をして情報を収集し、再生の計画を進めるのだが、この古民家は、ばらして保管されていた。
そこで、建設予定地に仮組みして実測し、柱やその他の部材は痕跡図などを作成して再生計画を立てていった。
この建物は、平屋で柱が長く、空間がとても高いので、再生にあたって新たに加える部屋は、元の空間に入れ子になるように考えた。
また、珍しいことに、柱は長方形断面が多かった。想像だが、太い柱で部屋が狭くなるのを嫌ったのだろう。
しかし、その長方形の柱の多くは曲がってしまって再利用できず、やむを得ず新規材に取り替えた。
昔から柱の形は、正方形か丸のものがほとんどだが、この物件でその理由がわかったような気がした。
東南から見た外観
屋根は板金葺とした
おだち(棟束)のある「さす」組み
作業の間から南を見る
上屋の互平の柱が見える
作業の間
差し鴨居の高さで床を張り中2階としている
天井は2階の床板で、地回り(小屋桁の水平面)の水平構面を固めるために2階床を追加した
地組みの様子
玄関を見る
木組みというより木の塊(かたまり)
この中引梁は長さ約16m
柱が無いところの「せがい」の出し梁は、木を選んで削りだしている
小屋組み全景
梁組みの様子