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平成17年7月24日   駒大苫小牧高校  VS 北照高校


本日は、平成17年7月24日。

2万3千人。

プロ野球でもカードによってはこんなに入らない。
高校野球の人気の高さが伺える。
また何か大きなことをやってくれそう。勇気をもらえる。だから見る。
こういった人気のある時に、しっかり
「策」をうつことが重要。
今さえ良ければOKの考え方は、時がくればお客さんの足が遠のく。
会社の経営と一緒である。

昨年は、駒大苫小牧と北海道栄の対決だった。
ロッテに入団した木興君がひっぱった栄は敗戦。
今回は、加登脇君がひっぱる北照が駒苫に挑戦。

これまでの両チームの対戦を考えると、余裕のある駒苫、投手に負担がかかってる北照。
こんな図式か・・・。
甲子園を目標にするならば、一回戦負けも決勝で敗戦も一緒。
大会前のゲームプランが大切である。大胆に大局を見れるかが鍵。

駒苫は松橋君が先発。
初回、北照の好打者1番北尾君にヒットを許す。
しかし、今日の松橋君、腕が振れていて「これは好投するな」と思わせる。
初回143キロ平均の速球を投げ込み、MAX148キロ。プロでも少ない速球。
春からの不調を克服し、マウンドに立っていることがすごい。
周囲の尽力が伺える。
先制したい北照が無死一塁で2番堀岡君が
痛恨のバントダブルプレー。
こういった細かいミスは致命的。

北照は加登脇君が先発。4連投での登板だったと思う。
さすがにどんなスタミナのある投手でも、ベストの投球は無理だ。
先頭の林君を3球三振。素晴らしい立ち上がり。
加登脇君は、春、全道優勝したが制球力に課題を残していた。
打者二人を三振で、3番岡山君に対し2−0。
三振を取りにいっているのが分かる。

「危ないな・・・」

とエントモを思わせた。
打たせて取ればすんなり終われるものの、三振取りにいくことで球数は多くなる。
結局、四球にしてしまった。
「格好良く終わりたい、スタートしたい」気持ちは良く分かる。
しかし、勝負には関係ない。
アウトはどんな取り方でもアウト
競馬でいえば、かかりすぎ、の状態。
闘志満々は当然だが、その中にも冷静さを持ちながらいかないと×!

3回、駒苫の攻撃、小山君がレフトにヒットしてバント失敗も辻君がつなぐ。
岡山君がインコースの難しい球をタイムリー。苦労人が先制した。

4回表、北照の攻撃、北尾君がヒットで出塁。今度はバントで2進。
3番西森君が「カキーン」!
ファーストの岡山君が横っ飛びでライナーを捕球。セカンドに渡り、DP。
先制のタイムリーといい、このプレーといい、今日のキーマンだ!!
ナイスプレーだが、北照の北尾君が飛び出したのはいただけない。
ライナーバックは鉄則。打った瞬間に一歩戻ってもよい。焦りが走塁にでた。
抜けてから走って帰れなくても、次打者は4番加登脇君。もったいないプレーだ。

中盤以降、駒苫は守備で魅せる。
セカンド主将の林君が、再三再四のプロ級の守備。
あのプレーは一軍のプロ級だ。セカンドベースよりの打球を好捕する。
捕るのはある程度できるかもしれない。しかしアウトにするのは至難の業!

攻撃的守備

そんなプレーがこの大舞台ででるまでに、どの位練習したのだろう。
舞台裏を考えると、自然にそのプレーに拍手が出る



5回終了、1−0駒苫リード。
松橋君は守備にも助けられ、ナイスピッチング。
加登脇君は、悪いながらも気合で抑えている様子。余裕がないように見えた。

6回、駒苫は右中間に辻君が二塁打。3番岡山君が2度バント失敗で強行した。
結果は、右中間3塁打のタイムリー。ついている、ラッキーボーイ。
加登脇投手は、追い込んで外に外す球が中に入った。
ここで配球が気になった。追い込んで即勝負出来なかったか。
この場面、安全策より奇策で攻めたほうが負けてるだけによい場面。
安全に「外に外して・・・」の球が甘くなって痛打。
エントモも現役時代、良くあった事象。バッテリーは悔やんでいるだろう。
これには打開策がある。よーは、考え方だが・・・。
(聞きたい人は講演でどうぞ!)
その後、本間君が遅い変化球を難なく犠牲フライ。3−0で駒苫。

7回、北照の攻撃。この日ひとり気を吐く北尾君が3本目のヒット。
松橋君は追い込んで高めに抜ける。この回、WPで一点返す北照。

8回、北照の攻撃、先頭の打球を林君がまたまた好捕。
その後、ヒットを打たれた後に、香田監督、田中投手へスイッチ。
打たれて失点して変える監督はたくさんいる。
しかし、
ピンチが広がる前に交代する監督は少ない。
香田監督は数少ない監督のひとりだ。
田中投手に交代し、小山捕手は初球の入りがうまかった。
投手心理をも考えた1球目。捕手のエントモには理解できる入りかた。うまい!
結局、火を消した。

この後、
ピンチの後にはチャンスあり。
駒苫は2点追加する。
守備で北照はFCやジャックルでの送球遅れなどがあった。
ちょっとした差が得点に結びつくレベルの高い闘い。好ゲームだ!

北照は植村投手が登板。二年生ながらMAX144キロ。
この投手、何が良いって速球はおいておいて
「遅いカーブ」これがすごい。
久々にカーブの良い投手を見た。100キロ前後の遅い球。
緩急で40キロある。素晴らしい投手だ!
北海道の来年の投手は、駒苫の田中君、北照の植村君、札幌日大の黒滝君が面白い。

さて、9回北照の攻撃、4点差で迎えた。
死球で出塁。その後、好打者、北尾君・堀岡君を連続三振。

あと一人

悪魔の囁き・・・
このあとひとりが難しい。再三再四、周囲があと一人を意識させる声かけをする。
これって地味に
逆効果。意識すると手元が狂う。
メンタル的にもゴールが見えた瞬間に緩むのが人間。
西森君にタイムリー、そして加登脇君に2ラン本塁打。
久々に、すごい本塁打を見た。打った瞬間に場外の本塁打。
加登脇君は、投手としてより打者としての評価が高いと思う。
上の野球で、きっと素晴らしい打者になると思う。今後に注目だ!
最後は、駒苫が5−4で優勝。甲子園決定!

駒苫は今大会、
無失策。この無失策の意味はとてつもなく大きい。
迷いのない守備、そして野球。死角が見当たらない。
点差は1点だったが、「差」をエントモは感じた。
全国を見越して組めたローテーション。
選手の必死さ、モティベーションの高さ。どれをとっても昨年並み。

甲子園では優勝候補になるだろう。
昨年優勝したからではない。単純に戦力をみてそう思う。
左投手はいないが、昨年に匹敵する投手陣。面白い。
香田監督の手腕が楽しみだ。

今年の春、練習開始の時に苫小牧に足を運んだが、
「昨年の優勝の払拭」から始まったチーム。
マスコミに対し、色々なプレッシャーをかけられ選手もつらかっただろう。
監督・学校関係者も同様だ・・・。
しかし、結果は優勝。
今回の地区優勝は全国制覇にも値するのではないか?
大きな山を越えた駒苫。
これからの道はプレッシャーがなく、本当の意味でチャレンジャーとなるであろう。
また、昨年みたいに北海道が盛り上がるよう個人的にも応援したい。

駒大苫小牧、おめでとう!