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平成16年10月09日  駒大苫小牧高校 vs 知内高校


試合前から外野開放!

試合前のスタンドへの挨拶

知内 山本監督

真剣に耳を傾ける駒沢選手

知内エース 井上投手

駒沢核弾頭 辻君

途中からの登板 岡川投手

左足が開かないフォーム

あとひとつで甲子園です
本日は、平成16年10月09日。

札幌円山球場にて、秋の高校野球北海道予選、駒大苫小牧VS知内との対戦。
金曜日の円山も観客は入ったが、今日はそれを上回る
2万人弱の人達・・・。
外野は第一試合から開放していた。すごいです。

知内高校は函館地区から這い上がってきた高校。
知内といえば、NTTで現在エースで頑張っている森広投手の母校。
周囲を見渡せば、スタンドで彼も後輩の姿を見守っている。
駒大苫小牧は、ここまでスキのないゲーム運びで一戦一戦進化している。
投手も、吉岡君、松橋君、岡川君と3人を使い分ける。
大会をひとりの投手で頼らないのは、香田スタイル。
それに答えられる選手は、いかに
通常の練習をしっかりしているかが伺える。

本日の捕手は、田中君。彼は背番号10。
初戦は、背番号12の小山君。前試合の北海戦は背番号2の津島君。
3試合で、先発捕手はみな違う。
大会前、香田監督は甲子園から帰ってきてすぐの大会で、新チームへの時間が少なく、
チーム作りは、試合をしていって見極めていくとの話しがあったが、まさにその通り。
試合で選手を様々な形で起用していって、ベストの形、自分のイメージに近づける。
理屈では分かるが、選手がそれに答えて結果を出してしまうところがすごい。

初回から駒沢打線は、先頭の辻君が初球5ゴロ。積極的なスタート。
続く五十嵐君はストレートの四球。林君7H、津島君9H。
あっというまに1死満塁。知内の井上投手も、その勢いに押される。
今大会当っている本間君に押し出し四球。1−0先制。
すかさず岡山君が初球を犠牲フライ、2点目。
駒沢は甲子園でも
「積極性」が目立ったが、この試合もファーストストライクを叩く。

たぶん、知内はじゃんけんで勝って後攻を選んだと思うが、相手が強い場合、
思いきって
先攻を選ぶのも面白い。先取点を奪い、主導権をとるプラン。
相手が強いと、勝つ為の手段を考える必要がある。それが事前のゲームプラン。
初回、知内はいきなり短時間で先制されてしまい、選手は動揺しただろう。
「やっぱり強い」
この時点で、知内は自分達の野球が出来なくなるし、駒沢は自分達のペース。
1回裏、吉岡君は三振×2のスタート。

2回裏、知内は4番の中村君が鮮やかに7Hで出塁。バントで2進。
しかし、後続に1本出ないで自分達の流れに中々出来ない。
ここで、知内の井上投手のイニング間の4球の使い方に疑問が生じる。
肩慣らし程度の球を投げる。
その状態で、試合に入っての1球目を全力でベストの球を投げれるだろうか?

3回表、案の定、林君に初球ヒットされる。結果云々ではなく、きっちりとした準備は必要。
それにしても、ここにきて林君の打撃が甲子園の時「勢い」を取り戻してきた。
ヒッティングポイントも申し分ない。
140キロも打てるし、120キロの軟投派も打てる打ち方。
4番津島君が送り、本間君が死球をもらう。本間君上手いね。
続く岡山君も死球で満塁。
ここから怒涛の攻撃!
1死満塁で本日捕手の田中君が初球右中間にタイムリー、4−0。
山口君も初球タイムリー、5−0。

井上君が
平常心でマウンドに立てていない。動揺が手に取るように分かる。
非常に気持ちが分かる。
連打を食らい出すと、抑えようとしてまた力が入る。
すると、本来の出来るはずの微妙な制球が出来なくなり甘くなる。
悪い方向に流れていく悪循環・・・。
彼は、今後大きく飛躍していくのに避けては通れない道。
この現実を受け止め、そして経験し、大きくなっていく。

4回表、先頭の辻君が遅いカーブを狙い撃ち。呼び込んで左中間を破る。
五十嵐君に四球を出したところで、木村君に投手交代。
林君が、この日3本目となるヒットで出塁し、無死満塁。
怒涛の攻撃本日2回目です。
津島君、本間君のタイムリー、7−0。
セカンド失策を挟み、田中君のタイムリーなどなど。12−0。
1死1・2塁から五十嵐君に送りバント。野球もきっちりしている。
手綱さばきも万全。

16−0、5回コールドで終戦。
1時間20分程度の試合時間。その中で失敗による次戦への課題はなし。
駒沢は、消耗なく決勝へと進む。

知内は苦い経験となったが、甲子園まで手の届く位置まで来た事に違いはない。
この後が大切。悔しいだけで終わらずに、前を見て頑張って欲しい。
大きくチームが変わるきっかけは、こういった大敗から生まれることも多い。
来年の知内に注目だ!

さて、試合が終わり球場の外は、まさに修羅場。
選手を待つ観客達。3年生を追っかける同年代の子供達。
すごい人気だ。
たぶん、香田監督、茶木コーチは宿舎で選手に言っているだろう。
甲子園決勝の済美戦前夜みたいに・・・。
浮かれることなく、しっかり手綱を握りなおす。
こういう野球を続ける限り、彼らは負けないだろう。
今年の春から公式戦で彼らは負けていない。甲子園も含めてだ!
さて、土をつけるのはどの高校だろうか?

明日は、ミラクル札幌藻岩との甲子園をかけた闘い!
好試合を期待する!!