<第39回 スーパーボウル>
 2005.02.07(日本時間)
 全米一を決める決戦『スーパーボウル』
スーパーボウルは、全米の視聴率50%を超えるマンモス番組。
30秒のCM料は、
2億5千万円。額が違う・・・。
今年は第2次世界大戦後、60周年ということで、セレモニーも力が入る。
マイケルダグラスの進行で、元大統領のジョージブッシュ、クリントンなどが顔を覗かせる。
そして、現在、世界の各地で(イラク・アフガニスタンなど)で駐留している兵士を映し出す。
アメリカらしいパフォーマンス。国民が一体になる。

今年のカードは、フィラデルフィア・イーグルス VS ニューイングランド・ペイトリオッツの対決!
アメフトは、エントモのお気に入りスポーツで、毎年スーパーボウルは見逃せない。
アメフトという競技は、身体能力だけでは活躍できない。現にNFLで活躍している選手のほとんどは、
頭がキレ、心技体が揃っている選手だけが活躍できている。
プレイコールは複雑で、何百パターンがある。そしてコール後にオーディブルで変わったりする。
昔、49ersにジョーモンタナ、ジェリーライスなどのプレーヤーがいたが、その全盛期から虜。

下馬評では、ペイトリオッツが圧倒的有利。
名将ベルチック監督は、多彩な戦略を用い、「何をするか分からない・・」といわしめる戦略家。
QBのブレイディは、試合前、

「勝てば、QBとして記録になるがチームの勝利為に全力を尽くす。自分だけではなくチーム全員が、
 こういった感覚なのが、うちの強み」


と言い切った。内外から強さを認められているチームの指揮官がこれだと死角はなくなる。
一方、イーグルスは黒人のQBマグナブ。
マグナブを中心に、固いデフェンスが持ち味。
レシーバーに49ersから移籍してきた、問題児オーウェンスがいる。
実力はあるが、フィールドの外で問題を多々起こす選手・・・。
しかし、彼は昨年末に故障し、医者からは「無理」の診断だったが、高酸素治療や様々な治療を駆使し
完璧ではないものの、間に合った。イーグルスとしては、
囮でも使える状況なので大きい。

<1Q>

ペイトリオッツのQBブレイディが精彩を欠いている。リズムがつかめず思うように進めない。
イーグルスは、もらったチャンスをマグナブのインターセプトなどにより得点出来ない。
戦力的に劣るイーグルスは相手がのらないうちに、得点を重ねたいところ。
イーグルスは、攻め込むもののゴールラインを目の前にして、インターセプト2発。
0−0で終える。

<2Q>

イーグルスはパス攻撃からラン攻撃に変更。ランゲームに変えてリズムが出てくる。
オフェンスラインの頑張りでマグナブに時間を与える。そして念願の先制タッチダウン。7−0。
これで、イーグルスの流れになると思いきや、ペイトリオッツは相手のまずいパントから、
一気に実力を出してくる。そしてベルチック監督の戦略もズバズバ当たる。タッチダウン7−7。同点。
NFL史上、前半で同点で折り返すのは今大会で二回目らしい。

<3Q>

前半の状況を見て、ハーフタイムで戦略を練り直す。
パイトリオッツの最初のドライブで、あっさり14−7。ブレンディにスイッチが入る。
しかし、マグナブも負けていない。
オーウェンスに短いパスを通し、ディフェンスを引き付け、RBウェストブルッグに繋ぐ。
このドライブ最後は、そのブルッグに針の穴のタッチダウンパスを通し64Yを制す。14−14。
戦前、ペイトリオッツの大勝を予測するマスコミは多かったものの、見てる人には面白い展開。
同点に追いつかれても、ベルチックは焦らない。
綿密に練ったゲームプランを忠実に進めている感がある・・・。

<4Q>

3Q終盤に良いポジションまで進めていたペイトリオッツが、ランプレー2発でタッチダウン。
イーグルスにとっては、力のあるチームが石橋を叩いて渡る戦法をしてくるので辛いところ。21−14。
強力イーグルスディフェンスが、ペルチック監督に翻弄されている。
オフェンス陣の奮闘を見て、ペイトリオッツのディフェンスに火がつく!
点を取った後のファーストシリーズでイーグルス攻撃陣を粉砕。
かみ合ってきたペイトリオッツ死角がなくなってきた。いかに
戦術が大切なのか垣間見れる。
攻撃陣レシーバーの83番のブランチが素晴らしい活躍。
ブレンディが、最初のプレーコールを相手ディフェンスの陣形を見て、オーディブルをする。
試合に出ている司令塔の感性によって、戦略に厚みを増す。24−14と差を広げる。残り8分。
NFLの魅力は、時間との闘いもある。残りクロックとの兼ね合いで戦術も変化する。
イーグルスはオーウェンスにロングパスを通した次プレーで、マグナブが痛恨のパスミス。
インターセプト。大きすぎるインターセプト。相手守備陣のプレッシャーで視野が狭くなっている。
夢の舞台で、自分のシーズン中の活躍が出来ない。
2分切ったところで、ロングタッチダウンパス。24−21。しかし時間がない。
オンサイドキックを試みるも、失敗で終わりノーチャンス。
残り46秒で最後のチャンスをもらったが、女神は微笑まなかった・・・。

結局、自力に勝るペイトリオッツの二年連続優勝となった。
イーグルスとしては、前半、特に1Qでの足踏みが全てだった。
相手のエンジンがかからない時に、たたみかけれなかった。
少なくとも、マグナブがレギュラーシーズンの活躍をすれば、14−0で1Qを終えれた。
すると、強者であるペイトリオッツが焦る。しかし、そうできなかった。
弱者の奇襲は、試合前半で「ガツン」といけば、勝機も見出せる。残念だ。
ペイトリオッツQBブレイディは、数日前、祖母を亡くしたらしい。
おばあちゃん子だったらしく、精神的にもこのビックゲームに合わせるのは難しかっただろう。
前半は精細を欠いたものの、後半序盤の活躍は素晴らしかった。
野球とは違う競技ではあったが、学ぶものは多かった。

もう、来年の試合が楽しみだ!