ビッグエッグ(東京ドーム)
NTTは後攻!
レベルの高いNTT応援団
NTTエース森広投手
NTTセカンド廣濱(ルーキー)
王子加藤サードコーチャー
(エントモと同い年)
終盤盛り上がるNTTスタンド
1点を叩き出した松尾 |
本日は、平成16年8月31日。
都市対抗全国大会を見に東京ドームへ足を運んだ。
前日、台風がまじかに迫っており、北海道の千歳空港から羽田へ飛行機が飛ぶか微妙だった。
30日、会社での勤務終了後、最終便で東京に。ドーム近くの水道橋グランドホテルに宿泊。
思いで深いこの地。
現役時代、この大会に出てくるとこの周辺のホテルに泊まっていた。よって地理には詳しい。
ドーム横にある遊園地も様変わりした。アトラクションも増え、狭い敷地を有効に使っている。
都市対抗という大会は、「補強選手」というものがあり、その地区で優秀な選手を5名まで借りて
試合が出来る大会。補強選手の活躍がダイレクトに勝敗を左右する。
以前、NTT北海道が全国大会に進出出来なかった時に、北海道の白老と室蘭のチームに行った
ことがある。補強選手は、活躍を期待されてチームに合流するのでプレッシャーは大きい。
補強選手として他チーム行ってみないと分からない感覚・・・。
補強選手で活躍する選手と、そうでない選手ははっきりする。
ただ単に技術だけ見て補強すると、活躍出来なかったりするので面白い。
王子製紙は、以前北海道にも「王子製紙苫小牧」があり統廃合して春日井市にチームが誕生。
この日スタメンに名を連ねた、3番渡邊、5番佐藤、6番林田は苫小牧出身。
投手でも、アンダースロー藤田、左の中田などバリバリ働いている。
しかし、現役選手もさることながら、サードコーチャーの加藤コーチの存在が不気味・・・。
彼を北海道でNTTは補強したことがあるが、野球を知っている選手。
事前の準備でも、彼が先頭に立って行なっていることは明白で、選手からの信頼も厚い。
NTTは、補強選手にサンワードから、左腕神田、右腕加納、吉見捕手、野口内野手、岡部外野手
を補強。北海道にいる一番ベストの補強で臨んでいる。
この日の先発は、自前のエース森広。
王子(苫小牧の選手)は、彼が活きの良い若い頃の印象が強く、今の新生森広に驚くような気がする。
昔みたいに、ガツガツ直球で押す投球ではない。上手さが加わっている。
今のNTTの内野で特に気になるのは 「廣濱」。
東京農大網走からのルーキーで、動きを見ると質の高さが伺える。
王子の先発木谷投手はMAX138で、遅いC、落ちる球(Fかチェンジアップ)を操る。
攻略するにはそんなに難しくはないと思われる投手。
初回からNTT打線を見ていたが、全く彼に合わない。
遅い球を見逃し、ボールになる速い変化(SR、もしくはカットボール)に手を出し、最後は落ちる球で
凡打を重ねる。狙い球は何?来た球に反応しているだけ?
・・・
じっと観察していたが、工夫が全く見られない。
あの程度の投手なら、普通に2、3点取れているはず。打線が弱くても。
一方、王子の各打者の動きが、序盤から非常に気になった。
サードコーチャーの加藤コーチを凝視していたが、その振舞いは素晴らしい!
