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平成18年3月19日  キューバ vs ドミニカ共和国
        
本日は、平成18年3月20日。

テレビで昨日行われたワールドベースボールクラシックを観戦(録画)。
キューバといえば、アマチュア世界一。世界最強と言われたチーム。
一方、ドミニカはメジャーリーガーがごっそりいる。4番オルティス、コローン投手など。
下馬評は、圧倒的ドミニカ有利。
キューバは今までアマチュア対戦での大会が多かったが、今回はプロ相手。
本当の実力が試される大会になった。キューバは「地味」な印象を受けた。
際立って「化け物」がいないように感じる。

試合は、キューバが先攻で始まった。
キューバの最初の守備。ドミニカに1死1・2Rのピンチを招く。
先発のマルティは「カーブ」が異常にきれている。
よく観察するとその原動力は「腕の振り」であることに気づく。
普通の投手ならカーブ時に振りが緩くなるところだが、彼は全くそんなことはない。
そのマルティ投手、右投手ながら、このピンチに一塁に鋭いけん制!

間一髪セーフ!

暴投を投げれば、その時点で2塁走者はホームへ帰ってくる。
相当の練習を重ねていることに気づく。
一見ギャンブルプレーだが、それだけの練習をしていれば普通のプレーになる。

マルティは、ストレートも動かしたり、素直なまっすぐはほとんどない。
見た目球速はないように見えるが、相当打ちにくそうだ・・・。
投げるだけではなく、「投げる以外」もすごい。(けん制・間合い・・・)

途中の野手のプレーにも注目。
ファーストのグラブさばきもすごかった。基本である「下から上に」を忠実に守って、
しかも球に対しての目線も素晴らしい。意外にキューバは「パワー」のイメージが先行
するが、基本に忠実な「堅実さ」も垣間見れた。

打撃を観察してみよう。
ウルティアの打ち方が印象的。無駄な動きが全くない。トップの位置から一気にコンパ
クトにインパクトまで振りぬく。余計な動きが全くない。他の打者を見ても同様である
ことに気づく。キューバ選手のレベルの高さの一旦を見たような気がする。全員に共通
することは、

「シンプル」

であるということ。無駄な動きが多い選手がたくさんいる中、逆にキューバのシンプル
さが目立つ。「シンプル イズ ベスト」。その通りです!

8回まで、3−1でキューバがリード。
8回ドミニカが1死1塁でチャンス。ライト前ヒットで、ライトがジャックル。
1Rが「この打球は3塁までは行けない」との動き。自分の後ろの打球なのでコーチャ
を見ないといけない場面。目を切った。気づいた時には遅かった。この辺プレーが大き
かった。次打者のオルティスに1死1・2塁で立たせるか、1死1・3塁で立たせるか
では全然違う。

走塁は、計算できるもの。普段からの意識がしっかりしていれば、あの場面、鉄則を見
失うことはなかったに違いない。しかし、出来なかった。メジャーの選手でも出来ない
という現実。駒苫の選手なら、3塁は余裕だっただろうなぁ・・・と苦笑。

結局、この試合3−1でキューバが逃げ切る。
WBC、意外にパワーより細かいところに目がいく。
野球の最高峰として位置づけられたこの大会。世界一のプレーが見れる。
勉強するなら、点が入った云々ではなく、細かいところを凝視するべきだ。
配球も勉強になる。右投手は右打者にシュート系の球を多投する投手が目立つ。
また、フォークより「チェンジアップ」の使い手も多い。

WBC、あとは日本対キューバの決勝を残すのみ。
また沢山勉強できることに感謝!