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平成17年5月16日    北海高校 VS 北海学園札幌高校

本日は、平成17年5月16日。

札幌は、徐々に桜が咲き始め、木々は桜色に染まっている。
今年は暖かくなるのが遅く、桜の咲き始めがちょっと遅れていた。桜が咲けば北海道の春。
『早く咲かないかなぁ・・・』
と強く思う日々が続いたら、かえって咲いた時に、感動は2倍になる。
「心待ちにする」「強く想う」ってことは、普段の生活でも感動のお手伝いをしてくれる。
そうに違いない。

さてこの屈指の好カード。北海は今大会の事実上のエース斎藤投手を中心に守り抜く。
北海学園札幌(旧名称は、札幌商業)は、右腕音羽投手がいる。
遅いカーブを投げ、コントロールも良い好投手。投げ合いが予測された。

2回北海の攻撃、1死2Rから、札幌バッテリーがショートバウンドを投げた隙に3進。
しかし、捕手からの送球でタッチアウト。
アウトにはなったが「積極的な走塁」は紙一重。
「あ〜あ・・・」より、チームメイトのテンションは上がる。

4回北海の攻撃。試合は動いた。
なんでもないレフトフライをレフトが捕れない。そのワンチャンスを北海は逃さない。
その後、ヒットと四球で、1死満塁の好機を作る。
カウント2−0。
打者の石村君は泳いで空振りして2−0のカウント。
次球、中途半端に甘くなった変化球をライトにタイムリーヒット。
ここで一言。
ここまで完璧だった札幌バッテリー。
見方失策から、リズムを見失っているように見えた。
無失点で切り抜けるチャンスはあった。しかし、流れに押し流された・・・。
2−0から、 
@勝負 A次球の伏線(見せ球) 、どっちなのか見て取れなかった。
周囲が後悔、バッテリー本人達も後悔したに違いない。
その心理状況が分かったのは、次のプレー。
次打者の投手ゴロを音羽君は、ジャックル。なんでもない打球だったのに。
切り替え、開き直りが上手く出来なかったに違いない。
その理由は、その前のプレーにあったに違いない。
思い描いていなく打たれた1点。
思い描いて具体的に考え、行動した結果、失敗したならあきらめはつく。
切り替え、開き直りは出来る。
野球は、心のスポーツ

しかし、さすが好投手。音羽投手は、その後立ち直る。
0を重ねる抜群の投球。特に遅いカーブの使い方がうまい。

一方、斎藤投手は、初回に142`を計測。常時130`中盤の速球。
札幌打線に隙を与えない。5回までで10以上の三振を奪っている。

6回札幌の攻撃。北海の守備が乱れる。
2死1Rで、サードがファーストに悪送球。一気にホームを落とし入れた。2−1北海。
1Rが「アウトになる」と決めつけずに、全力疾走をしたからホームまでこれた
アウトと確定するまで全力でプレーする姿勢が素晴らしい。鍛えられている。

9回、ここまで北海斎藤投手はヒット「0」。打たれていない。
ノーヒットで終わるのか?と、思いきや1死から待望の7H!!観客が沸く。
グランドでプレーしている選手より、スタンドにいる人達が意識していたみたいだ。
2死2Rとなり、三遊間に面白い打球が転がった。結果は内野安打になった・・・。
2死だし、先ほどみたいな「果敢な走塁」をすれば同点だった。
しかし、2Rが三塁ベースを回らずに得点できず、後続がたたれ終戦。

「予測」

緊迫している試合ほど、ひとつの走塁で展開は左右する。
展開を読んで、考えて冷静であればコーチャも回るように指示していたはずだし、
走者も躊躇せずにベースを回っていたに違いない。残念。
札幌は、ヒット1本で勝っていたかも。
結果論だが、北海に最後の最後、スキがあったのでそう思う。

たかが走塁、されど走塁

まさにそう思える瞬間。
結果は、斎藤投手の独壇場。17奪三振での完投。すごいの一言。
その後、決勝の札幌日大高校戦でも力投し、勝利し全道進出。
春の大会は、甲子園はかかっていない大会だが、夏に向けての課題を洗い出す大会。
どの試合も様々な「負け方」はあるだろうが、次に繋げて欲しい。
3年生はこれが最後の大会ではない。
ラストサマーに向けて、負けた瞬間から
『もう始まっている!』