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平成16年9月12日  札幌第一高校 vs 札幌山の手高校


山の手 惣田監督(左)

山の手応援団!

山の手 川村投手

第一 池田投手

第一ベンチ

山の手4番 川村君

第一4番 大和田君

叱咤激励 山の手監督

山の手ショート佐藤君
(頑張れよ!エントモより)
本日は、平成16年9月12日。

札幌麻布球場にて、秋の高校野球札幌地区予選、札幌第一高校 VS 札幌山の手高校を観戦。
山の手高校は以前、グランドに行って指導した学校で、個人的にも熱が入る。
山の手は、好打者川村君を中心に、捕手村上君やショートの佐藤君に力があるチーム。
一方、第一は、若い菊池監督がチームを指揮し、毎年全道大会で好試合を繰り広げる。
過去、プロ野球にも多くの選手を輩出し、強豪校のひとつだ。

秋の大会ということで、どのチームも3年生が抜けてまだチームとして完成していない同士の闘い。
1・2年生だけの大会なので、失策やミスで大きく展開が左右する大会とも言える。
しかし、夏休みの厳しい練習に耐えてきたに違いない選手の顔は、ひきしまって凛々しい。
自信に満ち溢れている選手と、ちょっと不安が顔に出ている選手がいる。
1・2年生であれば、まだ修羅場を経験していない選手が多く、今がまさに経験である。

2回裏、山の手の4番川村君が、打った瞬間のホームランで先制。
初球ヒッティングの大切さは、講演でも話すが思い切ったスイングは見ていて気持ちが良い。
3回裏、なおも山の手は2死満塁と第一を攻めたてる。打者は4番川村君。
第一の投手池田君は、渾身のストレートで三振。見事にピンチ脱出!
直後の4回表、流れは第一に傾く。
2死1・3Rでセカンドに強襲ヒットタイムリー、2−1逆転。
その後、2死3Rからサード前に絶妙なセフティバント、3−1。

この時、山の手の桑島君は、セフティは頭になかったと思う。そんな動き。
しかし、野手はあらゆる場面で
 「想像」 し 「意識」 していないといけない。
それが敵の奇襲戦法でも、予測することが出場している選手には求められる。
それが
 「考え方」 である。
絶妙なバントであったが、予測していて前に野手がいたら、打者はそこまで完璧に出来ただろうか?
やるのはためらって、仮に強行してやったとしても結果は変わってくるかもしれない。
捕手が、その場面で野手に「セフティも頭入れておけ!」と一言かけていれば、打者はどうしたか?
やるのを諦めたかもしれない。
こういった、相手に楽にプレーさせない行為は、声や守備位置でも十分影響を与える。
その危機管理が勝つための要素のひとつと考えてもいい。
桑島君は、今回良い経験をしたので、次回に活かして欲しい。

さて、夏の大会では第一高校で1年生ながら中軸を打っていた大和田君。
今チームでは4番での出場。
この日は、フライを打ち上げてタイミングが合っていなかったが、振り方にセンスを感じる。

8回表、第一は駄目押しをする。
1死1Rでバントと見せかけて一転して強攻!エンドランで右中間を破る。5−1。
8回裏、第一の池田君は先頭打者をストレートの四球。
こういった不用意な四球は、得点に結びつく。
ここから怒涛の山の手の攻撃が始まる・・・。計4点。同点に追いつく。
同点に追いつき、なおも無死1・2R。ここから得点出来なかった。残念。

逆に9回表、山の手川村投手は先頭・次打者共に四球。
腕が振れていない。技術云々の乱れではなかった。
心の揺れから起きる乱調。そう見えた。
その後、犠牲フライで失点し、第一高校が6−5で勝利した。

この試合で感じるのは、「心の揺れ」。
両チームの投手は、点とって後に無駄な四球を出したりしてしまう。
ピンチになったら、ずるずる行ってしまう。
それは、
外から見えない心の中の話である。
見えないだけにやっかいな代物・・・。
第一の選手は、今後闘って勝っていく中で、そうった心の闘いをうまくしていって欲しい。
山の手は、来季に向けて自分達の弱い部分をどういった練習で補うか、再考するチャンス。

「心の上に技術がある」

そう感じさせてくれるゲームであった。