また、各打者は打席内でも森広投手が投げる球種の確認を、堂々とジェスチャーで確認。
自分達が研究・分析したものを、試合中確認している。しかも露骨に。
ここで、早くも事前準備の大きな違いに気づく。
見る人が見れば分かる両者の差・・・。
出来る出来ないではなく、準備していたかしていないかの違い。
3回表、NTTの守備。センター船尾がまずいプレーでヒットを許す。
その後が圧巻。
左中間の打球に追いつき超ファインプレー。次の打者も右中間に大飛球も好捕。
一人でまいた種を巻き取った。彼は、今回で11年連続都市対抗全国出場だが年齢を感じさせない。
5回試合は動く。
先頭の9番古屋に初球センターオーバーの2塁打。
この展開、バントと読んだ人は球場に沢山いたに違いない。
しかし、この大会は都市対抗。一癖も二癖もある野球。奇襲所も、監督は気を使う大会。
ここで来た!次打者1番林に強行。しかも初球にセンターオーバータイムリー2塁打。
以前、JR北海道が60数年ぶりに東京ドームで試合をした時に、こういった場面があった。
同点の終盤でバッテリーはバントと思い投じた「気の入っていない球」を、スタンドに放り込まれた。
投手は、バントをやらそうと思って投げる球は、「死に球」になりやすい。
そんな1球。
結果この1球に泣いた。社会人はそんなレベルの闘い。
その後、森広・山内のまずい守備もあってこの回2点献上。
この後、サンワードの神田・加納両投手の踏ん張りで、その後追加点を与えない。
神田投手を見ていたが、やはり調子はあまり良くない。たぶん本人もそう感じているはず・・。
8回、チャンスらしいチャンスがNTTに来る。この日、一人気をはいている船尾がつなぐ。
しかし、2死1・3Rと追い込むも、補強の野口が三振。
9回、NTT先頭の野々村がポテンヒット(野手がお見合い)で、2塁に。
その後、山内が粘って四球。完璧に相手投手は決めに来ている。結果、交代。
こういった9回の力みは、投手であれば誰しも経験していると思う。
でも、この考え方(決めにいく)が墓穴を掘る。勿体無い。
無死1・2塁で、補強岡部。左腕奥村に交代したが、当然打たせる。
今日、しっかりタイミングが合っていたのは、左の船尾と岡部だけ。
2球目、バッテリーは痛恨のワイルドピッチ。無死2・3塁。
岡部は中間守備の横を痛烈なゴロを打つ!セカンドダイビングキャッチ。
・・・。
3Rの野々村は走っていない。大チョンボ。
ここで、NTTのサードコーチャーと野々村はきちんと確認行為をしていたのだろうか?
「分かっているはず」は愚の骨頂。確認行為は誰がするの?
その辺の差。
その後、1死2・3塁で池本監督は松尾を代打に送る。
期待に答え、三遊間ヒット。1−2。なおも1死1・3塁。
ここで相手も動く、左腕奥村に変えて、150キロ右腕田中が登場。
代打は変わる前に告げている柿原が打席。
ここでのコメントは差し控えよう。
このまま1−2で終戦。
この日、最終回に駒大苫小牧戦士が登場していた。
代打で出場した西尾、代走で石川(昨年の甲子園、雨で流れた試合にいた選手)。
結果1−2で惜敗。の、ように得点差をみると感じる。
北海道の代表で満足するならナイスゲーム。
黒獅子旗を本気でとる気なら課題は山積み。
負けた原因を誰がどう分析するかは分からないが、その分析を怠るようなら次回はない。
足りないところはハッキリしている。果たして気づくだろうか?
王子は勝つ為に必要なことをしていた。
昨日(これを書いている日は9月7日)、都市対抗の決勝でこの王子製紙が全国優勝した。
決勝のマウンドには、元苫小牧の藤田投手も登板していた。
なにか込み上げるものがあった。胸がジーンとなる。
彼らは、それだけの連戦の準備を加藤コーチ中心にしたことだろう。いや、絶対にしている。
そういう「負けないための積み重ね」をした結果が全国制覇に繋がったことだろう。
偶然のミラクル?そんなことは絶対にない!
駒大苫小牧とだぶる。苫小牧の選手が多数在籍する王子が、全国制覇。
何かの因縁だろうか?
NTT北海道には、この先もっと頑張って欲しい。頑張れ若手達よ!
NTT北海道応援団、お疲れ様!
そして、王子製紙に素直に一言!
全国制覇おめでとう!そして加藤茂樹!うまいことやったね!
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