二人の乙女



 あの人には私が一番大事な人にはなれない
それは私が一番自覚していた、それでも私は
あの人のことを・・・

 「転生おめ〜」
今となっては転生も少なくなってきたころではあるが
それであっても、転生というのは1つの大きな事態である。
「あり〜」
転生したての女ノービスが嬉しそうに返す。
エモーションが出せないのでいくぶん手間取ってるようだ。
このノービスはプリーストとしてオーラを出してるため
ハイプリーストになるために新たな道を歩くことになってる。
「さーて、さっくりハイアコにするか」
ギルメンの1人がそういうと、皆が準備してすぐに狩場に出かけていった

 次の日
「あっ・・・」
ギルメンの女アサシンがギルド情報をみて驚いていた
ギルマスでもある女プリーストが転生していたのであった。
彼女とは互いに親友と思える関係であった、それに相違は
ないのだが、しかし女アサシンには親友を超えた感情を
ひそかに持っていたのであった・・・
 確実に2人の会話がギクシャクしだしていたのはギルメンであれば
明らかに感じ取れるものであった

 そんな関係が続いてたある日
女アサシンは女ハイアコをゲフェンで目撃してしまう、すると突然
激情に襲われてしまい、自分の感情を人目を憚らず爆発させてしまう。
「なんで、なんで転生したのよ〜」
突然女アサシンにつかまれて、大声で叫ばれた女ハイアコは
ただただ動揺していた。
「貴女がオーラになったら私と2人で色んな狩場に行こうって
言ってたから私はずっと我慢していたのに、どうして!!」
町の周りの人もすっかり彼女たちの発言に釘付けになってしまい
全員から注目をされてしまい、女ハイアコは
少しでもなだめようとしていた。
「え、ちょっと落ち着いて、それにここは人前だから・・・」
しかしすでに激情してしまっている女アサシンはまったく
なだめられそうになかった。
「何よ、人前だからって言ってそのまま逃げようとするんでしょ
私は、私は・・・」
女アサシンは泣きながら女ハイアコを揺さぶりだした。
女ハイアコは抵抗することも出来ずに親友の変わりぶり
に呆然とするしかなかった
「貴女にとって私って何なの、大事な人じゃないの?
ただのギルメンでしかないの?」
勿論大事な存在であるのは女ハイアコも同じ
だが、この変わりようでそれ以外の気持ちがあるというのを
この時初めてしることになった。
「私は・・・私は・・・・」
女アサシンはまだ激しく女ハイアコを揺さぶっていた
その時だった
「え・・・」
女アサシンがなんとゲフェンの階段を踏み外してしまい
つかんでいた女ハイアコごと階段を転がり落ちてしまった。
2人ともすでに自分がどうなってるのかわからない状態で
地面に激突する瞬間、女ハイアコは本能的に女アサシンを
かばうように体を持ち上げ、その直後・・・
ゴーン!!
ものすごい鈍い音がゲフェンの町を駆け巡っていく
女アサシンは直前に女ハイアコに持ち上げてもらって
奇跡的にも軽症ですんだのだが女ハイアコは
打ち所があまりにも悪く、頭から出血しているのがわかるほど
血が地面ににじみながら出てしまっていた。
不幸中の幸いか、先の大声で人が集まり気味だったため
すぐに救援がかけつけてくれて迅速な対応をしてくれた。
その時女アサシンは何もすることが出来なかった・・・

 「そうですか・・・」
状況を回りの人たちや治療をしたプリーストたちに教えてもらって
ある程度ギルメンたちは把握したようだ。
女アサシンは話しかけてもまったく反応をせず、もうぬけがら
になっていた。
女ハイアコの状態はリザレクションなどがきかないほどの
状態になってしまってるとのことでかなり重症である
しかしギルメンに、そして女アサシンに出来ることは
ただ見守ることだけしかなかった。

 真夜中になり、人がほとんどいなくなったころ
女アサシンは女ハイアコの所にこっそり侵入していた。
そこには生々しく頭に包帯がまかれている女ハイアコが
静かに眠っていた。
「ううっ、何で・・・何でこんなことに・・・」
やりきれない感情、自らが引き起こした事態
自分の手で大事な人を傷つけてしまったこと
全てが女アサシンを苦しめていった
ずっと女ハイアコ眠ってるベットの横ですすり泣く
女アサシンに気づいた女ハイアコが軽く彼女の頭に手をそえて
「・・・大丈夫?」
大きな声は出せず小声ではあったが静寂の中では十分聞こえる声だった
「それは・・・私のセリフです・・・よ・・・」
まだ泣きやめない女アサシンは途切れ途切れでしか発言が出来ないでいた
でも、ただひたすらに女アサシンは謝りたかった
「ごめんね私のせいで・・・ここまで大変な・・ことに」
若干言葉にならない言葉で必死の謝罪をする女アサシンに
女ハイアコは軽く女アサシンの頭をなでながら
「ううん、気にしないで・・・私も早く元気になるから貴女も
早く元気になってね。」
自分が大変にも関わらず、他の人を心配する女ハイアコ
こういう所が女アサシンをひきつけていたのかもしれない
「私が転生しちゃったことについては本当に申し訳ないと
思っているし、それに強くなって一緒に回ればいいって
思っちゃったのも事実です・・・本当にごめん」
2人とも謝罪をして、女ハイアコはさらに
「貴女の気持ちはわかりました、ですが・・・」
続きを言おうとした時女アサシンが話を切り
「いえ、わかっています、この気持ちが
行き過ぎた気持ちということも」
女アサシンは何かを察したように冷静だった
「ごめんね・・・」
女ハイアコは続けて謝っていた、冷静な女アサシンは
それを受け入れたようだ

