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平成16年8月16日  駒大苫小牧 vs 日大三高

本日は、平成16年8月16日。
テレビにて、甲子園大会、駒大苫小牧 VS 日大三高のゲームを
テレビ観戦。
駒大香田監督は、前日も電話でお話したが、先発投手に迷っていた。NHKでは前日の21時に決めたとのこと。
苦悩が伺える。本日、朝、コールされたのは左腕岩田!
右8人、左1人の打線だが、左腕に対して弱い部分も見える。
PLの右腕相手に、連打で滅多打ち!相手が嫌がる投手を選択したのは、正解であろう。

マークしていたのは、1番松島君と、4番佐々木君。
両人ともに、高校レベルではない。社会人でも即通用する逸材。彼らをどう抑えるかが最大のテーマ。
初回、その松島君にいきなり、7Hされる。スライダー(SR)を内に投げきれなかった。
その後、2進させ、最初の佐々木君との対決。
糸屋捕手は、内にストレート(ST)を投げ込み、三振。
事前の準備がものをいった結果。投げた岩田投手も、しっかり腕を振って投げきれた。
1回裏、先頭桑原君に、浅香君はシュート系の球で攻める。
PL戦では、数球しか投げなかった球。左には多投してくることが、この時点で予測できた。
二番澤井君が、初球のSRをしっかり呼び込んで9方向に。アウトにはなったがエントモは微笑む・・・。
4番原田は、日大も研究している。シンカーから入る配球。それに手を出さない原田君はこの時点で勝ち。
粘った末、内のSRをライト線に、2塁打(2H)。
1塁Rの桑島君の好走塁(コーチャーはSTOPのジェスチャー)でクロスプレー・セーフ!先制タイムリー。
日大は、カットプレーで大遠投でダイレクト送球し、質の高さを思わせた。
駒大が描いた展開で、前評判で劣る駒大にとっては、最悪の展開は回避できた!

2回表、1死から後藤君にレフトフェンス直撃の3H。1本の長打でピンチを招く。
しかし、ここからが完璧。
江原君を予定通りの配球で三振、続く秦君も完璧な配球で打ち取る。予定通り!
ここで特記するのは、事前の準備通りに投げれる投手陣を誉めるべき。
相手を知って、自分の投球に心掛ける。いや、心掛けれる。
高校で、この行為が実践出来ると最初は思っていなかった。
しかし、彼らは、この2戦こなした。選手の能力以上に、意識の高さがすごいと感じる。
2回裏、ここで大きな転機を迎える。
先頭の糸屋君がDBで出塁。実は、このDBが戦前大きなポイントと見ていた。
詳しくは、次の試合もあるので明記出来ないが、この時にある程度先読み出来た・・・。
続く、林君がバントした。浅香君は、バント時のチャージが甘い。結果 FC。
0死1・2塁。岩田君がバントし、1死2・3塁。
次打者、五十嵐は初球を右中間に2点タイムリー。読みが抜群!彼の積極性が駒大を象徴している。
その後、桑原君の5ゴロを失策するなど、守備で日大は乱れている。

3回表、点を取ってもらったことによる、投手の微妙な心理が出てしまう。
9番浅香君に、0−3のカウントにしてしまう。
結果、そこから三振をとるが、バッテリーはここで意識を入れ直す必要があった。
次打者、松島君にフェンス直撃の2H。ガツンといかれた。岩田君は動揺した。
2番中山君に四球。強力打線に対し、力が劣る選手に対しては、しっかりアウトを重ねたい。
痛い四球だ。
3番千田君を右方向にフライで打ち取り、4番佐々木君を迎える。
2球で追い込み、2−0から駒大バッテリーは外に大きく外すSTを選択。
2−1とし、内STが甘く外ハイに抜けて、フェンス直撃のタイムリーを打たれる。
結果論ではないが、ここでは、最終的に内のSTで勝負するのであれば、2−0からは外のカーブで良かった。
緩急を使っての内の勝負がベスト。逆に、SR系で勝負であれば、STの外でも良かった。
外にST行って、STで勝負し、甘くなったところを痛打された。
打たれるべくして打たれた配球。
遊び球の(エサ)の使い方を一歩間違えれば、カウント有利だが、とてつもなく不利になる。
レベルの高い打者に対しては特にそうだ。
エントモなら、この時にするのは間違いなく3球勝負!もしくは、最初から勝負しない。
その後、5番山中君に、気落ちしたところの初球SRを7Hされて、タイムリー、2点目。3−2。
2死1・3塁で後藤君は四球。岩田君は、自分のスタイルを貫けなかった!残念。
しかし、糸屋君は、この2点を岩田投手で確認できたはず。

