平成16年7月10日 @ JR北海道 vs 室蘭シャークス





JR 鈴木投手

室蘭 五十嵐投手

室蘭 岡崎投手

JR 応援団

苦悩の室蘭ベンチ

本日は、平成16年7月10日。
札幌円山球場にて社会人都市対抗北海道予選決勝リーグ二日目、JR北海道 VS 室蘭シャークス
を観戦。一敗同士の対決で負けた方は、文句なしに権利消失。
連戦ということで、どういった投手先発をするか期待した。
JRは右腕でサイドの力投派、鈴木投手。対する室蘭は、アンダースローの五十嵐投手。
室蘭の五十嵐には驚いた!絶対的エースの左腕武田ではない・・。頭の中に「?」が交錯する。
「負けたら権利なし!」いわゆる背水の陣。どうして武田をぶつけないのか?
社会人野球では、この都市対抗に一年のすべてをぶつける。エースであれば連投覚悟で調整してくる。
大会前では、そういった連投を意識したオープン戦などもチームによっては試投するだろう。
後進に道を譲る?まだ早い。後輩に経験させるなら、都市対抗以外の大会にすべきだ!閉口。
オーダーを見ると、JRは昨日9番を打っていた藤森がこの日4番へ。若干の打順修正があった。
チームの4番を短期間勝負に入れ替えるとは、チーム事情が伺える。
「4番」という打順の位置づけを考えると、日替わりにするべきでないと個人的に思う。特に都市対抗。
一方室蘭の捕手も原から越善に。昨日の原の失態で思い切ってルーキーにしてきた。
越善は北海道尚志学園からの高卒なので、オリックスに入団した「柴田投手」を受けていたのだろう。
しかし都市対抗。経験がものをいう大会。室蘭は昔から捕手で泣いている。厳しい選択だと予想できる。
初回、JRは宮永の初球打ちから感じ取れるように、昨日とはうって変わって積極的である。
二連打で先制し、5番三家の犠飛で2点目。
室蘭バッテリーは左打者に対しての配球がお粗末。社会人レベルの打者をあの配球で抑えるのは無理。
一方、JRバッテリーは鈴木−下垣。相変わらずの配球。昨日の勝田に対しても同じような配球。
どうやら原因は捕手にあるらしい。配球など教えられるものがチームにいないのであろう。勿体無い。
彼らの配球を文字にするなら、「変化球でストライクが取れない投手の配球」、イメージできる??
試合は力不足の五十嵐をJR打線は攻めて、2回でノックアウトにした。
3回より右腕岡崎が登板。しかし、左肩が上がりすぎて制球難の特徴的なフォーム。
岡崎は近年、球が高い。その原因はフォームだ。高めに浮いて、低めは引っ掛ける。
ちょうど良いところに球が集まらない状態である。
JR7番の若竹に浮いた球を、打った瞬間のレフト2ラン本塁打。6−0。
ブルペンで武田投手が投げ始める。投げれるならなぜ先発でないのか?後の祭り。
室蘭は、ようやく5回にチャンスらしいものが来た。
先頭の5番庫田がセンター前ヒットし、1死後、代打中村が10球あまり粘った後、右中間にヒット。
その後、1死1・3塁で本日の先発捕手越善。しかしサードゴロ併殺。
結局、8−0の一方的大差でJRが勝利した。
都市対抗前は、各チーム色々な状況を想定してプランを練ってくることだろう。
もちろん、負けたときの戦いも含めてだ。今大会は、三つ巴がなく、2勝1敗で並んだ時には、
北海道の連盟もばかげている。高校生のラグビーの抽選で勝者を決めるみたいである。
時間短縮になるかもしれない。しかし一年間選手は死に物狂いで練習してきてそんな決め方が
あるのか?場所が確保出来なければ、二次予選でも野幌や広いSW球場でも良いではないか?
運営するサイドの考え方でしかないルールだ。
もっと緊迫した好ゲームを期待していたので、力が抜けた。
室蘭が負けた事によって第二試合のNTTが勝利すれば代表権獲得。
サンワードが本日勝って、明日JR・NTTが勝てば三つ巴で得失点差で決まる。
今日8−0のJRが有利。ともあれ、NTTは久々の初戦勝利で王手がかかった。
OBとして手に汗握る一戦になるだろう・・・。


