■ 練習参加(指導日誌)Vol.2

指導チーム 当別高校ソフトボール部
本日は、平成17年2月3日。

あるきっかけから、当別高校のソフトボールの指導をした。
ソフトボールの指導は初めてで、またテレビ(オリンピック)以外で見るのも初めて。
ワクワクしながら車を走らせ、いざ当別町へ。
この日の札幌は荒れていて、現地到着まで地吹雪などで視界が悪い。
恐る恐る速度を落としながらの運転。

ソフトボールなので、今回は女子の指導となる。
まずは、監督さんと挨拶を交わした。
監督は、全国のソフトボール協会の理事をやられている福士監督。
熱血で厳しさを漂わせる監督だが、人柄が顔に出ている方。
一目見て、どのような方か理解出来た。厳しさの中に優しさのある監督。

実際に土の上での指導となった。スペースはそれほど広くないものの、十分な施設。
部員は、15名弱ってところか。
当別高校は、北海道でも「とわの森高校」と1・2を争う強豪チーム。
失礼だが、指導する前は女子だし「この位かな・・」っていう感覚だった。
しかし、彼女達を目の当たりにしてその考え方は一瞬にして吹き飛んだ。
高校野球のちょっと弱いところより、技術的には高い。間違いなく高い。
監督は言う
「普通の運動神経のそれほど良くない子供達です」と。
ウォーミングアップから見たが、かなりハード。
動きだけ見ると、監督が言う「普通の子」っていうのが垣間見れる。
しかし、バットを持った瞬間に彼女達が別人に見えた。
レベルが高い・・・。

今回は、エントモ流「頭の中」という考え方の指導ではなく、思いっきり技術指導。
投捕間の距離が短い分、起こり得るフォームになっていた。
野球で言えば、相手投手が140`を越す投手に対してよくなる「悪い打ち方」。
しかし、全員に対し動作改善をすると、ビックリするくらい短時間に順応していく。

野球とソフトボールは、部分的に考えるとほとんど共通する。
打撃に関しては、「戦略的打ち方」を考えればソフトの方が様々なやり方がある。
しかし、通常のガチンコの打ち方は一緒。エントモ理論も通用する。
面白いように全員が変わっていく。
頭で理解して、そして動ける選手は、元の打ち方に戻らない。
しかし、感覚でとらえる選手は、その時は出来ても時間が経てば戻る。
面白い傾向だ。
本日勉強したのは、最初に選手が頭で納得出来るまで色々な表現で教え、それからバットを
持って、実際にスイングする。バットを持つまでいかに双方が納得出来るか。これがカギ。
そこに時間を割くほうが、明かに効果は大きい。
今の指導は、ここに時間を費やさず技術を一生懸命するが、元に戻るのも早い。
この文章を見て、「ハッ」とする指導者もいることだろう。
イメージは思ったより大切であり、大きな武器となる。要チェックだ!

全員に対し、ひとりひとり指導し3時間はティバッティングをした。
時間が経つのが早い。あっという間だった。
その後、投手が実際に投げ捕手の指導をした。捕球からリリースまでの時間の使い方を指導。
たぶん、彼女達は初めて聞く話だったと思う。
エースらしき1年生は、ライズボール・チェンジアップ・ドロップと多彩。
正月、プロ野球の選手が、全日本女子の球を空振りする姿がよく映っているが、理由が分かった。
打席に立つと、野球より難易度は高い。無駄な動きを打者がすると「ノーチャンス」。
シンプルに、そしてコンパクトに振らなければ打てないだろう。勉強になった。
甲子園でも、150`近くを投げる選手がいるらしいので、攻略的に参考になる。
再認識だ!

指導後、彼女達のソフトにかける熱い想いを感じる。
彼女達の
「眼」を見ると一目瞭然。
終わってみると、高校野球の強豪校の指導に使う「引き出し」も開けていた。
指導前、彼女達への考え方を恥じると共に、また「是非来たい」と素直に思った。
そして、彼女達の全道制覇の瞬間も見たくなった。

彼女達の眼の輝き、たぶんこの先忘れないでしょう!