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平成17年7月21日   駒大苫小牧高校  VS 札幌国際情報高校


本日は、平成17年7月21日。

駒大苫小牧高校が前年全国制覇してはや1年。
昨年の感動がこの時期になると、先日のようにも思える。
2回戦の今日、勝てばベスト8となる。
苫小牧が先攻、札幌が後攻で試合開始となった。
球場を見渡せば、1万を超えるお客さんが円山に集結。関心度の高さに感服。

初回苫小牧、一番林選手が強烈な打球でショート内野安打を誘う。
二番五十嵐選手も1球で送りバントを決めてチャンスを広げる。
二死から四番本間選手が、レフトヒット。
林選手のスタートが遅れ、狭殺で得点できなかった。走塁ミスだ。
ここで、ベンチを注視すると、香田監督の「あせるな、あせるな」との動き。
そして茶木部長が歩み寄り、林君に一言二言かける。
試合中、選手への声かけをしっかりしているスタッフ。
選手とスタッフが一枚岩
になる。強さの秘訣はこういったところにもある。
仮に失敗しても「チームの雰囲気」を自在に操れれば流れは悪い方向にいかない。

初回札幌、苫小牧の吉岡投手に完璧に抑えられる。制球力抜群で安定感がある。
早速、苫小牧は流れを引き寄せる。

2回苫小牧、先頭の辻君がセンターに運ぶ。捕手の暴投で2進。
鷲谷君、林君がタイムリーを重ねる。一挙3点先制。
積極的な打線は、昨年同様変わっていない。見てて気持ちが良い。

早くも札幌は、先発の海沼投手を諦め、背番号1の山田投手に変えた。

駒大苫小牧を細かく観察すると、様々なことが見えてきた。
まず、選手の動きが他校と違うように見受けられた。

「必死感」

伝わるものがあった。細かいミス(走塁)があったにせよ、その後しっかりとり返す。
外野の守備では、右中間の打球をセンター本間君が、びっしりセカンドに送球。
シングルにしていた。

「野球をしっかりやっている」
という印象を受けた。1球への集中力・執着力は目を見張るものがある。
春の甲子園での敗戦、そして春の全道大会での1回戦負け。
その後、どういう姿勢で、そういった練習をしてきたか伺える。
目標の高さ、それを実行する強い意志、サポートするスタッフ・学校。

北海道の高校野球もここまできたか・・・

と、思われる観客も多かったに違いない。
一方、札幌国際は、投手陣の上体投げが気になった。突っ立ち投げみたいな感じ。
変化球が抜けそうな感じだった。改善の余地ありである。
この日、上位打線より6番の富山君の3安打を筆頭に下位打線に元気があった。
結果は、5−0で苫小牧の吉岡投手が完封。
両チームヒットは8本づつだった。
札幌は、強いチームと対戦し、それを後輩が見て刺激になり強くなっていくと思う。
実際に対戦して体感するのと、観戦するのでは違う。
敗戦が大きな財産になる、そんな一日だったことだろう。

今日は、駒大苫小牧のベンチワーク・振舞いに注目した。
周囲の「2年連続全国制覇」の声をいかに耳に入れないかが鍵だと思う。
強いチームが勝つとは限らないのが野球。
しかし、
春に「負け方」を知った駒大は強い・・・。