駒苫新聞
(完成度は高い!)
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<平成18年4月27日>
4月15日。あるメールがパソコンに。野球少年のお母さんからのメール。
「子供が変わりました」
とのメール。野球に対する考え方・行動、普段の生活、学校での振舞いが大
きく変わったとのメール。そして「エントモさんに会いたいなぁ〜」と口ず
さんでいるという近況を話してくれた。
その少年は、二回の講演会に出席してくれていた。その後、熱血少年から葉
書をもらった。
「あの日のこうえん会から朝ごはんを食べたり、てつだいをしたり、いろい
ろなことをしました。声のかけかたはすごく勉強になりました。いっしょ
に行った人もいろいろなことにちょうせんしていると言っていました。こ
れから3月のもくひょうを立てます。今度またぜひ行きたいです。」
という葉書。小学3年生とは思えないしっかりした内容。
その少年のお母さんのメールを見た瞬間に「こちらから伺おう」と即決。
自分が小学3年生の時は、どうだっただろう?と考える。
野球が好きな少年だったことは共通しているが、それ以外に関しては全く違
うような気がする。「感謝する気持ち」「考える力」は数段及ばない。
当日朝、タイヤ交換を済まし一年に数回しかしない洗車をした。
札幌から登別まで、高速道路を使えば1時間半〜2時間、一般道路なら3時
間ちょいという距離に登別は位置している。登別といえば「温泉」「熊牧場
」などが有名だ。
車を走らせ、約束の時間に迫ってきた。初めて行く場所だったので迷った。
登別は横に長い町になっている。白老側から室蘭側まで結構長い。白老側と
勘違いしていたので、「なかなか目印がこないなぁ」と心配しながら走行。
結局室蘭側の登別だった。ああ勘違い(笑)
数分迷って市街地に突入。グローブを持った少年が家の前で何やらそわそわ
している。なかなか来ないので家の前で待っていてくれた。
熱血野球少年だ!
講演でも顔を合わせ覚えていたのですぐに分かった。お家に入ってしばし談
笑。「聞きたいことあるかぃ?」の問いに、用意していたであろう質問が次
々に出てきた。その問いに「絶句」・・・
会った時には小学3年生。現在は、新4年生。質問を聞いて本当に4年生?
と思った。
「セフティスクイズでの転がし方向云々・・・」
「内野を守っているんだけど、外野と内野間の飛球の処理云々・・・」
「左打者の時の守備位置云々・・・」
スライディングのコツや、スタートの時の姿勢など個別指導。バッティング
に関しても、お庭でコツを伝授。打ち方は、レベルの高い振り方をしている
。気をつけないといけないのは、体が出来ていないので「飛ばそうとしない
こと」これが重要。子供ならとにかく「結果を出したい」「飛ばしたい」が
必ず先行する。でも、この考え方で幼少期を過ごせば、悪い癖や考え方の歪
みが生じる。これが、大きくなっての「時間の浪費」を招く。癖を修正する
時間は、中学・高校の時にはロスタイムになる。高校時期には技術を磨く時
間に費やしたい。ならば、小学・中学の前半には「形」の習得が一番。でも
結果を求めすぎる指導者、結果を求める選手が多い。結果重視の積み重ねが
多いと「ただの人」で終わる可能性が多い。
選択するのは本人!
小学生や中学のチームに一生いるわけではない。いる環境の中で自分の野球
人生の計画をしっかり持ち、やっていかなければ「時間をうまく使えない」
このことに気づいている大人・子供は非常に少ない。
熱血野球少年の部屋に行ってみる。
部屋には、「駒苫新聞」が貼ってあった。駒苫優勝した後に、大きな模造紙
に色々な記事を書き込んでいた。試合の状況や感想、卒業生の進路など盛り
沢山に書かれている。駒苫の中で一番スキなのは、香田監督らしい。室蘭の
球場で監督と握手したのが忘れなれない思い出。大きくなってその夢の人に
指導されるよう頑張ってほしい。
熱血少年、講演の次の日から「エントモ日記」なるものを毎日つけていた。
それを見ると、毎日日記形式で自分が思ったことや、やったことの評価を書
き込んでいる。「書く」ということを大事にするよう講演では提案している
。それを翌日からしっかり守り通していることに頭が下がる。なかなかでき
ないことではなかろうか。
最近の日記は進化していて「感謝欄」みたいなものが存在するらしい。一日
で感謝したことを書く。もう、ここまでくると自分で変化させて素晴らしい
日記になっている。
彼は、幼少期にプロ野球のイースタンの試合を見て野球のスイッチが入った
ようだ。何か目指すもの「かっこいいなぁ」と思わせるものが野球だったに
違いない。本当に野球が好きであれば「うまくなりたい」と思う。この次に
くるのが「どうすればうまくなれるのだろう」という疑問。後者まで自分で
考えられる選手は少ない。質問のできる子は、短時間でうまくなっていく。
普段から「考える習慣」ができているからだ。野球選手で考える習慣のない
子供は、遠回りするに違いない。彼は、素質十分だ!
彼にちょっとしたプレゼントを用意して渡す。ある三枚の写真。
彼に「火をつける」ための写真。どんな写真かは公表しないが、彼の宝物に
なったに違いない。
短い時間だったが、少年と別れ、向かった先は中学校。
たまたまお父さんは、中学の野球顧問。なんというめぐり合わせ。これも何
かの「縁」。室蘭の中学生に対し「エントモ一日野球塾」を展開。ちょっと
した刺激になったと思う。監督さんも新しい野球に触れ、何かつかまれた表
情をされていた。子供たちにアドバイスをしていた時に監督さんは、後ろか
ら付いてきてくれて子供に話している内容に耳を傾けていた。様々なところ
で指導するチャンスはあるが、指導者の方々の行動は二分する。
A様・・・とにかく選手と一緒に聞こうとする方
B様・・・今日は任せましたといって距離をおいて近づいてこない方
プライドや先入観・固定観念が、行動を制限しもったいない時間を費やす。
以前、プロの方にチーム指導を受けた時に、自分は練習をしないで手帳片手
に金魚の糞みたいについて歩いた。そして一字一句聞き逃さないようにした
。チャンスはそう何度も無い。そのチャンスをつかむかどうかは自分次第。
中体連の選手に結構逸材はいるなぁ・・素直な感想。
本日の一日を振り返り、自分にとって非常に有意義な一日になった。
熱血野球少年には、もっとこれから野球を好きになって欲しい。そして自分
の夢を描き続け、その夢を家族一緒になって叶えて欲しい。
「思えば叶う」
思えば、行動し夢実現の動きを自分でしていく。人間強く思わなければ行動
に移せない。登別からプロ野球選手が数年後誕生する日を楽しみにしている
。北海道を開拓した先人、クラーク博士はこう言った。
「少年よ、大志を抱け!」
感謝を抱きつつ野球を頑張る少年のドラマが今始まっている・・・
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