 数日経過して女ハイアコが元気になったころ
「さあさあ、乗って乗って」
溜まり場で女ハイアコと女アサシンが話してる時に
突然現れてワープポータルを出す男プリースト
いきなりのことで驚く女アサシンだったが
女プリーストは何かを知ってるような顔で
「とりあえず乗ってみて」
と女アサシンに言い出す、半信半疑ではあったが
他ならぬ彼女がいってるからだまされてもいいという
気持ちでワープポータルに乗った。
他の二人も女アサシンが乗ったのを確認してワープポータルに乗った

 抜けた先は一年中雪が降っているルティエの教会前だった。
「何・・・突然こんな所につれてきて」
女アサシンは疑問の顔で二人を見ていた。
しかし女ハイアコは
「いいからいいから、とりあえず入って」
半ば強引とも取れるが、とにかく中に入ってもらう必要が
あったため、女ハイアコがずるずると引っ張る感じで中に入った
中にはギルメンたちが待っていた。
「結婚おめでとう」
突如ギルメンから送られる祝福、だがまったく
状況が飲み込めない女アサシンが
「え、結婚ってどういうこと?」
隣にいる女ハイアコに疑問を投げかけた。
すると軽く笑い
「完全な形では無理だけど、最大限貴女の気持ちに
答えられそうなのがこの形だったから私が提案したの。」
ルティエの教会での結婚式はこの国に結婚という制度がなかった
ころによく用いられていた結婚式の方法である。
勿論これで制度上結婚したかといえば嘘になるが
結婚というのが互いの気持ち一つというのもまた事実である。

 「さぁさぁ、中央まで一緒に」
そう女ハイアコがいうと女アサシンが無言で頷いて
二人で足取りを合わせて中央に歩いていった。
進行役も聖書を読む神父や準備までもがギルメンの手によって
行われた手作りの結婚式が進んでいった。
「おめでとう」
当然のことながらお祝いの大きい曲が流れることもなく
響くのは数人のギルメンからの祝いの言葉と拍手だけだった。
「うっ・・・ううっ・・・皆・・・」
女アサシンはつい泣き出してしまった
この前のような
嘆きの涙ではなく、皆がここまでしてくれたことの
喜び、わざわざこういう場所を用意してくれた女ハイアコ
そして、あれだけ散々迷惑かけた私をここまで祝福してくれる
周りの人たちの気持ちによる嬉し涙だった。
当然彼女自身もこの結婚式が本物とは認識していない
でも、そんなのはどうでもよかった
結婚式の形はどうあれ、気持ちは変わらないのだから。
でも、ここで泣かれても問題なので
とにかく泣きやませるように女ハイアコが話しかけた
「ほら晴れ舞台でしょ、泣き顔じゃだめだよ」
「うん・・・わかってる」
少しの間は2人が歩くことはなかった、そして
女アサシンが泣き止んで顔を上げられるようになってから
2人でバージンロードを歩き出した。
そして神父をしていた男プリーストが
「さて、外で記念写真撮りますか」
ギルメン達に呼びかけをして、皆が外に移動して
主役の2人を中心に皆が集まった。
集まったのを確認して男プリーストがカウントダウンをする
「3・・・2・・・1・・・0」
カシャッ
撮影終了後女アサシンはぼそっと呟く
「皆・・・本当にありがとう・・・」
一年中雪が降るルティエ、その雪に彼女の声はかき消されて
しまっただろう、しかし言葉は聞こえなくても
ギルメン達は彼女の気持ちをしっかりと理解していた。
そして、ギルメン達はこの雪に託した
2人が幸せになれるようにとの願いを・・・


あとがき
百合な雰囲気+多少グロっぽい表現(?)とか
何気に問題作化したかも
書き始めと終わりが変わるのはもはや定番ですが
これも例外なく変わってる感じです。
最後の終わり方が何となく微妙な感じも
思うのですが、うまくまとめきれず・・・
本文ではカットですが、女アサシンに男ハイマジが
責められるというシーンも予定しましたが
だれる可能性があったのでカットしました、ご了承ください。



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