1・ 逃げると打たれる
2・ 松島君・佐々木君はいくなら内、もしくは勝負しない。

事前の準備でも、この2名に関して時間をさいた。
思ったとおりの反応をする打者。手ごわい。
ここで、岩田君をスパッと諦め、香田監督は、左腕鈴木君を送りこむ。
2死満塁で、代打の高木君(左)。
バッテリーに焦りは無かったと思う。じつは控えの彼の情報も得ていたから・・・。
見事に鈴木君は三振にとり、火消し成功。
1回戦のPLとの対決では、左打者を3番においていた。しかし、この日は左腕を予想して、6番に下げてきた。
打順のめぐり合わせで、最大のピンチに左打者が回ってきた。駒大はついている。
3回裏、先頭の原田君は、2−0と追い込まれるが、相手がそこから攻めきれない。
四球で出塁させてしまう。5番佐々木君にバント。
浅香君は最初から2封する気が見えない。駒大にとっては非常に助かるプレー。
糸屋君が、踏み込んで8H。そして林君が、初球を狙いすまして9フライで犠飛。4−2。
糸屋君の、読み通りの球を浅香君は投げてくれる。

4回、鈴木投手は、2死から1番松島君を迎える。
なんと、3球三振。すべてインコース。打ち合わせどおりだ!!
この三振の意味は大きい。
駒大からすると、内にしっかり投げれれば、プロ級の打者も抑えられることを確認。
日大は、「あの松島が・・・」との嫌なムードが立ち込める。
たかがひとつの三振だが、打ち勝とうとしていた日大のプランが大きく揺らぐ。
4回裏、1死後に桑原君が、難しいSRをライトフェンス直撃の2H。見事。左打者が浅香君を追い詰める。
牽制ミスで3進したものの、後続を浅香君が絶つ。自分のミスを帳消しにした。見事。

6回表、中断(グランド整備)で、一瞬気が抜けた絶ちあがりを凝視していた。
先頭は、後藤君。難易度の高い打者である。
そこを、糸屋君は、彼に対する秘策を忠実に実行。結果9飛に打ち取れた。
エントモは、6回の守備、特に後攻のチームの動きが中盤のポイントになると考える!しかも先頭。
うまく切り抜けた。
6回裏、先頭の鈴木君は初球をセンターに弾き返す。浅香君は入りが甘い。
その後、五十嵐君のバントにまたもや、浅香君はFC。勿体無い。
打球へのチャージ、そして普通にターンして投げれば簡単に取れるアウト。
甲子園は、普段出来るプレーを簡単にやらせてくれない。
2点ビハインドの中盤という展開もそうさせてしまう・・・。
無死1・3塁で、桑原君を5飛に討ち取る。
澤井君の時に、五十嵐君をノーマークにしてスチールを許す。
バッテリーのボーンヘッド!ここは、1塁ランナーも十分警戒し、3塁偽投など混ぜなければいけない。
1死2・3塁とし、澤井君に対し、一番スクイズがやりづらい所に投げて、失敗を誘った!
相手のミスに付けこめなかった駒大は、次に向けての課題だ。
駒大の鈴木君は、それにしても腕の振りが素晴らしい。139キロ止まりだったが、振れてる。
日大打線は、面白いように高めのSTに反応してしまう。
高めを振らないような意識をしなければ、当然高校生ではバットを止める事は不可能。
試合中、策は講じていたであろうが、選手の焦りはどうしようもなかった。
中盤以降駒大は、イメージ通りの内容の打撃。
原田君に対しては、全打席シンカーでの入りだった。しかし、それも予測できた。

