平成16年10月03日 北海道日本ハムファイターズ vs 西武ライオンズ
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本日は、平成16年10月03日。
自宅にて大一番をテレビ観戦。
初戦西武が勝ち、2戦目ハムが勝ち、1勝1敗で迎えた3戦目。
泣いても笑ってもこの試合が、次ステージへの関門。
負ければ、一年の苦労がここで水の泡。
北海道のチームとして活躍している、北海道日本ハムファイターズを個人的に応援する。
試合前、NTT北海道のOBの島崎一軍投手コーチを、テレビで見たくないと思う。
テレビに映る時は、決まってピンチでマウンドに足を運ぶ時。今日は見たくない。
初回、ハムは西武に襲いかかる!
小笠原の打球を失策し、1死1・2塁でセギノールがすかさず3ランホームラン。
失策後の気落ちした帆足に襲いかかる。
アマチュアの野球でも鉄則だが、プロでも一緒。
微妙な心の揺れが指先にあらわれる。
3回西武は反撃に出る。無死満塁でカブレラ。
バッテリーの配球に注目。
初球Fワンバウンドを振り1−0、2球目外STファール2−0。
3球目、高橋捕手の動きに目を疑った!
真中高めに構える。
カブレラは、構えた所に来た渾身の速球をレフトスタンド上段に打ちこむ。満塁弾!3−4逆転!!
・・・
唖然。なんという配球・・・。
結果論ではなく、どうしてダメなのか説明する。
まずは、あの球が勝負球だったのかどうか?見て判断つかなかった。
と、いうことは投げている投手も中途半端だったに違いない。
1球目のワンバウンドのFを振っていたというのがポイント。
2−0になった時点で、打者は手負いのウサギ。
なぜ一番打ちづらい球を選択しなかったのか?
高めの球を選択したのであれば(エントモは「?」であるが・・)、真中高めの選択はない。
アマチュアだったら真中高めはある。制球力のある一軍の選手に真中を選択・・。大きな疑問。
高めならインハイが正解であろう。
インコースは肘を上手くたたまないと打てない。テンパっている打者に対しては有効。
仮に、高めへの球が少々低くてもコースに行っていれば内野フライに取れる。
プロなのに真中高め・・・。
以前、現巨人軍2軍監督の高橋一三さんと話す機会があり、一軍投手と二軍投手の違いについて聞いた。
大きな差は「制球」だという。速さばかりでも通用しない。
意図したところにきちんと投げれるのが一軍投手。
この配球が、この試合を決めてしまった。後の祭。
中盤、西武の左腕帆足投手は、粘って「0」を重ねる。
よく彼を観察すると、面白いことに気づく。
彼のストレート、140弱だが、カット系の球。
右打者に対して、球半分自分の方向に食いこんでいく軌道。
スローで確認したが、意図して投げている。腕の振りが素晴らしい。
打者は打ち易そうで、中々芯を食わせられない。
小笠原に対しても、左対左に関わらず、ボールひとつインコースから、カットでベース一杯に投げ込む。
打者にすると、リリース時にはボールに見えて反応が遅れる球。打ちづらい。
右打者は、そのカットが頭にあってインコースに捕手が構えた時に、詰まりたくないという意識が先行し
早めに始動するところを、SRで「開いて」空振りをとる。
あのカットを打者に意識させるだけで、他の球種が活きてくる!
すると、その意識させる球を投げないで中盤、他の球種で勝負出来る。プロの配球だ。
これは、アマチュアにももちろん使える。
使い方さえ分かれば、バリエーションはたくさん増える!!
中盤以降、ハムは入来投手にスイッチ。
彼は自分の思ったところに制球出来ていない。
逆球が多い。多すぎる。STは140中盤。
4回裏、あっという間に1死満塁。またカブレラ。
1−1から外のボールのSRを空振り。2−1になりインハイ、ボール2−2。
外にSRを投げてボール。痛恨の2−3。
この場面、2−1から勝負が定石。なるべく早く勝負しないと投手の指先は微妙に変わる。
押し出しが見えてくると、どんなに強い精神力の投手でも、所詮人間である。
2−3にして甘く入ったSRを打ち損じのファール。
次球、SRを選択し、高橋捕手は外一杯に構える。真中に逆球。ボールの判定。
この球は、本当はストライク。入っている。ミスジャッジだ。
しかし、球審のジャッジはボール。逆球で取りづらい。文句を言ってもバッテリーが悪い。
そのカウントにしてしまったバッテリーと、逆球を投げた投手。
入っているだろうのジェスチャーが逆にむなしい・・・。押し出しで3−5致命的失点。
その後、入来は走者を出すものの、無失点で抑える。
しかし、早く入来を変えるべきだったと思う。
野手がリズムに乗れない。
相次ぐ逆球と、常にランナーを背負う展開。
勝っている展開なら、我慢もするだろうが、ハムは追いかける立場。
守備でも、そういった打撃への影響を考えて戦略するべきだったように思う。
8回、西武は右腕小野寺投手が登板。1死1Rでの登板。本塁打で同点の場面。
打者は、続けて両外人を迎える。まずはセギノール。
1・2球で130中盤のFで追い込む。勝負は見えた。
その後2球は140後半のストレート。コーナーに投げ込む。見逃し三振。
次打者は逆にSTを見せて、Fで三振。
ここで特記するのは、130中盤のキレのあるFを打者に意識させたこと。
打者は、自分のスイングを1球も出来なかった。
この意識付けは非常に大切で、エントモ講演でもふれる。
プロであろうがアマチュアであろうが、野球は野球。
9回、途中から出場の木元が起死回生の2ランホームラン。
西武の守護神豊田が打たれた。
打ったのはF(フォーク)。その打たれる前まで、キレが疑問であった。
彼のSTは140中盤から後半。
しかしFは120キロ後半。ちょっと遅い。
130前半の腕の振りとキレがあるなら空振りを取れる。芯も外せる。
その遅いFを木元にスタンドに運ばれた。腕が振れていない・・・。
8回の小野寺を見ているだけに物足りない。
9回西武は自力を見せて、和田(べんちゃん)のサヨナラ本塁打で終戦。
横山のフォークをレフトスタンドに打ち込んだ。同点に追いつかれて気落ちしなかった和田はすごい。
逆に、気持ちを入れ直すことが出来なかった横山。
両者の心の中を考えると面白い。
中日との日本シリーズ挑戦券をかけて、ダイエーと西武が闘う。
ここで、エントモが気になるのは裏方。
スコアラーの苦労が手にとって分かる。
中日は、シリーズの準備を2チーム分していることだろう。
この時期に徹底して1チーム見れないのは痛い。
ダイエーもプレーオフの闘い方を練る時に2チーム分用意しての短期決戦。
トーナメント的闘いが要求されるこのプレーオフ。
裏方が大変。
北海道移籍元年。
本当に最後まで面白い野球を見せてくれた北海道日本ハム。
観客動員も本年は結構行ったのではないか・・。
プレーオフまで進出して、最後の最後まで楽しませてくれた。
強いチームに対しては、自然に球場に足が運ぶ。
移籍元年で物珍しく球場へ行った人達を、来期また球場まで足を運ばせるかは来期の選手次第。
本当に大変なのは、来期の日本ハム!
どうか、今年以上の活躍を北海道でして欲しい!
島崎さん、来年も頑張ってね!(特に投手陣)
道新スポーツ日ハム番記者の平澤さん、お疲れさんでした!
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