平成17年8月17日 駒大苫小牧高校 VS 鳴門工業高校
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本日は、平成17年8月17日。
難関の日本航空を撃破し、本日を迎えられた。
日本航空を見ると、駒大苫小牧が苦戦する要素が多々あった。要素である。
よって、いかに危機管理を持って臨むことが重要だったのかこの辺が駒苫の課題だったことだろう。
聖心ウルスラ学園、日本航空、二試合撃破しベスト8となった。
北海道のチームが今までは1つ勝つもの大変な年がほとんどだったのに、2勝。
昨年の快進撃、そして全国制覇で勝つのが当たり前の風潮だが、ひとつ勝つ難しさを知って欲しい。
簡単なものではないのだ。野球に絶対はない。弱者も強者に勝ったりする、それが野球。
巨人が優勝できない。あんなに個々の選手は優秀なのに・・・分かりやすい例ですね。
今日の鳴門工業。
春の甲子園で1安打完封されて以来、全国大会での左腕投手との対戦で不安はあった。
入り球の対応が、進化しているかこの試合で読み取れるはずだ!
1回戦は松橋投手が好投。2回戦は田中投手が好投。
今日の先発は、満を持して背番号1の松橋投手がマウンドに立った。
登板感覚も開いていて投手としては、逆に難しい調整となる。
昨年の横浜の涌井投手も駒苫と対戦したときに、雨で一日順延した。
その時に「連投が良かった」とも言っている。
人それぞれだが、体の調子によっては連投が好きな投手も。
鳴門工業は、前の試合の高陽東戦を偶然、甲子園で観戦していてどんなチームか予測はつく。
田中投手の低めのスライダーは天下一品。苦戦が予測される。
田中投手は、本州の強豪高校、しかも打撃抜群のチームを抑えているらしい。
見ると、あの低めのスライダーをうまい配球で打たせているのだろう。良い投手だ!
初回、鳴門の攻撃、いきなり松橋投手のストレートをヒットし、四球。
パスボールで、無死2・3塁。絶好のチャンスを広げる。続く打者にレフト前に運ばれ1点。
無死1・3塁。駒苫松橋投手、課題の立ち上がりが不安定だ。ダブルプレーにしたものの、
タイムリーをもう一発。鳴門は2点先制。
「よく2点におさまった・・・」
初回、駒苫の攻撃、1番林選手が初球カーブをライトスタンドに運ぶ。
自分の間合い、そしてスイング、待ち球がしっかりしている。素晴らしい。
先制されたすぐだったので、駒苫としては大きな得点だ。
三回、鳴門は4番上野君がライトに二塁打、続く藤君も二塁打。3−1とする。
二回以降、駒苫打線は、田中投手の低めの変化球の見極めができない。三振の山を築く。
どちらが、この展開で点を取るかが鍵になっていたが、7回表、鳴門に風が吹いた。
先頭の田中君に四球。途中から登板している駒苫田中投手に襲いかかる。
二死から3連打。3得点し、6−1、誰もが駒苫の敗戦をイメージしたに違いない。
「安心した時(勝ったと思った時)から悲劇は始まる」
7回裏、そこまで完璧に抑え込まれていた左腕田中君に、先頭の岡山君が2塁打。
果敢な走塁で3塁まで進塁。暴走と好走塁は紙一重。
ここで香田監督は積極的に動く。山口君に代わり、1年生の佐藤君を代打に。
死球でつなぐ。小山君がヒットでまず1点。6−2。ここで香田監督迷わずバント。
1死2・3塁とし林君が二塁打。頼りのなる男。6−4、まだまだ続く。
1死2塁で五十嵐君がセンターにヒット。
この辺で、鳴門左腕田中投手は我を忘れている。
打たれている原因は、球の高さ、入り球の甘さ、一杯一杯になっている。
1死1・3塁で辻君の打球はショートゴロ。野手が失策。6−5。
野手も、いつものプレーが出来なくなっている状況。こうなると駒苫ペース。
このチャンスで、本日、左腕の低めのカーブを空振りしている4番本間君。
変化球の低め2球で追い込み、2−1のカウントにした。
「変化球しかもう来ないな・・・」
と思ってたら、信じられない光景が。
ストレートがきたのだ!!お、おいしい。結果、センター前タイムリーで同点!!!
この時点で、北海道はすごい賑わいになっていることだろう。
あの配球の意図が全く分からない。そしてこの回、火をつけた岡山君が、難しい球を犠飛。
鮮やかな逆転劇!!6点とって逆転した。
この逆転の意味は大きい。同点と逆転では大違いだ!
最終回、粘る鳴門。
先頭の西林君を打ち取る。サード五十嵐君の好捕。今年の駒苫は守備でみせている!
続く、キーマンであった1番の尾崎君を三振!二番の村田君にヒットを許す。
本塁打で逆転だ・・・
3番柳田君に、インコーススライダーで追い込む。
・・・
危ない配球。シダックスの野村監督が見ていたら雷が落ちそうな配球。
最後はフォークで三振だったが、インコースのスライダーで追い込んだのだがら、
外速球で問題なかった。入り球で空振りをイメージしていた配球。危険だ。
試合後、だめだしをしたが、次戦へ大きな配球の反省となった最後の打者。
昨年につづき、3つ勝ってベスト8に進出。
誰が予想しただろう?このチームの力を知っているだけに、この成績は素晴らしい!
「諦めない心」
大逆転を生む、大きな秘訣か。そして負けたと思った後に勝つと感動も大きい。
北海道の方々は、下を向いてがっくりしたり、上を向いて抱き合ったり忙しかったに違いない。
しかし、課題はある。松橋投手の2回2/3でのノックアウトは計算外。
田中投手が、96球も投げてしまった。次戦以降のしわ寄せは必死。
負けたら次がない高校野球。当然か・・・。
この試合、たぶん、今大会の3本の指に入る好試合となるだろう。
野球って面白いね!
次は大阪桐蔭。関西圏の雄。駒苫はどう闘うか。試合が終わった時点から戦は始まっている!
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