2006.02.06(日本時間)
 全米一を決める決戦『スーパーボウル』
今年のカードは、戦前の予想を大きく裏切りアメリカンドリーム的なカード。
AFCのコルツを破ったスティーラーズ。絶対的に有利だったコルツを撃破!!
NFCはパンサーズがスーパーボール筆頭だったが、シーホークスが堅い守備で勝った。
今日は、スティーラーズVSシーホークス。
監督同士の戦いでもある。10年ぶりにスーパーボウルに帰ってきたビルカウアーHC。
感情を表にむき出しにする熱血的存在。年齢も若く選手にとっては兄貴的存在か。
一方、シーホークスの指揮官はホルムグレンHC。緻密で冷静で感情を表に出さない監督。

アメフトといえば、スポーツの中での横綱。心技体が秀でていないと選手として活躍できない。
何百通りのプレーコールを覚え、肉弾戦にも絶えなくてはいけない。
100キロを超える選手が、すごいスピードで走る。世界最高峰のトレーニングなのだろう。

試合が始まり、両チーム10分ほど得点が入らない。さすがディフェンスが両チーム強い。
QBもいつもの動きではない。大舞台でのプレッシャーか?パスが決まらない。
シーホークスが少しずつおしてきている。第一Qの終盤、FGで先制。3−0シーホークス。
反則で思うように得点圏に進められない両チーム。焦りから普段しない失敗を連発。

スティーラーズは攻撃が序盤壊滅的だ。ロスリスバーガーのパスが決まらない。
地道にラン攻撃を仕掛ければ良いものの、パス攻撃でリズムを掴もうとしている。失敗の連続。
確かにここまでロスリスバーガーのパスで勝ったゲームもある。
しかし、パスディフェンスの強いシーホークスには厳しい攻撃選択である。
4回目の攻撃で、初めてのファーストダウン。その後リバースで連続更新。
その連続更新時にシーホークスの守備陣が故障。その故障箇所を次プレーでつくのが普通。
変わったばかりの選手のところをつくのが上等策。けど、そこを攻めないで逆サイドを攻める。
すると、そこでインターセプト!23歳という若いQBなので、判断力が「?」である。

もらった攻撃権をシーホークスもいかせない。絶対的RBのアレクサンダーも伸びない。
ワンチャンスを生かすスティーラーズ。展開は不利だったが、ワンチャンスで敵陣5ヤードに。

近くなれば、重戦車ベティスのランプレーでねじ込む十八番プレー。
3プレーのうち、2プレーを重戦車が持ちみえみえでも持たせる。シーホークス守備陣耐える。
最後のサードダウンは、なんとそのベティスをリードブロックにしてQBが走る。
奇襲攻撃!微妙な判定。1センチ、何ミリの世界でタッチダウン。
あんなに押されていたのに前半のワンチャンスで逆転。7−3でスティーラーズ!
面白い。
普通、プレーアクションでベティスを囮に使ってパスが通常。もしくはもう一回ベティス。
それをベティスをリードブロックに使ってQBランとは・・。大学みたいな攻撃。奇策だ。

逆にシーホークスは前半残り7秒で54YのFGを外す。
攻撃の鬼ホルムグレンにしては、消化不良の内容。
しかし、その顔をみるとハーフタイムで立て直してくるだろう。
前半戦を振り返って、
「我慢」この2文字に尽きる。
力量上位のシーホークス。つめが甘い。一気にいける展開だったが・・・。
相手を知り尽くして、この試合に臨んでいる。思うように自分の流れに持ち込めないのは当然。
ここで選手は展開などは意識せずに、目の前のプレーの精度を高めていくことだ。

「展開を読むのは指揮官・スタッフ、目の前のプレーに集中するのは選手」

この鉄則を貫けたほうが、勝利するだろう。野球でも一緒。メンタルで左右される。

後半開始早々、ビックプレー!
スーバーボウル新記録の75Yラッシュでタッチダウン。25歳二年目のパーカーが走った!
スティーラーズが14−3と有利に試合を進める。面白い展開だ。
シーホークスは、アレクサンダーのランが出てきた。50Yのフィールドゴールを狙うも失敗。
ドームで風に左右されない環境であれば50Yは問題ない距離。でも1M横に外す。
流れがスティーラーズに大きく傾く。実力上位のシーホークスは焦りが出てきた。
パスを受ける選手達が、考えられない凡ミスを多発。心の動きが手にとって分かる。
86番ウォードがミラクルキャッチ連続、重戦車もそれによってマークが分散。
スティーラーズが一転、圧倒的に有利になってきた。前半我慢して後半爆発してきた。
守備から攻撃のリズムを取り戻していく。駒苫の野球みたいだ。

動いた!

スティーラーズが敵陣15Y。絶対的な得点圏で、な、なんとパスミス!インターセプト!
逆にシーホークスが敵陣20Yまで盛り返す。その後、数プレーでタッチダウン。14−10。
一気に傾けかけた流れを、守備からイーブンに戻した。でもパスミスは大きい・・・。

この試合、流れが右に左に動きまくる。
シーホークスのQBがこのポストシーズンに入って初めてのインターセプト。まじ?
ここでスペシャルプレー。WRがパスを投げる奇策。86番ウォードにタッチダウンパス!
21−10残り8分。点数が離れれば、アレクサンダーのランでいけなくなる。
チーム持ち味のジワジワ・ドカンができなくなる。パスに頼ると難しい・・・。
QBハシェルベックの視野が狭い。前半のゲームプランでアレクサンダーを使えなかった・・。
逆に言えば、アレクサンダーを完璧に抑えたスティーラーズが素晴らしい。
事前準備の段階で相手を上回ったということだろう。
シーホークスとしては、ゲームプランというより選手個人の凡ミスが想定外。

コルツ・ブロンコスを破ってアメリカンドリームを達成。
鉄のカーテンといわれたスティーラーズが悲願の制覇。ビルカウアーHCの笑顔が印象的。
1979年ぶりの制覇。10年前はダラスに負けていた・・・

学ぶべきことが多かった今年のスーパーボウル。来年もまた世界的イベントをみよう!