8回表、日大は襲いかかる。
先頭の3番の千田君に7方向に2Hされた。アウトを計算していた打者だけに痛い。
ロングリリーフを最近していない鈴木投手にとっては、球数的にも苦しいところ。
ここで、4番佐々木君を敬遠。無死1・2塁とし5番山中君は犠牲バント。
1死2・3塁。6番、注意していた後藤君。迷わず敬遠。
1死満塁。対するは左の木君。
ここまでは計算どおり!追いこんだ後のSRを7Hタイムリー。痛い。
配球は完璧。間違いはなかった。しかし球が高かった。
満塁という場面が、低めにワンバウンド投げれなかった原因のひとつだろう。
次回は、糸屋捕手を信じ、低めにショートバウンドを投げれれば三振取れる。
1死満塁、8番秦君にスクイズを警戒していただろうが、決められてしまった。同点。
なおも、アウト取れずに1死満塁。
糸屋は冷静だった。最初の球から、「いつ仕掛けてくるか」の目で様子を伺う。
浅香君は、打撃は期待できなく、鈴木君との力関係を考えれば100%スクイズ。
ここで名将小倉監督は、2−2からスクイズ。
な、なんと駒大バッテリーは外した!三振ダブルプレー。
浅香君のスクイズの構えが早かったにしても、バッテリーは動きにびっくり。
左腕鈴木投手は、もちろん走者の動きは見えない。
最初から外したか、走者を糸屋君が見て立ち上がり、それを鈴木君が見て外したか、どちらか・・・。
これは、後程、バッテリーに確認したいと思うが、昔の日本シリーズの広島・江夏のスクイズ外しに
優るとも劣らない。しかも、実践したのはl高校生である!
8回裏、駒大は先頭糸屋君が、初球を三遊間へ。
気落ちした浅香投手への目の覚めるパンチ炸裂!注意できなかったバッテリー。
その後、バントで2進させ、粘投していた浅香君を小倉監督は諦める。
こうなれば駒大ペース。変わったばかりの左腕小田君の初球カーブを、鈴木君が自らタイムリー。
流れは駒大。1球で降板させたエースナンバー1の小田投手に代わり、予選登板のない加藤君。
9番五十嵐君が、駒大本日7個目の送りバントで2進させ、1番桑原君がタイムリー。6−4。
気落ちしたところ、澤井君は初球を右中間に3H。7−4と突き放す。
彼らの、これと決めた時の積極性。もはや、日大の打撃を越えた瞬間でもあった!

9回表、最終回にまたドラマは待っていた。
先頭1番の松島君にストレートの四球。鈴木君は限界を超えている。
2番中山君には、三遊間に内野安打を許す。
3番千田君には、渾身の外STで三振。
1死1・2塁とし、4番佐々木君とは勝負しない。あえて1死満塁。勝つためには当然である。
5番山中君を討ち取り、後一人。2死満塁。ここで嫌な後藤君。
攻め方は間違いでなかった。2−1から低めのSRで空振りを取る。
その後、糸屋君動きが早かった・・・。外一杯のSTをセンターに弾き返される。
日大打線も食い下がる。負けたら高校野球も終わる。3年間の集大成の場面である。
ここで、左の高木君に回る。2死1・3塁である。
3球目に、前打席に打たれたSRを投げる。これで勝負は決した!
最後に渾身の高めで空振り三振。
苦しんだ駒大。最後まで、追いついても逆転できなかった日大。

事前の戦力分析で、7:3で日大有利と見ていた。
ガチンコ勝負すれば、確率的に苦しい展開になると予測できた。
試合では、当事者でしか分かり得ない、様々な戦力・攻略を実践していた。
選手は、その意味を知り、自分達の流れにしていった。
まぐれではない。もう一度対戦しても、同じように近い戦いが出来るであろう。
技術だけでは勝利は決しない。
つくずくそう感じさせられたゲーム。

最後に選手を誉めよう。完璧な試合運び。
この展開以外では勝てなかったはず。
全員が自分のするべきことを実践し、それを結果に出せた。
全国でも戦える今年の駒大苫小牧。

これで満足せずに、ピンチでマウンドで皆がする「指1本」の行為。
実現できる!次戦まで時間はないが、全員で最大の努力をしよう。