平成16年7月10日 A NTT北海道 vs サンワード貿易



NTT社員の熱い応援

円山恒例のライン引き

NTT捕手 安宅

森広 - 安宅

NTTエース 森広投手

SW好打者 井上選手

SWマウンドにて・・

代表決定の瞬間

歓喜の渦

支店長胴上げ!
本日は、平成16年7月10日。
札幌円山球場にて、社会人都市対抗北海道予選決勝リーグ、NTT北海道 VS サンワード貿易を観戦。
昨日、NTTは右腕エース森広が完投。SWは絶対的エース神田が8回まで力投、その後加納が登板。
先発のコールを待った。するとNTTは当然森広。一方SWは・・・。左腕前嶋が先発だった。
「?」、NTTもなめられたもの。一次予選で18−1で勝利しているSWは余裕の都市対抗初先発の前嶋。
前嶋投手は、春の大会で活躍した実績があるというが、難しい選択・・。
4チームの総当りで行なわれる決勝リーグ。4チームの中でエースの連投をしてきたのはNTTのみ。
「都市対抗」。一筋縄で行かないのがこの大会。その怖さはSWサイドも重々感じているはず。
SWは今年勝てば5年連続での出場。連続で出場するチームの、目に見えない壁が存在する・・。
SWが先行で始まった。初回三者凡退だったが、森広が良くない。
当然昨日の疲れが残っている。調子が悪いので丁寧に投げているように見受けられる。
1回裏、NTT打線は襲いかかる。先頭の船尾が四球で出塁。舞台がそうさせているように映る。
バントで送り1死2塁。3番野々村が、サードベースに当てるタイムリー2塁打。1−0先制。
その後、山内・釜萢の連続ポテンヒットで追加点。2−0とする。
短期決戦での先制は非常に大きい。この時点ではSWは一次予選で18得点してるので焦りはない。
森広は今回の大会は一次予選のチームのふがいなさを胸に、相当の気合で望んでるはず。
2回SWは、高梨が死球で出塁したものの、当ってる沓澤が併殺。
NTTは得点した次の回を凌いだ。何でもない2回の攻撃に見えるが、NTTには大きい。
2回裏、7番先頭の小林が右中間に2塁打を放つ。ここでたまらずSW投手交代。
2番手には右サイドの大矢が抜擢。エース神田はブルペンにも行っていない。余裕か。
その後、1死1・3塁とするが、船尾が外攻めにあい三振。2死満塁としたが無得点。
前半で1点でも多く、得点しておきたいNTTにとっては嫌な流れである。
3回に1死から吉岡のサードベースに当てる2塁打が飛び出し、先ほどのNTTの攻撃とだぶる。
NTT戦に最も強い井上に打順が回る。その井上が一塁に痛烈なゴロ。ついていないSW。
ここ何年もNTTが代表を取れなかったのは、この井上選手の活躍が大きい。
森広は、悪いなりに低めに制球し根気良くアウトを重ねていく。
今までの森広は、どこか自分の速球で力勝負するところがあったが、精神的な成長が伺えた。
彼は以前、「●日に先発」と言うと、その日に上手く調整する。現役時代、俺の信用度は高かった。
5回表、SWは大きなチャンスをつかむ。先頭の岡部がライトにヒットする。沓澤は送る。
1死2塁。NTTバッテリーパスボールで1死3塁。NTT守備陣は中間守備で対応。
7番船間はその中間守備のショートに強い打球。2死3塁。続く吉岡を4ゴロ。
流れではバッテリーのミスで、踏ん張りきれない状況だったが、気持ちの切り替えが出来ていた。
中盤に差し掛かり、SW打線に焦りが見える。体が突っ込み打ちにいく状態。森広のフォークの餌食。
6回裏、捕手安宅に死球。次回に中々守備につけず森広をマウンドで待たせる。
(後日、聞いたが骨折していたらしい)
あと3回、この7・8・9回が先発投手にとっては苦しくて長く感じる。たった9人で終わるが・・・。
終盤エース神田が登板。遅い。自チームのエースが登板していれば打線も奮起する。
この展開であれば、早めに登板させるのがベスト。SWの慢心が現われる。負けたら終わりなのに。
7回裏、NTTは1死から廣濱がヒットで繋ぐ。野々村が死球、山内にチャンスで回るが併殺。
嫌な流れである。8回表、案の定1死から8番吉岡に甘いフォークをレフトにソロ本塁打。2−1。
2死から井上がヒット、野口がつなぎ、ここで代打の切り札松本(左)が打席に。
しかし、森広の渾身のフォークにセカンドゴロに倒れる。味のある勝負だった。
さあ、あと9回で決着である。NTTはここ4年間の低迷が走馬灯のように甦ったことだろう。
9回表、先頭高梨がなんとレフト線に粘って粘って2塁打を放つ。
彼の気持ちが十分に理解出来る。予選で負けるわけにはいかない。強い気持ちで望んだ打席だ。
次打者左の岡部が送ると思いきや、強攻でライトフライ。犠牲フライとする。
NTTバッテリーは引っ張らせない配球をしなければいけない場面で引っ張られ課題が残る。
その後、1死3塁で左打者の白川。和田コーチ(元プロ2軍監督)に何か一声かけられて打席へ。
何を言ったのか想像でしかないが、精神的な事ではなく、「●●を最初からいけ!」などの指示と
予測できる。後半の森広の配球を考えれば、変化球狙いで甘い球を意識しているはず。
白川は、初球フォークをファーストゴロ。明かに狙っていた。紙一重だ。
野球の神様はNTTについた。その後、主将の船間が凡打し、NTTに歓喜の輪が出来た。
近年、NTTはサンワードに押され煮え湯を飲まされてきた。
クラブチームになり、練習時間も制限されている。
冬は、勤務終了後に練習を開始し、若い選手は夜中まで練習。翌日早くに出勤。
低迷している時ほど、選手を補強し強化したいところ。しかしイメージ通りにはいかない。
社会人野球は、廃部・休部が相次いでいる。その中で日産自動車の「ゴーン社長」は、どんなに逆風
が吹いても、「野球部はつぶさない」と明言した。社員一丸となっての歓喜・感動が、企業として金銭面
だけではなく効果があるとの判断からである。
NTTも、逆風の中「苦言」を発するお偉いさんがいる。
日本の典型的な「色々な角度で物事を見れない人達」である。目先の計算でしか考えられない。
今日の社員一体になっての応援、そして皆の涙を見ると、お金で買えない感動がそこにある。
「いち抜けた」と辞める事は簡単。しかし、失うものは大きい。
苦言を発するお偉いさんには分からんだろうが。
東京ドームで野球をしたことのない選手も、NTTはいるだろう。
東京で暴れて、チームとしての「経験」とし、これから良き伝統を築いて欲しい。
最後に一言。
船尾!良かったな!!