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平成17年5月31日    北照高校 VS 札幌藻岩高校

本日は、平成17年5月31日。

連日の陽気で、円山球場に足を運んでいるファンにとっては有難い天候。
しかしながら本日、春先の円山に多い強風。
選手にとっては、晴天&強風、の状況はフライを追う選手にとって難しいコンディション。
しっかり頭に入れて、どの方向の風なのか?巻いていないのか?の確認は当たり前のど真ん中!

面白い一戦。

札幌藻岩高校は、昨秋、全道大会にて強豪鵡川高校を撃破し、駒苫と甲子園をかけた一戦を経験。
エース武藤君を中心に、4番捕手の宮越君が支える好チーム。
一方、北照高校は、河上監督が手綱を引き締め、4番でエースの加登脇君中心のチーム。
小柄だが、2番手で市橋君も力のある投球をする。
昨年は、打倒駒苫の筆頭に上げられるほど、タレントは揃っている。
河上監督とは、今年の2月に行なわれた、スピードトレーニングの講習(埼玉)でお会いした。
様々な要素を取り入れて、「勝つ野球」を目指して尽力している。

この観戦記の特徴は、「エントモの私見」。どんな層でも厳しくウォッチングが売り。
(前振り・・・)


先制したのは、藻岩。
2回R2塁から、Rはスタートを切りヒット。エンドランみたいな形で先制。
その後、1番の日置君が一塁ベースに当るラッキーなヒット。2点目。

その裏、北照の反撃!
1死から6番左打者の吉田君に対し、レフトが逆風&左打者というのにポジショニングに
問題があり、レフトフライを2塁打にしてしまう。
防げたヒットだ。
そのヒットを皮切りに、ライトも風の
判断ミスで連続ヒットを許す。
風・打者など、しっかり頭に入っていると
完全に取れたフライ。勿体無い。

細かいミスも目立つ。併殺で
簡単な送球ミスなどでアウトを重ねられない。
こういった小さいミスは、後半投手に「球数」というしわ寄せが必ず来る。
藻岩の武藤投手は大きなカーブが武器。
そのカーブがなかなかストライクで使えない。
北照打線は、ストレートに的を絞り、ヒットを重ねている感。

3回、北照が逆転。
ここでも、
外野のまずいプレーが2つあり、外野フライ落球もあり、3−2となる。

4回、エントモ自身、考えられない光景があった。
2死1・3塁で、北照4番の
加登脇君。加登脇君(左打者)は北海道ではプロ注目の逸材。
いかにして抑えるかが、対戦相手の最大のテーマになることだろう。
北照の1Rがスチール。
「?」
なんで走るの?左打者で、一塁をベースに付けておく意図と、2・3塁にしたら歩かされるから
動かないで、普通に打たす場面。「?」走ったら歩かされる・・・と、思った瞬間、
藻岩バッテリーが勝負!考えられない?春だから?
「?」2回目の「?」。
普通、2死だし歩かせる。リードされて尚且つ、突き放される展開になるシーン。
4回だが勝負しない場面。
勝負することの意図が見えない。
百歩譲って、勝負したとしよう。
配球に問題がある。1打席目に「入り球」で完璧に打たれている。(入り球⇒カーブ)
ここの場面は、7方向に打たれら諦める配球が上策。
なのに、意図の見えない配球で、1打席目と同じ入り球で同じようなヒット。2点タイムリー。
5−2北照リード。
ここで一言。
配球とは、どう抑えるかという理想を思い描き、そしてバリエーション豊かに攻める。
行き当たりばったり、自分本位では抑えられない。自信が過信になってはいけない。

「考える野球」


もっと取り入れて欲しい。防げる失点は山ほどある。
武藤投手は、
バント時に「ふわっと」した送球をする。
アウトのコールがかかるまで、全力でプレーするのが当たり前。
そこを怠ると、野球の神様はそっぽを向く。今後に期待だ。

一方、北照加登脇投手は、130後半のストレートを投げ込むものの、制球がイマイチ。
上体でひっかけているような気がした。
ボールが多くなると陥る精神的なもの。なりがちな投げ方になっていた。
すると、球速、制球が共に落ちる。
メンタル的な要素だけではなく、こういった時は、「こういうイメージで投げる」という
整理が必要だろう。そこの整理が夏までに完璧になると、甲子園に近づくだろう。

結局、試合の方は5−2で、北照の勝利。
ひとつひとつのプレーの甘さ、そして天候の考え方など課題は沢山見出せた。
技術的なことではなく、考え方で防げるミスがほとんどである。

「甲子園に行きたい」

どこの高校も目標にし、思っている。
しかし、具体的にどうすれば行けるか、何が大切か、を考えると近道だ。
両チーム、共に可能性的には十二分にある。
夏までの短期間に、そこに気づくかどうか・・・がポイント。

良い試合を見させてもらった。
ちょっと辛口なコメントが多かったが、これも可能性のあるチームだからこそ!
夏の両チームの成長が楽しみだ!